佐野勇斗/モデルプレス独占カット(提供写真)

佐野勇斗、“バディ”横浜流星と撮影で深まった絆「大変で良かった」<嘘喰い ―鞍馬蘭子篇/梶隆臣篇―>

2022.02.17 08:00

11日よりdTVにて独占配信中のオリジナルドラマ『嘘喰い ―鞍馬蘭子篇/梶隆臣篇―』(全4話)の『梶隆臣篇』の主演を務める俳優・佐野勇斗(さの・はやと/23)が、同作の見どころや『嘘喰い』劇場版で共演した俳優の横浜流星との絆などを語った。

  

佐野勇斗主演ドラマ「嘘喰い 梶隆臣篇」

集英社『ヤングジャンプ』で連載され、コミックス(全49巻)がシリーズ累計880万部を突破した、迫稔雄のギャンブル漫画『嘘喰い』。その実写映画が公開される同日に、今回のオリジナルドラマが配信開始となる。

梶隆臣役を演じる佐野は、『ドラゴン桜』『TOKYO MER~走る緊急救命室~』『真犯人フラグ』など立て続けに話題のドラマに出演。同作は、劇場版の主人公・斑目貘(横浜流星)と出会い人生が一変、ギャンブラーとしての道を歩み始める梶のバックストーリーだ。

佐野勇斗、“バディ”横浜流星と撮影で深まった絆「役を超えて本当に仲良くなれた」

佐野勇斗 (C)迫稔雄/集英社(C)2022映画「嘘喰い」製作委員会(C)エイベックス通信放送
― 迫さんの人気マンガを、横浜さん主演、中田秀夫監督のメガホンで映像化した『嘘喰い』実写版プロジェクト。出演オファーを受けたときは、どのように感じましたか。

佐野:僕自身、ギャンブルを題材にしたお話は初めてではないんですけど、ここまでアクが強いというか、世界観が濃い作品はなかったので、「こういう作品をやれるんだ!」という喜びがまずありました。コロナ禍の混沌としたご時世で、まだまだ日本中にフラストレーションが溜まってると思うんです。それを晴らしてくれるような爽快感のある作品になるんじゃないかなと思って、すごく楽しみでした。

― 原作を読まれての感想は?

佐野:面白かったです。内容もスリルがあって面白かったですし、僕自身、マンガが好きっていうのもあって、「絵が上手だなあ」とか思いながら読んでいましたね。

― 梶隆臣役については、どう演じたいと思いましたか。

佐野:キャラクターが濃い『嘘喰い』のなかで、梶は唯一観客に近い、見る人が親しみを持てる役なのかなと。だから、例えば銃が出てきて、裏社会の人物たちがあまリアクションしなくても、梶だけはちゃんと「うわっ!」とかリアクションしようと思いました。監督からも、そういう「立てた」お芝居をしてほしいと要求されていましたし、視聴者の方が共感できるお芝居をしようと気をつけました。

― 撮影はいかがでしたか。

佐野:先に映画の方を撮影したんですけど、事務所の先輩でもある横浜流星くんと、初めてちゃんと共演させていただいて。流星くん演じる斑目貘と、僕が演じる梶はバディの関係性。2人のバディ感がうまく出せれば見る人に楽しんでもらえるかなと思っていたら、流星くんがいろいろと話しかけてくれて。役を超えて本当に仲良くなれたので、そのバディ感は見てほしいところです。

― 大変だったシーンは?

佐野:山の中で、殺し合いのゲームをしなきゃいけない場面。寒かったり、走りにくかったりして大変だったんですけど、乗り越えたことで、流星くんともより絆が深まりました。今思えば、大変で良かったです(笑)。

― 完成した劇場版をご覧になっての感想は?

佐野:迫力のあるシーンが満載で、スピード感もあって、全体を通して面白かったです。山の中のシーンには、僕らがいないところで撮られた部分があるんですよ。ワイヤーを使って撮影されたそのシーンも、すごく迫力があって。台本になかったアフレコが入っていたり、テロップでゲームの説明が書き足されたりしていて、より分かりやすく、楽しんで見ることができました。

佐野勇斗「嘘喰い 梶隆臣篇」はリアルに追い込まれた作品に

佐野勇斗&白石麻衣「嘘喰い ―鞍馬蘭子篇/梶隆臣篇―」ポスタービジュアル(C)迫稔雄/集英社 (C)2022映画「嘘喰い」製作委員会 (C)エイベックス通信放送
― 劇場版と同日配信となるdTVオリジナルドラマ『嘘喰い ―鞍馬蘭子篇/梶隆臣篇―』には、どのような意気込みで挑みましたか。

佐野:映画では描かれなかった梶のバックボーンを描くお話だったので、これはがんばらなければと思いました。劇場版の梶は少しコミカルな感じで演じていたんですけど、ドラマの方は、よりまじめに成長した梶を見せたいとも思いました。

― 撮影はいかがでしたか。

佐野:…大変でした(笑)。この作品と並行して、別の作品の撮影や音楽グループとしての活動もあったので、実は2021年で一番大変だった時期なんです。しかも『梶隆臣篇』はセリフの量が多かったので、ひたすら台本を覚えては現場に行くっていう日々でした。

― 撮影自体も大変だったのでしょうか。

佐野:約1週間、朝から晩までという感じでしたね。あまりにも余裕がなくて、「これは気分転換しなきゃヤバい!」となって。寝る前に香木を焚いて、スマホの音楽アプリで鈴虫の音を流しながら心を静めてました(笑)。

― 劇中の梶のように、リアルに追い込まれていたんですね。

佐野:そうですね。それが役に生きていたらいいなと思います(笑)。

佐野勇斗、共演者とのエピソード語る

(左)佐野勇斗 (C)迫稔雄/集英社(C)2022映画「嘘喰い」製作委員会(C)エイベックス通信放送
― 『梶隆臣篇』で描かれるのは、劇場版で貘と離れた梶が、母親の借金のために再びギャンブルの世界に戻るというエピソード。どんなことを意識して演じられましたか。

佐野:梶は貘さんに憧れを持っているので、ギャンブルで強気に出るところとかは、流星くん演じる貘さんをイメージして演じました。また、描かれるバックボーンが重いので、映画から立て続けに見たら、「ちょっとキャラが違う?」と思われるくらい表情を変えたつもりです。

― 『梶隆臣篇』の共演者も実力派揃い。母親役のしゅはまはるみさんの「毒母」ぶりが強烈でした。

佐野:すごかったとしか言いようがないです。事前に1回、リハーサルをさせていただいたんですが、そのときから完璧に役が出来上がっていて。言葉は悪いですけど、クズな母親になられていたので、僕もムカついたり、「でも母親だから放っておけない」と葛藤したり。感情を入れてお芝居ができたので、感謝しています。

― 闇カジノのオーナー・二階堂鮫丸役の忍成修吾さんは、ビジュアルも鮮烈でした。

佐野:現場では忍成さんとずっと一緒にいたんですけど、「髪型が大変だ」と言ってました。7時間だったかな?何時間も美容室に座って地毛を編み込んだから、寝るときも崩さないようにしなきゃいけないと。忍成さんもセリフがめちゃくちゃ多かったので、一緒に闘ってくださったという印象です。

― 賭郎立会人・脳輪美年役の赤星昇一郎さんも、原作から飛び出してきたかのようでした。

佐野:赤星さんは普段すごくいい方なんですけど、お芝居が始まると、「普通じゃないな、この人」という感じになるんです。お芝居の緩急も含めて、「すげー!」と思ってました(笑)。

佐野勇斗、工藤美桜 (C)迫稔雄/集英社(C)2022映画「嘘喰い」製作委員会(C)エイベックス通信放送
― 幼なじみの中井絵美との淡いロマンスも見どころでした。絵美役の工藤美桜さんとの共演はいかがでしたか。

佐野:工藤さんは、めちゃくちゃ素敵な女優さんでした。印象に残っているのは、ハグをして梶が歩き出すシーン。すごく良いシーンになったなと思いますし、その後、『TOKYO MER』でも共演させていただいてうれしかったです。

― 人間ドラマにロマンス、スリリングなギャンブルやアクションなどの要素もあります。見る方には、『梶隆臣篇』をどのように楽しんでもらえるとうれしいですか?

佐野:劇場版を見ていただいてから『梶隆臣篇』を見てもらえると、より楽しんでもらえるんじゃないかと思います。梶がどういう気持ちで、劇場版で描かれたような言動をしたのか。その心情やストーリーが繋がってくると思うので、より『嘘喰い』の世界を好きになってもらえるんじゃないかな。僕的には「ドラマ版の方が、カッコイイ梶が見れますよ!」って言いたいです(笑)。

― 今後、もし『梶隆臣篇』に続編があるとしたら、どういう姿を見せたいですか。

佐野:えっ、続編ですか?考えたこともなかったな(笑)。もしやれるなら、休日を描きたいですね。劇場版に貘さん、蘭子さん、マルコと4人でご飯を食べるシーンがあるんですけど、みんなキャラが立ってるので面白い。その4人でどこかに出掛ける、ちょっとコミカルなエピソードができたらいいなと思います。

佐野勇斗の「嘘喰い」に絡めた素顔が見えるQ&A

佐野勇斗/モデルプレス独占カット(提供写真)
― 『嘘喰い』では騙し合いのデス・ゲームが繰り広げられます。佐野さんが思う「うまく嘘をつく方法」は?

佐野:…嘘は、つかない方がいいです(笑)。まあ、優しい嘘っていうのもありますから、時と場合にもよるとは思うんですけど、基本、嘘はつくべきではない…って、『嘘喰い』のインタビューで、これを言ったらダメだな(笑)。そもそも僕、嘘つくのが、めっちゃヘタなんですよ。嘘をうまくつく方法、教えてほしいです。

― 隆臣は、闇ギャンブル倶楽部「賭郎」の会員権を手にします。もし佐野さんが賭郎の会員になったら、どんなゲームで勝負したいですか?

佐野:ゲーム、ゲーム…大富豪(笑)。昔から家族や友達とやっていたので、今でも大富豪の駆け引きは好きです。

― 隆臣は、勝負の流れを変えるために、あることをします。佐野さんが、流れを変えたいときにすることは?

佐野:実家に帰る(笑)。実家はすごい田舎で、空気がいいんですよ。しかも地元の人たちは優しくて、僕のことを応援してくれる。だから田舎に帰って、自分の中の空気を入れ替えます。

佐野勇斗、俳優業の楽しさ&目標としている存在とは

佐野勇斗/モデルプレス独占カット(提供写真)
― 2021年は、『ドラゴン桜』『TOKYO MER』『真犯人フラグ』と話題のドラマに連続出演されました。『嘘喰い』の撮影もありましたが、振り返ると、どんな年でしたか。

佐野:2021年はドラマのお仕事が続いて、M!LKでメジャーデビューもさせてもらったので、ある意味順調に、今までがんばってきたことが結実した年だなと思います。いつも年末に「どういう1年でしたか」と聞かれて、「まだまだですね」って言うことが多かったんですけど、今年は「自分やグループのことを少しは褒めてもいいのかな」と初めて思えた1年でした。ただ、そのぶん休む間もなく駆け抜けて、ずっと「眠い!」と言っていた気がします(笑)。2022年は、さらに疲弊できるようにがんばりたいです(笑)。

― 最近感じる、俳優業の楽しさは?

佐野:楽しさは…探しています。もちろん楽しいと思う瞬間はあるんですけど、第一線で活躍されているみなさんと共演させていただくたびに、自分に足りないものが見えてきて。「全然ダメだ……」と毎日のように思わされるので、正直、楽しいよりも、もがきの方が強いです。もっとお芝居を突き詰めて、楽しいと思えるようになりたいと思います。

― 今、目標としている存在は?

佐野:『TOKYO MER』で共演させていただいた、鈴木亮平さんです。亮平さんは主役だったので体力的にも精神的にも大変なはずなのに、常にキャスト、スタッフみんなのことを気に掛けてくれるんですよ。僕のことも「仕事が重なって寝れてないのに、ごめんね」とか「ライブ、がんばってね」とか気遣ってくれて。あんな座長になりたいなと思いましたし、人間的にも役者的にも、すべての意味で、今は鈴木亮平さんを目標にしたいです。

― そんな佐野さんにとって、『嘘喰い 梶隆臣篇』は、どんな作品になりましたか。

佐野:一番大変だった時期を乗り越えて、「面白いものができた」と思える、自信に繋がった作品です。ぜひ映画『嘘喰い』を見ていただいて、この『梶隆臣篇』も愛していただけたらうれしいです。

(modelpress編集部)

「嘘喰い ―鞍馬蘭子篇/梶隆臣篇―」あらすじ

「誰にでも切り捨てられないもの、ってあるよな」親友、クズ親、抗えない過去。自らが背負うもののために、生死を賭けた究極の騙し合いゲームに挑む。

「鞍馬蘭子篇」:暴力団鞍馬組の組長・鞍馬蘭子は、昔自分の命を救ってくれた恩人・名美からある相談を受け、名美の弟が関西の暴力団・浪速会を相手に借金を作ったことを知る。早速組に乗り込んだ蘭子は、賭郎の会員権を賭けて浪速会の組長と勝負をすることに。しかし勝負相手として現れた男・岩城一馬は蘭子が組を継ぐ前の過去の因縁の相手で、全てが岩城の策略だった—。組の存続をも懸けた、蘭子の勝負の行方は!?

「梶隆臣篇」:斑目貘と出会い、人生が一変した青年・梶隆臣はある日幼馴染の絵美と再会する。絵美が時々ボランティアで手伝っているという「子供食堂」に訪れた梶は、過去自らも母親・佳恵の育児放棄で児童養護施設に預けられていたことを思い出すのだった。そんな折、佳恵が自分の生命保険を賭けて闇カジノで負けたことを知った梶は、闇カジノのオーナー・鮫丸の元へ向かう。すがりつく母親を前に梶は、賭郎立会人を呼んだのであった。負けの代償は命で支払う、梶のデビュー戦の行方は!?
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