モデルプレスのインタビューに応じた井上小百合(C)モデルプレス

<乃木坂46井上小百合・舞台「SLANG」インタビュー>「メンバーは精神的な軸」ライバル心より強く抱く思いとは

2019.06.20 19:20

6月20日から30日まで東京・よみうり大手町ホールにて上演される舞台、高橋悠也×東映シアタープロジェクトTXT vol.1「SLANG」に出演する乃木坂46井上小百合(いのうえ・さゆり/24)がモデルプレスのインタビューに応じた。

  

高橋悠也×東映シアタープロジェクトTXT vol.1「SLANG」

本作は、「仮面ライダーエグゼイド」ほか、多数の作品の脚本を手掛ける高橋が作・演出する完全オリジナルの新作演劇作品。舞台は、そう遠くない現代、誰もが個人チャンネルを持ち、夢を世界中に配信できる世界。日夜、ユーザーに様々なジャンルの夢を公開する「夢人(ユメジン)」たちの物語が描かれ、キャストは二役を演じることになる。

― まず、舞台の簡単な内容と自身が演じる役柄についてご紹介お願いします。

井上:「夢人」という夢を配信するYouTuberみたいな人物たちが軸になるんですけど、その中で私はオネムという“正夢のお姉さん”を演じます。世の中の最新ニュースを良い子の皆に明るく楽しくお届けする役割で、和田(琢磨)さん演じる“逆夢のお兄さん”と、いつもペアで番組をやっているというキャラクターです。

― そもそも世界観自体が初めての挑戦だと思います。最初に脚本を読んだときの印象は?

井上:シーンごとにまるで違う物語、作品をやっているかのような感覚で「どういうお話なんだろう?どういうことなんだろう?」と疑問が湧いてくるんですけど、話が進んでいく内に2つの世界が交錯して最終的に心にズシンと来るような内容になっています。多分観客の方も一見最初のシーンだけだと軽い気持ちで見られる楽しいお話なのかな、と感じると思うんですけど、段々重くなっていくというか、徐々に怖さも伴っていくので、不思議な気持ちで読んでいました。

井上小百合、舞台で一人二役に挑戦

井上小百合/舞台「SLANG」ビジュアル(提供写真)
― ビジュアルも大分奇抜ですが、演じる役の印象は?

井上:オネムという役は、本当にこういう役は初めてで、ビジュアルも結構奇抜なので、これは楽しんでやらなきゃなと思っています。逆にもう一役は結構難しい立場なので、どうやって向き合って行くかをしっかり考えて、ちゃんと丁寧にやっていかなきゃだめだなと感じています。

― 二役演じ分けるのは、これまでと違う難しさがあるのでは?

井上:完全な別人を演じるんだったら、まだちょっと楽なのかもしれないんですけど、二つの役がリンクしている部分があるので、そこをどうやって表現していくか、という難しさがあります。

― 稽古自体の雰囲気はいかがですか?

井上:女性キャストが2人しかいないので最初は「仲良くなれるかな、どんな感じなのかな」と思っていたんですけど、稽古場の雰囲気は和やかな感じで、皆さん、気さくに話してくれるので、すごく助かっています。

― (インタビュー当時)稽古真っ最中ということで、演技についてはいかがですか?

井上:毎日稽古で、「できてないな」と反省しています。今回は人間の心の奥深くの出来事や、目に見えないものを取り扱っている感じがして、それをどうやってお客さんに上手く伝えるかがすごく難しいです。だから自分の中でできていると思っても振り返ってみると「伝わらないな」と思うことがあって、この人がどういう風に考えて、こういうことが起こったのか、1個1個丁寧に理解しないと難しい作品だと思っています。

井上小百合、舞台は「2つのプレッシャー」

― すでに今年この後、新たに2本別の舞台を控えています。元々女優を目指していた井上さんにとって女優業もすごく順調に見えるんですけど、ご自身では現状をどう捉えていますか?

井上:オファーが来るようになってすごく嬉しいという気持ちと、それにちゃんと応えていかなければ、というプレッシャーがあります。やっぱり芸能界入る前から役者という仕事に憧れて、オーディションを受けたけど受からなくて、アイドルになってやっと頂けたお仕事なので、グループにもすごく感謝しているし、だからこそ今はグループのためにも頑張らなきゃなと。個人的なプレッシャーとグループの看板を背負って立つという2つのプレッシャーを良い意味で感じながらやっているし、これからもそういられたら良いなと思います。

― これまで着実にキャリアを重ねられていると思うんですけど、自分としては夢への現状の達成度は100%中いくつくらいでしょうか?

井上:100ある内…3%くらい(笑)。やっとスタートラインに立てたかな。

― 3!まだこれから沢山学んでいきたい?

井上:学びたいです。今回のキャストさんを見ていても、皆さん最初から全部セリフが入っているし、演出家さんに言われなくてもどんどん自分でアイデアを出して行って、自分で組み立てていく姿を見て、「もっとこういう風にならなきゃな」とすごく勉強になります。

井上小百合「メンバーは精神的な軸」

― グループの中でも、多くのメンバーが舞台やミュージカルに出演されています。メンバー同士でライバル意識を感じることは?

井上:いやー、ないです(笑)!ライバルと言った方が良いんだろうなとは思うんですけど、やっぱり自分の好きな作品にメンバーが出ると決まったらすごく嬉しいし、「絶対観に行こう」と思います。それに、自分が以前共演した方が「また乃木坂とやりたい」と言ってくれて違うメンバーと新しい作品を作っていると、自分が頑張ったことが次に繋がったのかなと思えるし、乃木坂46というグループの評判が繋がった人の中でどんどん広がっていくのが嬉しいです。

―メンバー同士で出演舞台を観に行かれることも多いのでは?

井上:そうですね。皆忙しい中、観に来てくれます。

― メンバー間で演技について相談しあったりすることは?

井上:あんまりないですね。そのときのキャストの方々に頼ります。でもメンバーは精神的な軸になってくれていることが多いです。グループを離れて1人でいつもとは違う環境に置かれているとやっぱり寂しくて、「皆に会いたいな」と思うんですけど、乃木坂の現場に行くと「あー、ホームだな」と思って。メンバーは「忙しそうだな」とか「今辛そうだな」と分かると黙ってギュッとかしてくれるんですよ。何も言わなくても分かってくれて、それにすごく助けられています。この間も舞台とライブがちょうど重なっていて自分の所在が分からなくなるくらい「うわっー!」となっちゃったんですけど、そのときもただ黙ってギュッと。そうするとストレスが緩和するらしくて、いっぱいギュッとしてくれました。

― 特に活躍に刺激を受けるメンバーは?

井上:皆ですね。私はお芝居が好きだからお芝居を主にやらせてもらっているんですけど、お芝居だけじゃなくてバラエティとか歌番組とかモデルとか、色んな面で活躍している子が本当に多いので、自分の「これ」というものを持ってそれに対して探究心や追求心を持って頑張っている子は、本当に憧れるし、自分もお芝居というもので何か1つ頑張れたらなといつも思っています。

井上小百合、転換期のグループの中での役割とは

― 今乃木坂46は卒業されるメンバーも多いですが、井上さんは今のご自身の立ち位置をどう捉えていますか?

井上:私は1期生の中では、ちょうど真ん中の年齢の“真ん中っ子”で、上にお姉さんたちがいて下に妹がいてその中間でちょうど周りを見守ってきた年代だったんですけど、今は4期生まで入ってきて大分妹が増えたので(笑)、見守るというよりは段々と何を教えてあげなきゃなとか、そっちの方に回ってきましたね。

― その意識が出てきたのはいつ頃から?

井上:3期が入ってきた頃かな。2期生はグループができて結構すぐに入ってきたので、私にとってはほぼ同期という感覚で、そこまで後輩という感じでもなく「先輩にならなきゃ」という意識はなかったんですけど、3期生はちょっと離れて入ってきたので。もうすでに完成したグループの中に入ってくるのはすごく大変なことだし難しいことだと思うので、そこを円滑に行くように考えるようになりましたね。

― 具体的に先輩として心がけていることはありますか?

井上:ダンスレッスンやリハーサルのときに振りを教えたりとか「違うよ」と言ってあげたり。「大丈夫かな」という子はご飯に誘ったりしています。

― メンバーにはどういう存在だと言われますか?

井上:えー!あんまり先輩面ができないタイプなので…普段から年下に頼ってばかりいるんですよ。だからあんまりちゃんとした人だとは思われていない気がする(笑)。

― 逆に言うと、きっと後輩メンバーからしても話しかけやすい先輩なのでは?

井上:うーん…だったら良いんですけど(笑)。

井上小百合の個人的ニュース・今年の夏にしたいこと

<最近の個人的ニュース>

最近、自力で生きていく力がすごく身についています(笑)。生活面なんですけど、冷蔵庫の中を全部整理して、全部白い入れ物に入れてラベル貼って、開けたときに「わ!綺麗!」となったのに、すごく満足しました。あとは発酵フードメーカーという8時間くらい置いておけば発酵するという機械を買ったので、それで甘酒とかヨーグルトとか調味料とかを自分で作っています。でも結構横着なので、今日はお味噌を作ってみたんですが、失敗しちゃいました(笑)。ナスとピーマンの苗も買って育てていて、それももう少しで花が咲きます。そういうのが好きで、自給自足というのかな、一人で生きていく力だけがどんどん…(笑)。

<今年の夏にしたいこと>

お母さんと海外旅行に行きたいです。お母さんの誕生日が7月なので、毎年誕生日に合わせて旅行をプレゼントしているんですけど、お母さんはまだ海外に行ったことがなくて、私がお仕事で海外に行くといつも「良いなあ」と連絡をくれるんですよ。だからいつか連れて行ってあげたいなと思って。だけど夏はなかなか時間がなくてあんまり休みが取れないので、もし今年取れるならば…!でも、まずお母さんはパスポートを持ってなくてそこからなんですよね、それはめんどくさいなあ(笑)。

(modelpress編集部)

井上小百合(いのうえ・さゆり)プロフィール

井上小百合(C)モデルプレス
1994年12月14日生まれ/血液型:B型/星座:いて座/乃木坂46の1期生。これまで、数々の舞台に出演。近年の作品に舞台「若様組まいる~アイスクリン強し~」、乃木坂46版ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」、ミュージカル・愛のレキシアター「ざ・びぎにんぐ・おぶ・らぶ」など。上演待機作にミュージカル「リトル・ウィメン~若草物語~」、「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」。1st写真集「存在」を2018年12月に発売した。

高橋悠也×東映 シアタープロジェクトTXT vol.1 「SLANG」

作・演出:高橋悠也

出演:有澤樟太郎 井上小百合乃木坂46) 和田琢磨/北村諒 赤澤燈 岩永徹也 谷口賢志/黒川一樹 勝亦利恵 的場祐太

会場・日程:よみうり大手町ホール 2019年6月20日(木)~30日(日) 17st

公演特設HP:https://www.txt-theater.jp/

30日16:00開演の千穐楽公演をニコニコ生放送で、ライブ配信が決定

「SLANG(スラング)」 Introduction

SLANG(スラング)とは俗語の英訳。特定の職業・年代・環境・趣味を共通にする集団でのみ通用する隠語・略語・俗語。進化か。退化か。言葉は常に変化し続けている。我々はまるで暗号のように新しい言葉を創造し、特定の集団でのみ共有する。使い古されたものを嫌い、創造者であろうとする。

彼らも例外ではない。彼らの言葉を鵜呑みにしてはならない。彼らの言葉は真実にして虚構。それは彼らにしか通用しない『スラング』だからだ。

そこは現代か、それとも近未来か。

誰もが個人チャンネルを持ち、睡眠時に見る夢を世界中に配信できる世界。日夜、ユーザーに様々なジャンルの夢を公開する『夢人(ユメジン)』たちがいた。睡眠時間すらも有効活用される世の中。人々は好きな夢人を登録し、同じ夢を共有し、夜の快楽を求める。

夢の中で繰り広げられる物語は、ただの作り話なのか、それとも、現実なのか。現実と虚構、異なる物語が交錯し、思いがけない真実の世界へと繋がっていく。
【Not Sponsored 記事】

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