赤楚衛二が“ゾンビになるまでにしたい100のこと”とは 俳優に役立っていると感じる過去の経験も明かす<「ゾン100」インタビュー>
2023.08.03 18:00
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3日より世界独占配信中のNetflix映画『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~』で主演を務める赤楚衛二(あかそ・えいじ/29)がモデルプレスらのインタビューに応じた。笑いとスリルが交差する新感覚ゾンビ映画で持ち前のポジティブさを発揮する主人公を演じた心境から撮影エピソード、赤楚自身の「ゾンビになるまでにしたい100のこと」まで、たっぷり話を聞いた。
赤楚衛二主演「ゾン100」
Netflixシリーズ「今際の国のアリス」の麻生羽呂原作、高田康太郎作画で月刊サンデーGX(小学館)にて連載中の「ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~」を石田雄介監督がNetflix映画として実写化。笑いとスリルが交差する新感覚ゾンビ映画だ。ブラック企業に勤める天道輝(アキラ)は連日の徹夜、上司のパワハラ、理不尽な仕事に憔悴し、「死んでいるように生きる」日々を過ごしていた。ある朝、街はゾンビで溢れ、見慣れた景色はすっかり荒廃していた。それを目にしたアキラから出たのは「もう、今日から会社に行かなくてもいいんじゃね!?」という歓喜の叫びだった。
それから彼は持ち前のポジティブさを発揮し、「部屋の大掃除をする」、「べランピングをする」など、「ゾンビになるまでにしたい100のこと」をリスト化し、ひとつずつ実現していく。誰もが持っている「やろうと思えばいつでもできるから、いつかやろう」と先延ばしにしているようなささやかな夢や目標を、ゾンビからの攻撃をかわしながら叶えていくアキラ。そして、リストにある“みんなを助けるスーパーヒーローになる!”を胸に、大量のゾンビや、巨大な“サメゾンビ“との対峙も描かれる。
赤楚のほか、アキラが食料を調達するために訪れたコンビニエンスストアで出会うことになる三日月閑(シズカ)役を白石麻衣、アキラの親友ケンチョこと竜崎憲一朗役を柳俊太郎(※「柳」は正式には旧漢字)が演じる。
赤楚衛二「ゾン100」は弟からオススメされていた
― アニメ化もされて人気の作品ですが、最初に実写映画のオファーを受けたときの心境とどんな作品になると思ったか教えて下さい。赤楚:弟から「面白い漫画あるよ」とオススメされた作品で知っていたので、お話を頂いたときは「弟から教えてもらったやつだ、僕がやらせてもらえるんだ」とすごく嬉しかったです。原作を読んでハッピーな気持ちになれるエンターテインメント性が強い作品になるんだろうなということは感じていました。
― 役柄にアプローチする上でどんなことを意識されましたか?
赤楚:沢山あるんですけど、一番の根底は楽しむということです。役に関しては全シチュエーションで思いっきり楽しむというところがキーになるのと、ブラック企業で死んだ目をしていく過程などしんどいところはとことんしんどく、その間のグラデーションの調整はしつつも、楽しむところと苦しむところの差をいっぱい広げていこうと意識しました。
― 元アメフト部という設定でゾンビとのアクションシーンも迫力がありました。どんな役作りをされましたか?
赤楚:撮影が映画『チェリまほ』(『チェリまほ THE MOVIE〜30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい〜』)のクランクアップ後すぐで、『チェリまほ』の映画が終わるまでは急にスタイリッシュになっても繋がらないなというところで、体作りは撮影が終わってから取り組みました。ゾンビとの動きは基本やっつけることはなくてどう逃げるかがキーになっていくんですけど、アメフトやアクションの練習は何度かあって、アメフトの動きをアクションに取り入れるための基礎を学ぶ機会がありました。現場にはトレーナーさんも付いて下さっていたので毎日ストレッチを沢山していました。
赤楚衛二、豪華セット&完成作に驚き
― 色々な意味で脚本だけでは想像できないシーンがあったと思うんですが、撮影はいかがでしたか?赤楚:サメゾンビ戦は全く想像ができませんでした。
― 仕上がったものをご覧になって「こうなるんだ」と驚いたシーンは?
赤楚:新宿歌舞伎町のシーンはオープンセットだったので、撮影中も「すげえ!」と思っていたんですが、いざ映像で観ると本当に歌舞伎町だったので「これどうやって撮ったんだろう?」と自分でも思ってしまうぐらいびっくりしました。サメは本当に動きが想像できなかったので、映像を観て「気持ち悪っ!」と思って、びっくりすることの連続でした。ドン・キホーテのシーンも実際は倉庫なんですけどとにかくスケールが大きくて、映像で観るとさらに大きく感じて驚きました。本当にまんまドンキでしたね。
赤楚衛二、アキラは「憧れに近い」
― アキラは見ていて応援したくなるキャラクターだと思うんですが、赤楚さん自身はアキラのことをどんな人物と捉えていましたか?赤楚:憧れに近いです。やっぱり世界中がゾンビに溢れる状況で普通だったら絶望にフォーカスすると思うんですけど、楽しい方にフォーカスすることができる人は憧れますね。実際の私生活でも、楽しいことが見つからないとか、毎日が面白くないとか多分どんな人にも訪れると思うんです。そういう状況下でも物事の捉え方で日々を鮮やかにできるのは素敵だと思います。
― 自分と近いと思う部分はありましたか?
赤楚:全力で楽しむところは似ているかなと思います。
― 実際にゾンビに追いかけられてみていかがでしたか?
赤楚:めっちゃ怖いですよ(笑)。アキラは怖がっちゃダメという設定でやっているんですけど、ちょっと転んだら絶対押しつぶされたり食べられたり一瞬が命取りの状態なので、見た目も気持ち悪いですし、普通に怖かったです。撮影だから楽しめたんですけど現実世界だったら泣いて動けないと思います。
― アキラみたいに立ち向かうよりは逃げたい?
赤楚:無理です。逃げたいです。無理だったら諦めますね。ゾンビになった方が楽なんじゃないかなと思っちゃうかもしれないです(笑)。
赤楚衛二、石田雄介監督は「アキラみたいな人」
― 石田雄介監督の現場はいかがでしたか?赤楚:すごく熱くてチャーミングで本当に命を削ってやっていると思うぐらい熱量の高い監督です。クランクインする前にどういう作品にしたいかやアキラについてお話して下さったんですけど、監督自身がアキラみたいなまっすぐな人なので「この人とだったらパワフルな作品になるんだろうな」と思いました。現場でも説明するときは本当に体を使って監督自身が走りながら全キャストやゾンビ、サメの動きを全部説明してくれて、説明が終わったら息がハアハアしているんです。こんなに体力を使う方は初めて見てやっぱりそれほど映画が好きだし作品を良くしたいという気持ちが伝わって信頼できました。シチュエーションの疑問も「こうやったら面白いんじゃないか」と話し合えたし、カットごとの見せ方の意図とかも説明して下さって、客観も主観も全部一緒に寄り添ってくれたので、あの熱さは心から尊敬します。
― 監督がアキラそのものだったんですね。
赤楚:はい。悩んでいることがあってもこの人を見ていたら力をもらえるような方でした。でもプロデューサーさんも熱かったし、現場のスタッフさんはアキラだらけでした。
― 赤楚さんが実際に提案したシーンが具体的にあれば教えて下さい。
赤楚:1つ覚えているのはケンチョ(柳)を助けに行くシーンで「しっ」とやっている動作。これでゾンビが音に敏感だということを改めて説明できるんじゃないかというのと、大声でセリフを喋った後に「やべっ」と言ったのも提案しました。光だったりセッティングにすごくこだわっていた作品だったのでそこで時間ができて話し合うことができたのは大きかったです。ワンカットごとに丁寧に話し合いもできて「早く完成した作品を観たい」とずっと思っていました。
赤楚衛二、白石麻衣・柳俊太郎との撮影エピソード
― 白石さん、柳さんとの撮影エピソードを教えて下さい。赤楚:柳くんとはもう共演が3度目なので普通に喋れるんですけど、人見知りなので、白石さんにはなんて声をかけて良いか分からなかったんです。あるとき、車の中の3人のシーンの合間にずっと沈黙が続いたので白石さんが「好きな音楽、何?」とパッと話題を振って下さったんです。ラップ系の曲が好きっておっしゃったんですけど、僕も柳くんも全然分からなくて、柳くんのあげた曲を僕も知らなくて、そこからまた沈黙になっちゃって(笑)。監督とプロデューサーさんがずっとそれを耳で聞いていたみたいで、会話が終わった後に「お前なんであそこもうちょっと盛り上げないんだよ」とツッコまれました(笑)。
赤楚衛二、俳優に役立っていると感じる過去の経験「逃げずに向き合うことが大事」
― アキラは学生時代にアメフトをやっていた経験がゾンビと戦うときに役立ちますが、赤楚さんが過去にやっていたことで俳優の仕事に役立ったなと思うことは?赤楚:小学校6年間やっていた剣道です。そのおかげでちょっと根性が付いたかなと思っています。逃げずに向き合うことが大事なんだなとそこで学びました。あとはCMもやらせて頂いていますが、公文です(笑)。計算が早くなったのでスケジュールの管理とか時間の逆算をだいぶできるようになったので公文に行っていて良かったなと思っています。
赤楚衛二が考える「ゾンビになるまでにしたい100のこと」は?
― では、赤楚さんが「ゾンビになるまでにしたい100のこと」を考えるとしたら全体に入れたいことを教えて下さい。赤楚:エジプトに行ってピラミッドが見たい。北欧に行きたい。オーロラ見たい。滝行したい。ニューヨーク行ってみたい。アンコールワット見たい。マチュピチュ見たい。スカイダイビングしたい。スキューバダイビングの免許を取りたい。バイクの免許も欲しい。ハワイも行ってみたい。(ここまで一気に列挙)20代で海外に行けていなくて「ゾン100」のイベントで初めて20代で海外に行かせて頂いて色々なことが刺激的だったので、人生限られた時間しかないと考えると、行ってみたいところに行けないのは本当に後悔すると思うので、色々なところを回りたいですね。
― 日本でできることは意外とないですか?
赤楚:鳥取砂丘に行ってみたいです。あとは大分県の温泉とか、秋田県や青森県も行ったことがないので、日本でも行ってみたいところは沢山ありますね。
― アキラの「~するぐらいならゾンビになる方がマシだ!」というセリフが印象的だったんですが、赤楚さんがゾンビになる方がマシだと思うくらい嫌なことを教えて下さい。
赤楚:うーん…ないですね。ゾンビが怖いので食われても良いやと思っちゃいます(笑)。強いて言うならお皿洗い。お皿洗いだけ本当に得意じゃないです。「ご飯作った後にすぐやればいいじゃん」とよく言われるんですけど、ご飯を作った後はすぐに温かいご飯を食べたいので、モチベーションが全く起きないのがお皿洗いです(笑)。
― 食洗機は使わないんですか?
赤楚:実は頂いたんですけど、置いたままになっています(笑)。
― アキラは「ヒーローになる」という新しい夢を見つけますが、赤楚さんにとってヒーローの定義やどんな存在か教えて下さい。
赤楚:人を助けたらそれはもうヒーローですよね。行動でもそうですし、何かしら影響を与えることでもそうかなと思います。
赤楚衛二の夢を叶える秘訣
― アキラもブラック企業や上司のパワハラと戦っていますが、赤楚さんのこれまでの人生の中で「悲しみを乗り越えたエピソード」を教えてください。赤楚:沢山ありますね。例えばお仕事が決まらなかったときとか、お仕事でも上手く行かなかったときとか。今は最低限食食べていけてはいるので、良かったなと思います。
― では夢を追いかけているモデルプレス読者に向けて赤楚さんの「夢を叶える秘訣」を教えてください。2020年のインタビューでは「やっぱり準備だと思います」「人事を尽くして天命を待つ」と答えて下さっていました。
赤楚:夢がどういう夢なのかにもよると思っていて、例えば車を買うことが夢だったらそこまで逆算して道筋を立てるのが良いと思うんですけど、僕がハリウッドに行って主演をやることが夢だとしたら、叶うか叶わないか分からないところであとは御縁だなと思いますので、それこそ「人事を尽くして天命を待つ」ですけど、やることを精一杯やったら誰か見てくれているんじゃないかなと思います。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
赤楚衛二(あかそ・えいじ/29)プロフィール
1994年3月1日生まれ、愛知県出身。2017年9月にテレビ朝日系「仮面ライダービルド」に出演し、2020年、主演を務めたテレビ東京系ドラマ「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」をきっかけにブレイク。主な出演作に映画『思い、思われ、ふり、ふられ』(2020)、『妖怪大戦争 ガーディアンズ』(2021)、『決戦は日曜日』(2022)、ドラマ「彼女はキレイだった」(2021)、「SUPER RICH」(2021)、「WOWOWオリジナルドラマ ヒル」Season1(2022)、「石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー」(2022)、NHK朝の連続テレビ小説「舞いあがれ!」(2022~2023)、「風間公親-教場0-」(2023)、「ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と」(2023)など。現在、主演を務める日本テレビ系ドラマ「こっち向いてよ向井くん」が放送中。
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