乃木坂46山下美月、人生を変えた“運命の出会い”「アイドルが出ているだけの映画だと思われたくない」信念語る<「映像研には手を出すな!」インタビュー>
映画『映像研には手を出すな!』(9月25日から公開中)に出演する乃木坂46の山下美月(やました・みづき/21)。これまでも数々の映像作品に出演し、飾らない自然な演技に定評のある彼女だが、今作でぶつかった壁は“演じることの難しさ”だった。「もっと頑張らなきゃいけない」──同世代キャストから受けた影響、自身が変わるきっかけとなった“運命の出会い”を語った。
映画「映像研には手を出すな!」
「月刊!スピリッツ」にて連載中のコミック『映像研には手を出すな!』(作:大童澄瞳/小学館)を実写化する同作は、“最強の世界”を夢見てアニメーション制作を志す3人の女子高校生の姿を独特な世界観と共に描き出す物語。作品設定のアイデアを湯水のように生み出す、極度の人見知りな主人公・浅草みどり役を齋藤飛鳥が演じるほか、超お嬢様でカリスマ読者モデルながらアニメーターを目指している天真爛漫な水崎ツバメ役を山下、アニメに興味はないものの金儲けの嗅覚と持ち前のビジネスセンスでプロデューサー的立ち位置の金森さやか役を梅澤美波が演じる。
山下が演じる水崎は、みんなの憧れの存在だが決して驕らず、自分のやりたい夢に向かって真っ直ぐな芯の強い女性。そんな、山下自身にも似ているまさに“はまり役”だが、意外にも口から飛び出した言葉は「自分に似ている役を演じるのがすごく苦手」──山下が感じた役作りの難しさや、女優業について、そして人生に大きな影響を与えた“運命の出会い”とは。
山下美月、役作りの難しさ語る
― 水崎ツバメ役を演じて、いかがでしたか?山下:ツバメちゃんと自分自身を比べて、近いところが多いなと思ったのですが、実は自分に似ている役を演じるのがすごく苦手で…。似ているとどうしても役を演じるのではなく、“山下美月”が出てしまいそうになるので、逆に真反対だったり、性格が分かりづらかったりするほうが演じやすいんです。スタッフさんにも、「ツバメちゃんはキャラが弱いわけではないけど、浅草みどりと金森さやかと比べると普通というか、すごく変わっている女の子というわけではないので、演じるのが1番難しい」と言われていたので、ハードルが高いなと思っていました。
でも、演じてみて真っ直ぐなところや少し頑固なところに共感できたので、楽しかったです。私も、人からどう言われようと、「自分がこうだと思ったらこう!」と芯を貫くタイプなので、そこは同じだなと思いました。
― 近いからこそ演じるのが難しかったんですね。
山下:浅草と金森のクセが強いから、3人でいるとツバメちゃんのキャラクターが弱く見えちゃうと思って、すごく考えながら演じました。でも原作では、ツバメちゃんの顔の強さや眼力、キリッとしたかっこよさが光って、キャラクターの弱さを全く感じないんですよ。なので、1人で画面に映ると空気や流れが変わる感じになれば良いなと意識しました。
― 3人のキャラクターの魅力を教えてください。
山下:浅草は、原作だとちょっと小動物というかちっちゃいタヌキみたいな(笑)。もう絵が可愛いですよね!その浅草を(齋藤)飛鳥さんが演じることによって、実写化できてる感じが強いです。普段、乃木坂46で活動している飛鳥さんを見て“タヌキ感”を感じることはないのですが、現場だと「身長縮んだのかな?」と思うくらいギュッとちっちゃくなっているように見えて、「守ってあげたい」思いました。良い意味で高校生に見えないのは、飛鳥さんの可愛らしい容姿があってこそだと思うので、すごいです。
金森は、背も高いしクールキャラですよね。浅草と水崎は怒られたらシュンとしちゃうけど、金森は怒られたら倍返し(笑)。クールぶっているけど意外とムキになるし、良いプライドを持って、「だったらこうしてやる!」と結果をすぐ出してくるところが可愛いなと思います。
ツバメちゃんは、この「映像研」の世界では1番可愛いと言われていると思うのですが、そのことを本人が自覚していない感じが可愛いです。自分の同級生に、有名な女優さんや俳優さんの娘さんで、しかも読者モデルをやっている人がいたら「うわ~、あの子は高嶺の花だな」と思っちゃうと思うのですが、あまり自分のことに関して飲み込んでいなくて、あっけらかんとしている感じが良いなと思います。
現場での“NGシーン”エピソード
― 現場で思わずクスッとしたエピソードはありましたか?山下:いろいろあったのですが、涙を流しながら浅草と手を繋ぐシーンが印象的です。飛鳥さんの方を見ないで手を繋がないといけなかったので、手がどこにあるかわからなくて、飛鳥さんのカラダをずっとベタベタ触っちゃいました(苦笑い)。その瞬間がカメラにばっちり全部映っちゃっていて、NGになっちゃったんです…。飛鳥さんの手がちっちゃくて、いくら探しても本当にたどり着けなかったんです!
― (笑)。ドラマ・映画を見たメンバーや周りからの反応はいかがですか?
山下:みなさん結構見てくれていました!メンバーや友だちからも連絡が来たり、いろんなお仕事の現場でも「見てたよ」という声を聞いたりすることがすごく多くて嬉しいです。バナナマンの設楽さんも原作を読んでくださっていたので、映画の完パケをお渡しする時に、3人で「設楽さ~ん!見てくださってありがとうございます!」みたいな動画を撮って、完パケの前に動画をつけて送りました。すごく褒めてくださって、ありがたいです。
山下美月「映像研」きっかけに先輩との関係に変化
― 今回の映画を通して、齋藤さんと梅澤さんとの関係性が変化したことを感じますか?山下:感じます。元々、3人とも普段の活動の中では喋るタイプではなかったので、1年前が信じられないくらい仲良くなったし、喋るようになりました。特に飛鳥さんはそうだと思うのですが、自分のテリトリーに入られすぎると引いちゃうし、離れすぎるとちょっと寂しい…という、近寄りすぎず離れすぎずという距離の取り方が、2人は上手です。
3人とも人見知りでなかなか自分からグッといけなくて、1週間くらい会わなかったらまた人見知りが始まるような、乃木坂46の中でも人見知り感が強い3人が集まったので、その空気感がちょうど良いです。良い距離感が保てるからこそ、お互いのこともすごく理解できるので、この3人で良かったなと思います。
― この映画を通して、先輩方との距離感も掴めるようになりましたか?
山下:そうですね、3期生は、飛鳥さんがいる1期生に5年くらい遅れてグループに入ってきたので、先輩方に可愛がっていただいたり、いじっていただいたりする絡みが多いのですが、私は掴みどころがないと自分では思っていて…。でも今回飛鳥さんが私の変なところを見つけてくださって、それから番組で堂々といじってくださるようになってからは、ほかの先輩もすごくいじってくれたり、仲良くなれたりしています。
― 山下さんと梅澤さんは、2人ともしっかりしているので、今までいじりにくかったのかもしれないですね。
山下:2人とも人見知りなので、ほかの3期生は自分から絡みに行っている子も多い中、自分から行動できなくて、その分仲良くなるのも遅かったんだと思います。この1年で先輩との関係性も結構変わりました。
― 「映像研」のメンバー3人が仲良くなったことで、バラエティ番組でも3人を中心に話が回ることが増えて、グループ全体にも良い影響をもたらしていると思います。
山下:そうですね。この「映像研」の宣伝期間にもいろんなバラエティ番組に1人でも出させていただくことが増えて、すごく学ぶことが多かったです。自分が喋ることに不安や苦手意識があったのですが、乃木坂46のレギュラー番組でも緊張せずに話せるようになりました!生放送じゃなければ、本当につまらない話はカットしてくれるので、失敗しても大丈夫!くらいの感覚で怖がらずに行動できていると思います。
山下美月、齋藤飛鳥・梅澤美波の印象は?
― 齋藤さんはセリフも多い役柄でしたが、先輩の演技を見ていかがでしたか?山下:飛鳥さんは、頭の回転が早いというか、頭脳がすごいです!「映像研」が始まるまで全然知らなかったのですが、飲み込みも早いし、頭がすごく良い方だなと思います。だからこそ、乃木坂46でもセンターに立てる方なんだなと改めて感じました。
私と梅(梅澤)は自分で役について解釈をして、わからなかったら英監督に聞くことが多かったのですが、飛鳥さんは、浅草という役を掴むために英監督からのいろんな要求を聞いていて、その場で飲み込んでいたので、すごいなと思います。セリフも長い上、キャラクターをつくるというのは、要領が良くないと絶対できないと思うので、頭の構造が知りたいです…(笑)。
― 同期の梅澤さんと一緒の現場を経験して感じたことはありますか?
山下:梅は真面目!根が真面目なので、作品の台本も、テレビ番組やラジオ番組の台本もすごく読み込んでくるタイプなんです。でも、バラエティなどでは、固めすぎて返しが上手くできなかったり、遊べなくなったりすることがあって、梅が反省してる姿をたまに見るので、そういうところも“ド真面目”なんだな~と思います。
あと、梅はキレる演技がすごく上手です。「身長がコンプレックスだ」と言っているのを何回か見ているのですが、この作品は梅の身長があるからこそ金森がよく見えるし、長身を活かす機会がものすごく最近多いので、梅が兼ね備えてるものを1個ずつ世に放出している姿を見て、強いなと思います。
山下美月、運命の出会い
― 「映像研」を通して、女優業への心境の変化などはありましたか?山下:今回、ドラマと映画を同時に撮影するのが初めての経験だったし、3ヶ月半くらいの長い期間、現場に通い続けるのも初めてだったこともあり、ここまでお芝居に触れていると「これでいいのかな?」と不安になりました。私たち以外にも同年代のキャストさんがたくさん出ていらっしゃって、すごく刺激を受けて「もっと頑張らなきゃいけないな」と思ったんです。
本業はアイドル・乃木坂46ですが、それに甘えちゃいけないなと思ったし、周りの人から“アイドルが出ているだけの映画”だと思われたくないという気持ちが強かったので、不安もあったけど、より気合いが入って、この作品を撮影している時は後ろを振り向く暇もなく没頭して「3人で作品を完成させるぞ!」という勢いでした。「映像研」を機に成長もできたし、課題点やこれからやらなきゃいけないことも見えて「早くお芝居がしたい!」と思える期間になったと思います。
― すごくいい変化ですね。では最後に、「映像研」では水崎が浅草と金森と出会ったことで変わっていく様子が描かれていますが、山下さん自身が変わるきっかけになった出会いを教えてください。
山下:仕事です。私は本当に飽き性で、1個のことをずっと続けることが苦手で、お母さんからもちっちゃい頃に「地道に続けていく仕事は絶対に合わない」と言われるほどだったんです(笑)。芸能界でアイドルというお仕事をしていると、歌ったり、踊ったり、お芝居をしたり、バラエティ番組に出たりといろんなお仕事ができるので、芸能界という場所が好きだなと思います。
もちろん苦手分野があったり、毎日違うことしてるので頭がフル稼働していたり、すごく煌びやかな世界である分、辛いことや悔しいことはたくさんありますが、それも含めて全部経験になるし、やりがいがあるお仕事に本当に出会えたと思うので、高校2年生の時に乃木坂46に入ることができて、本当に良かったなと思います。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
山下美月(やました・みづき)プロフィール
1999年7月26日生まれ、東京都出身。2016年「乃木坂46 3期生オーディション」に合格し、グループのエースとして活躍している。2018年は「日日是好日」で映画初出演を果たし、雑誌「CanCam」の専属モデルに抜てきされるなどの活躍ぶり。2019年のドラマ「電影少女 -VIDEO GIRL MAI 2019-」では萩原利久とダブル主演を務めた。2020年は1st写真集「忘れられない人」(小学館)を発売した。スタイリスト:市野沢祐大(TEN10)
シャツワンピース(Create Clair/アミアズ株式会社9、ピアス(eglee)
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