池田エライザ(C)モデルプレス

池田エライザ、初映画監督で尖りを捨てた理由 女優として変化も<モデルプレスインタビュー>

2020.11.29 18:00

映画「夏、至るころ」(12月4日全国順次公開)で初めて監督を務めた池田エライザ(24)。デビュー作とは高い思えぬ演出力は、全州国際映画祭や上海国際映画祭で高く評価され、世界中から熱い視線を集めている。日本での公開を前に、監督という立場の心境や、表現することへの思いを聞いた。

  

池田エライザ原案・初監督映画「夏、至るころ」

(C)2020「夏、至るころ」製作委員会
福岡県田川市で撮影した同作は、映画24区による「地域」「食」「高校生」をキーワードに全国の自治体とコラボした青春映画制作プロジェクト『ぼくらのレシピ図鑑』シリーズの第2弾。池田は原案も担当している。

緑あふれる故郷の山々に抱かれながら、友情を育んできた高校3年生の翔(倉悠貴)と泰我(石内呂依)が、夏祭りを前に初めて自分の人生と向き合い、それぞれの一歩を選びとる物語。少年たちが打ち鳴らす和太鼓の力強いリズムや、不思議な少女・都(さいとうなり)が奏でるギターの旋律、蝉の鳴き声や美しい自然の音に、池田の卓越したセンスが光り、鮮烈なる監督デビューとなった。

池田エライザ「物怖じしている暇がなかった」

池田エライザ(C)モデルプレス
― まずは、初めての映画監督ということでお話があった時のお気持ちを教えて下さい。

池田:もともと自分がやりたいと言っていたことではあったので、お話を頂いたことで改めて感じる大きなプレッシャーはありましたけど、やると決めた時には「じゃあ何をしようかな?」という新しい目標が多すぎてプレッシャーで物怖じしている暇がなかったです。

― 監督をやりたいと思い始めたのはいつ頃なんでしょうか?

池田:分からないんですよね…。いつのまにか、自然とやりたいと思っていました。

― こんなに早いタイミングで実現すると思っていらっしゃいましたか?

池田:オファーがなかったとしても、もうこの段階で撮っていたとは思います。

― ということは、ご自身の中で「最初に撮るならこういうのを撮ってみたいな」というアイデアが幾つかあった?

池田:もともと小学生の頃に小説をよく書いていて、文芸誌の連載だったりとかエッセイも多いので、思いついたものは短編の小説の形だったり、短いプロットの形だったりにしてたくさん書き溜めています。

池田エライザ(C)2020「夏、至るころ」製作委員会
― そういうアイデアがある中で、今回の映画のアイデアはどう誕生したのでしょうか?

池田:今回は田川市の町おこしということもあり、2018年の12月にシナリオハンティングに行かせていただき、そこで田川市の十代、中学生、高校生、二十代、お父さんお母さま方それぞれ数十名ずつ集まっていただいて、1時間ずつ座談会をして、その時に聞いた言葉や、彼らが思う、彼らが感じる田川市を聞いて、ゼロから作りました。

― コロナ禍でタイミングが難しかった中で晴れて公開が決まりました。まもなくお客さんに観てもらうことになりますが、監督としての期待と不安は?

池田:うちの演者たちが本当に素敵な瞬間をさらけ出してくれたので、それがみんなの目に触れるのがすごく嬉しいです。

池田エライザ(C)モデルプレス

「羨ましくもあります」自分と彼らの10代

倉悠貴、石内呂依(C)2020「夏、至るころ」製作委員会
― 「高校生」というキーワードに対して“高校3年の夏”という時間を切り取ったのはどうしてですか?

池田:この映画の中で、おじいちゃんもおばあちゃんもお父さんもお母さんも、大人になってなお思うことがあったり、悩むことがあったり、別のバージョンの人生を考えることがあったり、そのみんなが前に進み続けている中で、彼らは「あれ、このまま流れていくとどこに行くんだろう?」、「そこに自分の意思はあったのかな」、「この先幸せってあるのかな、てか幸せってなんだっけ」とか、立ち止まった瞬間に初めて自分がいる場所を思い知るんです。

みんな命がけで王道をやっていたと思うんですよ、青春時代って。映画が好きだったりするとこれは王道すぎるでしょ、もっと尖った表現をやりたくなってきちゃうんですけど、そういうことも1回捨てて、「青春時代って今思えば痛いって思うようなことも全力でやっていたよね」というところで、彼らに初めて自分について考えて欲しかったからこその高校3年生なのかなって思います。

閉鎖的な環境にいるのに急に大人になることを求められたり、社会なんて見たこともないのに社会でどう自分が立ち振る舞うかってものを考えさせられたりする1番難儀な時。今、手を差し伸べるって言ったらおこがましいですけど、声をかけたくなる世代なのかなと思って作りました。

池田エライザ(C)モデルプレス
― 17歳を撮っている中で、ご自身の17歳が蘇ってきたことは?

池田:全然ないんですよね…私が17歳の時には「CanCam」に出ていて、自分でレールを敷いていくしかなかったんです。嫌いなこともやっていこう、それこそ自撮りも本当に苦手だったけども今の世の中で自分が戦っていく術として。自分で一生懸命レールを敷き続けていたからこそ、彼らみたいに自分の本質について考えることを一切していなかったです。

― 立ち止まって考える時間がなかったということ?

池田:なかったですし、“池田エライザ”っていう他人みたいな感じもするものをどうやったらたまごっちみたいに育てていけるんだろうって、色んなことに必死で、自分が本当に興味を持ったことをやる瞬間に気付いてあげられてなかったですね。だからちょっと彼らが羨ましくもあります。

― 10代の頃にご自分でレールを敷いてきたからこそ今があると思いますが、振り返ってみて糧になったこと、良かったなと思うことは?

池田:大切にしたいと思う人とずっと仕事をし続けてきていること。冗談で「一緒になって稼ごう」とか言ったりするんですけど、うちのマネージャーとヘアメイクさんをいい家に済ませることが夢です(笑)!その感覚を今もずっと守り続けています。

池田エライザ(C)モデルプレス
― 経験を積んで20代になった今の夢は?

池田:SNSばっかりの社会になって、応援してくれる子たちが変に数字で見られちゃうのが昔から嫌で「フォロワーが何人いる」って言われると、なんか寂しい表現だなって思います。このご時世で会えていないこともあるし、私ほど見た目派手なのに中身が地味な人はそうそういないと思うので、イベントとかも「いやー需要ないだろ…」って恐縮しちゃって出来ていなかったんですけど、最近は事務所に行ってお礼じゃないですけど「私で良ければできることはないかな?」なんて打ち合わせする機会が増えました。

― そう思い始めたのは、こういうコロナ禍だから?

池田:コロナというよりは、ガツガツお仕事だけやってきたから「今まで応援してくれた人にお礼言わなきゃ次頑張れなくない?」っていう気持ちですかね。今まで本当にお仕事ばっかりで、体育祭も文化祭も見たことなかったけど、それが全然苦じゃなくて表現することが楽しかった。友だちとほとんど外食にも行ったことなくて、家にも誰も来たことないけど全然平気だった。でも、今は少しずつインテリアとか揃えてみようかなって考えられるようになってきたというか、自分の人生も大事にできるようになってきたのかなというのはあります。

― それはお仕事に余裕が出てきて自分でコントロールできるようになったからですか?

池田:今までは「もう余裕もないです」「他が見えません」ってお芝居に没頭していたと思うんですけど、女優さんってそうじゃなきゃいけないのかな、お芝居で変になっているぐらいのほうが良いのかなみたいな、ちょっとコンプラに敏感になりすぎていた部分もあるなって思うようになってきて、そうやって客観的に自分を見たときに、そうしなくてもお仕事を楽しめるのかなとか、自分で本当にそうしたいことじゃなくて誰かが私のことを見たときにそういう風に感じてくれたらいいなっていう気持ちもあるだろうなって思って冷静になってもっと自分を大切にしようと思うようになりました。

尖りを捨てた初監督「やるべきことはそれじゃない」

池田エライザ(C)2020「夏、至るころ」製作委員会
― 「17~18歳の子たちに手を差し伸べる」というお話もありましたが、今回監督として役者さんと関わっていく中で意識したことはありますか?

池田:結局は人と人で、その人のすごく深いところにある気持ちをカメラの前で表現して欲しいんですけど、それが心地よく表に出てくるにはどういう言葉を選んであげたらいいのか、どういう温度感で接してあげればいいんだろうか、演出するということが「こうしなさい、ああしなさい」ということではなくて、本番までの関係性や言葉で、その気持ちが撮ってる過程でふわっと出てくるようにしてあげる作業だったから、その人を見極めて、オーディションの段階でその人について相談したりもしてしました。

もちろん自分たちが書いた本だからこういう風に演じて欲しいというビジョンはあるけど、第三者が読んで感じたことも嘘じゃないからその人の解釈を否定しないこと。そこの折り合いを丁寧につけていくことにはすごく労力を使いました。

― 役者さんの解釈を否定しない一方で、監督としてこういうものをこう見せたいという思いもあって、そこのぶつかり合いもあったのかなと思いますが…?

池田:ありました。私も映画が好きなので、名作のいろんなシーンをオマージュしたいし、マネしたいし、パクリたいし(笑)、色んな技術的なことも、効果的なことも含めてあるんですけど、それを全部捨てるってことが1番大変でした。そういうことをやりたいけど、私が映画24区の方々、田川市の方々から依頼を受けてやるべきことはそれじゃないなと。池田エライザ初監督で尖りを見せるのか否か、その尖りを捨てる作業っていうのがすごく難しくて、アート的な感性も見せたいし「意外といい感性してんじゃん!」みたいなことを言われたいけど(笑)、丁寧にラッピングする感覚というか、プレゼントに近いギフトする感覚に近いところで作っていた感じです。

― 「捨てる」という表現をされましたが、求めている、求められている人に対しての「プレゼント」という形でそういう表現にしたんでしょうか?

池田:そうですね。田川市の方々には自分の街を改めて誇らしく思っていただきたい、それくらい素敵なところだと思いました。この映画を純粋に観に来ていただいた方々には「こう感じてほしい」みたいな操作は一切したくなくて、それぞれ自分のためにこの映画を見て欲しいなっていう気持ちが強いです。観た後の10分でも15分でも、その余韻の時間は自分のことを労る時間にして欲しいので、自分の尖ったアート欲みたいなものは1回箱に詰めて我慢して、丁寧に撮っていった感覚です。

さいとうなり、池田エライザ(C)2020「夏、至るころ」製作委員会

池田エライザにとって“表現すること”とは

池田エライザ(C)モデルプレス
― 池田さんにとって「表現すること」は、どんどん溢れ出てくる感じなのか、それとも絞りだすって感じなのでしょうか?

池田:難しいな……悪口を言わないんです、悪口が全部作品になる感じなのかな…それだと偽善者っぽいんだよな……。例えば、ニュースを見ていて、悲しくなったり、もっとこうすれば良いんじゃないかなとか色々思ったりすることを全部作品にする。もったいないお母さんじゃないですけど(笑)、「あれ、つまんないよね」、「日本の映画界ってつまんないよね」って言うぐらいなら自分で撮るっていうその性分。好きでやっているだけで自分のことをクリエイターとは思っていないですけど、そういうことがクリエイティブって言われるところに繋がってきているのではないかと感じています。

人のことを裁く権利なんてないじゃないですか、でも普通に生きているだけでなんか裁きたくなっちゃうんですよね。「この人悪だよ」って言われたら「じゃあ悪だよ」って、気を抜いていたらそうなるような仕組みになっちゃっているんです。それが怖くて、そうならないように、自分を保つためにもずっと素朴なところに向き合い続けているというか、そもそももうちょっと考えるべきとこととか、大切にするべきところとか、この目まぐるしい世の中で人に同調してばっかりでは何か大切なものを置いてけぼりにしてきているんじゃないかとか…。自分の発言には常に自分の意思みたいなものを通していないと、人はついてこないと思うのでそういうことをずっと考えています。

― 意思をしっかり表現することで自分を保てている部分があるんですね。

池田:そうですね、もともと気弱なところがあるので、人を説得したりお願い事をしたりする時には「つまりは、こういうことがしたくて、こういう方向を見ていて…」ということを伝えられるように準備する。「私について来い!」って勢いだけでは絶対できないから、「こういう映画を撮りたく存じます。こういう方々に観ていただきたく、こういう気持ちになってくれたら嬉しいなと思いつつ、でもポジティブにこっちの方向を見てます…」っていうようなことを考えています。

― 衝動的というよりは、しっかり組み立てていく。

池田:見た目でそう(衝動的に)思われがちなんですけど、それも冷静にそう見えているなという自覚はあるんです。だからこそ今まで気を付けすぎちゃっていたけど、今もバランスは取っていますね。そう見えるからこそ、ちゃんと芯がないといけないなって思います。

改めて感じた女優の素晴らしさ

池田エライザ、倉悠貴(C)2020「夏、至るころ」製作委員会
― これまで女優として撮影に臨んでいましたが、初めて監督として現場に立ってみたことで新たに気づいたことはありますか?

池田:自分がお芝居をやっている時は「もっともっと応えなきゃ」という気持ちになるんです。本当に余裕がなくて「楽しいんだけれども、まだ出来たはず」という思いがずっと付きまとって、周りにどれだけ褒めて頂いても「いや、本当に全然です」って心から思っているんです。でも、うちの演者たちの芝居を見ることによって、彼らが今まで感じたことのない感情に至ったり、それに動揺したり、新しい自分を知って戸惑ったり、そういう素晴らしい瞬間に立ち会えたことによって、自分では無自覚だったけど「女優っていい仕事なんだな」、「俳優っていい仕事でこんなにも人に影響を与える仕事なんだな」って感じました。

― 自分でも知らない自分が出てくるのは映画作りだからこそ?

池田:どの感情を出すときも自分を通さなきゃいけないのはすごく残酷で、「こんな自分の醜いところ知りたくなかった」とか、台本を読んで「無理だよ」と思っていても、いざケンカするシーンになって全力で芝居をしてくれる相手を前にしたら、自分もぐわーって禍々しいものが出てきて、怖くて震えることもありますが、同時に自分のもっともっと温かいところを知ることも出きます。

今回も、自分もみんなも震えるシーンがそれぞれあって、見事にちょっと動揺していてもぬけの殻になった瞬間、倉くんもそれが忘れられないみたいで、なんか不思議な瞬間でした。未だに言ってくれるんですけど、それはすごく嬉しいです。

演者のみんなが思っている以上にみんな超素敵だからっていつも思うからこそ、「そうそう私は知っていたけどね」じゃないですけど、みんな本当に素敵だよっていうことを、みんなが自覚してくれたことがすごく幸せでした。

池田エライザ(C)モデルプレス
― そういう自覚のきっかけは、映画という現場の中での人との関わりが引き出した?

池田:それが仕事。っていうそんな素敵な言い方するとあれだけど(笑)、映画という1つの現場で芝居という職業でそれができるっていうことは、素晴らしいことだと思うし、せっかくだから自分の可能性みたいなところも気づいたらラッキーだよねとは思います。

― 演じる側と撮る側と両方の立場から映画に関わってみて、どこに面白さを感じていますか?

池田:もともと現場が好きなんですけど、やったからこそなのか監督のものだなって思います。監督を経験したことで、別の現場で「エライザ、次どうやってやればいい?」「すいません自分で考えてください、監督ですよね(笑)?」って冗談でのやりとりがあるんですけど、監督の人柄が作品に出るし、現場の空気感とかみんなの志が映像に残ると思うので、フィクションを撮っているのに、すごくリアルな部分が全部映るところに改めて魅了されました。

― だからこそ、先程「忘れられなかった」と仰っていたような、生生しさがあった?

池田:だからふんぞり返っている暇も余裕もないんです。よく「あの人、性格悪いんでしょ?」とかって聞かれるけど、会ったことないんですよね、性格悪い人に。みんな朝の4時とかに起きて現場に来るし、セリフも覚えてくるし、監督にどんな理不尽なこと言われても「そうっすよね」って言うし。自分でやっているのに過剰に褒めるのはあれだけど、「無理」って言われても仕方がないようなことでも、急に泣けって言われても、難しいようなことも「いや、頑張ります!」って言えるのは、役者って性格が良くないとできない仕事だなって思います。

キャストたちへの思い「私の怒りが成仏してくれた」

倉悠貴(C)2020「夏、至るころ」製作委員会
― キャスティングについてもお伺いしたいです。主演の倉悠貴さんの表情や佇まいがすごく印象的でした。オーディションでの決め手、惹かれた魅力を教えて下さい。

池田:倉くんの素敵なところは、誰と芝居をしているかによって顔つきが変わるところ。すごく勘のある子ですし、いわゆる月9とかにでてもちゃんと割り切って芝居ができるタイプだと思うんです。でも、その顔を持ちながら、この作品中に演出の1つで「本当にセリフが言いたくなるまで言わなくていいよ」って言った瞬間、すごくわがままに芝居をしてくれました。それは態度とかじゃなくて、本当に言いたくなるまで言わない、自分のセリフとして言葉が出てくるわけじゃなくて、“翔ちゃん”としてそのセリフが言いたい、でも言いたくない、言ったらダメになっちゃうんじゃないか、でも言いたいみたいな葛藤をちゃんとやってくれたところに、倉くんの柔軟さがあるんじゃないかなって思います。

呂依君はお芝居が達者だったのでよく女性の相手役をやってもらっていたんです。その中で同じシーンに何回も何回も付き合ってもらっているんだけど、毎回違うんです。相手がお芝居をしているかによって、呂依くんは呂依くんなんだけど目線も違えば顔色も違うし、ちゃんとリアクションをしている。その感じが初めてとは思えないぐらい本当に素直でピュアで素晴らしかったです。

都役のなりちゃんは共感する力がすごかった。全部の役がそうなんですけど、特に都は私が思っていることを代弁してくれている役です。都がプールで語る場面、いろんな理不尽な思いがあって悔しい思いもあって「あぁもう私ここに合っていないんだ」と語るところ。私はもう諦めているから古傷に触る思いで書いていたんですけど、それをなりちゃんが全力の100%の怒りでお芝居をしてくれた時に、初めて深く共感してくれたことがすごく嬉しくて、私の怒りが成仏してくれた感じでした。古傷だから優しく触れる気持ちでいいんだけど、ということも理解してくれているし、すごく深いところで理解してくれたのが心強かったです。

さいとうなり、倉悠貴、石内呂依(C)2020「夏、至るころ」製作委員会
― まだ役者としての経験値が多い方々ではないと思いますが、委ねる感じが多かった?

池田:委ねるというよりは、その都度やり取りをして丁寧に作っていく感じですかね。

― 「それぞれのキャラクターにご自身のことを代弁してもらっている」と仰いましたが、なかでも1番反映している役は?

池田:バラバラです。みんな、それぞれセリフはほとんど自分の言葉に直しているし、脚本家さんのアイデアもたくさんあるし、自分の伝えたいことは必ず入れるようにしていたので、あったりなかったり。そこまで見ているときに意識しないでほしいですね(笑)、恥ずかしいのでフラットに観てください(笑)。

池田エライザから学生たちにアドバイス「自分の気持ちが動くか否か」

池田エライザ(C)モデルプレス
池田エライザ(C)モデルプレス
― 最後に、今回撮りたかった映画が撮れた、夢を1つ叶えることが出来た池田さんから、劇中の彼らのような学生たちにアドバイスを頂きたいです。

池田:常に自分の発言や行動について説明できるようにすること。無理に説明しようとするということではなくて、本当に自分の心が動いていることについて考えていたり、楽しんでいたりすれば、自ずとできるようになることです。そうするためにどうすればいいかというと、自分の心が動くか否かにもっと敏感に、大切にしてあげること。

興味があるかないかは大切なことで、自分の気持ちが動いたなということを選択し続けることによって他人に対して「自分はこうしたい」「こういう理由で、きっとこうなるから」っていう説明がスラスラ出るようになるので、自分の気持ちが動くか否かは大事です

― 今夢がある人にも、夢が無い人にも、通じる言葉ですね!

池田:夢が無いっていうのは強い!これからってことです!

― ありがとうございました。

(modelpress編集部)

池田エライザ(C)モデルプレス

池田エライザ(いけだ・えらいざ)プロフィール

1996年4月16日生まれ、福岡県出身。2011年に映画『高校デビュー』でデビュー後、主演作『ルームロンダリング』『貞子』、話題作『SUNNY 強い気持ち・強い愛』『億男』などに出演。

2020年は、自身が初監督を務めた映画『夏、至るころ』が公開。2021年には出演映画『賭ケグルイPart2』、『騙し絵の牙』の公開も控えている。

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