乃木坂46齋藤飛鳥「泣きそうになった」“周りの目が怖い”気持ちに共感<「映像研には手を出すな!」インタビュー前編>
映画『映像研には手を出すな!』(9月25日公開)で、一度見たら忘れられないほどの個性溢れるキャラクターを演じている主演の乃木坂46・齋藤飛鳥(さいとう・あすか/22)。彼女にとっても挑戦となる作品で得たものとは──。<インタビュー前編>
齋藤飛鳥主演映画「映像研には手を出すな!」
「月刊!スピリッツ」にて連載中のコミック『映像研には手を出すな!』(作:大童澄瞳/小学館)を実写化する同作は、“最強の世界”を夢見てアニメーション制作を志す3人の女子高校生の姿を独特な世界観と共に描き出す物語。作品設定のアイデアを湯水のように生み出す、極度の人見知りな主人公・浅草みどり役を齋藤が演じるほか、超お嬢様でカリスマ読者モデルながらアニメーターを目指している天真爛漫な水崎ツバメ役を山下美月、アニメに興味はないものの金儲けの嗅覚と持ち前のビジネスセンスでプロデューサー的立ち位置の金森さやか役を梅澤美波が演じる。
齋藤が演じる浅草は、好きなことを語る時にはテンションが高く、独特な話し方が特徴的。物静かな齋藤とは、まさに対照的なキャラクターとなっている。齋藤にとっても“殻を破る”大きな挑戦…浅草を演じる中で見つけた思いや、女優業に対する意識の変化とは──。
齋藤飛鳥、役作りに苦戦「不安がすごく大きかった」
― 原作漫画やアニメの印象を教えてください。齋藤:映画出演のお話しをいただいてから原作を読んだので、映像化するという視点で読んだのですが、すごく魅力的な素敵な作品だけど、実写化した時にどんな映像になるのか想像がつかなかったので、「これを実写化できるのかな?」と思っていました。でも想像がつかないからこそ、ワクワクしましたね。
― 齋藤さんが演じる浅草みどりは、普段の齋藤さんと180度違うキャラクターですが、役作りや撮影で大変だったことはありましたか?
齋藤:浅草はちょっと変な人じゃないですか(笑)。最初は「現実にこういう人あまりいないな」という変わっている部分が目についたので、これを私で実写化するとどうなるんだろうという不安がすごく大きかったです。台本いただいてからも、どうすれば良いのかわからなくて…。なので、本読みの時に英監督と初めて浅草という役についてお話しして、そこでちゃんと「声はこういう感じで行こう」「動きはこういう感じが浅草っぽい」「姿勢はこうが良い」などと細かい部分を詰めていって、それからクランクインまでの間に気持ちを持っていけました。
― 話し方や大きな声を出すのも難しそうですね。
齋藤:そうですね。普段の声と違う声を出さなきゃいけないし、それに加えて大きい声も出すし、大変でした。クランクインをした初日の撮影が、私たちは“覚醒”と呼んでいる、映画にも出てくる浅草がブルブルッと震えてからバーッと専門用語を言い出すシーンだったんです。最初から自分の中にないようなキャラクター性を出さなきゃいけなかったので、少し手こずったし、恥ずかしかったです。でも、段々と浅草というキャラクターに対して愛着が湧いて、愛おしいなと思えるようになってからは、恥ずかしさや照れくささがなくなって、すんなり演じられるようになりました。
齋藤飛鳥「周りからどう評価されているんだろう」“浅草”に共感する思い
― 齋藤さんが演じた浅草との共通点を感じた部分はありましたか?齋藤:最初は全く共通点を見つけることができなかったんですけど、演じていくうちに、浅草のちょっと臆病な部分や、自分の本心を隠すために大げさなアクションや言葉で装飾しているところに、共感しました。私も、自分の気持ちを隠して少しふざけてしまったり、ごまかしてしまったりする部分があるので、似ているなと思います。
劇中で、浅草が自分の作った映像作品に対してちょっと自信がなくなってしまうシーンがあるのですが、そこに1番共感しました。私も芸能活動を約10年してきた中で、「周りからどう評価されているんだろう」とどうしても周りの目がすごく気になるし、10代の頃は怯えることもあったので、浅草のセリフが響いて、言いながら泣きそうになりました。
― 昔の自分を思い出して泣きそうになったのですか?
齋藤:そうですね。今もその思いが完全になくなったわけではないので、今の自分に対しても響きました。浅草の「周りの目が怖いんだ」という気持ちにも共感できるし、金森の「あんたが好き勝手やるしかないでしょ」という励ましの言葉にも、どちらの気持ちもすごくわかります。
齋藤飛鳥は“褒めて伸びる”タイプ
― 完成した映像を見て、想像以上だったシーンや印象に残ったシーンはどこでしたか?齋藤:ロボットや、それと戦うあるモノが出てくるシーンです。実際には何もない状態で撮影していたので、完成するまで「どうなるんだろう…」と思っていたのですが、大きいスクリーンで見た時に、CGのクオリティがものすごく高いし、ただの青春学園モノやコメディモノじゃない、どの要素も全部入っているハイブリットな作品だなと感じました。
メンバーやマネージャーさんも何人も見てくれたのですが、何よりも嬉しかったのが、業界の方や関係者の方が見てくれて、評価してくれていたということです。アニメや映像の制作のお話で、制作する方々に共感してもらえる部分がたくさんあると思ったので、そういう方々に届いて、評価してもらえて「あの役すごく可愛かったね」「感動した」と言ってもらえたことがすごく嬉しかったです。
― 英勉監督に言われて印象に残っているやり取りはありますか?
齋藤:英監督はすごく優しいので、基本的には褒めて伸ばしてくれるタイプでやりやすかったです。でも、私も英監督もちょっと人見知りということで、浅草のウィッグをつけている時はフランクにお話ししてくれたのですが、ウィッグをとって髪が長くなった瞬間に「あぁ、もう浅草じゃない…。喋れない。顔も見られない」と言っていました(笑)。でもそれは、私が浅草の格好をしている時はちゃんと浅草として見てくれていたんだなと思って嬉しかったです。私がものすごくド下手な演技をしていたらきっとそういう風に思ってくれていないと思うので、少しだけでも英監督が描く浅草に近づけていたのかもしれないなと、今思います。
― 齋藤さんは褒めて伸ばされるタイプですか?
齋藤:私はめちゃめちゃ褒められたいタイプです(笑)。
齋藤飛鳥「映像研」が“殻を破る”きっかけに
― 今回の作品を経て、女優としての仕事に対する思いの変化はありましたか?齋藤:お芝居に関しては、正直に言うとやはり俳優を本業としている方には敵わないなという気持ちが自分の中にずっとあって…。今までメンバーがたくさん一緒に出ているドラマやミュージックビデオなど、乃木坂46での仕事でお芝居をする時には、自分ができることをやろうという気持ちだったので、特別に「今後お芝居を突き詰めていきたい」という気持ちは全くなかったんです。
でも、今回初めて自分と真逆で癖のある役を演じてから、最初は自分に近い役のほうが演じやすいだろうと思っていた考えが、ガラリと変わりました。自分と真逆だからこそ理解しようとして、演じやすさが出てきたり、愛着が湧いてきたりすることを理解したので、自分ができる役の幅が広がった気がします。この作品をきっかけに今後も「私にはできない」と決めつけずにチャレンジできるなと思えました。
― 殻を破るきっかけになったのですね。
齋藤:そうですね。ドラマ「リモートで殺される」に参加した時も「浅草を演じることができたから、きっとこの役もできる」と思えたので、今回の経験がいろんなところで活きていると思います。浅草を演じたあとから、1人の人間としても、周りから「印象が違う」と言われることが増えたので、すごく私に大きな影響を与えてくれた作品です。
(modelpress編集部)
齋藤飛鳥(さいとう・あすか)プロフィール
1998年8月10日生まれ。東京都出身。2011年、乃木坂46の1期生オーディションに合格。2012年、乃木坂46の1stシングル『ぐるぐるカーテン』で選抜入りしデビュー。2015年、女性ファッション誌『CUTiE』初の専属モデルに抜てき。その後、休刊が発表されてからは『sweet』のレギュラーモデルに就任。様々な服を着こなし、男性のみならず、女性からも絶大な支持を得る。2016年『少女のみる夢』でドラマ初主演。2017年には舞台『あさひなぐ』で主演を務めた。2018年には映画『あの頃、君を追いかけた』で映画デビューを果たしたほか、2020年はスペシャルドラマ『リモートで殺される』(日本テレビ系)に出演し、女優としての才能を発揮している。スタイリスト/市野沢 祐大(TEN10)
ベスト、トップス、パンツ(全てKOH'S LICK CURRO)、バングル(PHILOSOPHY Arts./ワールドスタイリング)、イヤリング(FUMIE TANAKA/DO-LE co ltd.)、その他スタイリスト私物
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