作間龍斗(C)綿矢りさ・新潮社/「ひらいて」製作委員会

HiHi Jets作間龍斗、“俳優”への道「極めていきたい」 衝撃作で感じたこと&恋愛観明かす<「ひらいて」インタビュー>

2021.10.20 07:00

10月22日公開の映画『ひらいて』でスクリーンデビューを果たすHiHi Jets/ジャニーズJr.の作間龍斗(さくま・りゅうと/19)に、モデルプレスがインタビュー。映画本格初出演への思いや手応え、自身の恋愛観などを聞いた。

  

綿矢りさ原作「ひらいて」実写映画化

原作は、女性から圧倒的な支持を得る芥川賞作家・綿矢りさが、高校生の思いつめた恋心、暴走する想いを描き、人間の根源的な愛を問う文芸少女のバイブルとなった小説「ひらいて」。弱冠26歳・新進気鋭の若手監督・首藤凜による脚本・監督にて映画化。

山田杏奈(C)綿矢りさ・新潮社/「ひらいて」製作委員会
学校でも優等生でビジュアルも良く人気者の「愛」。恐れを知らない彼女の熱い恋心は、彼の「恋人」にまで向けられ、物語は三角関係だけにとどまらない方向へと進んでいく…。エキセントリックでありながらも切実な純愛を描き、いかなる恋愛映画も及ばなかった境地に行き着く、青春映画の系譜を飛び越えた本作。新感覚・乱反射する少女たちの切実で、熱く、ゆがんだ恋物語だ。

主人公・木村愛を山田杏奈、愛が恋するクラスに馴染めない少年・西村たとえを作間、愛の同級生でありたとえの秘密の恋人・新藤美雪を芋生悠がそれぞれ演じる。

作間龍斗、映画本格初出演に歓喜も戸惑い「僕がこの作品に関わっていいんだ」

― ドラマの出演経験はありますが、本格的な映画出演は今作が初ということで、オファーを受けた時の心境をお聞かせください。

作間:本格的に映画に出演するのが初めてで、しかも個人での出演だったので、「僕が映画ですか!?」という驚きで、まず取り込むのに時間がかかりました。台本をいただいてからその日のうちに読んだのですが、たとえを自分が演じるんだと思いながら読んでいるとじわじわと実感が湧いてきて、嬉しい気持ちでいっぱいになりました。

― 衝撃的なシーンが多く描かれていますが、台本を読んだ時に率直にどう思いましたか?

作間:率直に「うわお!」と思いました(笑)。当時は高校3年生だったので、リアルだと感じる反面、「僕がこの作品に関わっていいんだ」「ジャニーズだよね…!?」と正直戸惑いました。僕自身はそんなに過激なシーンはなかったのですが、ドロドロとした滲んだ色味の世界観のような印象を受けて、内容が深い作品に関わらせていただけることに責任を感じたことを憶えています。

山田杏奈、芋生悠(C)綿矢りさ・新潮社/「ひらいて」製作委員会
― 今回作間さんが映画に出演するにあたって、HiHi Jetsのメンバーから何かリアクションはありましたか?

作間:もともと「映画が決まるかもしれない」というような話を聞いていて、メンバーがみんな「決まるといいね」と言ってくれていたのですが、みんなと一緒にいた時にマネージャーさんから「映画が決まりました」と言われて、みんな「え!?マジで!?」と本当に喜んでくれました。撮影期間中も、地方での撮影が中心だったので泊まりが多く、リハーサルが僕一人抜けた状態だったので、気遣ってリハーサル後に電話をくれたりして、「やっぱりグループっていいな」と思いました。撮影が終わってからも、ライブのMCなどで映画の宣伝に協力してくれてありがたかったです。

― 素敵な関係性ですね。メンバーの皆さんからはどんな感想がいただけそうですか?

作間:「どんな内容なの?」と聞かれたのですが、「説明するのが難しいから、劇場に行ってよ」と返したら、「ちゃんとチケット買って劇場に行こうかな」と言っていました(笑)。観たらきっと、男子高校生っぽい反応になるんじゃないですかね(笑)

― 撮影にあたって何か準備はしましたか?

作間:私生活で何かを変えることはあまりなかったのですが、お話をいただいてから半年くらいの準備期間があったので、台本を読んだり、原作の小説を読んだりしていました。小説の中に外見の特徴など設定が書いてあったのと、監督と撮影前に何度かお話しする機会があって「たとえをこういう感じで作りたい」と伝えてくださったので、それに合うように自分の中でイメージを膨らませていました。

― 監督はこの作品を撮るために監督になったというほど作品への愛にあふれる方ですが、その熱量も踏まえて、どのようなお話しをしましたか?

作間:監督は「17歳の時からこれを撮るためにやってきました!」という相当な熱意があったので、撮影中もその熱量かと思っていたのですが、意外と任せてくれることが多かったです。「どうしてもこうしてほしい」というような頑固さは全くなく、その場で生まれたものを大切にする方でした。山田さん、芋生さんとも現場で話し合って、「こっちの方が良いね」と納得した上で演出を変えて臨機応変に対応しながらも、自分のやりたいことの軸はずらさないところがとても素敵だと思いました。監督に、中学や高校時代はどんな学生だったのかを聞かれて、僕の生い立ちを話したところ、「作間くんが思うイメージでやってもらえればいい」と言っていただいたのが印象的でした。

作間龍斗、山田杏奈から刺激 スクリーンデビューの自己評価は

― 実際に演じてみて、ドラマと映画の違いを感じることはありましたか?完成した作品を観ての自己評価もお聞かせください。

作間:「ひらいて」の撮影は、トリプル主演でやらせていただいたドラマ「DIVE!!」よりも前だったので、ドラマすらもあまり経験がない時期だったんです。ドラマだと長期間で撮るので、途中から少しずつ慣れてきて、自分の中でもいろいろ考えたりできるのですが、映画は短期間で、現場に慣れたなと思ったらもうクランクアップ、という感じだったので、本当に一瞬で終わってしまった気がします。

試写を観て、自分の姿がスクリーンの中に映し出されていることが違和感でした。不思議で仕方なくて、ゾワゾワしました(笑)。自己評価で言うと、「ひらいて」を撮影してから何作か別の作品に関わらせていただいていたので、「ここをもうちょっとこうしたかったな」というような気持ちが生まれたのですが、周りの関係者の方々からは「良かったよ」と言っていただいたので、これはこれで良かったのかなと思っています。

― 映画の世界観にとても馴染んでいる印象を受けました。作間さん自身はどんな高校生でしたか?

作間:僕は必要以上に喋らない、たとえにすごく近い高校生でした。ただ、彼よりはもう少し明るい人間だったと思いますけど(笑)。授業中は“無”な感じでボーッとしていることが多くて、休み時間は友達と他愛のない話をして…、なので役作りをあまり意識せず、素のままでたとえを演じました。今回の現場は監督を含め、キャストの方も女性が多かったのですが、僕は中学の頃、男子と群れるより女子の中にいた方が楽なタイプで、男の親友と2人でクラスの端っこで集まっている女子の中に混ざってわいわい騒いでいたので、その時のことを思い出して懐かしくなりました。

― 自分の撮影シーン以外も残って見学していたとお聞きしましたが、山田杏奈さんと共演してみていかがですか?

作間:山田さんはもともとメンバーの井上瑞稀とも共演していたので、事前にどんな方なのか話を聞いたり、ネットで調べたりしていました(笑)。なので最初に会った時は、「あの女優さんだ!本物だ!」という感じで、テレビで見たままの印象でした。仕事に関しては負けず嫌いだとおっしゃっていて、熱い方だなと思ったのですが、裏ではすごく優しくて、食べることが好きで、ほわ~っとしている方です。たまに一人でどこかに行ってしまう謎な部分もあります(笑)

― 愛とは違う雰囲気ですか?

作間:マイペースな感じは愛に近いなと思ったのですが、山田さん本人は愛のことが嫌いで共感できないと言っていました(笑)。カメラ前での立ち振る舞いなど、俳優業の一線で活動されている方の姿を間近で見て、とても刺激を受けました。

作間龍斗の恋愛観 女の子から激しい気持ちをぶつけられたら…

芋生悠(C)綿矢りさ・新潮社/「ひらいて」製作委員会
― 今作は恋愛映画ということで、公式Twitterで恋愛相談を募集する企画も行っていますが(※取材は9月上旬)作間さんは、恋愛相談はお好きですか?

作間:恋愛相談に答えるのは苦手ですが(笑)、実際にあった話を聞くことは面白くて好きです。そういう体験はドラマなどでしか見ることがないので、「片思い」とか「付き合って何年」とか、そういう言葉を見たり聞いたりすると嬉しくなっちゃいます。なので期待されるような答えは出せないかもしれないですが、作間自身は楽しんでいます(笑)

― ではそんな作間さん、恋愛で勇気がなく一歩踏み出せない方に向けてアドバイスをお願いします!

作間:僕も対人関係はなかなか一歩が踏み出せないです。なぜ踏み出せないのか考えたのですが、周りの目を気にしてしまうところがあって、それを取っ払えば一歩踏み出せるのかなと思います。自分が思ってるよりも、意外と周りの人は自分のことを気にしていないんです。たとえば学校に遅刻する時、遅刻する本人はどういう目で見られるのかすごく気にしてしまうのですが、クラスメイトからしたら「あ、おはよう」「今日どうしたの?」くらいの軽い感じなんです。なので恋をするタイミングが訪れたなら、周りの目は気にせず、自分の意思を尊重して素直に進んでみたらいいんじゃないかなと思います。

― 劇中ではタイプの違う2人から思いを寄せられるという役どころですが、作間さんから見た2人の“いいところ”と“よくないところ”を教えてください。

作間:愛のよくないところは、何でも行動に表しちゃうところ(笑)。学生の頃って、何もかもが嫌になって暴れたくなるようなことがあると思うので、自分の中で思うだけだったら普通のことなのかなとは思います。でも愛がもともと持っている社交的なところや人懐っこいところ、コミュニケーション能力が高いところは魅力的だと思うし、尊敬します。

美雪は社交的な部分はないのですが、静かな優しさや、少し抜けているところがいいなと思います。劇中でも「こんなにいる!?」と思うくらい大量のカイロを持ってきてくれて(笑)、その人のことを心から思っているけど、ちょっと不器用なところがいいですね。ただ、美雪が悪いわけではないのですが、僕がたとえの立場だったら美雪が抱えているものを支えきれないかもしれません…。たとえは強いなと思いました。

― 2人とのシーンで、たとえとしてではなく作間さん自身がグッと来たシーンはありますか?

作間:やっぱりカイロのシーンが印象的です。本番が始まるまでカイロを出さなかったので、本番で初めてあれだけの量のカイロを見て、リアルに「え!?」とビックリしました(笑)。実際にあれをされたら同じように驚くと思いますが、「かわいいな」と思うかもしれません。あれはグッと来ました。

― もし作間さんが、愛のような女の子から激しい気持ちをぶつけられたら、どう思いますか?

作間:「やめて~!」と言います(笑)。たとえは抵抗するにしても相手のことを少し思いやると思うのですが、僕は面倒なことが苦手なので、多分相手のことは思わず、「無理です」「困ります」と言ってしまう気がします…。

― 劇中の愛くらいに、作間さんが夢中になるものや強烈に好きなものはありますか?

作間:え~なんだろうな~!…家電製品ですかね(笑)。家電全般好きなのですが、最近テレビを買い替えたいと思っていて、メーカーさんのサイトを漁り、これとこれはどう違うのか、どれくらい節電ができるのか、そういう詳細の部分の数値を見るのが好きで、寸法を測ったりしています(笑)。あとはカメラも好きで、レンズとかを集め始めると止まらないです!暇さえあれば家電量販店に行って、今はどんな最新機種があるのかをチェックしています。

― 最近自分で買ったものでオススメの家電はありますか?

作間:今ちょうど舞台をやっているのですが(※取材時は舞台『少年たち』上演期間中)、どうしてもお弁当生活になってしまうので、自宅からお弁当サイズくらいの炊飯器を楽屋に持って行って、その場でお米を炊いて、温かいごはんを美味しく食べています!生活に彩りを与えてくれるので、オススメです!

作間龍斗、“俳優”への道―――「極めていきたい」

田中偉登、山田杏奈、芋生悠(C)綿矢りさ・新潮社/「ひらいて」製作委員会
― 今回は恋愛ものではありますが、王道な恋愛ものではなかったので、今後王道なものにも挑戦してみたい気持ちはありますか?

作間:作品上ならいくらでもキュンキュンしても問題ないので、最高にキュンキュンするものをやりたいです!すごくキラキラしている主人公とヒロインがいて、僕はその親友くらいのポジションで、重要なシーンにはいない脇役(笑)。試写とかでキュンキュンしたいですね。以前、中島健人くん主演の『黒崎くんの言いなりになんてならない』で、岸優太くんがそういう役を演じていたのですが、すごくいい役だなと思ったので、あのポジションをやりたいなという憧れがあります。僕はまだ主演ができるような身ではないと思うので、そういうところから勉強していきたいです。

― 今回、映画出演という経験を通して、演じることに目覚めましたか?

作間:そうですね。「やっぱり芝居って面白いな」と思うきっかけをくれたのはこの作品でした。それから別の作品に関わらせていただくようになって、俳優の方一人一人、考え方や演じ方が全然違うことをすごく感じました。その上でジャニーズの先輩方を見た時に、アイドルをやりながら俳優もやっているのは改めてすごいなと思いました。木村拓哉さんや二宮和也さんは賞を取ったりするほど極めていて、すごく難しいことをこなしているんだなと。

僕はたまに「新人俳優っぽい顔をしてるね」「最近出てきた若手俳優みたいだね」と言われることがあって(笑)、自分でもどちらかと言うとジャニーズっぽくない顔だと思っているので、俳優の道を極めるなら比較的やりやすいような条件だと思っているんです。最近はありがたいことに俳優の仕事をいただける機会が増えているので、やるからにはしっかり自分の中で「芝居とは何なのか」ということを解釈して極めていきたいです。

― 興味がある作品のジャンルや、演じてみたい役柄はありますか?

作間:現実的に叶わないことを作品で演じてみたいという願望があります。今回の作品でもそうですが、以前ドラマで飛び込み競技に関わらせていただいて、「多分もう一生やらないでしょ、あんなこと!」と思ったくらい貴重な経験をさせていただきました。なので今後も現実でやらないようなこと、たとえば殺人鬼役なんかにも挑戦してみたいです。殺人とか放火とか…悪いことをしてみたいです(笑)。自分の現実ではありえない、役なら何をやっても許される、そういうことをやれるのがまた芝居の面白さなんだろうなと感じています。

― ありがとうございました。

(modelpress編集部)

映画『ひらいて』

芋生悠、山田杏奈、作間龍斗/「ひらいて」ポスタービジュアル(C)綿矢りさ・新潮社/「ひらいて」製作委員会
出演:山田杏奈 作間龍斗HiHi Jets/ジャニーズ Jr.) 芋生悠 山本浩司 河井青葉 木下あかり 板谷由夏 田中美佐子 萩原聖人
監督・脚本・編集:首藤凜
原作:綿矢りさ『ひらいて』(新潮文庫刊)
音楽:岩代太郎
主題歌:大森靖子「ひらいて」(avex trax)
制作プロダクション:テレビマンユニオン
製作:「ひらいて」製作委員会
配給:ショウゲート
(C)綿矢りさ・新潮社/「ひらいて」製作委員会 PG-12
公式サイト:hiraite-movie.com


<あらすじ>

高校3年生の愛(山田杏奈)は、成績優秀、明るくて校内では人気者。そんな彼女は、同じクラスの“たとえ”にずっと片思いをしている。彼はクラスでも目立たず、教室でもひっそりと過ごす地味なタイプの男子。だが寡黙さの中にある聡明さと、どこと
なく謎めいた影を持つたとえに、愛はずっと惹かれていた。

自分だけが彼の魅力を知っていると思っていた。しかし、彼が学校で誰かからの手紙を大事そうに読んでいる姿を偶然見てしまった事で事態は一変する。「たとえに、恋人がいるのではないかー」その疑惑がぬぐいきれず、愛はある夜、悪友たちと学校に忍び込み、その手紙を盗んでしまう。

手紙の差出人は、糖尿病の持病を抱える地味な少女・美雪。その時、愛は、初めてふたりが密かに付き合っていることを知るのだった。それが病気がちで目立たない美雪(芋生悠)だとわかった時、いいようのない悔しさと心が張り裂けそうな想いが彼女を動かしたー。

「もう、爆発しそう―」

愛は美雪に近づいていく。誰も、想像しなかったカタチで…。

作間龍斗(さくま・りゅうと)プロフィール

2002年9月30日生まれ、神奈川県出身。2013年2月、ジャニーズ事務所に入所。2018年2月、舞台『ジャニーズ銀座2018』の製作発表にて、HiHi Jetsに加入することを発表。2019年7月期のBS日テレ『恋の病と野郎組』でドラマ初出演。2021年4月期のテレビ東京系『DIVE!!』でメンバーの井上瑞稀・高橋優斗(※「高」は正式には「はしごだか」)とともにトリプル主演を務めた。本格的な映画出演は今作が初となる。
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