“女の子に見える男の子”ぎんしゃむ「自分を殺していました」苦悩と葛藤 マイナス思考から脱出した意外な転機とは?<モデルプレスインタビュー>
2019.02.21 16:00
ネット上で「女の子に見える」と話題になっている男子高校生・ぎんしゃむ(17)。キュートなルックスとその個性で人気を集める彼だが、過去にはジェンダーをめぐり、苦悩や葛藤もあったという。モデルプレスのインタビューでは“今のぎんしゃむ”に至るまでの経緯や転機、そしてこれからの展望について語ってくれた。
ぎんしゃむ「女の子に見える」とネット上で注目集まる
ぎんしゃむは2001年12月7日生まれ、大阪府出身。普通の男子高校生であった彼は、一昨年頃からTwitterに髪を伸ばし、メイクをした写真を投稿すると「女の子に見える」「可愛すぎる」とネット上で注目を集めた。2017年9月、ぎんしゃむが所属するYouTuberグループ「ヘンジンマジメ」が、ぎんしゃむに“お風呂突入ドッキリ”を仕掛けた動画を公開すると、より広くの層でぎんしゃむの存在が認識されることに。
同動画は大きな反響を受け、TBS系バラエティ番組『なかい君の学スイッチ』の「SNSやネットにあげた1本の動画で人生が変わった人SP」でも紹介。メディアで広く取り上げられるようになった。
ぎんしゃむ、海外でも人気に
― 今、その個性でネットの注目を集めていますが、そもそも話題になったのはいつですか?ぎんしゃむ:髪が長い写真をTwitterに上げた時です。そもそも髪の毛を伸ばすつもりはなかったのですが、人見知りで美容室に行くのが苦手で、気が付いたら伸びてしまって(苦笑)。でもその写真への反響は大きくて海外のネットニュースでも取り上げられて!海外の方がTwitterのリプライで「僕の国で(ぎんしゃむが)話題になっています」と教えてくれました。
― 海外で話題になっているということを知った時は嬉しかったですか?
ぎんしゃむ:「うわー!すごい!どこから知ったんだろう?!」と驚きました(笑)。
― 海外で話題になったり、テレビに出演したりと、人気が出始めた時の周りの反応はいかがでしたか?
ぎんしゃむ:正直自分も周りも実感があまりなかったと思います。他人事のような感じでした。でも、自分の発言した一言一言に色んな意見が一気に寄せられた時には影響力を感じました。
今の“ぎんしゃむ”になるまで
― ここからは今のぎんしゃむさんになるまでのお話もお伺いしたいです。髪を伸ばしたり、メイクをしたり、可愛いらしい雰囲気を意識されたりしたのはいつ頃からですか?ぎんしゃむ:小学生から中学生になったあたりです。昔から可愛いと言われていて、そのほうが嬉しかったからだと思います。中学校では学校の先輩も「あ、可愛い子いる!」といじってくれていました(笑)。
― 「可愛い」を意識していて、周囲の目は気になりませんでしたか?
ぎんしゃむ:最初は葛藤もすごくありました。小学生くらいの思春期の時って周りもそういうことに対してすごく敏感だから、「可愛い」を意識している自分に対して結構色々言うんですよ。なので、その時は自分を殺していました。けど、中学生になって意思を隠すということが嫌になって…。中学校には自分のことを全く知らない人たちも来るので、「自分はこういう人間」というのを最初から出してしまえば、何か言われることもないんじゃないかなと思って、自分を開放しました。中学では仲良くしてくれる子も多かったし、すごく気が楽になったことを覚えています。
― メイクを始めたのもその頃ですか?
ぎんしゃむ:「女の子みたいだね」「メイクしてみようよ」と、ノリで友達にメイクをしてもらったことがきっかけでした。可愛くなりたかったので、「メイクで可愛くなれるならするしか無い!」と思って、学校の友だちがメイク道具を買いに行く時に一緒に行って買って、自分でもメイクをするようになったんです。親にも反対されず、メイク道具を買ってきてもらうように頼んだこともありましたね。
― メイクをして変わったことはありますか?
ぎんしゃむ:美意識が上がりました。あと、メイクをするようになって自分のコンプレックスが前より分かるようになりました。メイクは独学なのですが、コンプレックスを隠す方法をネットなどで調べてそれを実践しています。
― それでメイクをした写真を載せていたら話題となったわけですね。
ぎんしゃむ:最初は自己満足でTwitterに写真を載せていたんですが、その自己満足が周りに評価され始めて堂々とできるようになりました。
― SNSで心無い言葉を書かれても真摯に対応されていますよね。
ぎんしゃむ:自分的には「認めてほしい」という承認欲求が勝っているので、批判に対して「こういうことだよ」と説得するつもりで返しています。「マイナスじゃなく、プラスに捉えてほしい」という気持ちです。
― 考え方が格好良いです。
ぎんしゃむ:見た目は可愛くなりたいんですけど、生き方は格好良く生きたいんです。生き方が格好良いと褒められたいです。
ぎんしゃむ「ネガティブになったら負け」考えの転機
― 以前、モデルプレスのインタビューで夢を叶える秘訣について、「諦めないでいつか絶対できるって信じること」と教えてくださいました。それでも頑張っていると諦めたくなることもあるかと思いますが、そういう時の乗り越え方などアドバイスがあれば教えて下さい。ぎんしゃむ:自分の意志を変えずに信じることを大事にしているので、「ネガティブになったら負け」だと思ってポジティブに考えます。ポジティブに考えた方が自信もつくので。あと、周りの意見に流されないこと。「自分にはできないんじゃないか」とか「自分はダメ」と思い込むことが1番良くないと思うので、「自分ならできる」と思い込むことが大事だと思います。
― ポジティブに考えるようにしているんですね。昔からポジティブな性格なんですか?
ぎんしゃむ:いえ、最近までマイナス思考人間だったんです。ネガティブおばけで「自分なんか…」と思っていました(苦笑い)。でも高校1年生か2年生の時に、「楽しければOK」という言葉が自分のパワーワードだと書かれた占いを見たんです。その時に「『楽しければOK』って超ポジティブ!」と思って(笑)。自分は今までマイナスなことばかり考えていたなと振り返って、これからは逆の事を考えて生きてみよう、と思いました。その占いがきっかけで「ポジティブに考えたほうが楽しいやん?」と考えるようになったんです。
ぎんしゃむ、今後の展望
― 今後は「アイドル」を目指しているそうですね。なぜアイドルにチャレンジしたいんですか?ぎんしゃむ:歌ったり、踊ったりしている女の子ってすごく可愛いじゃないですか(笑)。それに普通の女の子が可愛いらしいことをするのには抵抗があると思うんですけど、アイドルをやっていたら「アイドルだから」と理由があるので、恥ずかしがらなくていいと思うんです。自分は仕草とかも女の子っぽいので「ぶりっこ」とか言われていたんですけど、アイドルになったらそういう悩みも解消できるんじゃないかなって思って目指すようになりました。
― ぎんしゃむさんがなりたいアイドルはどんなアイドルですか?
ぎんしゃむ:今「ZOC」というアイドルが気になっています。メンバーがみんな個性的で、強さを持っていて、可愛いかつ格好良いんです。人間として、ちゃんと自分の個性があって、可愛くなりたいと思っていて、格好良く生きている。そういうところを尊敬していますし、そういうアイドルになりたいです。あと、指原莉乃さんが大好きなんです。タレントとして幅広く活躍されていて、アイドルの時も努力されているのが「格好良いな」「すごいな」と思って憧れています。
― アイドル以外に挑戦してみたいことはありますか?
ぎんしゃむ:雑誌のモデルをやってみたいです。ファッションの知識が増えて、美意識が上がると思うので。
― ありがとうございました。
「可愛い」だけじゃなかった“ぎんしゃむ”の魅力
撮影やインタビュー中のふとした瞬間の仕草さえも可愛らしいぎんしゃむ。しかし、おっとりとした雰囲気とは裏腹に、自分の意思をしっかりと持ち、これからの展望について語る姿はとても格好良く見えた。「可愛くなる」ということに貪欲で、日々自身を磨き続ける彼の今後の活躍に期待したい。(modelpress編集部)ぎんしゃむプロフィール
生年月日:2001年12月7日出身地:大阪府
身長:161cm
Twitter:@gin__sym
Instagram:@gin__sym
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