中村倫也、もし結婚式を挙げるなら?「超えるものをやりたい」 “ハイ”になる瞬間も明かす<「ウェディング・ハイ」インタビュー>
2022.03.06 08:00
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モデルプレスのオリジナル企画「今月のカバーモデル」で3月のカバーモデルをつとめた俳優の中村倫也(なかむら・ともや/35)のインタビュー。結婚式を舞台にした映画「ウェディング・ハイ」(3月12日公開)で若干流されやすい性格の新郎を演じた中村に、結婚式へのイメージやタイトルにちなんで“ハイ”になる瞬間などを聞いた。
バカリズム脚本の群像コメディ「ウェディング・ハイ」
今作は芸人、タレントとしても活躍するほか、脚本家としてもその才能を発揮する笑いの鬼才・バカリズムがオリジナル脚本を手掛けた結婚式を舞台に繰り広げられる群像コメディ映画。新郎新婦のために知恵と工夫で難題を解決していく“絶対にNOと言わない敏腕ウェディング・プランナー”中越真帆(篠原涼子)に加え、新郎・石川彰人(中村)、結婚式を心待ちにする天真爛漫な新婦・新田遥(関水渚)、花嫁を奪いに式に乱入しようとする元カレ・八代裕也(岩田剛典)、披露宴会場に姿を現す謎の男・澤田紀昭(向井理)らオールスターキャストが、抱腹絶倒の波を巻き起こす。
中村倫也、流されやすい性格の新郎役は「3つ隣くらいにいるような人物」
― バカリズムさんのオリジナル脚本ということで、はじめに台本を読んだ際の感想をお聞かせください。中村:読みながら爆笑しました。改めて結婚式というイベントにはこれだけ沢山の方々が参加しているのだと、そしてそれら一人一人にカタルシスと笑いを作れるのは凄いなと尊敬します。
― 今回の役作りで特に意識したことはありますか?
中村:人に見られる表情や仕草と、内面のギャップをほんの~りと、出汁のように効かせられればと思いました。
― 彰人というキャラクターに共感できる部分はありましたか?
中村:平和主義、という切り取り方をすれば共感できるかと。あとなんだかんだ優しいやつですしね。きっと皆さんの暮らしの中でも3つ隣くらいにいるような人物だと思います。
中村倫也、“新郎新婦役”関水渚との撮影エピソード
― 撮影現場の雰囲気はいかがでしたか。共演者の皆様との撮影エピソードや、印象に残っている出来事や大変だったシーンなどあれば教えてください。中村:スピーチだったり出し物だったりを登場人物同様役者の皆さんも練習してきていたので、それを撮影で見たときは自然と歓声が上がりましたね。皆川(猿時)さんの合いの手には思わず笑ってしまいました。
― 関水さんとの掛け合いがとても自然に感じたんですが、アドリブもありましたか?
中村:セリフはもちろん決まっているけどそこに行くまでの「あ~」とかそういう言葉は多く入れていたからそう見えるかもしれないですね。現場で「ここは2人でくっちゃべって歩いて」というような指示がポンと出ることもあったので、「何喋れば良いんだろう?」と思いながら、“っぽい”ことはやっていました。特に撮影前に話し合うことはなくて出たところ勝負です。
― 個性的なキャラクターが脇を固める中、新郎の彰人は観客も感情移入しやすい役どころだと感じました。他の役柄でも中村さんを見てみたいと思ったんですが、彰人以外を演じるとしたら?
中村:え~、大変じゃん。彰人が一番良いです(笑)。何の練習もしなくて良いし、奇怪な行動を取らなくていいし。他の役も皆好きなんですけど、池田鉄洋さん(新郎の叔父・石川充役)が1人だけ余興を断られる感じは好きでした。可哀想(笑)。
中村倫也、自身が結婚式を挙げるとしたら?「超えるものをやりたい」
― 結婚式がテーマの作品ですが中村さん自身は結婚式にどんなイメージや思い出がありますか?中村:まあ職業柄、親戚とか自分の身内以外の式には出たことがなくて、友達がいないので呼ばれないんです(笑)。身内の披露宴パーティーには行ったことがあって皆幸せいっぱいの場でしたね。
― ご自身では「こんな結婚式を挙げたい」といった理想のイメージはありますか?
中村:あんまりイメージを持ったことがないですね。結婚する相手がやりたいようにします。向こうの親御さんの希望とかもあるだろうし、もしやるとなったら自分たちも含め楽しめるように考えて行動するとは思います。
― 彰人と近いんですね。彰人は新婦の遥の理想を叶えられるよう準備に奔走しますが、相手の女性の要望を聞いてあげたい気持ちは共感できますか?
中村:聞きたいし、でもやるならそれを超えるものをやりたいですよね。誕生日プレゼント1つにしても、「これをあげよう」とある程度お互い予想がつくものがあったとしてもプラスもう1個つけたり…そういうところあるじゃないですか、中村って(笑)。だから結婚式だとしても一緒に打ち合わせして決めたこと以外に実はこそっと別のサプライズを用意しておくとか、そういうことをやりたいんじゃないかな。
― 劇中では、結婚式準備のリアルな大変さが描かれていて、テーブルクロスといった細かい部分の色選びに彰人が内心「どっちでも良い…」と疲れているシーンもありましたね。
中村:僕は「どっちでも良い」と思っていても「どっちでも良い」で終わらないようにはします。例えば仲間内で仕事終わりにご飯食べに行くとき「何食べる?」となったら「何でも良いよ」だと進まないから「肉、魚どっち?和食中華イタリアン?」と候補をどんどん出す。自分だったら「これかこれでどう?」とかとりあえず聞いて、話を進めるのになと演じていても思いました。
中村倫也が“ハイ”になる瞬間は?
― タイトルの「ウェディング・ハイ」は、「ランナーズハイ」が語源で、ハイテンションになることが原因で起きる状態を指すんですが、中村さんがハイになる瞬間はどんなときですか?中村:サッカーを観ているときかな…ハイでもないかな?あんまりハイにならない人間なんです。酔っ払っているときは幸せそうにヘラヘラ笑っていますよ。
― テンションが基本一定なんですね。
中村:そうだと思います。逆に舞い上がってみたいんですよ。最近80年代のバブル期の日本の話を聞いたり、資料を見たりする機会があって、あの時代にはしゃいでみたかったなとよく思うんです。この時代を過ごしていたら僕も浮かれ回っていたのかなと、すごく羨ましいです。
― 何がきっかけだったんですか?
中村:元々は明治とか大正の日本とか、古地図とかを見るのが好きで、そういう趣味の流れでYouTubeとかを見ていたら高度経済成長期の団地の暮らしとか町並みとか色々な映像が出てきてロマンがあるなと思ったんです。おそらく写真家の方とか外国人の方が撮影しているんですけど自分が生まれる前とか小さくて記憶がない頃の映像を見るのが面白いですね。80年代は「どんだけネオンたいてんねん」とか思いますよ。
― 最後に、これから映画をご覧になる方に向けて見どころをお願いします。
中村:何も考えず、楽しめる作品だと思います。こんな喜劇は久しぶりなんじゃないでしょうか。ぜひ映画館で 、日常を忘れて、笑っていただきたいです。
― ありがとうございました。
インタビューこぼれ話
撮影当日はふわふわのウルフカット風のヘアスタイルで登場。「可愛いですね」と声をかけると、「そう、あいみょん(っぽい)」とお茶目に笑わせてくれた。さらに今回は「今月のカバーモデル」に連動したモデルプレス動画企画「今月の動く表紙」にも挑戦してもらったが、「こういうの苦手!どうしたら良い?」と戸惑いながらもばっちり決めてくれた。
岩田とはドラマ「崖っぷちホテル!」(18/日本テレビ)、向井とは舞台「狐晴明九尾狩」(21)と共演経験があり、1月に行われた完成披露試写会でも仲の良い掛け合いを見せていた中村。2人が演じる裕也と澤田は結婚式会場の裏である死闘を繰り広げるため共演シーンは少なく、「がんとかおさむっちはすれ違いばっかりでした」とのこと。新婦の元カレ・裕也は強烈インパクトを残すシーンがあったが、「『そういう役珍しいね』『ほぼ初めてかもしれないですね』という話をしていましたね。それだけで笑っちゃう」と岩田の振り切った役柄に笑顔を見せた。
また、「あんまりハイにならない人間なんです」という性格は親譲りなのか聞いてみると、「親父と性格が似ているところはあるかもしれないですね。『ワー!』とか『ギャー!』とかはならないでヘラヘラしている感じです」と教えてくれた。(modelpress編集部)
映画「ウェディング・ハイ」あらすじ
結婚式、それは新郎新婦にとって人生最大のイベント。お茶目だけど根は真面目な石川彰人(中村倫也)といつも明るい新田遥(関水渚)のカップルも、担当ウェディング・プランナーの中越(篠原涼子)に支えられながら準備を済ませ、ようやく式当日を迎えていた。しかし…結婚式に人生を賭けていたのは2人だけじゃなかった!?新郎新婦の紹介VTRや主賓スピーチ、乾杯の挨拶など、結婚式お決まりの演目に並々ならぬ情熱を注ぐ参列者たち。熱すぎる想いが暴走し、式は思わぬ方向へ…中越は新郎新婦のSOSを受け、披露宴スタッフと力を合わせ様々な問題を解決しようと奔走する。
しかし、式場に遥の元カレや、招かれざる闖入者も現れて――!?果たして絶対に「NO」と言わない敏腕ウェディング・プランナーは、全ての難題を解決し、最高の結婚式を2人に贈ることが出来るのか――?
中村倫也(なかむら・ともや)プロフィール
1986年12月24日生まれ。2005年に俳優デビュー。主な代表作はドラマ「初めて恋をした日に読む話」(19/TBS)、「凪のお暇」(19/TBS)、「美食探偵 明智五郎」(20/日本テレビ)、「この恋あたためますか 」(20/TBS)、「珈琲いかがでしょう」(21/テレビ東京)、映画「屍人荘の殺人」(19)、「水曜日が消えた」(20)、「ファーストラヴ」(21)など。2022年の待機作に映画「ハケンアニメ!」(5月公開予定)、配信作品「仮面ライダー BLACK SUN」がある。初のエッセイ集「THE やんごとなき雑談」が発売中。また、雑誌「ダ・ヴィンチ」にて新連載「中村倫也のやんごとなき雑炊」がスタート。撮影クレジット
スタイリスト:戸倉祥仁(holy.)ヘアメイク:Emiy
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