<松下洸平「スカーレット」インタビュー>戸田恵梨香との胸キュンシーンで「2~3回NGを出しました」“八郎”に共感する葛藤や恐怖とは
NHK連続テレビ小説『スカーレット』(NHK総合/月曜~土曜あさ8時)に出演する松下洸平(まつした・こうへい/32)。モデルプレスのインタビューでは、ヒロインを務める女優の戸田恵梨香ら共演者とのエピソードや、今後の俳優人生について語った。
松下洸平、“朝ドラ”『スカーレット』出演
水橋文美江氏が脚本を手がけ、連続テレビ小説101作目となる同作は、焼き物の里・信楽の女性陶芸家・川原喜美子が、モノを作り出す情熱と喜びを糧に、がむしゃらな強さと天性の明るさで懸命に創り、育て、働く、オリジナルストーリー。松下は、喜美子の夫として、陶芸と人生に大きな影響を与える川原八郎役。“朝ドラ”出演という大きな抜擢を受けた今、松下が思うことは──。
『スカーレット』“八郎役”抜擢は「10分くらい動けなかった」
― “朝ドラ”出演、そして八郎という重要な役に抜擢されましたが、出演が決まった当時の心境はいかがでしたか?松下:オーディションを受けた時は、「ワンシーンでも出られたら…」という思いだったので、まさかこんなに大きな役どころで選んでいただけるなんて、本当にびっくりしました。でも嬉しかったです!夢が叶った瞬間は、両手を挙げて「うわ~!」と喜ぶかと思っていたのですが、実際は言葉を発することで精一杯で、10分くらい動けなかったですね。
― ドラマ出演で大きく知名度も上がり、松下さん自身の生活や周りの環境がガラッと変わったと思うのですが、松下さん自身はどのような変化を感じていますか?
松下:僕自身は何も変わっていないのですが、周囲の人たちの反応が多少変わって来ていて戸惑ってしまいます…。撮影中は朝から晩までずっとスタジオの中にいるので、外の状況がイマイチわかっていないのですが、たまに外に出た時に突然「八郎さん」と声を掛けられると「あっ、今世の中の人たちに八郎はちゃんと認識されているんだな」と周りの人たちに気付かされることが多いです。
― 朝ドラでは長い時間1人の人生を生きるということで、繊細な表現が必要とされたり、演じる上での難しさもあったと思います。役作りで苦労点はありましたか?
松下:そうですね。実年齢よりどんどん年が上になっていくのですが、本当に未知の領域です。僕は結婚もしていなければ子どももいないので、本当に想像していくしかなくて。舞台と違って、ドラマはよりリアルな日常が描けるので、極力リアルに夫婦という形を表現していかなきゃいけないというところは苦労しました。
― 戸田さんとも相談しながら役作りをしているのですか?
松下:やはり想像だけでは足りない部分もあるので、戸田さんや演出チームに相談したり、実際に結婚をしている方に話を聞いたりしています。本当に大事に、繊細に演じないと嘘っぽくなってしまうなと思うので、気をつけるようにしていますね。
戸田恵梨香との胸キュンシーンで緊張「2~3回NGを出しました」
― これまで喜美子と八郎の数々の胸キュンシーンが大きな話題になりましたね!2人のやり取りがすごく自然だからこそ、よりキュンキュンしたのですが、撮影中はいかがでしたか?松下:いや、もう照れ照れです…(笑)。戸田さんと2人で照れながらやってましたね。ウブなはずの八郎が、たまに「え?好きになった途端、意外とグイグイいける人なの?」という行動をするじゃないですか。そういう八郎のギャップを、脚本家の水橋さんが120%で書いてきてくださるので、これはもう応えなきゃダメでしょという気持ちで、フルでやりました!
― 特に思い出に残っているシーンはありますか?
松下:プロポーズのシーンですね。お揃いのご飯茶碗を作って「これで毎日一緒にご飯食べよな」とプロポーズするなんて、かっこよすぎませんか?さすが陶芸家だなと思ったのですが、男前すぎて、僕のキャパを超えていたので、めちゃくちゃ緊張して、2~3回NGを出しました…(苦笑い)。
喜美子に見られないようにご飯茶碗を持っていくんですけど、手が震えちゃって、後ろでカチカチカチカチ…と音が鳴っていました(笑)。今までのテレビの中で1番緊張したかもしれないです。
― そうなんですね!それは名シーンですね。ドラマが進むに連れて、喜美子と八郎の仲や信頼関係がますます深まっていっているように、同時に戸田さんと松下さんの間にある信頼関係も大きくなっているようにお芝居から感じます。
松下:ここまで半年以上2人のシーンも多いので、信頼関係はもちろんあります。そこがなければ成立しないことばかりなので、互いにリスペクトし合う気持ちがあるからこその八郎と喜美子だな、といつも演じながら思います。
林遣都は「本当に可愛すぎて」
― 戸田さん、大島優子さん、林遣都さんなど、共演者ともすごく仲が良さそうですよね。松下:そうですね。年齢も近いし、家族や兄弟のようです。集まるとくだらない話ばかりしてとにかくうるさい(笑)。本当にみんなのことが好きすぎますね。
― プライベートでも交流はあるのですか?
松下:(林)遣都とは特に仲が良いです。僕は“遣ちゃん”と呼んでいるんですけど、年齢は僕より下だけど本当にしっかりしているし、お芝居が大好きなところに共感もします。2人で舞台の話しをしたり、大阪での撮影中も2人でご飯を食べに行ったりしています。可愛いです。
― 弟みたいな感じなんですか?
松下:そうですね。芸歴は彼の方が大先輩なんですけど、普段の遣ちゃんは本当に可愛すぎて「ん~~!!!」と頭をワシャワシャと撫でる時があります(笑)。
― 本当に信作と八郎みたいな関係ですね(笑)。
松下洸平“八郎”に共感する葛藤や恐怖
― 劇中では、八郎が陶芸家として葛藤している様子も描かれていましたが、松下さん自身の俳優人生と八郎を重ね合わせて共感する思いはありますか?松下:“モノを作る”という部分では、僕も八郎も一緒だと思います。僕はお芝居を初めて10年くらい経つのですが、八郎のように足踏みをすることすらできない状況に陥ったり、何かをしていないと取り残されてしまうんじゃないかという恐怖を抱いたりしたことがあるので、八郎の気持ちは理解できますね。
― 松下さんはその葛藤をどのようにして乗り越えてきたのですか?
松下:「もう俳優を辞めようかな」「この仕事に向いていないかもしれない」と思った時が何回かあったんです。派手な生活がしたくてこの世界に入ってきたわけではないので、田舎で作物を育てて、最低限のお金だけ稼いでのんびり暮らすもの良いかもしれない、と。でもやはり、鼻歌を歌っている時に「この鼻歌を誰かに聞かせたいな」と思ってしまうし、テレビを見ていても「僕だったらこういう風に演じるな」と絶対に思ってしまうんです。なので、どんなに悩んでもやはり僕には俳優の道しかないという考えに行き着くのが、乗り越えることになるのかな。
松下洸平の夢を叶える秘訣は?
― 「スカーレット」の影響で知名度もグッと上がりましたが、今後の俳優としての目標を教えて下さい。松下:変わらずにいろいろなことに挑戦していきたいなと思います。自分のできる範囲ではなくて、自分の範疇よりもさらに難しいことや、自分には向いてないんじゃないかということも、ここから先はトライして、そこから変わっていく自分を楽しんでいきたいです。
― 具体的にやってみたい役とかありますか?
松下:ここ数年、「困らせたら良い演技するよね」と言われることが多くて、優しいけどちょっと抜けているとか、一生懸命だけどドジとか、完璧じゃない役ばかりだったので、非の打ち所の無い“完璧な男”を演じてみたいです!“困らない松下”を目指します(笑)!
― 楽しみにしています(笑)。松下さんの夢を叶える秘訣を教えて下さい。
松下:今やらなきゃいけないことを一生懸命にやることです。夢を叶えるための近道はないので、夢を叶えるために何をすれば良いのかということをまず最初に考えるべきだと思います。もしそこに答えが見つかったら、それに対して一生懸命にやることのみ。
僕は、“朝ドラ”に出ることが夢でしたが、そのためにどういうお芝居をすれば良いのかということは考えずに、いただいた役を一生懸命にこなすことを大事にしてきました。なので、目の前のことを一生懸命にやることが、夢を叶える1番の近道なんじゃないかなと思います。
― 最後に今後のドラマ展開で視聴者の方に注目してほしいポイントを教えて下さい。
松下:喜美子と八郎も年齢を重ねて、2人の関係もどんどん変化していきます。楽しいことばかりではないですが、僕たちは一生懸命、嘘なく演じるので、どうか最後まで喜美子の人生を見届けてあげて欲しいです。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
松下洸平(まつした・こうへい)プロフィール
1987年3月6日生まれ、東京都出身。2008年より自作曲に合わせて絵を描くパフォーマンスを開始し、“ペインティング・シンガーソングライター”として活動。同年、「STAND UP!」にてCDデビューを果たした。2009年のミュージカル「GLORY DAYS」での初舞台を皮切りに、舞台・ドラマ・映画など幅広い分野で活躍中。2018年、舞台「母と暮せば」、「スリル・ミー」での演技が評価され、第70回文化庁芸術祭新人賞、読売演劇大賞優秀賞、読売演劇大賞杉村春子賞を受賞。映画「燃えよ剣」(5月22日)の公開を控えている。また、音楽活動の新たなスタートとして「KOUHEI MATSUSHITA LIVE 2020"HEART"」が4月29日(大阪)、5月1日(東京)で開催決定。(一般発売3/28)スタイリスト/渡邉圭祐
ヘアメイク/五十嵐将寿
衣装クレジット
ジャケット¥38,000(ハバノス/問HEMT PR03-6721-0882V)、カットソー¥18,000(ファクトタム/ファクトタム ラボ ストアTEL:03-5428-3434)、その他(スタイリスト私物)
「スカーレット」第18週あらすじ
大阪から戻ってきた喜美子(戸田恵梨香)は、穴窯の薪代をまかなうために借金をする。八郎(松下洸平)とは別居が続いている。一方百合子(福田麻由子)と信作(林遣都)は、ようやく結婚写真を撮影する。喜美子の穴窯の失敗は6回にも及ぶが、諦めることはできない。マツ(富田靖子)の手紙を受けて、草間(佐藤隆太)が信楽に。草間に話をしたことで喜美子の決意は一層強くなる。今度こそ、と、それまでにない長期間窯を焚くという喜美子に、八郎は心配して猛反対する。が、喜美子は押し切って7回目の窯焚きを始める。
ついに窯の上部が破れて炎が上がるが、喜美子は信念のもとに薪を投げ入れ続ける。そしてついに理想の色の焼き物を手にする。
陶芸家・川原喜美子をちや子(水野美紀)が取材に訪れる。7年後、喜美子は陶芸の実績を上げ、個展も開いている。息子の武志(伊藤健太郎)は高校2年生で進路に悩んでいる。陶芸への興味はあるが、家族を顧みず突き進んだ喜美子の厳しい生き方を目の当たりにし、迷っているのだ。
喜美子と八郎が5年前に離婚したのち、信作は八郎からの手紙を武志のもとに運んでいた。武志は、八郎に再会して相談し、陶芸を学ぼうと大学受験を決める。
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