<吉柳咲良インタビュー>「ここは今から倫理です。」衝撃回メイン生徒役 1月期“学園ドラマ”2本出演、注目女優の素顔とは…「全部がコンプレックスだった」
2021.02.21 00:00
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現在放送中のNHK総合よるドラ「ここは今から倫理です。」(毎週土曜よる11時30分~)、カンテレ・フジテレビ系連続ドラマ「青のSP(スクールポリス)-学校内警察・嶋田隆平-」(毎週火曜よる9時~)に生徒役で出演する女優の吉柳咲良(きりゅう・さくら/16)が、モデルプレスのインタビューに応じた。2月13日放送の「ここは今から倫理です。」第5話は、吉柳演じる高崎由梨をメインに物語が進行。今回のインタビューでは同作の撮影秘話をはじめ、「青のSP」について、今後の目標、さらには過去のコンプレックスなども語ってもらった。
注目女優・吉柳咲良インタビュー
「第41回ホリプロタレントスカウトキャラバン“PURE GIRL 2016”」(2016年)にて、史上最年少となる12歳4ヵ月でグランプリを受賞しデビューした吉柳。2017年にブロードウェイミュージカル「ピーターパン」の10代目ピーターパン役に抜てきされ、アニメーション映画『天気の子』(2019年)ではヒロインの弟・天野凪役で声優に挑戦、映画『初恋ロスタイム』(2019年)でヒロインを演じるなど、活躍の幅を広げてきた。そして2021年、ドラマデビュー。同時期に2つの学園ドラマにメイン生徒として出演していることで、注目度が上がっている。
「ここは今から倫理です。」衝撃回でメイン 吉柳咲良、難役に「向き合うのは苦しかった」
― 「ここは今から倫理です。」の5話は、リストカットをやめられない高崎由梨と愛着障害を抱える都幾川幸人(板垣李光人)の関わりが描かれ、これまでとは違った印象の“衝撃回”となりました。吉柳:演じる側としては、難しい役でした。想像のできない世界でしたし、きちんと向き合わなければならない役だと台本をいただいたときに感じたので、色々と調べました。向き合うのは苦しかったですが、1つ1つの台詞から、由梨ちゃんが何を思いながら吐く言葉なのか想像し、撮影に臨みました。
― 4話までは主演の山田裕貴さん演じる倫理教師の高柳先生によって生徒たちの問題が解決に向かっていく様子が描かれていましたが、5話では高柳先生が介入できずにいる姿も印象的でした。
吉柳:高柳先生の心情の変化も描かれ、由梨ちゃんたちの姿を通して、“倫理ってなんだろう”“人の心ってどうやったら救われるのだろう”とより深く考えさせられる回でもあったと思っています。私自身たくさん考えましたし、人間としても成長できる役でした。
― 由梨役が決まったときの率直な感想は?
吉柳:自傷行為をやめられない役と聞いて、正直最初はびっくりしました。原作の由梨は、リストカットをあまり深刻に捉えていない印象を受けたのですが、いざ自分が演じるとなると、リストカットを“普通”とは受け止められなくて。4話までは何の問題のない子として描かれていたので、演出の方からは「“ただ教室にいる普通の子”として居てください」と言われ、色をつけないようにしたことも難しかったです。問題を抱えているけれどそれを匂わせない…“普通って何だろう?”と考えました。
― 由梨と比べると、都幾川は1話から分かりやすい描かれ方をしていたような気がします。
吉柳:人との距離のとり方、大きな声が苦手、など外側に表れていたと思います。由梨ちゃんは内側に秘めているからこそ、分かりにくい。それに、高校生にしてすべてを諦めているようなところがあるので、そこも難しい部分でした。
― 都幾川役の板垣さんとのお芝居はいかがでしたか?
吉柳:板垣さん本人はかっこよくて凛々しい方ですが、撮影に入ると守ってあげたくなるような可愛らしさや危なっかしさ、触れたら壊れてしまいそうな都幾川くんそのものだったので、由梨ちゃんを演じる上ですごくお芝居がしやすかったです。
― 現場ではお話されましたか?
吉柳:私は結構話しかけるタイプで、板垣さんにも質問をたくさんしたのですが(笑)、それにも丁寧に答えてくださいました。
― ちなみにどんな質問を?
吉柳:唐突に「喫茶店とカフェ、どっちの言い方をしますか?」とか(笑)。あとは、美容についても何をしているのか質問しました。ほかの生徒役の皆も聞きたいことがたくさんあったみたいで、たくさん話すうちに盛り上がり温かい現場になりました。
― 高柳先生役の山田さんはいかがでしょうか?
吉柳:山田さんは太陽のような方なので、居てくださるだけで安心するし、生徒役の皆が仲良くなれたのも山田さんのおかげです。でも、現場に入った瞬間には人が変わったように高柳先生になって。お芝居のことで相談させていただくこともありましたし、心から尊敬する方です。
吉柳咲良、“ブレイク候補の宝庫”学園ドラマに2作品同時出演
― 「青のSP」では初回でメインとなる三村翔子を演じ、涙ながらの熱演が話題を呼びました。反響は感じますか?吉柳:今クールで初めてドラマに出演させていただいているのですが、撮影としては「青のSP」のクランクインが先だったので、初のドラマ現場だったんです。初回はマネージャーさんと電話しつつ、ネットでハッシュタグを検索しながら観ていました。初回のメインということで、友達も驚いたみたいで、たくさん連絡が来ましたし、ネットでの反響も嬉しかったです。
― 翔子役は、オーディションで勝ち取ったということですが。
吉柳:台本を読んだときから、翔子ちゃんを演じたいと思っていました。いつもはどれだけ準備をしても、“大丈夫かな?”とドキドキしながらオーディションに行くのですが、このときは“絶対受かる!”と心に決めて行きました。ここまで強い気持ちで臨めたのははじめてのことでした。
― スクールポリスの嶋田隆平を演じる藤原竜也さん、国語教師の浅村涼子を演じる真木よう子さんの印象は?
吉柳:藤原さんは事務所の大先輩ですし、嶋田さんとは初回から関わる役だったので、緊張しました。嶋田さんが教室に入ってくると、ピリッとするというか空気が変わるんです。嶋田さんが持っている携帯を手ではじくシーンの撮影では、特に悩みました。藤原さんは「好きなようにやりな」と言ってくださったり、「集中したいだろうから、静かにしよう」と周りに声掛けして気遣ってくださったり、本当に優しくて。普段は明るく話しかけてくださいますし、現場が楽しかったです。
真木さんも明るい方で、優しい先生のような存在です。私は役的にあまり関わる機会がなかったのですが、生徒役皆のことを見てくださっていて、素敵な方だなと思いました。
― 学園ドラマといえば、ブレイク候補の宝庫としても注目が集まりますが、同じクールに2つの学園ドラマに出る上で、その辺りは意識していますか?
吉柳:一度に多くの方に見てもらえるチャンスという意識はありました。同じ映像作品でも、映画とドラマでは撮り方やスケジュールが全く違って、はじめは心配なこともあったのですが、ドラマの現場を通して気付かされることも多く、2作品とも自分にとって大切な作品になったなと思っています。
吉柳咲良、自分磨きが自信に「全部がコンプレックスだった」
― 吉柳さんは現在高校1年生の16歳。ここ1年ほどでぐっと大人っぽさが増した印象です。吉柳:高校生になってから、よく言われます!去年の自粛期間中に、自分磨きを徹底したからかなと思っています。
― そうだったんですね。自分磨きはじめようと思ったきっかけは?
吉柳:時間に余裕があった分、色々と考えることができて、このお仕事を続けていく上で今できることは何だろうと思い、はじめました。この状況が収まっていつお仕事が再開してもいいように、ポテンシャルを上げておくことが大切だと思ったんです。
― 当時15歳?
吉柳:はい。色々考え過ぎて怖くなることもあったので、悩んで出した結果でした。自分に自信がほしくて、そのためにまずは体づくりを、と考えました。
― 具体的には何をしていましたか?
吉柳:甘いものが好きなのですが、飲み物は水、お菓子は必要以上に食べないと決めて、You Tubeで調べた筋トレをしていました。あと、寝られるときはお昼まで寝てしまうタイプだったのを、夜は10時までに就寝、朝は9時半には絶対に起きるようにしました。それを3ヶ月ほど続けて、久々に会った方には「変わったね」と言ってもらえました。
― 小顔ぶりがさらに際立ったように感じます!
吉柳:ありがとうございます!マネージャーさんにも「マスクに隙間ができてる」と言われました!
― まさに“継続は力なり”ですね。
吉柳:飽き性なので、期間を決めて毎日頑張りました。達成できたら、自分にご褒美をあげるとも決めていました。
― そのときのご褒美は何でしたか?
吉柳:何だったっけ…(笑)。服…?何着か服を買ったような気がします(笑)。
― (笑)。体型も変化し、服の選び方が変わりそうです。
吉柳:以前履いていたスカートが緩くなりました!筋トレや食べ物が大事だと思い、食べる量を減らすとか、朝はなるべく食べるようにするとか、30回以上噛むとか、細かい決まりを作っていました。できなかったらお母さんに携帯を没収してもらう、というルールも。
― 厳しい…!
吉柳:本当にストイックにやらないとできなくて…。お菓子は周りが食べていたらつい食べたくなるので、アーモンドを1日20粒ならOKと決めていました。
― ドラマ2作品の出演が決まったのは、その後ですか?
吉柳:そうです。自分磨きをしたことで気持ちに変化が生まれ、良い状態でオーディションに臨めたことも大きかったなと思います。
実は元々、顔とか声とか全部がコンプレックスだったんです。でも、このお仕事をしていると褒めていただける機会もあり、そんなときに自分を否定し続けるのもと思い、受け止められることは素直に受け止め、改善できるところは改善し、伸ばしていけることは伸ばしていこうと考えられるようになりました。そうやって前向きに捉えないと、一生コンプレックスになると思いますし、そう意識を変化できたことが大きかったです。
― コンプレックスというのはいつ頃から抱いていたものですか?
吉柳:オーディション後の中学1年生の頃です。色々な方に会う度に私ももっと頑張らないと、と思うようになっていました。
― コンプレックスをバネして。
吉柳:ネガティブな時期を経験したからこそ、這い上がっていこうと思えた部分もあります。
― 先程、声もコンプレックスだったというお話が出ましたが。
吉柳:元から声が低めで、自分の声が苦手だったのですが、『天気の子』で新海誠監督が「それはあなたの武器です」と褒めてくださり、コンプレックスが武器になると思えるようになりました。そこからは、声に自信が持てました。
― 素敵なエピソードですね。今年は初のドラマ出演を果たし、さらにステップアップしているかと思いますが、今後の目標や夢は何ですか?
吉柳:苦しい役が続いたので、次はもう少し明るい役を演じたいなと思っています(笑)。胸キュンもしてみたいです。考えさせられる作品もすごく好きですが、考えすぎると疲れてしまうので、ときには忘れたふりも大事だと思うんです。そんな気持ちのときに観てもらえるような作品に出てみたいです。
でも、一番はどういう役を演じるかより、エンターテイメントとして成立するお芝居ができるようになることが目標です。演じている感のないナチュラルなお芝居をすることプラス、観ている方がワクワクする何かを与えられる女優さんになりたいと思っています。今回、ドラマに出演させていただき、テレビを通すと、自分が思っているよりも表情が出ていなかったり、思っていた見え方とは違ったりすると感じたんです。気になるところを一つひとつ大事にして次に臨めれば、もっともっと上にいけると思っているので、そのとき感じたことを忘れずに頑張っていきたいです。
― では、最後になりますが、モデルプレス読者にメッセージをお願いします。
吉柳:「ここは今から倫理です。」も「青のSP」も学校が舞台になっていて、その年代だからこその悩みがリアルに描かれています。自分たちが何をすべきなのか、何に向き合うべきなのか、大人になる過程で何を学んで何を知って、誰のおかげで大人になっていくのか…大切なことが詰まった作品になっていますので、ぜひ色々な方に観ていただけると嬉しいです。
― インタビューは以上になります。ありがとうございました!
(modelpress編集部)
吉柳咲良(きりゅう・さくら)プロフィール
2004年4月22日生まれ、栃木県出身。2016年に開催された「第41回ホリプロタレントスカウトキャラバン“PURE GIRL 2016”」でグランプリを獲得。2017年、ブロードウェイミュージカル「ピーターパン」の10代目ピーターパン役に抜てきされ、女優デビュー。2021年夏公演も続投が決定。アニメーション映画『天気の子』(2019年)ではヒロインの弟・天野凪役で声優に挑戦し、銀幕デビューとなる映画『初恋ロスタイム』(2019年)ではヒロインを演じた。2020年には、「デスノート THE MUSICAL」でヒロイン・弥海砂役を務めた。
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