モデルプレスのインタビューに応じた渡辺麻友 (C)モデルプレス

渡辺麻友「プレッシャーを感じすぎていた」心機一転でAKB48卒業後初の連ドラ「闇っぽい一面も知って」<モデルプレスインタビュー>

2018.07.07 13:04

渡辺麻友(わたなべ・まゆ/24)の、AKB48卒業後初となる主演ドラマ『いつかこの雨がやむ日まで』(東海テレビ・フジテレビ系/毎週土曜日23時40分~)が、8月4日に放送を開始する。『戦う!書店ガール』(フジテレビ系)、『サヨナラ、えなりくん』(テレビ朝日系)などで主演を務めた経験がある渡辺は、卒業後、『アメリ』でミュージカルの舞台を経験。AKB48という冠がなくなった渡辺が連続ドラマで最初に挑む役柄は、15年前の不幸な出来事によって絶望に突き落されたミュージカル女優を志す女性・ひかり。ひかりを取り巻く愛と罪と狂気を描くラブサスペンスに挑戦する。このほど、渡辺がモデルプレスなどの取材に応じ、作品にかける思いや女優業について語った。

  

渡辺麻友、AKB48卒業後初主演ドラマ「いつかこの雨がやむ日まで」

森村ひかり(11)は、ミュージカル女優を夢見る天真爛漫な女の子だった。しかし、親しくしていたミュージカル女優(24)が殺害される事件が起き、事態は一変。逮捕されたのは殺された女優の恋人でひかりの兄、森村國彦(桐山漣)。加害者の家族となったひかりは、苗字を母方の姓に変え、北園ひかりになり、逃げるように故郷を去ることになる。

渡辺麻友「いつかこの雨がやむ日まで」(写真提供:東海テレビ)
それから15年、世の中の残酷な敵意にさらされ続けたひかり(26)だが、唯一の救いは追い続けていたミュージカル女優の夢だった。そんなひかりの元に、兄の出所の情報が入る。

全てを壊した兄に決別を告げに行くひかりだが、そこで兄は「俺は無実だ……」と告白。そんな中、ひかりはある男と再会する。それは現場から逃走する兄を目撃し逮捕に至らしめた男、そして、かつて“ある約束”を交わした幼馴染の谷川和也(堀井新太)だった。

渡辺麻友、悲劇のヒロインに共感できる?

― 最初にオファーを受けたときの心境と、役柄についての印象をお聞かせ下さい。

渡辺:まずオファーを受けたときは、すごい題材だったので、「一体どうなるんだろう?」と思いました。今まで演じたことのない役柄ですし、最初は悩むこともありましたが、私の性格上考えすぎるとまったくうまくいかない人間なので(笑)、今回は考えすぎないようつとめています。ちゃんと考えるところは考えつつも、肩に力を入れすぎず、抜きつつ、良いバランスで入れたらなと思って撮影に入りました。撮影が進むにつれてストーリーも進んで、ひかりの状況や心境も変わっていくんですけど、ひかりに常に寄り添えるようにと心がけながら演じています。

― ひかりが置かれている状況はなかなか救いがないと思うんですが、演じる心境はいかがですか?

渡辺:題材自体が重いテーマですし、ひかり自身も歩んできた人生が暗いので、最初は演じていてもちょっと追い込まれると言うか、自分自身にも心にズシンと来てしまうような感じはありました。時間が経っていくにつれて、それも上手いこと処理できるようになってきたのかなと思います。

― 発表時のコメントでは「舞台女優を目指していて、少し影のある女性、ということで私にぴったり?かもしれません」とおっしゃっていましたね。ひかりを演じるにあたって大事にしていることはありますか?

渡辺:元々は天真爛漫なミュージカルが大好きな少女だったんですけど、お兄さんの事件によって人生が大きく変化してしまうという役どころで、世間からそういう目で見られていて生きづらい人生を送っている女性です。そんな中でも唯一の生き甲斐であるミュージカルはずっと大事にしていて、それがあったからこそ生き続けられているので、自分が演じていく上でもミュージカルへの愛とか気持ちは大事にしながら演じています。

― ご自身との共通点や共感できる部分はありますか?

渡辺:置かれている状況がかなり特殊なので、そこに対しての共感は難しいんですが、3話でひかりが本音をぶちまけるシーンがあって、そのセリフにすごく共感できました。ひかりはお金を稼ぐためにキャバクラで働いているんですけど同僚の女の子にいじわるをされて「同情引いているんでしょ」みたいに言われたときに、「同情なんて引いてない、私はこの15年間誰の力も借りずに生きてきたんだ」と反論するんです。クランクインの日にそこを撮影したんですけど、私もあんまり人に頼らずに生きてきたので、状況は全然違いますけど、気持ちが入りやすかったです。「何で私ばっかりこんな目に合わなきゃいけないんだよ」みたいなセリフもちょっと共感できました(笑)。

渡辺麻友、撮影初日からキャバクラで女同士の戦い

渡辺麻友「いつかこの雨がやむ日まで」より(写真提供:東海テレビ)
― プロデューサーさんからのコメントで「とことん渡辺さん(ひかり)を追い詰めていくと思います」とありましたが、どんな風に追い詰められていくのでしょうか?

渡辺:台本上では、追い詰められています。「またこんな可哀想な状況に」とか、「わー苦しい」とかそういったシーンのオンパレードで、何かしら苦しんでいたり泣いていたり嘆いたり怒ったりしています(笑)。初日からキャバクラで女同士戦うシーンもあったのり、本当に色々なパターンで追い詰められていって常に波乱の展開が巻き起こっているので、それを面白くするのは私たち演じる側にかかっていると思っていて、観ている人がハラハラして目が釘付けになるように演じられたらいいなと思います。

― 今までの撮影で一番大変だったシーンはその初日のシーンですか?

渡辺:そこは叫んで喚いて取っ組み合いしてビンタして(笑)。結構ハードだったんですけど他にも1日1回は泣くシーンがあって、この作品はとにかく激しいので、自分の気持ちのコントロールがすごく大事になってくるなと思います。

― キャバクラ嬢を演じるにあたって役作りで大変だった部分はありませんか?

渡辺:キャバクラはお金を稼ぐために出向いている場所なので、一応それっぽく振る舞うけど心ここにあらずという気持ちでやっているので、私自身もキャバクラ嬢の役は慣れていないですけど、その感じが逆に活かせているんじゃないかな?(笑)みたいなところはあると思います。

― キャバクラでの衣装やヘアメイクはどんな感じなんでしょうか?

渡辺:“THE”という感じのごりごりな感じではありません。普段のひかりはナチュラルなメイクに地味な服装で本当に目立たないように生きていこうというビジュアルなんですけど、キャバクラのときは髪の毛を少し巻いたり、普段よりもメイクを濃くしたりとか、ちょっと見た目に派手さは加わります。

― お客さんに絡まれるシーンなどもありますが、演じてみていかがですか?

渡辺:うーん、難しいですね。そういうのは今まで無かったので面白いです。新感覚(笑)。

― 実際に劇中でもミュージカルを演じるシーンがあるんですか?

渡辺:あります。今は稽古場のシーンを撮影しているんですけど、舞台の本番シーンが後々でてくると思います。

― ミュージカル女優としてはいかがですか?

渡辺:いやいや、全然、まったくもって私はミュージカル女優ではないんですが、すごく楽しいと言うか、この間まで『アメリ』という作品でミュージカルをやらせて頂いて、その余韻もちょっと抜けていなかったので(笑)、思い出しながら楽しんでいます。

― そのシーンは力が入りましたか?

渡辺:そうですね。私はただのミュージカルファンです。ミュージカルを題材にするからには中途半端にやってほしくない、やるならちゃんとやってほしいという気持ちがあるので、自分もちゃんとやろうと思って挑んでいます。

― そのシーン、楽しみですね。

渡辺:頑張ります、頑張ります。自分でハードルを上げました(笑)。

渡辺麻友、素に近い役柄「闇っぽい一面も知って頂けたら」

渡辺麻友 (C)モデルプレス
― 以前女優さんとして印象に残る役をやりたいとインタビューでおっしゃっていたんですけど、この役はぴったりだと思います。自分にとってどんな作品になっていったらいいと思いますか?

渡辺:まだ客観的に作品も役柄も見られてはいないんですけど、結構本当に自分自身が追い詰められて、展開も含めて面白いんじゃなかろうかと(笑)。世間の皆様にも「土曜の夜にヤバいやつやっている」みたいな感じでちょっとバズって欲しいなと思っています(笑) 。

― 視聴者からすると渡辺さんがこういった役をやられていることも新鮮だと思います。

渡辺:そうですね。基本ひかりはすごく暗いというか闇の中で生きていて、テンションが上がることもないんですけど、結構素の私もそっち寄りです。アイドルをやっていたので世間的には“アイドルまゆゆ”にそういうイメージが無い方も多いと思うんですけど、私的にはそういうところは演じやすかったので、こんな暗い、闇っぽい一面も持ち合わせています、ということを知って頂けたらと思います

― 今まで主演ドラマはコメディが多くて、シリアスな役柄は珍しいですよね。そこには難しさは感じなかったですか?

渡辺:確かに比率でいうと若干コメディの方が多いですね。でもさっきも話したように根が暗いところを持ち合わせているので、すんなりと入れました。

渡辺麻友、AKB48卒業で心機一転「今まではプレッシャーを感じすぎていた」

― 卒業後の初主演ドラマということで注目を集めると思うんですが、その点でのプレッシャーは感じますか?

渡辺:今までの私はプレッシャーを感じすぎて、考えすぎて、結局何も上手くいかない、みたいなそういう人生でした。感じ過ぎちゃうと何事もうまくいかないと思うんです。なので、それをやめようと思って心機一転して肩に力を入れすぎずやろうということを心がけてやっています。

― そういう風に心機一転するきっかけが何かあったんですか?

渡辺:今回の作品に入るにあたって、最初監督さんとお話したときも「あんまり気負いすぎず、気楽にやってもらえたら」とおっしゃってくださって。て、今まで上手く行かなかったときも気負いすぎちゃっていたのがダメだった原因なのかなと思ったんです。なので、今回を機に新しい気持ちで、今までとは違うアプローチの仕方でやっていこうと思えました。

― 卒業されて舞台主演を経て、女優業に対して心境の変化はありましたか?

渡辺:そうですね。まだまだ掴めないことばっかりで、今まで通り苦戦しながら、悩みながらやっているんですけど、自分は自然な演技が下手だなぁと思うのでなるべく自然に演じたくて、自然に自然にと、力が入らないようしています。

― そういう意味では、在籍していた頃の主演ドラマとは気持ちが違いますか?

渡辺:そうですね。あの頃はやっぱりAKB48の活動をしながらだったので、両方を両立するのがとても難しかったです。どっちもちゃんとやらないと気持ち悪いので、どっちも上手くいっていないような気がして、だから今はドラマだけに集中できる環境がありがたいです。

― それは「アメリ」やっている頃から?

渡辺:はい。両立が苦しくて1本に集中するために卒業を決意したというのはあるので、今はそれが実現できていて嬉しいです。

― アイドル活動が女優業に活きていると思うことはありますか?

渡辺:(悩んで)…瞬発力かな?結構AKB48にいて鍛えられることが多くて、現場で急に「これやって」といわれることもちょいちょいあったので、そこは活かされているのかなと思います。

― 最後に見どころを視聴者に向けてアピールお願いします。

渡辺:最初の事の発端は、兄が出所して15年ぶりに再会したら兄は真犯人じゃなかった…というところから始まるんですけど、それだけじゃなくてそこからさらに悲劇の連続で色々な出来事が同時に起こるんです。ひかりだけじゃなくてどんどん重要人物が出てくるので、色んな人を疑いながら「このひと怪しくない?」というように観ていただけたら面白いんじゃないかなと思います。

渡辺麻友の新境地に期待

「初回と最終話のひかりの表情がどう変わるかが一番の見どころだと思っています。渡辺さんの演じ分けがどこまで行き着くかを楽しみにして頂けたら」とプロデューサーが語っていたように、今作で一皮も二皮も剥けた渡辺の新境地を目撃できるはず。“まゆゆ”ではない、“女優・渡辺麻友”の新たな一歩を見届けてほしい。(modelpress編集部)

「いつかこの雨がやむ日まで」ストーリー

森村ひかり(11歳)は、ミュージカル女優を夢見る天真爛漫な女の子だった。しかし、親しくしていたミュージカル女優(24歳)が殺害される事件が起き、事態は一変。逮捕されたのは殺された女優の恋人でひかりの兄、森村國彦。加害者の家族となったひかりは、苗字を母方の姓に変え、北園ひかりになり、逃げるように故郷を去ることになる。

それから15年、世の中の残酷な敵意にさらされ続けたひかり(26歳)だが、唯一の救いは追い続けていたミュージカル女優の夢だった。そんなひかりの元に、兄の出所の情報が入る。

全てを壊した兄に決別を告げに行くひかりだが、そこで兄は「俺は無実だ…」と告白。そんな中、ひかりはある男と再会する。それは現場から逃走する兄を目撃し逮捕に至らしめた男、そして、かつて“ある約束”を交わした幼馴染の谷川和也(27歳)だった。

渡辺麻友(わたなべ・まゆ)プロフィール

1994年3月26日生まれ、埼玉県出身。愛称はまゆゆ。2006年第3期、AKB48オーディションに合格。現在チームBに所属。2012年に『シンクロときめき』でソロデビュー。第1回の選抜総選挙開始から9年連続で神7入りを果たした唯一のメンバーで、AKB48の“正統派”アイドルポジションとして、地位を確立。多くのアイドルの憧れとなった。2014年第6回選抜総選挙で1位。第9回選抜総選挙は2位で、グループ卒業を発表。2017年をもって卒業。女優としては、『戦う!書店ガール』(フジテレビ系/2015年:主演)、同局系『大奥 第一部~最凶の女~』(2016年)、『サヨナラ、えなりくん』(テレビ朝日系/2017年:主演)などに出演。『アメリ』(2017年5月、6月)でミュージカル初主演を務めた。焼肉、唐揚げをこよなく愛する。

ヘアメイク:アージェ 犬木愛
スタイリスト:米原佳奈
【Not Sponsored 記事】

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