<窪田正孝インタビュー>変化を語る「あの頃より現場での芝居にのめり込んでいる」――撮影で見せた“リアル”、初の体験は「すごく貴重な時間に」
2018.08.31 12:01
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俳優の窪田正孝(30)が、9月2日に自身初となるフォトブック「マサユメ」を発売する。初フォトブックとなる今作は、過去2作のカレンダーに続き、写真家・齋藤陽道(さいとう・はるみち)氏とタッグを組んで制作。モデルプレスでは、6月にインタビュー第一弾を配信。今回は第二弾として、28~30歳までの約3年に渡る齋藤氏との撮影を振り返ってもらうとともに、「マサユメ」に収録される窪田が自身の俳優人生を語ったロングインタビューにちなみ、キャリア12年目となる彼の“俳優業”についても話を聞いた。
窪田正孝の“リアル”を撮影「すごく貴重な時間になった」
― 意外にも今回が初のフォトブックということですが、齋藤さんとの撮影を振り返ってみていかがですか?窪田:陽さんと出会って7年ほど経つんですが、時間が経っても変わらない陽さんだからこそ、撮影でも自然体でいられました。本当に飾らない方ですし、一緒にやっていて楽しい気持ちになれます。
― 特に今回のフォトブックでは、28歳から30歳までの約3年間という長い期間をかけての撮影となりました。
窪田:約3年やってきて、本当にあっという間だったなあと思います。ようやく完成してホッとした気持ちととても嬉しい気持ちと両方ありますね。一年に数回集まってというのをやってきて、こうしてフォトブックという形にさせていただいたんですけど、それぞれの年で色んな出会いがあって、その中でとても刺激を受けました。
― 30歳という節目のタイミングも収められており、その点も見どころになるかと思います。
窪田:こういう形で30歳を迎えることができ、また新しいスタートラインに立てたのかなと思います。正直30歳になったという実感はないんですが、20代のうちにすごくいろんな状況に揉まれて、やっぱりやり甲斐のあるものだなというのを改めて思えましたし、そこで作った基盤を大切に30代は更なる高みに向かっていけたらと思いますね。
― ドラマや映画とは違い、役を演じていない状態での撮影になったかと思いますが、その点で何か意識したことは?
窪田:演じていないからこそ難しいと思いますし、演じなくていいと思うと気が楽にもなり…。いつも一緒のメンバーとやらせていただいているので、いい意味で仕事をしていない感じで撮影できたのかなとは思います。それが自然体に繋がっているのかなと。
― 先日、キッチンでの窪田さん、ベッドでの窪田さんなど、“彼氏感”のあるカットも公開されましたが、ご自身で希望を出したシチュエーションなどはありますか?
窪田:全く出してないです(笑)。シチュエーションはいつも作っていただいて。雪と戯れているカットもあります。撮影は春でしたけど、すごく寒かったです(笑)。
― “リアルな素”が覗けそうです。
窪田:芝居の現場から離れて撮影するというのはあまりない経験だったので、すごく貴重な時間になったなと思います。カレンダーのときも思ったんですが、普段こういう顔をしてるのかな?って思う瞬間もあって、今回もそういう顔を見せられたんじゃないかなと思いました。あまり笑ってないかなとも思ってたんですけど、意外と笑っていたので、笑ってできるシワの数を数えてもらってもいいかもしれないです(笑)。
― 初のフォトブックは30歳という節目での発売となりましたが、今後はどうでしょうか?例えば、40歳、50歳…と節目で次回作を制作したいなど。
窪田:その時々で撮ったものを残しておいて、それがよかったら形になるのかな?陽さんとまたできたらいいなとは思っています。
窪田正孝が語る自身の“変化” 俳優人生を振り返る
― ここから先は、写真集に掲載されるロングインタビューの内容にちなみ、窪田さんの俳優人生に迫っていきたいと思います。17歳で俳優デビューを果たし、これまで数多くの役柄を演じられてきたかと思いますが、「これはやってみたかった!」と思い実現した役柄、作品などがあれば教えてください。窪田:映画「ガチバン」(2010年~2014年)でヤンキー役を演じたんですが、そういう役はやってみたいなと思っていました。やっぱり男の子って憧れるから。喧嘩も芝居でしか出来ないし、楽しくって。それがシリーズとして続いていったので、アクションを鍛えられました。快感でした(笑)。
― それは何歳の頃ですか?
窪田:(食い気味に)分かりません(笑)!
― (笑)。
窪田:23とか24とかかな?髪の毛を初めて金髪にした頃だったと思います。
スタッフ:22歳のときです。
窪田:22歳か。
― 約8年前になりますが、その頃、お芝居に対する意識で変わったことは何かありますか?
窪田:朝ドラの「ゲゲゲの女房」(2010年、NHK総合)の頃ですね。犯人役が続いていた時期でもあったんですけど、「ジョーカー (許されざる捜査官)」(2010年放送、フジテレビ系)で演じた心神喪失を装っている役のために、『チェイサー』(2008年公開の韓国映画)を観て、ハ・ジョンウさんという俳優さんに出会って、その方の芝居にのめり込んで、狂うことにものすごく興味を持っちゃった、というのはあるかもしれないです。ある種のダークヒーローみたいな役を演じることの楽しさを知ったことで、撮影後に「ああ、もっとこうすればよかったな」とか欲が生まれるようになりました。「もっとできたかもしれない」って考えを「じゃあ次はもっとそうしてやる」って発想に転換できるようになったのもその頃でした。
― では、今もご自身の作品を観る際には、そういった感覚で?
窪田:今はないんです。基本的に自分の出演している作品はあまり観なくなりました。
― その変化は、何かきっかけがあったのでしょうか?
窪田:あの頃より現場での芝居にのめり込んでいるので、オンエアを観るっていう発想が段々となくなってきたんだと思います。オンエアを観る観ないは関係ないなって。観て反省会をするようなこともなくなってきましたね。あとは、段々観れる時間がなくなってきた部分もあります。今までは長い時間をかけていたものも、キュッとやらなきゃいけない状況になっていったっていうのも大きいです。でもそれってつまらないし、本当に好きなものって誰かにああしなさい、こうしなさいって言われなくても、どんどん勝手に吸収していくものだから、体はどんどん大人になって、顔も老けていくかもしれないけど、感覚は子どもに戻っていきたいなって意識はあります。
― それはいつ頃からですか?
窪田:1、2年前くらいです。
― 大きな変化がやって来ていますね。
窪田:今年は休ませてもらったので、時間があったのも関係しているかもしれないです。
― 休んだという感覚に…いち視聴者の目線だと、途切れず作品にご出演されているなと思っていました。
窪田:「デスノート」をやってた時期が一番忙しかったです。
― 3年ほど前?
窪田:その頃は、主役もやらせていただくようになって、責任が増えていった時期でした。それと一緒に、目的が自分を満たすってことではなくて、作品をどうやったら満たせる自分になれるかってことに変化して。今は、皆さんが満たされることで自分も満たされるようになりました。以前に、スタッフの方と一緒に作品を観る機会があったんですけど、皆で作り上げたものを一緒に観て、そのとき周りの人が満たされた顔をしていたので、自分もそれで満たされました。
― 欲のベクトルも変化したんですね。
窪田:そうですね。そうやって変化していくことが多いから、意外と熱しやすく冷めやすいんだなとも思いました(笑)。
― いえいえ、それだとここまで情熱を持ってお芝居を続けられないと思います。
窪田:生きていく上で、やっぱり仕事はしていかないといけないから(笑)。だから今は、年をとればとるほど、心から芝居が好きですって言える自分になれるための工夫をしています。30歳になる前に気づけてよかったなと思います。※インタビュー時は30歳の誕生日前。
― インタビューは以上になります。貴重なお話、ありがとうございました。
28~30歳までの3年間追いかけた初フォトブック
取材前、インタビューの趣旨を説明した際には、「何でも聞いてください!」と笑顔を見せてくれた窪田。その言葉の通り、今回も嘘のない言葉でありのままの思いを明かしてくれた。フォトブックに収録される“俳優人生”を語ったロングインタビューでも、窪田自身が自分をじっくりと見つめ、向き合い、今まであまり語られることのなかった本人の思いやメッセージが語られている。彼の“リアルな素顔”を様々な角度から覗いてみてほしい。(modelpress編集部)
窪田正孝(くぼた・まさたか)プロフィール
1988年8月6日生まれ。神奈川県出身。2012年6月「平清盛」に平重盛役でNHK大河ドラマに初出演し、2014年NHK連続テレビ小説「花子とアン」、その後TBS系ドラマ「Nのために」や「アルジャーノンに花束を」への出演、さらに日本テレビ系ドラマ「デスノート」、「MARS~ただ、君を愛してる~」など話題作への主演が続き、様々な役をこなす演技力が各界から高く評価され、世代を問わず注目を集める実力派俳優。2017年7月には映画『東京喰種』で主演、2018年1月、TBS金曜ドラマ「アンナチュラル」に出演し、2月には、映画「犬猿」で主演を務めた。また、8月17日には出演映画「銀魂2 掟は破るためにこそある」が公開。また、現在はテレビ朝日土曜ナイトドラマ「ヒモメン」(毎週土曜よる11時15分~)が放送中。
書籍情報
発売日:9月2日タイトル:窪田正孝×写真家・齋藤陽道 フォトブック「マサユメ」
発行:SDP
作品情報ページ:http://www.stardustpictures.co.jp/book/2018/masayume.html
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