北川景子が唸った松本潤のアイドルならではの視点 岡田准一に引き上げられた役作り語る<「どうする家康」インタビュー前編>
2023.08.06 20:45
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現在放送中の嵐・松本潤が主演を務めるNHK大河ドラマ「どうする家康」(総合テレビ、毎週日曜午後8時~/BSプレミアム・BS4K、毎週日曜午後6時~/BS4K、毎週日曜午後0時15分~)に出演する女優の北川景子(きたがわ・けいこ/36)が、モデルプレスら報道陣のインタビューに応じた。松本をはじめ岡田准一らとの共演で感じたこととは?<前編※一部ネタバレあり>
松本潤主演「どうする家康」
本作は希代のストーリーテラー・古沢良太氏が新たな視点で徳川家康の生涯を描いた波乱万丈のエンターテインメント作品。北川演じる市は、織田信長(岡田)の妹で、織田と徳川が盟約を結ぶのをきっかけに、徳川家康(松本)と数奇な運命をともにすることになる。近江・浅井家に嫁ぐものの、信長によって乱世の渦に巻き込まれていく。
北川景子の考える“お市像”
― 北川さんご自身はお市をどのように捉えて演じられましたか?北川:出演シーンは決して多くありませんでしたが、自分の中ですごく思い入れが強い役になりました。今回、どんなお市を演じようか、撮影が始まる前から色々考えていたんです。強くて誇り高く、岡田准一さんが演じられた織田信長に対する畏怖のようなものを抱いている。もし自分が男性であれば信長のように戦に出たいと思っているような勇ましさがありながらも、自分が女性で生まれてきたこともちゃんと理解している。自分が織田家のために戦うということはどういうことなのか、自分にできることは何なのかということを常に考えながら生きてきた人だと解釈して演じていました。ただ今回は、母親という側面もあったところが皆さんにとって親しみのあるキャラクターとして観ていただけるポイントになったのではないかと思っています。わずかな時間でもお市にも日常の幸せがあったんじゃないかと想像していました。1人の女性を演じ切ることができて今はすごくホッとしています。
松本潤&岡田准一の“凄み”
― 松本潤さん演じる家康、岡田准一さん演じる信長の魅力を教えてください。北川:松本さん演じる家康は、視聴者の方に共感してもらえるようなキャラクターになっているところが一番の魅力だと思います。天下を取った人でありながら、家臣の前で見せる人間らしさや弱々しい部分、心配性な一面を松本さんご自身も意識して表現されていたのではないかと感じました。そのおかげで、皆さんが応援したくなる、共感できる家康になっていると思います。
松本さんは共演者のことだけではなく、スタッフの動きからカメラの位置まで現場をよく見ていらっしゃって「もう少し落ち着いてやってもいいんじゃない?」と思うくらい、隅々まで現場を見てくださいます。私も「もう少しこっちに立った方が綺麗に光が当たるんじゃない?」とこっそり声を掛けていただいたことがあり、アイドルの方ならではの視点を感じました。
― 岡田さんはいかがですか?
北川:私は妹役だったので、ずっと岡田さんのことを頭の中で想像しながら演じていました。初めてお会いしたとき、台本で読んでいるよりもさらに威厳を感じるキャラクターを作ってこられていたので、「こんなかっこいいお兄さんだったら、私ももっと強そうにしなきゃ」と思い、お市を想定していたよりもさらに男勝りな雰囲気に引き上げました。そのくらい岡田さんのお芝居には、台本だけでは想像できないようなことがたくさん付け加えられていて、こんなにも役作りに深く向き合われている方なんだと驚いたことを覚えています。
私が薙刀を使うシーンでは、構え方や立ち方などについて「こういう風にした方がいいんじゃない?」と岡田さんがアドバイスをくださいました。アクションもお芝居もストイックに極めていて偉大な先輩だと思いました。
お市(北川景子)から見た家康(松本潤)&信長(岡田准一)の関係性
― 第28回の家康とお市が堺で会って話すシーンでは信長について触れていましたが、お市から見た信長と家康の関係性を教えてください。北川:あのシーンは「あなた様がこちらに来ておられると伺ったもので、そぞろ歩いていました」と始まるのですが、私としては家康に一言釘を刺しに行ったんだろうと考えています。家康の心が信長から離れつつある中、きっと兄は「いつかまた家康は自分の元に帰ってくるんじゃないか」と信じていて、そういった兄の思いに対し「どうして気づいてあげないの?」と思っていたのかなと。お市からしても、2人のすれ違いは気になっているところだと思うので、家康を治めたい一心で会いに行ったのだと解釈して演じました。
― 市は兄・信長さんを大事に思っている?
北川:「恨んでいる」とは言っていますが、きっと心の底では恨んでいないと思います。家康には兄について「あんなかわいそうな人いないでしょう?」と言っていますが、それは兄妹ならではの表現であり、家康は兄にとって親友だからこそ、「討たないでね?」「これまでの恩義を忘れてないよね?」と泣き落としのように、信長に対する気持ちを家康に伝えに行ったんだと思います。
秀吉(ムロツヨシ)へのビンタシーンを回顧
― 第19回では、ムロツヨシさん演じる秀吉にビンタするシーンもありましたが、どのような気持ちで撮影に臨みましたか?北川:そもそも顔を叩くことが好きではないですし、何より大好きなムロさんを叩きたい気持ちが全く無く困りましたが、「思いっきりやってください!」とムロさんも監督も仰ってくださったのでなんとか演じることができました。ただ、お市の気持ちを考えると、秀吉のことが苦手なのでベッタリ触りたくないかなと思い、力いっぱい叩くのではなく触れられそうになったことすら許せない忌々しさと、極力触れたくない気持ちを表すために、振り払う感覚でやりました。ハエを払うような感覚で「私とあなたは格が違うのよ」といった表現ができたらいいなと考えながら演じました。
山田裕貴は「一緒にいて落ち着く存在」
― 同作に出演している山田裕貴さんとは、Twitter上でのやりとりをよくお見かけしますが、撮影現場での交流はありましたか?北川:この作品ではないのですが、「女神の教室~リーガル青春白書~」(フジテレビ系/2023年1月期)でも共演していて1日のスケジュールもほぼ同じ動きをしていたからなのか、ずっと前から一緒にいるような感覚がありました。大変な時期を2人で一緒に過ごした中で、物事の考え方が似ているところも多かったので、一緒にいて落ち着く存在です。そんな山田くんが「ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と」(TBS系/2023年4月期)で、GP帯連続ドラマ初主演を務めることを聞いたときは本当に嬉しかったです。ドラマもすごく面白かったです。
― 一緒に過ごしてお互い分かり合えたような感覚?
北川:あまり共演者の方に深入りしないのですが、お話をする機会も多く気が合うように感じました。「突然ですが占ってもいいですか?」(フジテレビ系/毎週月曜午後11時~)に出演した際、私は「宇宙人」タイプと診断されて、山田くんに結果を伝えたら「僕もです」と言われて(笑)。宇宙人に分類される芸能人は、過去に占った方の中でも3、4人程度しかいないとお聞きしていたので、誰だろうと思っていたら山田くんだったので驚きました。
自分を俯瞰で見ているもう一人の自分がいるような冷静さがあるところも似ていると感じます。バラエティ番組などで「山田くんは天然だから話噛み合わないでしょ?」と色々な方に聞かれたのですが、私はずっと噛み合っていたんです。私の中で噛み合わなかったことは1回もなかったので「多分私もそう思われているのかな…」と思いました(笑)。プライベートでご飯に行くような関係ではありませんが、変わり者同士でシンパシーを感じたんだと思います。
★インタビュー後編では、大河ドラマ出演に抱えていた不安から、市に勇気づけられたことなど彼女の内面に迫った。(model press編集部)
北川景子(きたがわ・けいこプロフィール)
1986年8月22日生まれ、兵庫県出身。2003年にドラマ「美少女戦士セーラームーン」で女優デビュー以降、「ブザー・ビート〜崖っぷちのヒーロー〜」(フジテレビ/2009)、「スマホを落としただけなのに」(2018)、「ラーゲリより愛を込めて」(2022)など話題のドラマ・映画に続々と出演し、高い人気を得ている。「どうする家康」第31回あらすじ
お市を死に追いやった秀吉(ムロツヨシ)に、家康(松本潤)は激怒、打倒秀吉の意志を固める。だが勢いに乗る秀吉は信長の次男・信雄(浜野謙太)を安土城から追放、着々と天下人への道を進んでいた。
信雄からも助けを求められ、10万を超える秀吉軍と戦う方法を考えあぐねていた家康は、正信(松山ケンイチ)の日ノ本全土を巻き込む壮大な作戦を採用。
しかし、その策も秀吉に封じられ、大ピンチに追い込まれ…。
【Not Sponsored 記事】