「半分、青い。」ヒロインの弟・草太役 上村海成、初の朝ドラオーディションで合格 永野芽郁との再会、大先輩から受ける刺激を語る<インタビュー前編>
2018.05.07 08:15
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放送中の連続テレビ小説『半分、青い。』(NHK総合/月~土、あさ8時)でヒロイン・楡野鈴愛(永野芽郁)の弟、草太を演じる若手俳優の上村海成(かみむら・かいせい/21)がモデルプレスのインタビューに応じた。ティーン誌のメンズモデルとして12歳で芸能界入りし、俳優業をスタートさせてからは『ミュージカル・テニスの王子様3rdシーズン』や映画『ちはやふる』、ドラマ&舞台『男水!』などに出演。役者としてはまだキャリアの少ない中、初めて受けた朝ドラのオーディションで見事合格し、姉思いでしっかり者の草太を好演する“期待の新星”だ。<インタビュー前編>
上村海成、初の朝ドラオーディションで合格「弟が20人くらいいるのかと…」
― 初めての朝ドラ出演ですが、周囲の反響はいかがですか?上村:「見たよ」と連絡してくれる友達は結構いるんですけど、僕の友達はほぼ全員「幼少期の草太が見たいよ!」って言うんです。子役の志水透哉くんがかわいすぎたんですね…。「すぐ会えるお前じゃなくて、あの子が見たいんだけど!」って言ってくるんですよ(笑)。
― 仲良しのお友達ならではの愛のあるイジリですね(笑)。
上村:高3の時の担任の先生からは「朝ドラいよいよ始まりましたね」というお手紙を頂きました。親戚の人も結構連絡をくれますね。(先生や親戚からは)「幼少期に戻れ」とは言われなかったです(笑)。僕が出ているからという理由で録画して見てくれる方もいて。「ああ、ありがたいな」って思います。
― この作品以前に朝ドラのオーディションを受けたことは?
上村:もしかしたら書類を出して頂いていたことはあったかもしれないですけど、僕が受けたのは初めてでした。
― 初めてで合格!
上村:ビックリしました。一度オーディションを受けさせて頂いただけだったので、本当に合格したのか正直信じられなかったです。弟役ではなく、何かゲスト的な役で採ってくれたのかなとか、弟が20人くらいいるんじゃないのかなとか…。
― 弟が20人(笑)。
上村:半信半疑でしたね。いや、7割「疑」でした。ちゃんと「決まったよ」という話を聞いた時はすごく嬉しかったです。呆然としましたけど…。「本当に決まっちゃったよ!」と思って(笑)。ヤバイヤバイと思いました、最初は。
― 朝ドラのオーディションと言えば、キャリアのある方でも何度も受けてやっと合格…というお話をよく聞きます。このタイミングで、草太という役に出会えたのも運命ですね。
上村:去年オーディションを受ける前に、「もしこの仕事を続けていくなら、10年以内くらいに(朝ドラに)出られたらいいな」という話を親としていて。その数カ月後に決まったのでビックリでした。まだ具体的な目標として決めていたわけでもないし、「出られたら良いな」となんとなく想像していただけなので、気持ちがついていかない部分はありましたね。
永野芽郁との再会、大先輩との共演…「お芝居の差を感じるばかりです」
― 実際に現場に入ってからはいかがでしたか?上村:ド緊張でした。すごい大先輩の方々とお会いした時に「どうしよう…」と思いましたね。顔合わせもすごく大きな部屋にたくさんの方がいらっしゃって。緊張しすぎて、その時は「この場から早く逃げ出したい」と思ったくらいです(笑)。
― 人見知りするタイプですか?
上村:結構人見知りすると思います。仕事の方と話す時はそうでもないんですけど、学校とかのコミュニティーで仲良くなるというのは結構苦手だったりします。
― そんなド緊張な状態から、どのように打ち解けていったのでしょうか。
上村:皆さんすごくフランクに話しかけてくださるんです。ベテランの方々と共演するということですごく身構えていたんですけど、そうやって話させて頂いているうちに「そんなに緊張しなくてもいいのかな」と思うようになりました。緊張しても仕方ないなって。
― 物語そのまま、和やかな雰囲気なんですね。
上村:お芝居のダメ出しとかではなく、「お昼何食べた?」とか、本当に普通の会話をしてくださるので、怖がらないで済むというか、共演者やスタッフの皆さんが緊張しない雰囲気を作ってくださるのですごくありがたいです。
― やはり現場では姉の鈴愛を演じる永野芽郁さんとのやり取りが多いのでしょうか?
上村:元々「nicola」の時に一緒で「初めまして」ではなかったので、最初はお互い「あっ!」と再会したような感じで。現場では何を話しているかな…本当に雑談だからあまり覚えてなくて…。こういう時のためにメモをとっておけばよかったな(笑)。
― (笑)。それだけ気を許せる間柄ということですね。ご家族のキャストも中村雅俊さんや松雪泰子さん、滝藤賢一さんと錚々たるメンバーですが、先輩方にアドバイスを求めることは?
上村:足りないところばかりですので、多分求めれば皆さん沢山言ってくださると思うんですが、まだ自分が遠慮しちゃっているというか、まだお聞きできていないです。
ちょっとまだ聞けない…聞く勇気がないです。その日の撮影、ドーン(※落ち込む音)ってなりそう(笑)。やっぱり非常に差は感じますね。「ああ、自分ってこんなにお芝居まだまだなんだな」って思うことはよくあります。「草太、ここはああすればもうちょっといい間だったのに」と思われているんじゃないのかなって。
― 自分の演技に悔しさを感じることは多いですか?
上村:そればっかりです。ちょっとテンポが遅かったり早かったり、段取りっぽい芝居になってないかなって思ったりします。周りの方が本当に良いお芝居をしている分、際立ってしまうような気がして。
草太は「僕が追いつけないくらい、しっかりしています(笑)」
― 草太という役を演じてみていかがですか?上村:優しくていい子って、いざやろうとすると逆に難しいなと思いました。優しい人って「優しくしよう」って考えないじゃないですか。本当に優しい人って、「えっ、こんなの普通じゃん!」みたいなことを言うんですよね。普通じゃないから優しいって言ってるのに!
― 確かに!
上村:それくらいの優しさが染み込んだ状態でやらなきゃいけないのが、結構大変だなと思うことがあります。できているのか、できていないのか…。それと、姉弟だからあまり優しすぎても気持ち悪いじゃないですか。そのバランスも難しいなと思います。
― 就活で落ち込む鈴愛の部屋に「大学行ってもいいぞ」と言いに来るシーンも良かったですね。「(家族から)司令を受けて来た」と正直に言ってしまうところも。
上村:正直者なんですよね。しっかりしてるけど、あの家族の一員なので、あんまりウソは得意じゃないのかなと思います。
― ご自身と草太を比べるといかがですか?
上村:あんなにも優しくてしっかりはしていないかなと思います(笑)。草太は家の問題で、しっかりしなきゃいけない状況だったのかなと思うんです。家族みんなそれぞれフワッとしているじゃないですか(笑)。だから「俺ががんばらんと」っていう気持ちで生きてきたんだと思うんですけど、僕はそんな風に「しっかりしなければ」という使命感に追われた経験はそんなになかったので。割と早いうちから仕事はしていたので、同世代の人よりは割としっかりしてるねって言われることは多かったんですけど、それでも草太は僕よりずっとしっかりしていますね、何倍も!ちょっと追いつけないです。
― 上村さんは、一人っ子なんですね。
上村:はい。前は同じマンションにいとこが住んでいて、6つ下や8つ下の子のお世話をすることが多かったので、妹や弟がいるという感覚のほうが近いかなと思います。
― 家族でのポジションはどんな感じですか?
上村:うーん…いたずらっ子ですかね。「いたずらっ子」って、文字に起こすと可愛い感じになるんですけど…(笑)。
― いたずらっ子な一面を詳しく聞かせてください(笑)。
上村:携帯の顔認証ってあるじゃないですか。家族のうち3人がバラバラの時期に顔認証つきの携帯に変えたんですけど、全員分の携帯に僕の顔で顔認証登録したらしくって。全然覚えてないんですけど…(笑)。
― 覚えてない!?それはいつの出来事ですか?
上村:今年です…(笑)。「してやろう」って気持ちでやってなかったので、全然覚えてないんですよね。母が一昨日くらいに携帯を変えて。僕が何事もなかったかのように顔認証を登録したら、「あんた!この間おばさんからもいとこからも『やられた』って言われたんだけど!」って怒られました(笑)。
― (笑)。ちょっと困らせてみたいというか、末っ子気質なんでしょうか。
上村:そうかもしれないです。小さい頃、あまりうるさくない子供だったらしくて、親とその友人と一緒にいることが多かったんです。20歳、30歳上の人と接することが多かったので、末っ子っぽい感じなのかな…?
― そんな感じで、現場でも先輩方に甘えられるといいですね。
上村:ふふふ(笑)。まだその勇気はないです。でも、皆さん優しいから受け入れてくれそうですね。
― 今後、草太としてはどんなところに注目してほしいですか?
上村:草太は成長しても優しいままです。そして、家族の中での立ち位置や振る舞いがより見えてくると思います。今まではお姉ちゃんとの関わりが多かったんですけど、これからはお父さんやおじいちゃん、お母さんともいい感じに絡んでくるのが見どころです。
― 草太という役はすっかり馴染んできましたか?
上村:どうでしょう…。これから年を取っていくので、やっと17歳の草太が馴染んだなと思ったら、今度は年を取った草太になるので、「この時はどうやったらいいんだろう…」って常に考えています。
― ひとつの役の人生を長く演じられるのも朝ドラの醍醐味ですね。
上村:まだ何歳まで演じられるかわからないんですけど、そこも是非楽しみにしていてください!
☆モデルプレスでは後日、大学生活と両立する俳優業への思いから休日の過ごし方まで、パーソナルな部分を深掘りしたインタビュー後編をお届けする。(modelpress編集部)
『半分、青い。』
連続テレビ小説第98作、脚本家・北川悦吏子氏のオリジナル作品。故郷となる岐阜と東京を舞台に、ちょっとうかつだけれど失敗を恐れないヒロイン・楡野鈴愛(にれの・すずめ/永野芽郁)が、高度成長期の終わりから現代までを七転び八起きで駆け抜け、やがて一大発明を成し遂げるまでの物語を描く。上村海成(かみむら・かいせい)プロフィール
1997年2月25日生まれ、東京都出身。2010年から雑誌『ニコ☆プチ』、2012年から2015年まで『nicola』のメンズレギュラーモデルとして活躍。『ミュージカル・テニスの王子様3rdシーズン』(2015~2016)で金田一郎役を演じ、映像作品では映画『渇き。』(2014)、映画『ちはやふる』<上の句> <下の句>(2016)、ドラマ『男水!』森親太郎役(2017)、映画『ダブルミンツ』足立役(2017)、FOD『&美少女 第9話』真鍋佑樹役(2017)などに出演した。
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