モデルプレスのインタビューに応じた玉森裕太(C)2019「パラレルワールド・ラブストーリー」製作委員会(C)東野圭吾/講談社

<キスマイ玉森裕太インタビュー>4年ぶり主演映画でプレッシャーの日々「苦しんだし、葛藤もあった」吉岡里帆との初ラブシーンも振り返る

2019.05.07 08:00

映画『パラレルワールド・ラブストーリー』で約4年ぶりに映画主演を務めるKis-My-Ft2玉森裕太(29)がモデルプレスのインタビューに応じた。森義隆監督が“映画俳優・玉森裕太”を誕生させようとした同作。そのため、玉森自身はプレッシャーを感じながら日々撮影に挑んでいたそうで、撮影日以外も崇史という役を意識しながら過ごしていたという。そんな玉森が同作にかけた想いとは?さらに、初めて本格的に挑んだという吉岡里帆とのベッドシーンなどについても語ってくれた。

  

『パラレルワールド・ラブストーリー』とは

同作は、累計発行部数130万部を超える東野圭吾氏のベストセラー小説を映画化。ある日突然、研究者の崇史(玉森裕太)が迷い込んでしまった2つの世界。1つの世界は、愛する麻由子(吉岡里帆)と恋人同士。しかし、もう1つの世界では麻由子が親友・智彦(染谷将太)の恋人に。混乱する崇史の前に現れる、2つの世界をつなぐ“謎”の暗号。目が覚めるたびに変わる世界…。彼女は「本当に自分の恋人なのか?」「それとも親友の恋人なのか?」、2つの異なる世界<パラレルワールド>で崇史が、愛と友情に翻弄されながら、真実を追い求めていく。

玉森裕太「初挑戦がたくさんあった」崇史という役について

染谷将太、吉岡里帆(C)2019「パラレルワールド・ラブストーリー」製作委員会(C)東野圭吾/講談社
― クランクアップ後、「不安やプレッシャーとの闘いでした」とコメントしていましたが、なぜそこまで自分を追い込んだのでしょうか?

玉森:クランクイン前に監督から「全てを捧げるつもりでやってほしい」というお言葉をいただいたのもあるのですが、崇史という役を演じることは自分の中でも初挑戦がたくさんあり、単純に緊張したというのもあります。2つの世界を演じなくてはいけないのは、自分の中で未知というか、初めてだったので、緊張感を忘れないようにしていました。演じている最中はそんなに不安はなかったのですが、毎回毎回やりきるつもりで演じていました。

― 順撮りをしていなかったと思うので、あっちの世界の崇史、こっちの世界の崇史を同時に撮影しなくてはいけなかったと思うのですが、どのように対策していたのでしょうか?

玉森:日によって、撮影内容が異なりました。なにもないときの通常時の崇史だったのに、次の日は悩みに悩んで追い詰められている崇史の撮影だったり。なので、自分の中でちゃんと噛み砕いて理解しながらやりました。大事なシーンも順撮りではなかったときもあったので、その都度、監督と相談しながら撮影していたのですが、監督も「ここどこだっけ?」みたいになってしまいました(笑)。

― 崇史は嫌な奴でもありますが、それを演じることをどう思いましたか?

玉森:こういう人もいるだろうなと思いながら演じましたが、崇史ってすごく純粋なんじゃないのかなって。良いも悪いも、麻由子に対する気持ちが1番にあるから感情がむき出しになるわけで、嫌な奴に見えるかもしれませんが、結構純粋で本当に麻由子への愛がある人なんだなと受け取りました。

― 崇史に共感する部分はありますか

玉森:どうだろう…親友よりも大事な人ができたときの行動は、男側からしたらあるのかなと思います。

― 演じる上で苦しい思いをしたことは?

玉森:嫌なところを見せなきゃいけないところは苦しかったですね。もちろん、毎回世界が変わり、なにが起こっているのかわからない状況にも苦しみましたし、葛藤もあったと思います。

“映画俳優”玉森裕太、誕生か!?

吉岡里帆(C)2019「パラレルワールド・ラブストーリー」製作委員会(C)東野圭吾/講談社
― 監督が玉森さんにギリギリまでプレッシャーをかけて「『映画俳優・玉森裕太』という存在が誕生する瞬間を作り出せないと映画は失敗に終わるだろう。逆に言えば、その瞬間が作り出せれば映画は面白くなる」とコメントしていましたが、その言葉を受けていかがですか?

玉森:すごくプレッシャーだなとは思いましたが、考え込むと抜け出せなくなってしまうタイプなので、あまり考え込まないようにしました。

― “映画俳優・玉森裕太”が生まれた瞬間はありましたか?

玉森:どうなんですかね!?監督に聞きたいですね。その後、(この件について)話していないので、怖いですよ。「生まれてなかったよ」って言われたらどうしようって(笑)

― 作品が仕上がったとき、改めてお芝居の面白さや難しさを感じましたか?

玉森:お芝居はやればやるほど、難しいと思いますし、正解があるようでないなと感じています。映画ってものすごく時間をかけて撮影するので、監督、スタッフ、キャストみんなで一つのものを作り上げていく過程は好きだなという感覚はあります。

― 崇史の心の闇が出ているシーンもありました。監督は、玉森さんは感情を秘めておけば相手が勝手に覗き込みたくなる「引き込む力」が強いとおっしゃっていましたが。

玉森:見た目に闇がありそうなんですかね。僕も監督から、笑っている顔でも、どこかに闇を感じるみたいなことを言われて(笑)。そういうイメージで起用されたのは嬉しいのですが、俳優としていろんな顔を持っていたいなと思います。

玉森裕太、撮影日以外も“崇史”を意識…キスマイメンバーの反応は?

― 撮影がない日も崇史でいた、崇史を意識していたそうですが、どのような生活を送っていたのでしょうか?

玉森:あまり人と会わないようにしていました。ですが、この撮影期間中でもアイドルの仕事があったりと、別の仕事で環境が変わることがありました。特にキスマイは賑やかなので、その雰囲気に飲み込まれてしまいそうになるのですが、崇史という人物のことは忘れないように心がけていました。まあ、友達と会わないとか言っていますが、そもそもそんなに友達いないんで(笑)、そんな苦ではなかったのですが、アイドルの仕事のとき、ガラッと気持ちを変えるのは大変でした。

― アイドルとしての仕事のとき、切り替えはきちんとできたということですか?

玉森:切り替え…どうですかね(笑)。自分の中ではしていたつもりですが、周りからしたら機嫌が悪いの?って思われていたかもしれません(笑)

― そのときのメンバーの反応は?

玉森:もう何十年も一緒にいるので、変な話ですが何も言わなくても「今、なにを考えているのか」、わかる人たちなので、特に触れられることはなかったです。映画の撮影でちょっと疲れているのかなぐらいなことは思われたと思いますが、だからといってアイドルの仕事の手を抜くわけではないので、両方とも一生懸命やっていました。

玉森裕太、吉岡里帆とのベッドシーンを振り返る

玉森裕太、吉岡里帆(C)2019「パラレルワールド・ラブストーリー」製作委員会(C)東野圭吾/講談社
― 共演者から刺激は受けましたか?

玉森:もちろん誰とご一緒させていただいてもたくさんの刺激をもらいますし、自分にないものをみなさんたくさん持っているので、1個1個盗むつもりでやらせていただいていました。

― 吉岡さん演じる麻由子とのベッドシーンも見どころの一つだと思っているのですが、アイドルを脱ぎ捨ててラブシーンに挑んでいるように感じました。

玉森:初めてのラブシーンだったのですが、ものすごく気合いを入れて「よーし!やんなきゃ」という感じより、役としてやらないと、と思いながら撮影に挑みました。このシーンは、結構大事なシーンでもあります。「緊張するな」「どうしよう」とかではなく、自然とさらっと服を脱いでいる自分がいました(笑)

― 電車ですれ違うシーンもベッドシーンも変わらず崇史でいられたなと。

玉森:そうですね。特別なことは意識していなかったです。

玉森裕太、もう1つの人生があったら…

― 今作はパラレルワールドという設定ですが、自分の世界って本当なのか?と影響されませんでしたか?

玉森:あまり影響されなかったです。今回の内容はだいぶ特殊だと思っているのですが、いつかこういう時代が本当に来るかもしれないと考えると怖いです。

― 玉森さん自身は、パラレルワールドって本当にあると思いますか?

玉森:僕は結構現実的なので、ないだろうって思っています。

― もし、もう1つの人生があったら、ジャニーズ事務所に入所していなかったのでしょうか?

玉森:ジャニーズじゃない人生なんて考えられないんですよね。自分の人生、なにもできていないと思います。

― 今回は研究者という役どころですが、そういう人生もありと思ったりは?

玉森:結果を求めて、なにかを突き詰める人たちじゃないですか。面白いなと思うし、時間をかけてやるのもいいなと思います。ですが、頭の回転が早かったり、数字に強かったり、なにかに特化した人たちなので、僕には無理だなと思っています。

― 実際に役作りをしてみてそう思ったのでしょうか?

玉森:そうですね。世界が違うなと思いました。自分には知らないものばかりで、夢のために勉強して、そういう職業についた人たちのお話はすごいとしか思えません。

玉森裕太の親友は?

染谷将太(C)2019「パラレルワールド・ラブストーリー」製作委員会(C)東野圭吾/講談社
― 今回、親友役の染谷さんと“親友とはどういう存在か”と話し合われたそうですが、玉森さんにとって親友とは?

玉森:染谷くんと監督と3人で、まずは親友がいるかいないか、どういう人が親友か、どういう関係だったのか、自分の経験を話しました。自分の中で親友って、喧嘩できる仲がいいなと、良くも悪くもちゃんと話し合える、ぶつかることができる、信頼している…それが親友なんじゃないのかなって思っています。なので、自分の親友観というものを忘れないように、染谷くんのことを小学校からずっと親友と思って演じました。

― 玉森さんが男惚れしてしまう友達や、男とはどんな人でしょうか?

玉森:それこそ喧嘩できる相手がいいなと思います。もし、ぶつかったときに「じゃあ、いいよ」って引き下がるのはなんでだろうって思ってしまいます。自分の良いところと悪いところを言ってくれる、ちゃんとぶつかることができる人が男としていいなと思うし、そういう人と繋がれていると自分も成長できるのかなという感覚があります。

― 親友は何人いるのでしょうか?

玉森:僕、地元の友達で2人しかいないんですよ(笑)。そいつらとは、幼稚園からずっと一緒で、もちろん喧嘩もしました。

玉森裕太「ド直球な映画」見どころを明かす

― では、出来上がった作品を観た感想を教えてください。

玉森:全ての仕掛けがわかった上で観ましたが、ド直球な映画だなと思いました。変に小賢しいことをしていないというか、原作を忠実に再現できたと思いますし、最後のエンディングが流れたとき鳥肌が立ちました。自分が出演している作品を観ることはあまり得意ではないのですが、参加できてよかったなと思うことができた作品でした。

― ありがとうございました。

(modelpress編集部)

映画『パラレルワールド・ラブストーリー』(2019年5月31日公開)

玉森裕太・吉岡里帆・染谷将太出演映画「パラレルワールド・ラブストーリー」ポスタービジュアル(C)2019「パラレルワールド・ラブストーリー」製作委員会(C)東野圭吾/講談社
出演:玉森裕太 吉岡里帆 染谷将太
筒井道隆 美村里江 清水尋也 水間ロン 石田ニコル / 田口トモロヲ
原作:東野圭吾「パラレルワールド・ラブストーリー」(講談社文庫)
監督:森義隆
脚本:一雫ライオン

<ストーリー>
ある日突然、崇史(玉森裕太)が迷い込んでしまった2つの世界。1つの世界は、愛する麻由子(吉岡里帆)と自分が恋人同士。しかし、もう1つの世界では麻由子が親友の智彦(染谷将太)の恋人に・・・。混乱する崇史の前に現れる、2つの世界をつなぐ【謎】の暗号。目が覚めるたびに変わる世界で、真実にたどり着けるのか?

玉森裕太(たまもりゆうた)プロフィール

1990年3月17日生まれ。東京都出身。2004年に「DREAM BOYS」で舞台初出演、09年「PLAYZONE’09~太陽からの手紙~」で舞台初主演を務める。11年、Kis-My-Ft2として「Everybody Go」でCDデビュー。歌、映画、ドラマ、バラエティ、舞台と幅広く活躍する。11年、「美男ですね」(TBS)で初のテレビドラマ主演、13年「信長のシェフ」(EX)で単独でのテレビドラマ初主演を果たす。主な出演映画に、『ごくせん THE MOVIE』(09/佐藤東弥監督)、『劇場版 私立バカレア高校』(12/窪田崇監督)、『劇場版 ATARU-THE FIRST LOVE & THE LAST KILL』(13/木村ひさし監督)、映画初主演作となった『レインツリーの国』(15/三宅喜重監督)がある。テレビドラマでは「ぴんとこな」(13/TBS)、「青春探偵ハルヤ~大人の悪を許さない!~」(15/NTV)、「リバース」(17/TBS)、「重要参考人探偵」(17/EX)などに出演。18年までに舞台「DREAM BOYS」で主演を5回務めた。バラエティ番組「キスマイ超BUSAIKU!?」(CX)、「10万円でできるかな」(EX)などでも活躍中。

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