電撃復帰のYouTuberカルマ、業界内の相次ぐ炎上に思うこと 復活の裏にあった“恐怖心”も告白<独占インタビュー>
2021.08.21 17:00
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約1年間チャンネルを更新せず、SNS上では、失踪説、引退説や、死亡説まで流れる事態となったYouTuberカルマが、7月25日に電撃復帰。エイベックス・マネジメント(株)への所属を発表した。モデルプレスはこの度、独占インタビューを実施し、休止期間の葛藤やファンへの想い、YouTuber界の変化について語ってもらった。
カルマ、休止期間は何をしていた?
休止した1年間について問うと「寝ていました!あ、ごめんなさい。簡単すぎましたね(笑)」とユーモアを交えつつ「プライベートのことも含め前半部分は色々ありながら、後半部分はずっとエイベックスさんと試行錯誤して、色々と準備していた感じです」と答えたカルマ。ともに切磋琢磨してきた友人を2021年の始めに亡くしたこともあり、休止期間の前半は「シンプルに精神的に疲れてしまったのも正直あった。結構早い段階でエイベックスから話は来ていたんですが、1回動画からは離れていました」と振り返った。
復活の裏にあった葛藤・恐怖心「精神的にやられる」
1年間の空白を経ての復活には、恐怖心も大きかった。「常に見られているというのが大前提としてある。『俺はこう思う』というよりも『視聴者さんがどう思うか』というのを考えていて、俺はその目線が1番大事だと考えています。綺麗事にも聞こえるかもしれませんが、それがそもそも正解だと思っています。
要は見せる仕事じゃないですか。ということは受け取る人がいるわけで、見せる側の『こうしたいんだ、ああしたいんだ』のエゴが強すぎてもダメだし、自分のやりたいことを前提にしながら『どれをやったらみんな喜ぶかな、納得するかな』とか考えたりすると、どんどん抜けられなくなってきたりもするんです。YouTubeからも離れていたから感覚もだんだん鈍ってきていたし、24時間それが脳裏にあると、正直精神的にやられるというか。さらに俺は1人が好きで、誰かと一緒にこういうことをやるのは無理だったから、エイベックスとは長い時間をかけました。それでぶつかり合うこともできて、今回の所属に至ったという感じですね」
休止期間も絶えず届いたファンからのメッセージ
休止期間中、カルマを支えたのは熱いファンの存在。動画のコメント欄には、絶えずメッセージが届いていた。「僕の視聴者さんが、YouTubeの中で1番素晴らしい視聴者さん(笑)。正直YouTubeが再開できるか分からない時期もあったんですよ。でもコメント欄を見ると『まだコメント来てる』『こんな待ってくれる人もいるんだ』って」
どのコメントも嬉しかったというが、特に印象に残ったファンからのメッセージは「カルマのペースで大丈夫」。
「俺が考えていることを分かってくれているような良心的なコメントは、すごく良い意味でグサッときました」
復活動画は直前で変更 死亡説も反映
そして記者会見の前日には、「カルマが旅立ちました」というタイトルで復活動画を投稿。これまでのカルマから生まれ変わったというメッセージが込められた内容だった。1日経たずして再生回数は100万回を突破し、登録者数も半日で約7万人増加するという反響の大きさには本人も驚いたよう。「登録者の伸びにはびっくりしました。半日で7万人増えたから『あらららら?俺ジャスティン・ビーバーかな?』と思って(笑)。今回の復活1本目の動画に関しては、従来の作り方ではなく、本当に作品を創る感覚で作っていたかな。直前の直前で動画を変えようとなり。だって、死亡説とかも出ていたじゃないですか(笑)。ああいうのを取り入れたりして出すとなると、急な変更点はすごくありました。当初イメージしていた1本目の動画とは全く違うけど、最高な形で出せたという自信はあります。……実は動画アップする30分前まで編集していました(笑)」
カルマ、YouTube界の相次ぐ炎上に言及
カルマの休止期間中、YouTube界にも様々な変化が起こった。芸能界とは明確に区別され、あくまで“一般人”扱いだったYouTuberたちだが、今では週刊誌から追われる対象となり、炎上した出来事がテレビ番組やネットニュースで大々的に取り上げられるように。世間からの注目度も急激に上昇している。カルマはそんな変化を、どう捉えていたのだろうか。「色々起こっていましたが、これまでも常に起こっていたと思うんです。1回も俺が炎上していなかっただけで、常に何か起こっていたはずなのですが、それがどんどんどんどん“素人だから”では済まされなくなってきた。そういう(芸能界の)枠も、YouTuberを取り上げるようになってきたということかな。俺が偉そうに言える問題ではないけど…。
強いて言うとしたら、業界が一緒なので『明日は我が身』だと思っています。自分が炎上したらと考えるとちょっとビクッてしたんですよ。『こうなった時どうしよう』となった際に、藁にも縋る思いでエイベックスに入ろうと決めました(笑)。炎上したらエイベックスをサンドバッグ代わりにできたらなと(笑)。なんなら、所属した理由はそれが1番大きかったです(笑)。
でも、事務所に入る意義というのは他のYouTuberにも伝わったと思います。連日『素人だから、ああだこうだ』とも言われていますが、彼等は絶対彼等なりにプロ意識があるだろうし…。事務所に入っていない状態で『YouTuber=素人』と言われてしまったらそこまでだから、そういった意味では所属する意義があるのではないでしょうか。エイベックスなどの芸能事務所さんには、“信頼度”や“通行手形”という俺が持っていないものがある。無所属のYouTuberは、いくら知名度があっても『どうしてもあそこまで行きたい』と思った時に、そこにたどり着けないという場合があるんです。ちなみに自分が炎上した時はエイベックスを連絡先にしているので、僕のほうには何にもしないでください(笑)」
YouTuberとして成功するためには
YouTubeの市場が拡大し、活躍するYouTuberも凄まじい勢いで増加中。100万人以上の登録者を抱えるカルマに、成功するために必要なことを聞いた。「『やればできる』なんてことは絶対にないです。芸能界よりも参入の数はすごく多いし、大変だと思います。その分可能性は広がっているけど…。何かに自信があって『なんで認めてくれないんだ』と思うのだったら、言い訳できない世界だから挑戦した方が良いと思います。そこで、実力があるかないかを自分で確かめられるから。YouTubeでは、『なんで俺は認められないんだ』と言って、上司に救い上げてもらう必要はない。俺はそう思ってYouTubeを始めました。それである程度知名度もついて100万人超えているから、俺が言うこともおかしいと思われないんですよ。エイベックスと話をすることもできた。自分に少しでも可能性があると思うんだったら、やった方が良いと思います。『周りがこうだからこうする』とならずに、1回自分が思うものを作ってみたらいいのではないでしょうか」
復活の今思う“新たな夢”
記者会見では、YouTuber以外の俳優・音楽活動にも挑戦したいと話していたカルマ。再び今後の活動について尋ねると、「色々興味はあります。でも今は本当に出発した段階をお見せしているだけなので、乞うご期待という感じで(笑)。作っているものはあるのですが…」と明かしてくれた。復活を機に、新たな夢や目標はできたのだろうか?
「俺は夢というものをアバウトにしておいた方がいいと思っていました。ですが、今までは1人でやっていたけど、これからは違うじゃないですか。この1年間、人として色々と気付かされることもあったし、このチームで面白い景色を見ていきたい。1、2年前には思っていなかった明確な目標ができました」
カルマの信念「客観的な考えを常に持っておく」
モデルプレスインタビューで恒例の“夢を叶える秘訣”を問うと、「まだ俺は叶ってないです。たまにそういうアドバイスを聞かれるのですが、まだまだ挑戦する立場だから」と答えてくれた。挑戦の中で大切にしていることは「客観的な考えを常に持っておくこと」だという。「常識とは違うことをやるとしても1回常識は分かっていないと、ただの非常識になってしまうから。常識とかみんなの反応だったりとか、だんだん登録者が増えてくると分からなくなってくるんですよ。なので、やっぱり常に“どう見られるか”を考えています。俺はやりたいようにやっている感じのキャラだけど、やっぱりその裏で常に考えていて。それが逆に首を絞めちゃっていることもあるから、オススメできるかと言ったら人によりけり。でも俺はそうやっているので、客観的な意見・下馬評は持っていたほうがいいかなと思います」
復活を待ち望んでいた視聴者へ
「もう本当に感謝しかない。これをしんみりするいい話にしたいとは思っていなかったのだけれど、当たり前じゃない視聴者さんがいるなと思って。僕ってあまり知られていないんですけど、すごくコアで深いファンの方が多いなと思って、エイベックスに入ったのは、それを大勢に広げていきたいという考えもありました。これから新しい風に乗りますが、俺が船に乗るのではなく『あの時ついてきて良かった』と思ってもらえるように一緒に連れていきたい。これからも近い距離で見守っていただけたらと思います」(modelpress編集部)
カルマ プロフィール
福岡県出身。代名詞でもある「変装企画動画」が話題になり、名を広げる。2020年には著書「ここ日本言うてな」を刊行。YouTube登録者数は154万人、総再生回数2億回超え。一度全ての動画を非公開にしたが、7月24日19時に復活動画を投稿し、登録者数167万人を突破している。
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