「中学聖日記」“黒岩くん”岡田健史、有村架純からの金言&キスシーン裏話…平成最後のスーパールーキーの素顔とは<インタビュー>
2018.11.06 22:00
views
今年もっとも話題を集めている新人俳優・岡田健史(おかだ・けんし/19)。火曜ドラマ『中学聖日記』(TBS系/毎週火曜よる10時~)で、女優の有村架純演じる女教師・末永聖(すえながひじり)と“禁断の恋”をする中学生・黒岩晶(くろいわあきら)役を演じ、鮮烈デビューを飾った。精悍なビジュアルに、どこか危うげな雰囲気。まだ彼についての情報は少なく、どうしても役に似た内向的でミステリアスな素顔をイメージする視聴者も多いのではないだろうか?しかし―――。
実際に会ってみると一見、どこにでもいそうな(でも絶対にいない)素朴さを感じさせる爽やかな印象。この日、ドラマ撮影後に多数の取材を受け、疲れているであろうに「媒体によって色々なライターさんやカメラマンさんがいらっしゃるので、すごく面白いです。今日もモデルプレスさんとのお話を楽しみにしていました。よろしくお願いします!」とかけてくれた言葉に、柔らかく真面目な彼の人柄が表れていたと思う。言葉の端々に表れる九州なまりも初々しく、まさに「好青年」という言葉がぴったり。モデルプレスはそんな彼にインタビューを実施。平成最後の年、彗星のごとく現れたスーパールーキーに迫った。
中学聖日記
女性向けマンガ雑誌「FEEL YOUNG」(祥伝社)で連載中の漫画家・かわかみじゅんこ氏による同名漫画を原作とする同作。片田舎の子星中学校を舞台に、中学生と女教師の“禁断の純愛”を、儚くも美しく描くヒューマンラブストーリーだ。岡田健史「黒岩くん」が大反響 プレッシャーは?
1年にわたって実施されたオーディションの末、役を勝ち取った岡田は、テレビの出演経験も演技経験もなく、事務所に所属して間もないまっさらな新人を起用した異例の抜擢ということで、放送前から注目を集めていた。「どういう風になるのかな、という不安はすごくありましたが、一方でなるようにしかならない、と思っています。なのでプレッシャーを感じると言うよりは、選んで下さった方々の期待に応えるために何ができるのか、どれだけ応えることができるのかを考える日々です」。
タイトなスケジュールの合間に行う家での復習も習慣となった。「作品を通して見ると、1つの作品の中で自分のお芝居はこういう風に映るんだと気づき『じゃあ、ここはこういう風にした方が良かった』とか『もっとここの表現は激しい方が良かった』とか、反省ばかりです。でも皆さんそうされていると思いますし、こうして1つ1つ改善していくことが次の撮影や他の作品にも活かされると思っています。成長できているかは、まだ分かりませんが…」と謙虚に語る。
本人の不安とは裏腹に、その精悍なビジュアル、男らしい体つき、役とリンクする初々しい魅力にハマる視聴者が続出。放送の度に「黒岩くん」がTwitterのトレンド入りするほどの反響を呼んでおり「『良かったよ』とか『見たよ』とか多くの人から声をもらいます。地元の皆も見てくれていて」とその大きさは本人も感じているようだ。
「悔しくて悩んだ」時に救われた有村架純の言葉 キスシーンの裏側
それだけ努力を重ねていても現場では、悩みもがくことがある。「自分が演技を終えた後に監督から『実は、ここのシーンはそういう感じじゃないんだ』と言われて。監督は優しいので、僕が混乱しないように演技を終えてから言われたんだと思いますが、台本を読んでそういう風に解釈できなかった自分がすごく悔しくて悩みました」。そんな時に助けてくれるのは、先輩・有村。「僕がその演技に悩んでいた時、有村さんが『どうしたの?』と歩み寄ってくれたんです。それで相談したところ『なるほどね。私だったら役にこういう風にアプローチするよ』と僕の考えを否定することなく教えてくれて、その上で『でも私とあなたの感性は違って当然だし、周りの人たちの言うことばかり聞いていても、自分の色がなくなってしまう。自分の色も大事にしつつ、監督や共演者とたくさん話し合うことが大事だよ』というアドバイスをいただきました。しかも、その後に『言い忘れたことがあった!ごめん』と撮影があるのに僕のメイク室まで来て、他にもアドバイスを下さって…。本当にすごく優しい方です。なので本当に、気を遣わせてしまって申し訳ないです」と恐縮した様子ながら、有村へ信頼を置く姿を見せた。
初作品で国民的女優「有村架純」の相手役。緊張はしなかったのだろうか。聖への恋心を自覚した晶が「先生のこと、好きになっちゃいました。もうどうしていいか、全然分かりません」と告白するシーンでは特に大きな反響があったが、「告白を受けた聖が『ありがとう、私、黒岩くんに嫌われてると思ってた』と言う場面で、僕が『ありがとうってどういう意味だ?』という表情をしたら、スタッフの皆さんがなぜか大爆笑で。僕がセリフを言っている最中から、後ろの方で『くっくっくっく』って堪えた笑い声がするんです。『なんで笑うんだ!』と思いながらやっていましたが、思い出したら笑えるエピソードの1つです(笑)」。
初のキスシーンにはやはり緊張したそうで「撮影の前は『歯をちゃんと磨こう』とか『大丈夫かな』とか気にしたんですけど、演じる時はキスに対してではなく、顔やスピードは大丈夫かなという心配が大きかったです。中身は岡田健史ですが、キスをするのは晶と聖なので。…とは言っても、リハーサルからやっぱりすごく緊張しました」と明かしたが、ここでも有村の助言が大きかったようで「この時は有村さんから『このシーンはすごく大事。全く焦らなくていいから、ゆっくりじっくり撮ろう』と言っていただいて、少し気が楽になりました」と振り返った。
ともあれ、新たに飛び込んだ芝居の日々は楽しいと言う。撮影時の印象的なエピソードを聞くと「どんなエピソードでも良いですか…?」といたずらっぽい表情で伺いながら「電車に乗るシーンで、カメムシのにおいがしたので、踏んだと思って、足の裏やズボンを見ていたんですが分からなくて。そのまま撮影を終えてシャツを脱いだらシミがあったんです!なんでここについたんだろうなあ、って(笑)。衣装さんにも『こんなこと初めてだよ』と言われ、皆で『くさいよ~』と笑いました」とお茶目に明かした。
岡田健史、恋愛観がちらり「15歳の晶」役作り
自分よりも大人な中学の担任教師への初々しい恋心に戸惑う晶を「難しい子」としながらも「好きになってしまったら、周りが見えなくなるくらい突っ走ってしまうところは共感できます」という岡田。「でも自分はもう19歳なので、周りが見えなくなるような迷惑なことは絶対にしないように心がけています(笑)。だからこそ、演じる時に『こいつ聖ちゃんのことしか考えてないな』と思わせるには、そういう感情を消してやることが『15歳の晶』を生み出すことができるのかなとも思いながら、演じています」と役作りを明かしつつ「年上の女性は魅力的だと思います。自分よりも人生を多く歩まれてる分、経験や知識が豊富で頼りがいがあると思いますし、甘えたくなります。とは言え、男として引っ張りたいという時もありますし…難しい。『甘えるのかっこ悪い』とは思わないですし、甘えたい時は素直に甘えたいですね」と理想も教えてくれた。岡田健史、デビューのきっかけ
高校3年の夏まで、強豪校で野球に打ち込んだ。野球特待生として入学した岡田にとって「野球で結果を残すことが学校への最大の恩返し」のはずだったが、自身の代での甲子園出場は叶わなかった。「高校3年間ですごく成長させてもらったと感じていましたから、甲子園に行けなかったことに責任を感じましたし、負い目でもありました。ちょうど、そんなことを思っていた野球引退時期に演劇部の顧問の先生から誘われて参加したんです。正直、その当時は『これをやることによって、少しでも学校のためになる』という思いだけでした。全く俳優になろうとは思っていなかったです」。
野球への未練はなかったのだろうか。「野球をやりきったとは思っていないので、大学でもやっていたと思います。でも演劇で県大会に出た時、これまで感じたことがないほど快感だったんです。『ああ、これをやりたい』という気持ちに強く傾きました」。その後、中学1年生の時から5年間スカウトを受けていた事務所に今年の4月に所属することを決めると、5月に上京し、いまに至る。「なんというか、全てのタイミングが運命だと思っています。本当にありがたいです」と笑顔を見せた。
起床から就寝まで野球漬けの日々から、芝居漬けの日々へと環境は変化した。「身体への負荷がすごく変わりました。野球で感じていた筋肉痛がなくなった代わりに、役の心情を頭で考えて身体で表現するという、これまで使ったことない脳の回路を使うことが多くなりました。疲れ方が違います」。
憧れは山田孝之 岡田健史「美しい俳優になりたい」
野球に打ち込んでいた情熱を全く畑違いのことに注ぎ込む分、葛藤もある。「気持ち的には『まだまだ。もっとできる』と思っているんですが、現時点で実際にできるレベルは全然で…。セリフ回しや言葉に意味を持たせるような演技を心がけているんですけど、それでもできない部分が多いんです」「今日の撮影でも感じましたが、イントネーションが難しいです」など歯がゆい思いをすることもあるそうだが「現場の先輩方に話を聞いたり、テレビで他の俳優さんの演技を見たりして学んでいます。何しろ初めて経験することばかりなので『悩むことはあって当然』と割り切ってはいますが、それでも限りなく良い方に持っていけるようにする努力は絶対に怠りたくないです。『悩み』と言いましたが、そこまでネガティブではなくて、課題点や克服すべき点として捉えています」と前向きで努力家で一面を伺わせた。憧れの人は山田孝之。「美しい俳優になりたいんです。ビジュアル的な話ではなくて、表情の使い方や感情の表現で見てる人たちの心を動かせるような美しさを持ちたい。あとは楽しそうに演技をする方にすごく惹かれます。それが自分の中では山田孝之さんなんですが、様々な役をしていて、その全てが自然で、なおかつ楽しんでいらっしゃるところに憧れますね。共演させていただきたいですし、実際にお話を伺いたいです。自分もいま、いただいた役を全力で生きて、そこから見えてくるものや得るものを感じて、もっと技術を磨いていけば、演じることがもっと楽しくなると思っています」。
岡田健史の夢を叶える秘訣
最後に「夢を叶える秘訣」を尋ねた。「自分が言うのはとても恐縮ですが、どれだけ本気で向き合うか、だと思います。辛くても、環境のせいにせず、自分がその環境の中でどう頑張れるか考えた方が良いと思います。例えばいまは、撮影が朝早くから夜遅くまでありますが『疲れたから』『眠たいから』と言ってお芝居の勉強をしなければ、成長しないじゃないですか。もちろん技術や体力面での限界はあると思いますが、本当に得たいもの、やりたいもの、高めたいものにちゃんと向き合う時間を捻出して、やるべきことをやっていれば得られないものはないと思っています。これは野球時代に培った思いかもしれませんね。いまは野球の技術は全く関係ないところでやらせてもらっていますが、野球を通じて得たものが、この現場でも活きていると本当に強く感じますし、どんなことも全力で誠心誠意やっていれば無駄なことはないと思います」。
まっすぐと澄んだ瞳で語る岡田は、最後に「自分は環境にとても恵まれているので、説得力がないかもしれませんが…」と照れたように付け加える姿まで美しかった。
(modelpress編集部)
岡田健史(おかだ・けんし)プロフィール
生年月日:1999年5月12日出身地:福岡県
血液型:O型
身長:180cm
趣味:筋トレ
特技:野球
中学聖日記 第5話あらすじ
夜の砂浜でキスをしてしまった聖(有村架純)と晶(岡田健史)は、聖のマンションの前で勝太郎(町田啓太)と愛子(夏川結衣)と鉢合わせをしてしまう。我に帰った聖は、勝太郎に話をしようとするが、勝太郎は「信じてる」というばかり。翌日、塩谷(夏木マリ)から学校へ呼び出された聖は、同席した愛子の前でこれまでの経緯を説明するが…。
一方、愛子が学校に行ったことを知った晶は、上布(マキタスポーツ)の制止を振り切って、学校に向かう。
そこで、自宅謹慎を命じられた聖と会ってしまい…。
【Not Sponsored 記事】