『半分、青い。』で“涼ちゃん”こと森山涼次を演じる間宮祥太朗(C)NHK

「半分、青い。」間宮祥太朗インタビュー “母性本能くすぐる美青年”役にかつてない重圧「こんな役をあまりやってこなかったものですから…」

2018.07.04 08:15

俳優の間宮祥太朗(まみや・しょうたろう/25)が現在放送中の『半分、青い。』(NHK総合/月~土、あさ8時)で連続テレビ小説初出演を果たす。【人生・怒涛編】のタイトル通り、七転び八起きのヒロイン・鈴愛(すずめ/永野芽郁)の人生はここからまた新展開を迎えるが、その大きなきっかけのひとつが間宮演じる森山涼次(もりやま・りょうじ)の登場。出会うなり鈴愛をキュンとさせる美しい青年…という、いわゆる直球のイケメン要員を任された間宮は、そこにかつてないプレッシャーを感じつつも「国民に愛されるように」と意気込みを語る。

  

間宮祥太朗インタビュー「台本から北川さんの愛が伝わってきた」

2008年に俳優デビューして以降、ドラマ・映画・舞台で主演・助演ともに幅広く経験。昨年は映画『トリガール!』『帝一の國』『劇場版 お前はまだグンマを知らない』『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』などで多彩な役柄を好演したことが評価され「第9回TAMA映画賞」最優秀新進男優賞を受賞した。朝ドラといえば若手俳優のブレイク登竜門だが、「僕とマネージャーの中では、朝ドラに自分が出ることをあまり想像していませんでした」といい「なんというか…朝向きじゃない顔だと思っていたので」と“濃い目の顔”の自虐で笑いを誘う。

「だからすごくビックリしましたし、嬉しかったです。何よりも僕は北川(悦吏子)さんの本がすごく好きで。今回も久々に台本を読みながら涙が出たなあ、というくらい感動したんです。1人1人の登場人物がとても愛らしく、一生懸命生きている。自分の役もそう。僕の今までやってきた役のイメージとは違う、柔らかく、愛嬌があるすごく素敵な役なんですが、北川さんはこの森山涼次という役を書く前に僕と会って、そのイメージから書いてくださったと聞いたので、これまで以上に愛着を持って演じることができたと思います」

最も好きな北川氏の作品に、映画『ハルフウェイ』(2009)を挙げ「すごく繊細でありながら、力強さがある」とその魅力を熱弁。また「これは『半分、青い。』の台本を読んだ時も思ったことなんですが、リアルな登場人物達の奥に北川さん自身の愛情が感じられるんです。北川さんから言葉を投げかけられているような気持ちになるというか…すごく生きたセリフを書く方だなと思っています」と語り、特に『半分、青い。』においては「北川さん自身と漫画家である鈴愛が、表現者という意味で共通しているということ。表現者に対する愛情や覚悟みたいなものをすごく感じる台本だったので、僕にはその部分が一番胸に刺さりました。表現をするために背負う葛藤や苦悩、それを超える喜びは、北川さん自身が今まで味わってきたであろう感情も盛り込まれていると思うんです」と推し量りながら台本を読み、涙腺を刺激されたという。

“涼ちゃん”の魅力は「母性本能をくすぐるような愛嬌」

森山涼次(間宮祥太朗)は映画監督・元住吉祥平(斎藤工)の家に居候中 (C)NHK
演じる森山涼次は映画会社「クールフラット」の助監督で、尊敬する映画監督・元住吉祥平(斎藤工)の家に居候中。3才の時に両親を交通事故で亡くした悲しい過去があるが、叔母である“三オバ”こと藤村三姉妹(キムラ緑子、麻生祐未、須藤理彩)に溺愛され、天性の優しさを持つ癒し系の青年に育った。三オバが営む「100円ショップ・大納言」で鈴愛と出会う。

「涼次は散らばらず一つの方向にすくすく育ったな、という印象です。草木で例えるなら、三オバに支柱を立ててもらって、そこに寄っかかりながら、結果真っ直ぐに育ったなっていう感じ。だから、一度何かを決断すると柔軟性に欠けるんですよね。『こう決めたからこうだ』っていう、ちょっと頑固な部分もあって。でも、そうやって自分を信じられるところが僕は好きです。未熟ながらも自分で自分の決断をして、それに覚悟を持ちたいようなところがある。実年齢にしては少し幼いかも。あの年齢で“恋に恋して…”みたいな、少し子供っぽい部分もあったりするんですけど、根本では“愛情”というものをすごく求めているし、自分もそれを持ちたい人なんだと思います。そこに対してはすごくピュアなんじゃないかな。好きなら『好き』って表現したい、愛してもらいたいという思いが強い人なのかなと」

涼次と祥平、そして「100円ショップ大納言」の雇われ店長・田辺一郎(嶋田久作)の3人が“魅惑のだめんず”とされているが、これには「“魅惑のだめんず”って…何なんですかね?!」と苦笑しつつ「確かにダメなところが愛せる、っていうのは絶対にある。本人が恥ずかしい部分や、ちょっと照れてしまうような至らない部分こそが、実は周りの人から見たら一番の魅力だったりするのかなと思います」。そこで大切に演じた部分は「母性本能をくすぐるような愛嬌と、“叱られながら愛される”ところ。それが涼次の最大の魅力だと思います。男女関係に関わらず、先輩や上司にも『お前は~!』って叱られながら愛される人はすごく強い。なんだかんだ人として一番魅力的で愛されている印象があるので、それを森山涼次…いや“涼ちゃん”と呼ばれるような人物の魅力として演じられればいいなと思いました」。祥平との同居生活では料理を作るなど、女房役のように支える一面も見どころとなり「頑張ります、国民に愛されるように!(笑)」と意気込んだ。

役者としては恋愛素人「こんな役をあまりやってこなかったものですから…」

一方で、「森山涼次というのは台本を読んだ時点で、女性が『魅力的だな』と感じる役だっていうことがわかる」というほど、一目瞭然の“愛されキャラ”を体現するうえでのプレッシャーも吐露。

「俺が演じて、そうじゃなくなったらどうしようっていう…(笑)。何というか、もう既に純度が高いものを、自分というフィルターを通すことによって、本当はより純度の高いものにしていかなきゃいけないのに、逆に雑味が生まれたらどうしよう、みたいな(笑)。ちゃんと演じられたら絶対に皆さんに愛してもらえる役になる。本を読んだ時点でそう確信が持てた分、自分自身にあんまり確信が持てないというか…そのプレッシャーはすごく感じました。北川さんの本も、今放送されている映像も、それと永野芽郁という女優も純度が高すぎる。すごく透き通っていて、清々しくて…っていう中に、自分が新しく入っていくっていうのはなかなかない体験だなと思います」

うるんだ瞳!(C)NHK
今週の予告動画では鈴愛と涼次の間のピュアな雰囲気が伝わるシーンも。鈴愛との淡い恋模様も期待されるが、そこに対しても間宮は「僕は今までの仕事で恋愛をしていないので…。ピュアな恋愛をしているような役をあまりやってこなかったものですから、その方法がわからないといいますか…(笑)」と戸惑いを打ち明ける。振り返ってみれば、初主演映画『全員死刑』(2017)で演じた連続殺人犯に代表される“クセが強すぎる”役柄の数々。実は“胸キュン未経験”だった自らを「役者としては恋愛素人」と表現し「だから本当に芽郁ちゃんの演じる鈴愛を信じようと思いました。おんぶにだっこでやらせてもらったって感じです、本当に」と笑う。

同世代の役者仲間が堂々と胸キュンラブを演じるのを見て「どういう気分なんだろう?」と不思議に思ったこともあったとか。ファン待望!?のイケメン役、しかも朝ドラという大舞台とあって、役者・間宮祥太朗のキャリアにおいてもひとつの転機となりそうだ。「10年やってきたけど、こんなことをしている自分は初めて見た」という、紛れもない新境地。「僕個人としては、今まであまりやってこなかった分、朝ドラを機に今からでもどしどし恋愛ものを…。『どしどし募集中です!』っていう感じではあります、はい(笑)」と茶目っ気たっぷりにアピールしていた。(modelpress編集部)

『半分、青い。』第14週「羽ばたきたい!」あらすじ

久々の読みきり漫画掲載の締め切りが迫る中、追い詰められて己を失いかける鈴愛(永野芽郁)だったが、秋風(豊川悦司)のひと言で我に返る。ユーコ(清野菜名)とボクテ(志尊淳)も力になろうと集まってくるが、筆が進まない鈴愛は悪戦苦闘する。結局、原稿を仕上げることができないまま締め切りの朝を迎えた鈴愛を救ったのは、秋風だった。しかし、自分の可能性を信じられなくなった鈴愛は、秋風と菱本(井川遥)に、漫画家を辞める決意を伝える。その意志の固さを感じた秋風は、はなむけに鈴愛ら弟子たちへの思いを語る。1999年秋。秋風のもとを去り、ひとり暮らしを始めた鈴愛(永野芽郁)は、生活のため100円ショップ・大納言でアルバイトを始める。

間宮祥太朗(まみや・しょうたろう)プロフィール

1993年6月11日生まれ、神奈川県出身。2008年「スクラップ・ティーチャー~教師再生~」で俳優デビュー。主な出演作にドラマ「弱くても勝てます~青志先生とへっぽこ高校球児の野望~」(14)、「水球ヤンキース」(14)、「学校のカイダン」(15)、「ニーチェ先生」(16)、「お前はまだグンマを知らない」(17)、「僕たちがやりました」(17)、「BG~身辺警護人~」(18)、映画『ライチ☆光クラブ』(16)、『高台家の人々』(16)、『帝一の國』(17)、『トリガール!』(17)、『全員死刑』(17)、『不能犯』(18)など。日本テレビ系7月期日曜ドラマ「ゼロ 一獲千金ゲーム」に末崎セイギ役でレギュラー出演。映画『食べる女』が9月下旬公開予定。
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