モデルプレスのインタビューに応じた吉高由里子(C)モデルプレス

<吉高由里子インタビュー>“座長・木村拓哉”のすごさ語る「遺伝子がスター」 30歳迎え心境に変化は?

2018.08.23 12:00

女優の吉高由里子(30)が、モデルプレスのインタビューに応じた。木村拓哉と二宮和也が共演することで話題を集める映画『検察側の罪人』(8月24日公開)にて、ヒロインを演じる吉高。監督・脚本を原田眞人氏が担当した今作は東京地検を舞台に、ある殺人事件をめぐり2人の検事が対立する雫井脩介氏による傑作ミステリーを映画化。木村は東京地検刑事部のエリート検事・最上役、二宮は刑事部に配属されてきた駆け出しの検事・沖野役、そして吉高は2人の「正義」を巡る闘いに翻弄される検察事務官・橘沙穂役。吉高は木村と初共演、二宮とは映画『GANTZ』(2011年)以来の共演。今回のインタビューでは、2人との現場でのエピソードをはじめ、7月22日に30歳の誕生日を迎えた心境などを聞いた。

  

吉高由里子、二宮和也は「本当にミスがない人」

吉高由里子(C)2018 TOHO/JStorm
― “時効”“冤罪”“法律”というキーワードを軸に、「正義とは何か?」を問いかける今作。まずは、吉高さんが映画をご覧になった率直な感想を教えてください。

吉高:「いやあ、面白かったね」とか、観終わった後にパッと感想が出てくる映画ではないなと正直思っちゃいました。他人から間違ってるって否定されても、間違ってないって思っている正義感の人たちの話だと思いますし、自分も正しいと思っていることが人から見られると違うんじゃない?って思われてるかもって考えたりして…。

― 台本を読んだときから、印象は変わりましたか?

吉高:文字の方が難しかったです。どうやって演出するんだろう?って思ってたんですけど、映像で観たら“分かる”と思って、流石だなと思いました。あと、(監督の)原田さんはその場で決めることが多いんですよ。

― その演出法は新鮮でしたか?

吉高:「こことここだけやってくれたら、後は好きにやっていいから」ってタイプ。茶目っ気もあるし、挑発的でもあるし…新鮮でした。笑いながら挑発することを言うんです。すごくニコニコしてますけど、緊張感のある現場でした。

― 共演シーンで言うと、沖野役の二宮さんとのシーンが多かったですね。

吉高:事務官は担当検事とずっと一緒に行動する義務があるみたいで。二宮さんは相手のお芝居に対して順応してやっていくようなタイプで、もう本当にミスがない人。

― 取り調べのシーンはとても印象深かったです。まさに手に汗握るような…。

吉高:やっぱりそこが一番怖かったですね。私はほとんど台詞がないシーンだったんですけど、色んなことを超越している人ばかりなので、その場で見ていて興奮したと言うか。あとは、カメラもすごく引きで撮っているところが多かったので、ここでミスするの怖いな…とも思ってました。そのシーンに置いていかれないようにビクビクしながら。

― その緊張感というのは、今作だと常に?

吉高:緊張はずっとしていました。大人数のシーンこそ興奮しちゃって。でも、そのビクビクがバレないようにしてました(笑)。そこは、ちょっと沙穂と似てるかもしれないです。

― それは、例えば積極的にコミュニケーションをとるとか?

吉高:コミュニケーションに関しては、私からというより木村さんと二宮さんがお話されているところに、たまに入らせてもらう感じでした。主に木村さんが喋っていて、二宮さんがそれに合いの手を入れるんですけど仲良いなと(笑)。2人は対立する役でしたけど、カットがかかったらまた話し始めてましたし、緊張感もありつつ、余裕もある2人なんだなって見ていてギャップを感じました。

“座長・木村拓哉”のすごさ「遺伝子がスター」

二宮和也、木村拓哉(C)2018 TOHO/JStorm
― 吉高さんは今回が木村さんと初共演になりますが、“座長・木村拓哉”を目の当たりにしていかがでしたか?

吉高:二宮さんと同じなんですけど、まずミスがない。やめてくれよってくらいミスがないんです(笑)。何かあったとしても触れたものが倒れたとかで、お芝居に対しては何もなくて。あっこういう人っているんだねって、遺伝子がスターなんだねって思いました。木村さんも二宮さんもミスがないので、皆が6行くらいの台詞をバーっと喋った後に、自分が2行くらいの台詞を噛み倒したらどうしようって不安があって、プレッシャーしかなかったです。カットがかかったら和やかな空気なので、そこで苦しい思いはしなかったんですけど、映画はワンカットが長いので本当に吐きそうになるなって思ってました(笑)。

― 「遺伝子がスター」だと感じたということですが、特にそう思ったエピソードは?

吉高:お芝居もそうなんですけど、木村さんも二宮さんもスタッフの名前を覚えるのが早い。木村さんは呼ばないけど、全員把握してるんです。いつ覚えてるんだろう?ってくらい早くて。あとは、お昼ご飯代をジャンケンで誰が奢るか決めたときに、“男気ジャンケン”(=ジャンケンの勝者が支払う)をやったんですけど、木村さんが勝ったんです。そこ勝つんだっていう男気とか、勝って奢るってところがスターだなって。スタッフさん含め木村さんが奢ってくださいました。ほかにも、皆をラーメン屋に連れて行ってくれたり、中空きでジムに行ったり…休まず常に稼働してるんです。スタースター言われすぎて嫌だと思うけど、完璧だなと思いました。

― どの瞬間を切り取ってもスター。

吉高:すごいんですよ。お話も上手で、物知りだし、ジェスチャーも上手。

― ジェスチャー?

吉高:瓶を開ける音とか効果音を。音で説明してくださるので、楽しいです。現場だとずーっと喋ってるんです。

― 色々な意味で刺激的な現場ですね。

吉高:本当そうでした。木村さん、二宮さんのほかにも、松重(豊)さんのお芝居にすごく惹かれました。私がリアクションを考えなくてもリアクションをさせてくれるような役者さんばかりだったので、刺激がたくさんありました。

吉高由里子が語る“夢を叶える秘訣”

吉高由里子(C)モデルプレス
― 話は変わって、7月22日に30歳のお誕生日を迎えられましたが、気持ちの面で変化はありましたか?

吉高:いざ迎えてみると「もうなったんだね」って感覚で、特に何にも変わらなかったです。客観的になっちゃうくらい実感が沸かないというか。テレビとかで、「吉高由里子(30)」ってなって初めて実感が沸くのかなってくらい。メイクさんとかスタイリストさんとか、19歳の頃から一緒なので、自分もそこで止まっちゃってて(笑)。もし女優っていう仕事をしてなくて、会社員として働いてたら今どんな地位にいるのかな?とかは考えますけど(笑)。

― そういう想像を!

吉高:この間してました。一生平社員かな?とか。残業とかお茶くみとかしてるのかな?って考えて(笑)。

― 楽しい方の想像ですね(笑)。

吉高:しんどいことは考えないタイプ(笑)。朝は苦手だけど、OLさんに憧れた時期もありましたし。ちょっといいなって思う人に、温かいお茶とか淹れてあげるのかな?って(笑)。

― そういう“もしも話”は楽しいですよね。

吉高:そしたら、30歳になってて。びっくりしちゃった。

吉高由里子(C)モデルプレス
― 吉高さんは映画デビューが2006年、18歳の頃。約12年のキャリアを踏まえ、ぜひ夢を追うモデルプレス読者へメッセージをお願いします。

吉高:夢があれば生きる熱意に変わると思うんです。夢がない若者が多いって言いますし、何をやっていいか分からない人も多いと思うけど、夢に出会えている時点で素敵なことだと思います。やってみようって気持ちが大事だし、その魂があるだけで自分の人生を謳歌できていると思います。

― 吉高さんの夢はなんですか?

吉高:今、聞かれて思い出したんですけど、ジブリが好きなのでジブリの声優をやってみたいなって。自分から前のめりでこの仕事をやりたいとか主張したことってなかったんですけど、それは昔言ってました。

― いつ頃のお話ですか?

吉高:20代前半とか?

― その夢を叶えるために、吉高さんならどういうプロセスを辿りますか?

吉高:思っていても行動しないと忘れてしまうんですよね。だからなるべく自分で口に出して言うことが大事なんじゃないのかなって思います。

― 言霊が大事だと。インタビューは以上になります。ありがとうございました。

(modelpress編集部)

吉高由里子(よしたか・ゆりこ)

吉高由里子(C)モデルプレス
1988年7月22日生まれ、東京都出身。2006年、映画『紀子の食卓』でスクリーンデビューし、第28回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞。2008年映画『蛇にピアス』で注目を浴び、第32回日本アカデミー賞新人俳優賞、ブルーリボン賞新人賞などを受賞。近年の出演作には、ドラマ「東京タラレバ娘」(2017年、日本テレビ系)、「正義のセ」(2018年、日本テレビ系)、映画『ユリゴコロ』(2017年)、舞台「レディエント・バーミン」(2016年)などがある。

映画『検察側の罪人』概要

「検察側の罪人」(8月24日公開)ポスタービジュアル(C)2018 TOHO/JStorm
公開:8月24日(金)
製作・配給:東宝
監督・脚本:原田眞人
原作:「検察側の罪人」雫井脩介(文春文庫刊)
出演:木村拓哉 二宮和也/吉高由里子 平岳大 大倉孝二 八嶋智人 音尾琢真 大場泰正 谷田歩 酒向芳 矢島健一/キムラ緑子 芦名星 山崎紘菜・松重豊/山崎努(※「崎」は正式には「たつさき」)

<ストーリー>
ある殺人事件を巡り、2人の検事の対立を描く。都内で発生した殺人事件。犯人は不明。事件を担当する検察官は、東京地検刑事部のエリート検事・最上と、刑事部に配属されてきた駆け出しの検事・沖野。最上は複数いる容疑者の中から、一人の男に狙いを定め、執拗に追い詰めていく。

その男・松倉は、過去に時効を迎えてしまった未解決殺人事件の最重要容疑者であった人物だ。最上を師と仰ぐ沖野は、容疑者に自白させるべく取り調べに力を入れるのだが、松倉は犯行を否認し続け、一向に手応えが得られない。

やがて沖野は、最上の捜査方針に疑問を持ち始める…。「最上さんは、松倉を、犯人に仕立て上げようとしているのではないか…?」互いの正義を賭けて対立する2人の検事。彼らの戦いに、待受けていた決着とは――。
【Not Sponsored 記事】

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