伊藤あさひ「下剋上球児」より(C)TBSスパークル/TBS 撮影:LEN

「下剋上球児」椿谷役・伊藤あさひ、オーディション突破の裏に親友・兵頭功海の存在「ルパパト」主演から姿勢に変化も<インタビュー>

2023.11.05 06:00

俳優の鈴木亮平が主演を務めるTBS系日曜劇場『下剋上球児』(毎週日曜よる9時~)に出演している伊藤あさひ(いとう・あさひ/23)。モデルプレスのインタビューでは、オーディション秘話や、野球経験者が初心者を演じる大変さについてたっぷりと聞いた。

  

鈴木亮平主演「下剋上球児」

鈴木亮平「下剋上球児」第4話より(C)TBSスパークル/TBS 撮影:ENO
同作は、高校野球を通して、現代社会の教育や地域、家族が抱える問題やさまざまな愛を描くドリームヒューマンエンターテインメント。鈴木演じる南雲脩司は、36歳で教員になり、越山高校に赴任し野球部監督に就任。しかし2話では、南雲が教員免許を持っていないということが発覚。野球部から離れていたが、部員たちの熱い気持ちに押され夏までは見守ることに決めた。

伊藤は2017年に俳優デビューを果たし、翌2018年にスーパー戦隊シリーズ「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」(テレビ朝日系)にて主演の夜野魁利/ルパンレッド役に抜擢され一躍話題に。伊藤自身、野球の経験はあるが、今作では野球初心者の現在1年生で、後のキャプテン・椿谷真倫を演じる。

伊藤あさひ、オーディション時は兵頭功海と切磋琢磨

兵頭功海「下剋上球児」第4話より(C)TBSスパークル/TBS 撮影:ENO
― 長期間のオーディション時の心境や、受かった際の感想を教えてください。

伊藤:親友の兵頭功海くんとずっと一緒にいました。人数も多くて、すごく自信があったわけではなかったですが、自分のできる精一杯のことをやろうと挑みました。練習会や実技審査を通してみんなで一致団結して、野球を通して1つになれた感覚があり、普通のオーディションではできない経験をさせてもらえました。

― 自信が出てきたのは兵頭さんの存在も大きかったのでしょうか?

伊藤:プライベートも含めて一番仲が良いので、このオーディションを受けることも前もって話していたんです。ライバルであり、親友なので、合否が出る度に「2人とも残って良かった」「次も2人で残ろう」と言い合っていました。オーディション中は、お互いに何ができたか、できなかったかを毎回言い合って次に繋げていたので、そのようなやり取りの中からも自信が生まれてきたと思います。

― 実際に2人とも受かりましたが、本作について話したことはありますか?

伊藤:自分たちのステップアップになる作品であってほしいという思いは第一にあります。僕らだけでなくみんなも思っていると思いますが、良い作品にしたいという話はしました。僕らの代で甲子園に行けるという設定もあり、楽しい仲間も多くいる同学年の6人には特別な思いがあるので、6人だけの撮影は感慨深かったです。3年間が描かれる6人が一番成長を見せることができると思うので、「1年生のときはこうだったけど、3年生のときはどうなっているのかな」という話は頻繁にしています。

“野球部経験者”伊藤あさひ、初心者演じるため行ったこと

伊藤あさひ「下剋上球児」より(C)TBSスパークル/TBS 撮影:ENO
― 野球経験者であり、過去作でも野球部部員を演じられていますが、初心者を演じるうえで大変なことはありましたか?

伊藤:経験者の役しか演じたことがなかったので、わざと利き手ではない左打ち、左投げの動画を撮って、それを右で真似しました。初心者の子もいるので、その子たちの動きも見て参考にしています。

― 経験者の方も何人かいらっしゃいますが、団体競技経験者ならではの姿勢を感じることはありますか?

伊藤:中学1年生で野球を辞めてしまって、高校生も仕事を始めるまでしか部活をやっていなかったので、野球だけでなく、団体で動くときの雰囲気や、お互いを思いやる姿勢をみんなから学ばせてもらっていて尊敬しています。

伊藤あさひ、キャプテン役の心境

「下剋上球児」第4話より(C)TBSスパークル/TBS 撮影:LEN
― キャプテン役の心境はいかがですか?

伊藤:カメラが回ってないときに集合をかけたり、声をかけたりしてほしいとスタッフの方から伝えられています。主演だった「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」(テレビ朝日系/2017年)のときにもそういった思いはありましたが、年上の方が多い現場だったこともあり助けていただいていました。今まで現場で人を引っ張る立場になったことがない中で、お仕事の歴もかなり上の立場にいるので、みんなの心の支えになりたいと思っています。

― 初心者からキャプテンになるということで成長も楽しみです。

伊藤:僕がキャプテンになってからの撮影が始まっているのですが、かなり成長しています。椿谷なりに努力をした背景を考えて、みんなを引っ張っていけるような存在になりたいです。

― 放送が始まってからの反響を教えてください。

伊藤:野球をやっていたので、その当時のメンバーから久々に連絡が来ました。当時応援に来てくれていた母親同士でドラマの話をしてくれていることを聞くと嬉しいです。父がきっかけで野球を始めたので、父が「野球しているシーンを観られて嬉しいよ」と言ってくれたことは嬉しかったです。

伊藤あさひ、鈴木亮平から学んだこと

(左から)鈴木亮平、生瀬勝久、黒木華「下剋上球児」第4話より(C)TBSスパークル/TBS 撮影:ENO
― 鈴木さんの印象はいかがですか?

伊藤:お芝居はもちろん、すごく尊敬している俳優さんなので、初めて共演させていただけて光栄です。本当の生徒のような気持ちで接して「失礼なこと言っていないかと」と役者の先輩ということを忘れてしまうときがあるくらい先生でいてくださるので助けていただいています。アドリブや、立ち振る舞いも全部南雲先生として現場にいてくださるので、これからの俳優のお仕事に対する向き合い方や、アプローチの仕方はすごく勉強になります。例えば、感情が高ぶるシーンでも、目線をどこに向けたらどのように映るかというテクニックを使ってお芝居をされているんです。僕は感情に支配されてカメラの位置や映り方を意識できないときがあるので、自分の経験と技術を上手く取り入れている部分を尊敬しています。将来的にできるように頑張りたいです。

― 山住香南子役の黒木華さんはいかがですか?

伊藤:実際にお会いするまで静かな方という印象がありましたが、カメラが回っていないときでも一番声を出して応援してくださっています。芯のある山住先生を演じてくださるので、役としても伊藤あさひとしてもおふたりを信じて付いて行こうという気持ちです。

伊藤あさひにとっての「下剋上球児」とは

伊藤あさひ「下剋上球児」より(C)TBSスパークル/TBS 撮影:LEN
― 本作は伊藤さんにとってどのような作品になりそうですか?

伊藤:野球のシーンもあるので、「チーム」という感覚がすごくあります。役者は個人のお仕事なので、普段は現場での立ちふるまいなどあえて指摘しなくてもいいと思うようなこともあるのですが、そのようなことまでもこの現場では全てチームで動いています。本当の部活みたいに、思いを言い合って、作品を良いものにしようと動いている人たちの集まりなので、全員の心に残る作品になると確信しています。僕自身は中学、高校では野球をやっていなかったので初めての青春という気持ちです。

― 最後に、視聴者へ第4話の見どころをお願いします。

伊藤:椿谷は初心者なので、4話ではまだ活躍の場面はないですが(笑)、周りの仲間たちが時間をかけた野球シーンはすごくリアルなものになっているので、そこに注目していただきたいです。鈴木さんや小日向文世さんの大人パートも感動ですし、少しサスペンス要素も強くなります。あとは、3年生の最後の試合です!椿谷役としては成長を見せることができるところが武器だと思って演じているので、後半にかけてどう成長していくのか、どのようなキャプテンになっていくのかを楽しみにしながら最後まで楽しんでください。

― ありがとうございました。

(modelpress編集部)

伊藤あさひ(いとう・あさひ)プロフィール

2000年1月19日生まれ、東京都出身。2017年にドラマ「緊急取調室」シーズン2(テレビ朝日系)で俳優デビューすると、翌2018〜2019年の「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」では史上初の2000年代生まれの主演ということで話題を呼んだ。その後も多数の作品で経験を重ね、ドラマ「さらば、佳き日」(TX系)ドラマ「女子高生、僧になる。」(MBS)などに出演。
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