乃木坂46生田絵梨花、リモート撮影でハプニング&辛かったこと コロナ禍で感じたメンバーの優しさとは<「とどけ!愛のうた」インタビュー>
2020.07.06 22:00
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オリジナル連続ミュージカルドラマ「とどけ!愛のうた」(Paraviで7月6日から毎日21時30分~配信/全5話)にて、連続配信ドラマ初主演を務める乃木坂46の生田絵梨花(いくた・えりか/23)にインタビュー。今の時期だからこその異例の試みで感じた思いとは──「乃木坂46時間TV」裏話やコロナ禍で伝えたいメッセージなどを語った。
生田絵梨花、異例のリモートミュージカルドラマで主演
コロナ渦の不透明な状況がいまだに続いている日本。人々が自由に触れ合うことができない異常な社会情勢の中、様々な手法でエンタテインメントが作り始められている。何もない白紙状態から完成までの制作期間たった2ヶ月で、ミュージカルドラマ制作の実現につながった。連続配信ドラマ初主演を務める生田は、恋愛に対して奥手なところがあり、好きな人の前では素直になれないヒロイン・希奈梨役。インタビュー部屋に登場した生田は、しっかりと手を消毒。ソーシャルディスタンスを保って待機していた記者たちの様子を見て、「すごい不思議な光景!」と爽やかな笑顔を見せ、離れた場所にいる記者にも聞こえるような声でインタビューに応じた。
生田絵梨花、異例の試みに本音
― リモートのミュージカルドラマのオファーを受けたときどんな気持ちでしたか?生田:最初に思ったのは、「前代未聞だな」ということです。いつか映像とミュージカルを融合した作品に参加してみたいという興味はありました。でも、まさかこのタイミングで、そしてリモートで実現するということは想像もしていなかったし、お話しを聞いた時は、正直毎日「できるのかな…」と思っていて…。
私たち出演者もスタッフたちにとっても初めての試みでしたが、みんなが探りながらも、お互いの情熱でいろんなことを乗り越えて、最終的には「本当に楽しかったね」と晴れやかな顔で言えるくらい、すごく良い現場だったなと心から思います。
― 希奈梨としては、どんなところが視聴者に共感してもらえそうですか?
生田:やはり思ったことを素直に言えないというのは、私もだし、きっとみなさんもどこかしら心に引っかかることがあるのかなと思っています。希奈梨ちゃんも、自粛期間中にもやもやと抱えている気持ちを先輩に伝えようと思うのですが、文章を打つけど途中でデリートしちゃうところとかは、なんかわかるなと思うし、相手に伝えるときの勇気を振り絞る感じや、言えた後にまたその人との関係性がぐっと変わるというところも、日常生活にもあることだと思うので、演じながら共感できました。
― 生田さん自身は思ったことは言えないタイプですか?思ったら言っちゃうタイプですか?
生田:ん~…。言えないタイプだったのですが、意識的に「よし伝えよう!」と思って言う派です。元々、どちらかというと人に合わせちゃうほうなので、自分の意見をはっきり言ったり、思っていることを素直に伝えたりするのは苦手な方でした。でもこの仕事するにあたって、「ちゃんと伝えなきゃ、言葉にしなきゃダメだな」と思うようになってからは、「よしっ!」と思って言うようにしています。
リモートならではのハプニングも
― ミュージカルでは掛け合いが必須だと思いますが、リモートではそこが難しそうですね…。生田:そうなんです!稽古をしている時、画面がフリーズしちゃって「すみません。あの、画面が止まりました」ということもありました(苦笑い)。共演者の方とは同じハウススタジオにいるけど、それぞれ違う部屋にいるという状況で、「よーい、スタート!」で一緒にミュージカルを始めるという方法で撮影していたのですが、実際に顔を合わせてお芝居をするのとは全く違いましたね。
画面越しでも相手の微細な表情の動きを読み取る意識をしたり、カメラワークも固定なので、普段ならカメラに寄ってもらうようなところも自分から寄りにいったり、アングルや動きを稽古の段階から計算しながら、キャスト全員で課題にしていました。
― 短期間での制作ということで、時間との戦いでもありましたよね。
生田:「大事な作品にしたい」「今の時期だけで終わらない普遍的な作品にしたい」という気持ちはみんな一緒だったので、取り急ぎみたいにならないように、自分も一生懸命向き合いました。恐ろしいスピードで作っていったので、毎日今日なんじゃないかと思う感覚というか…毎日同じ場所に行って、同じ人の顔を見て稽古をしているから、時間の感覚が麻痺するんですよ!毎日無我夢中だったので、新感覚でした。
「乃木坂46時間TV」で感じた優しさ
― 最近の配信での試みで大きなトピックと言えば、「乃木坂46時間TV」ですが、初めてのリモート開催はいかがでしたか?生田:やはりソーシャルディスタンスを保つのが大変でした!私たちは、すぐにわちゃっとしたくなっちゃうんですよ…。メンバーに絡みに行く度に、マネージャーさんから「あ、ちょっと離れてください」と言われるのが辛かったです。
― (笑)。本当はくっつきに行きたかったのですね。
生田:そうなんです…。それぞれ個人ブースがあって、私は両隣が秋元真夏と齋藤飛鳥ちゃんだったのですが、メンバーの個人ブースには入ってはいけないので、遠目で覗いたり、ちょくちょくちょっかいを出したりしていて!ブースの前を通り過ぎる度に、無駄な動きとかをしながら通り過ぎていました(笑)。
― 1期生9人による期別企画ではバーベキューをしていましたね。お酒も入っていて、余計くっつきたくなりそう…。
生田:そう!本当に油断すると近づいちゃうし、「虫が~!」と言って騒いでいる子がいても、ソーシャルディスタンスを保ちながらだと助けてあげられなくて…。でも齋藤飛鳥ちゃんとかが、初めは私も悪ふざけで「お肉取ってきてー」とか言っていたのですが、頼んでいない時も「これ焼くのー?持って行くよー」と言ってくれて、こういう時期ならではの優しさを感じました。
― 裏側では助け合いがあったのですね。秋元真夏さんのソロ企画では、自粛期間中に「秋元さんから電話するって言ったのに全然来なかった」とおっしゃっていましたね。
生田:そうなんです!「電話する」と言っているのに電話来ないから、話したいことがいっぱいあるんです!
― あれから電話は来ていないですか?
生田:待っていたんですけど、結局来なかったですね。彼女はそういうところがありますよねぇ。これからネタにしてやります(笑)。
生田絵梨花、コロナ禍で伝えたいメッセージ
― 今回のリモートミュージカルドラマなど、リモートでの試みでファンとの繋がりをより感じる期間になったと思います。コロナの状況で将来が不安となり、夢や目標が見つけづらくなっている人も多いと思うのですが、生田さんはそんな人たちにどんなメッセージを伝えたいですか?生田:普段は元気を届けるということを意識しながら仕事をしていますが、私たちも不安な気持ちは一緒です。全員一緒で、世界共通なんですよね。だから、今自分ができることと言ったら、頑張ることを諦めないことしかないと思います。
「乃木坂46時間TV」でバイオリンとギターに挑戦した理由も、もちろん自分のモチベーションのためでもありますが、みなさんに届けられるものはないかなと思って練習しました。実際にその反響として「いくちゃんの姿を見て自分も頑張ろうと思った」「自分も新しい挑戦を始めてみよう」などの声が届いて、そういう風に見てくれる人がいるということは、すごくありがたいと思ったし、どんなに小さいことでも、それが今自分にできることなのかなとも思ったんです。なので、今は本当に全員一緒なんだよということしか、自信をもって声を掛けられることはないかなと思います。
― ご自身の活動の真意を見直す時期になったのですね。
生田:そうですね。改めて何のためにこの仕事をしているのかとか、自分が何をしたいのかということをすごく考えました。今まではひたすら忙しさに追われるだけの日が続いてしまうことも多かったので、自分との向き合い方というのは、コロナを経験してからだいぶ変わりましたね。
― 生田さんもこの時期は不安でしたか?
生田:お仕事も完全にストップしていたので、すごく不安でした。でも、またこうしてリモートでミュージカルドラマを届けるという試みに参加できていることが嬉しいです!いくら自分が「伝えたい!届けたい!」と思っていても、声をかけてもらえないことには動けないので、1つひとつ大事に、丁寧に向き合って、自分の役割を遂げたいなと思います。
― ありがとうございました!
(modelpress編集部)
リモートミュージカルドラマ「とどけ!愛のうた」
舞台は、まさに今の日本。日本中が新型コロナ感染拡大のために自粛生活を送る中、ゴールデンウィークを翌日に控えた4月24日金曜日。町の小さな印鑑屋、真壁印章の社員たちに突然「リモート飲み会」のメールが届いたところから物語は始まる。主人公の吉澤希奈梨(きなり)と先輩の太田悠人はお互いに素直になれず反発しあって自粛生活に突入中。おもしろ営業部長の松倉純は、独特のユーモアを絶やさないが仕事はからっきし。社長の真壁陽一郎と副社長の由佳は夫婦だけど、現在別居中。会社は経営危機のまま休業状態になってしまい、2人は会社の存続についてもずっと揉めたままだ。
それぞれに問題を抱えた、個性豊かな5人が集うリモート飲み会で、いったい何が起こるのか?真壁印章の進む道は?5人の運命と恋の行方は果たして?
生田のほか、柿澤勇人、斉藤慎二(ジャングルポケット)、シルビア・グラブ、橋本じゅんが出演する。
生田絵梨花(いくた・えりか)プロフィール
1997年1月22日生まれ。A型。ドイツ・デュッセルドルフ出身。2011年、乃木坂46の1期生として活動開始。10thシングル『何度目の青空か?』でセンターを務めるなど、常にグループの中心的メンバーとして活躍。アイドルとしての活動以外に『レ・ミゼラブル』や『ロミオ&ジュリエット』など多数のミュージカル作品にも出演。2019年4月には、優れた芸術家らを表彰する『第44回 菊田一夫演劇賞』の演劇賞を受賞した。ピアノの腕前も抜群、乃木坂46イチの才色兼備であり、天真爛漫な魅力で多くの人々を魅了している。
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