攻めた濡れ場が話題「恋のツキ」主演・徳永えり、撮影裏明かす 初日からラブホシーン「達成感と疲労感があった」<モデルプレスインタビュー>
2018.09.06 23:36
木ドラ25『恋のツキ』(毎週木曜深夜1時~)に主演する女優の徳永えり(30)が、モデルプレスのインタビューに応じた。新田章氏が“女の浮気心”を生々しく描き出した同名コミックを原作に、31歳フリーターの平ワコ(徳永)が、結婚目前のマンネリ彼氏・ふうくん(渡辺大知)か、突然現れた16歳も年下の高校生・伊古(神尾楓珠)か、2人の間で揺れ動く様とリアルな日常を描き出す物語。攻めた濡れ場も話題を集めており、「エロすぎ」「生々しい」と大きな反響が。徳永にとって初のドラマ主演であり、初の濡れ場へ挑戦した今作。今回のインタビューでは、初主演の感想とともに、濡れ場の裏側も語ってもらった。
徳永えり、ドラマ初主演
― 今回が初の連続ドラマ主演となりました。すでに作品はクランクアップを迎えたかと思いますが、振り返ってみていかがですか?徳永:プレッシャーは全然なかったんですが、責任はあるなと思いました。休みがないくらい毎日現場にいるので、本当に主演の人って大変なんだなって。そこが一番です。これまで脇でどれだけ甘えてたのかってことを痛感しましたし、物理的にご飯食べる時間しか休みがないんだなとか、朝から晩まで撮影あるんだなとか。ただ、それ以上に幸せだなと思うことの方が多かったです。毎日現場に居て、毎日皆さんの顔を見られて、同じ時間を同じだけ過ごせるっていうのは、ありがたいなと思いました。
― ドラマ主演というのは、目標としてありましたか?
徳永:目標というよりは、可能性があるならやってみたいなと思っていました。
― 実際にオファーが来たのは、いつ頃でしょうか?
徳永:クランクインの1ヶ月くらい前です。私は、5月9日の誕生日当日にマネージャーさんからお話を聞きました。30歳の誕生日だったんですけど、突然呼び出されて「ちょっと話があるんですけどいいですか?」って重大な感じで言われたので、私何かやらかしかました!?怖い怖い!って思って胃が痛くなりながら行ったんです(笑)。そしたらこのお話で、断る理由がなかったのでお受けして。主演ということよりも、まずこういったテイストの作品の役が来ることがなかったので驚きもありました。学生役が終わったあとは、すぐお母さん役を演じていましたし、恋愛模様が描かれた作品に関して、私って需要がないんだって思っていたんです。いわゆる濡れ場もありますし、ハードな描写もありますけど、誤解を恐れずに言うとすごく嬉しかったです。
― 元々、演じてみたいジャンルでしたか?
徳永:やってみたいというか、やっていいんだって感覚です。別に私の裸なんて見たくないでしょって思ってましたから(笑)。きっとこういう役を演じることはないんだろうなって思っていたら、30歳を超えた矢先、お話をいただけたので、感想としてはやっぱり“嬉しかった”です。
― ご自身でもおっしゃられたようにハードな描写も多いですが、そこに対する抵抗は?
徳永:それも全くなくて。どういう風に撮っていくか分からないので、その部分に関する不安というか、そういうものはありましたけど、念入りにお話もさせていただきましたし、いざやってみたら何の不安も心配もなく。
― リアルな描写は、話題を集めています。
徳永:モデルプレスさんでも取り上げていただいているのを拝見しました!嬉しいです!ありがとうございます!
― いえいえ、こちらこそ!
徳永:やっぱり今回の作品に関しては、そういう角度から取り上げていただくことが多いと思いますし、私はそれをネガティブには捉えてないです。どんどん言って!って思っています(笑)。描かれているのは、日常の延長線上のことですし、妙に説得力があるなと。30歳を超えた女性が、15歳に対してああいう感情になってしまうのは、ノンリアリティかもしれないですけど、ワコさんみたいに彼氏とマンネリ化していると「私の女として価値って?寿命って?」って問いたくなるだろうし、そういう中で伊古くんみたいな人と出会ったら、体と体の繋がりって切り離せない問題だと思うんです。ワコさんは、ふうくん、伊古くん、土屋さん(安藤政信)とそういうシーンがあるんですけど、取り上げていただいて本当にありがたい。そこを切り取られても全然怖くない。これには、自分でもびっくりしました。
―「日常の延長線上」という言葉で、すごく腑に落ちました。ワコの日常を描く上で、避けられない行為ですし、しっかりと描くことでリアルが生まれていますね。
徳永:導入がどうであれ、多分見たら納得していただけると思います。私もその自信があります。
大胆カラオケシーン、リアルなお風呂シーン…現場は?
― 役の設定では、ワコは31歳。仕事と恋愛と結婚の間で揺れ動く姿に共感する女性も多いと思います。徳永:色んなものの板挟みで、もうぎゅうぎゅうですよね(笑)。多分、ワコさんはずっと何かが足りない感じで生きているんです。今はアルバイトで仕事でキャリアがあるわけでもなく、だからといって彼氏とも満たされるわけでもなく。世間は結婚しろ、就職しろって言うけど、そこにも収まりきれず、漂っている女性なんですよね。その中で、伊古くんみたいな“レア”が出ちゃったときに、これを逃したくないって転がっていく。“レア”に手を伸ばして、現実を捨てる勇気はないけど、今伊古くんの手を放したら、次はないんじゃないかなって思ってる。ダメな自分を拾ってくれた人だからって、自分を納得させる理由をたくさん考えてる。歳を重ねていくことで、そういう妥協って増えていくんだろうなって思います。
― ワコの心の声も響きます。なんてリアルなところを突いてくるんだろう…と。
徳永:それはやっぱり原作の素晴らしさだと思います。私も叫びながら原作を読みました。リアルが過ぎる(笑)。どうしてこんなに痛いところを知っているんだろう?って。友達が同じこと言ってたな、同じ悩み方だな、とかすごいなと思いました。
― 原作はワコを自身に置き換えながら読みましたか?
徳永:置き換え、というよりはのめり込んでしまって。共感できる部分もあるし、だんだん苦しくなりました。ふうくんとの関係も伊古くんとの関係も変わっていくし、そこに元彼の土屋さんが現れてって、展開も多いんです。女性目線だけではなく、男性目線で描かれている部分もありますし、本当にリアル。いや…生々しいんですよね。
― 4話で浮気を疑われるシーンのワコとふうくんのやりとりは、まさに生々しかったです。ワコが浮気をしたことはバレているんだけれど、どちらかが踏み込んだら終わるというのがお互い分かっているからこその微妙な空気感というか…。
徳永:そうなんです!あのシーンは、実は最初はああじゃなくて!お風呂に入っているワコさんのところに、ふうくんが「電話が鳴ってるよ」ってやってくるんですけど、原作だとふうくんは背中しか見えてないし、もう少し笑ってるんです。それくらい交わしながらのイメージだったんですけど、生身の人間が演じると、そうはいかないなと。浮気がバレている状態の中、2人が日常に戻る術はなんだろう?って考えたら、やっぱりこれ以上踏み込まずに、事実を飲み込むことなんですよね。少しでも踏み込んだら終わりっていう、ギリギリのやりとりをしている。最初はあんな風になるとは思っていませんでした。
― 現場で演出が変わっていきましたか?
徳永:最初は監督から、ワコさんが「『私達、結婚するんだよね?』って可愛く丸め込む終わり方で」って言われていたんです。でも、実際演じてみると、ワコ嫌な女だなって思っちゃったし、プロデューサーさんも違うなって思ったみたいで、最終的にお互い踏み込まないようにギリギリのやりとりをするって形になりました。基本の流れは原作に寄せているんですけど、現場で生まれるものもやっぱりありますね。ワコって一歩間違ったら嫌な女なんですよ(笑)。2話の伊古くんとのカラオケのシーン(※)も、制作陣の方々がいっぱい話をしてくださって、あの形になったんです。
※ワコと伊古が、2人でカラオケに行くシーン。伊古の骨折した腕を吊り下げていた三角巾を外そうとワコが近づくと、伊古の股間が反応。それに気がついたワコが、伊古の股間をさすり口に咥える…という反響が大きかったシーン。
― カラオケシーンは、大きな反響が寄せられたシーンでした。
徳永:これは私の持論ですけど、女だって欲はある(笑)。やっぱり理屈じゃないことが世の中にはあるし、でもドラマにすると難しいところだなっていうのもあって。原作だともっとワコさんは積極的なんです。ただ、生身の人間が演じるにはさすがに…ということで変わりました。
― ドラマでは、ワコが緊張した伊古の手を触ろうとしますが、伊古は股間を触られると勘違いする…という流れに。
徳永:原作のワコさんはダイレクトに(股間を)触るんですけど、現場の男性陣からはその行動の理由が分からないって意見があったんです。漫画だと新田先生の絵のタッチ的にも可愛く見えますけど、リアルな人間がやると痴女感が出てしまう。それをどうしようかって話をして、勘違いして伊古くんが動いちゃったから手が当たった…という形になりました。今回、女性の監督と男性の監督がそれぞれ2人ずついらっしゃるんですけど、女性陣が「ふうくんに相手にされなくなった自分にも欲情してくれる子がいるんだって思ってあの行動に出たっていう解釈もありますよ」って説明したら、男性陣からは「その視点はなかった」って意見も出ていました。男女差って面白いなと思いました。
― どの視点に立つかで印象がガラリと変わる作品ですね。
徳永:男女の監督が担当してくださっているっていうのは、大きなことだったのかなと思います。プロデューサーの方も同じことをおっしゃっていました。
徳永えり、濡れ場の裏側明かす「生々しくエロく綺麗に」
― 濡れ場のシーンでは、渡辺さん、神尾さん、安藤さんの3名と共演されたかと思いますが、撮影を振り返ってみていかがですか?徳永:3人共初日が濡れ場でした(笑)。私の初日は伊古くんとのラブホテルのシーンだったんですけど、もう、やるしかない!って気持ちでした。撮り終わったあとは達成感と疲労感がありました(笑)。そこから連日濡れ場が続いて、大知さんとの初日は1話のワコさんが酔っ払って帰ってきてふうくんを押し倒すシーンでした。3人共思ったんですけど、こちらに気を遣ってくださるので、申し訳ないなって。私はオールOK、何でもしてくださいって気持ちですけど(笑)。
― 男性側からすると、そういうわけにはなかなかいかない(笑)。
徳永:そうですよね(笑)。大知さんは本当に謙虚で優しい方ですし、神尾くんなんて10代だし…。安藤さんは、初日に私以外にも激しい濡れ場を撮影されていたので、会話をする前にまず肌が触れ合うっていう謎の現象が起きてました(笑)。
― 実際に濡れ場を演じてみて、気がついたことはありましたか?
徳永:すごくクリエイティブな撮影だなと思いました。アクションシーンと同じだと思っていて、動きを決めて、そこに自分たちが感情を乗せるんです。普通のシーンとは思考回路が違うなと思いましたし、使う筋肉も違いました。特に今回はテレビなので、成約もあるわけで、その中でギリギリを攻めてはいたんですけど、誰かのタイミングがずれると、その決められた箱から漏れてしまう。それがカメラマンさんだったり照明さんだったり私達だったり…皆が一気に集中して、どうやったら生々しくエロく、でも綺麗に撮れるか知恵を絞っていました。あの時間はクリエイティブで、すごく面白かったです。
― チームワークが活きる現場ですね。
徳永:皆で一緒にやってるんだ、って思いました。現場で「触ってください」「何をしてもいいです」って言ってたんですけど、それは遠慮されてしまうと映像に出てしまうからなんです。2話の大知さんとのお風呂場のシーンも、上手く隠さなきゃいけないので「ここに手をおいてもらえると隠れるので、おいてもらっていいですか!?」って言いながら。本当に申し訳なかったです(笑)。
― そうやってあの生々しいシーンが出来上がっていくと。
徳永:皆必死なんです。「こうやってここ隠して」「一歩動いたら見えちゃう」「この角度とこの暗さなら見えない」とか、本当に微妙なことをやっているんです。お芝居とは違う神経を使っているので、すごく勉強になりました。疲れるので、「今日もファイティングだね」って声かけあって。メイクさんや衣装さんのことは「セコンド」って呼んでました。終わったらタオルを投げてくれるので(笑)。
― (笑)。
徳永:意外と笑いながら撮影していました(笑)。とは言え、ほかにも気を使わないといけない部分は多くて、例えばお風呂場のシーンだとカメラが濡れないようにしないといけないですし、鏡もあるので、そこに映らないようにとか、色々な神経を使うんです。ラブホテルは、下にミラーがあるので、そこも注意して、とか。隠さなきゃいけないものはたくさんあるけど、できないことをネガティブに捉えることなくて、皆で可能性を探りながら、「じゃあどこまでできるのか」「どこまで攻められるのか」をチャレンジした現場でした。だからこそ、1話のできあがりを観たときには、ちゃんと生々しくエロく綺麗に撮ってもらえていて嬉しかったです。
エゴサで反響チェック「こんなにリアクションが楽しみなドラマは初めて」
― 全12話で折り返し地点になります。今後の展開について、ぜひ注目ポイントを教えてください。徳永:ジェットコースターに乗ってしまったワコさんが、辿り着く先はどこか。もう彼女は引き返せないですし、着地した場所は幸せなのか。30歳オーバーの人が15歳と付き合っていたら、世間は何というのか、という問題も出てきて、怒涛の展開が待っています。伊古くんの扉を開いてしまったのはワコさんですけど、大人の階段を登った彼は変わってしまうのか…もうひっちゃかめっちゃかです。
― 後半はさらに見逃せない展開の連続となりそうです。
徳永:問題が多すぎるし、色々な視点がありすぎるドラマだと思っています。本人達が良ければハッピーエンドなのか、って言えばそうではないし、何かを得るためには何かを失わなければいけないんだなとか。幸せの価値観は人それぞれだけれど、31歳のワコさんの最後に向かって進んでいく道はリアルだなと思いました。私としては、そのとき思った感情を素直に出そうと思って演じてきたので、見守って見届けていただきたいです。皆さんがどう受けとってくださるのか、自分が出ていてこんなにリアクションが楽しみなドラマは初めてです。エゴサもしてます(笑)。
― そうなんですね。
徳永:視聴者の方の意見が知りたくなる作品。どんなで意見でも受け入れるし聞きたいんです。31歳と15歳の恋愛について何かを思う方もいらっしゃれば、ワコさんに共感してくださっている方も。男性からは、「妻に何をしてあげられるだろうって思いながら観ています」ってコメントもいただいて、各々受け取り方が違って面白いです。少しでも皆さんの話題にあがればいいなと思っています。最終回までよろしくお願いします。
― ありがとうございました。
物語は後半戦に突入
伊古と居合わせたことで、ふうくんが家出をしてしまった第5話。さらに、第6話では、伊古のことを忘れ、ふうくんとの結婚を決意したワコの元に、伊古が再びやってきて「二股でいいから付き合ってください」と強引に迫る。そして、9月6日放送の第7話、自分を必要としてくれる伊古に癒しを求めるようになるワコ。物語は後半戦。結末に向け、一気に加速していく。(modelpress編集部)
徳永えり(とくなが・えり)プロフィール
1988年5月9日、大阪府生まれ。中学時に雑誌「ピチレモン」専属モデルになり、2004年にドラマ「放課後。」(フジテレビ系)で女優デビュー。近年の主な出演作はドラマ「ブラッディ・マンデイ」(TBS系)、「心がポキッとね」(フジテレビ系)、連続テレビ小説「わろてんか」(NHK)、「健康で文化的な最低限度の生活」(フジテレビ系)、「火花」(Netflix)、映画「フラガール」、「春との旅」、「荒川アンダー ザ ブリッジ」など。
【Not Sponsored 記事】