<ドラマ「海月姫」瀬戸康史インタビュー>可愛すぎると話題の“女装美男子”作り方、“映画版”菅田将暉は意識する?
2018.01.28 19:00
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フジテレビ系ドラマ「海月姫」(月曜よる9時~)にてある種“ヒロイン”として物語に存在するのが俳優・瀬戸康史(29)だ。同作において、芳根京子演じる主人公・倉下月海をはじめとする女性キャラは多くが筋金入りのオタク女子。規格外に型破りなキャラクターしか登場しない作品とあって、木南晴夏や松井玲奈、内田理央、富山えり子ら美人女優が普段の姿とは180度異なる姿を見せている。そんな中、おしゃれなファッションとヘアメイクで、作品の華として輝くのが瀬戸演じる女装男子・鯉淵蔵之介。その美貌をもって視聴者を楽しませる蔵之介には瀬戸のこだわり、そして熱いチャレンジ精神がつまっていた――。<モデルプレスインタビュー前編>
「海月姫」で女装美男子に
同作は「東京タラレバ娘」や「主に泣いてます」などで知られる東村アキコ氏による同名作品が原作。“オタク女子”が自分には一生縁がないと思っていた恋を知り、複雑な三角関係に巻き込まれながら新しい自分を見つけていく“シンデレラ・コメディー”だ。“女装美男子”役を演じている瀬戸は、月9初出演で、自身初となる“女装をしての芝居”に挑戦。番組放送前からそのビジュアルに注目を集まっていたが、放送スタート後には「瀬戸くんが可愛い」「女性以上に女性」と絶賛の声だけでなく「今日の蔵之介くんのスカートいいなあ。私も欲しい」「今回の髪型めっちゃ可愛い」とそのファッションやヘアにまで関心が寄せられている。
瀬戸康史、女装美男子の作り方
― 第5話まで撮影が進んでいるそうですが、もう女装姿には慣れましたか?瀬戸:さすがにもう慣れました!
― 放送の度に反響がすごいです。
瀬戸:ありがたいです。蔵之介のビジュアルは 1時間弱くらい毎回準備して作っていますが、自分では正直、客観視できないので分からなくて…。自分で見ると男にしか見えないんです(笑)。ですから、キャストの方やスタッフの方、視聴者の方が「綺麗だ」「可愛い」と言って下さることが本当に嬉しいですし、その言葉を自信に変えて「自分は可愛いんだな」と信じてやっています。もちろん撮影に入る前から、メイクテストや映りのテストなど色々とやったので万全ではありますが。
― 肌もとっても綺麗ですよね。
瀬戸:ありがとうございます。でも荒れることもありますよ。花粉症なので、季節によっては顔が痒くなりますし…そろそろ花粉が来ているし、危ないです(笑)。
― ブログや会見でもおっしゃっていましたが、6キロ減量に脱毛…と役作りも大変だったようですね。
瀬戸:そうですね。ムダ毛処理は今でも大変です。役柄によっては毛がないと困るので、永久脱毛するわけにもいかず、ひとまず脱毛に2回行き、ほどほどに薄くしたんです。そこから自分で毎日剃ってます。女性はなかなか生えないかもしれないですが、僕は毎日やらなきゃいけないから超大変ですね。
― ネイルも綺麗にされていますが、これもご自身でなさったのですか?
瀬戸:僕、スイーツ番組をやっているので、もともと爪の手入れはしていたんです。でもカラーは蔵之介のファッションに合わせて自分で塗りました。最初の頃よりは慣れましたね。
― メイクも毎回可愛いな、と思っていますが、スタッフの方と相談して作っているのですか?
瀬戸:最初にいつも担当してくれているメイクさんが、僕のことを分かってくれているので、僕に合うメイクやウィッグを仕上げてくれて、それを番組スタッフの方に渡して下さっています。だから僕はメイクに関して何もやっていないんです。
― そうなんですね。ではビジュアルだけでなく、その立ち姿や仕草なんかはどうですか?
瀬戸:仕草に関しては、ネットで画像検索したり雑誌で勉強したり…。女装してる時の蔵之介は、姉御肌な感じなので、立ち姿は米倉涼子さんや天海祐希さんなどをイメージしました。あとは海外のモデルさん。可愛らしさもあり、クールな雰囲気も兼ね備えてる方が多いので、そこを混ぜています。
― 放送されてから反響はどうでした?
瀬戸:うちの家族は良い意味でお互いに干渉しないので「見たよ」と感想はくれるんですけど、芝居に関して何か言うと僕が嫌がる事を分かっているから特に言ってこないです(笑)。ただ、妹が2人いるんですけど、女装すると1番下の妹にめっちゃ似ているんですよ。なのでそれは親戚や周りの人間にすごく言われます。
瀬戸康史“可愛い”にコンプレックスがあった過去も
― 瀬戸さんはこれまでも「可愛い」と言われることも多かったかと思います。瀬戸:そうですね…。うーん。10代の頃は「可愛い」としか言われていなかったので『見せたい自分』と『見えている自分』にギャップを感じていました。そのギャップに自分の中ですごく葛藤があって…でも武器はそれしかなくて…。すごくモヤモヤした気持ちを抱いていました。でも20歳を超えて大人になったというのもありますし、現場をたくさん経験して「可愛い」だけが武器じゃないと思えたんです。それから「可愛い」部分も自分だと受け入れることができましたね。「『可愛い』と言われちゃう」から「『可愛い』と言ってもらえてありがたい」に変わりました。
― その変化には何かきっかけがあったのでしょうか?
瀬戸:特に出来事は何もないんです。単純に場数と経験で色々なものを受け入れられるようになったのだと思います。さらに大人になったら、今度は意固地になってまた受け入れられなくなるのかもしれないですけど(笑)。
― そうですね(笑)。では今回「可愛い」役をオファーされた時には、それほど抵抗もなかったのですね。
瀬戸:抵抗…。ワンシーンだけ女装をすることは今後、他の作品でもあるかもしれませんが、ここまで全編を通じ女装して演じる役というのは、役者人生において、もう無いだろうな、と思ったので、このタイミングで蔵之介という役が来たのは、ある意味運命かもしれないと感じたんです。映画もアニメもやっているし、漫画も大人気の作品なので、そこに対して「自分にできるかな」というプレッシャーはもちろんありましたが、役者として挑戦したいという気持ちの方がプレッシャーに勝ったんです。
― 映画では菅田将暉さんが演じられている役ですが、意識はされましたか?どうしても比較する声は聞こえてくるかと思うのですが…。
瀬戸:意識は全くしていないです!菅田君と僕はまず顔の系統が違いますから(笑)。なので違うものになるだろうなとは思っています。それに映画は映画の良さがありますし、ドラマはドラマで時間も長い分、より丁寧に作品を描けるので、違う良さがあると思うんです。もちろん原作が同じですし、全く別のものとは考えていませんが、でも違うものです。比べる声はもう、“しゃーない”です(笑)。そこに対するプレッシャーはないですね。
― 最近では、同じ事務所の城田優さんや志尊淳さんらも女装する役に挑まれていますよね。
瀬戸:ね!たまたま(笑)。作品も見ましたよ!だけどまぁ、全然違うじゃないですか(笑)。だから特に話したり意識したりすることは無いですけど、お互い頑張れれば良いですね。
― 編集部では、瀬戸さんが1番可愛いという話も出ていました(笑)。
瀬戸:そりゃ、そうでしょうねー(笑)!その中では1番だと思ってますよ(笑)。でもそう言って頂けるのは嬉しいです。
瀬戸康史、蔵之介と重なる部分
― 蔵之介は、女装することで自分を政治家にしようとする父の意図をくじき、大好きなファッションの業界に関わっていくという狙いもある、と意志の強いキャラクターです。蔵之介との共通点を感じる部分はありますか?瀬戸:僕は幸せなことに、愛情ある家庭で育ち、蔵之介のように複雑な環境じゃないので、父親に関して強い反骨心・反抗心みたいなものはないです。ただ蔵之介は実の母親に関して、小さい頃に別れさせられて今はどこにいるのかわからない状態で、母に対しての想いがものすごく強い。彼は「女装が趣味」と言っているけれど、やはり「母を感じたい」という気持ちがあるだろうな、と思うんです。僕も17歳で福岡から東京に出て、家族と会う機会は1年に1回くらいなので、家族に対する思い、母に対する思いは蔵之介と似たような部分はあるのかもしれないです。
― お母様への思い…。
瀬戸:僕って芸能界を諦めようと思ったことは、1回なんてもんじゃないんですよ。そもそも自分で進んで入った世界ではなかったですし、辞めたくなったことは何度もありました。もともと獣医を目指していて、芸能界には母親の勧めで入ったんです。母の夢が自分の夢に変わったパターンの人間なんですよね。なので芸能界の仕事を続けてきた理由には、もちろん僕にはこれしかない、というのもありますが、どこか「母をがっかりさせたくない」という気持ちもあるんです。
※後編へ続く。
(modelpress編集部)
瀬戸康史(せと・こうじ)プロフィール
生年月日:1988年5月18日出身地:福岡県
身長:174cm
2005年俳優デビュー。ドラマ・映画・舞台と幅広く活躍。近年ではNHK連続テレビ小説「あさが来た」(総合テレビにて月~土曜、あさ8時~ほか)の成澤泉やドラマ「私 結婚できないんじゃなくて、しないんです」(TBS系)の“フェアリー男子”諒太郎で、女性から多くの支持を集る一方、「HOPE~期待ゼロの新入社員~」(フジテレビ系)のエリート社員・桐明真司や「先に生まれただけの僕」の島津先生、映画「ミックス。」ではイケメン卓球選手の江島晃彦、舞台「関数ドミノ」では真壁薫と幅広い役柄を演じている。
「海月姫」第3話
倉下月海(芳根京子)は、クラゲのドレスを作ろうと言い出した鯉淵蔵之介(瀬戸康史)を信じられなかった。しかし、蔵之介は本気。月海の部屋で図鑑を見た蔵之介は、早速ドレスのデザインをスケッチする。すると月海は全然違うと、自分が描いたハナガサクラゲのデッサンを見せた。蔵之介は思わず、こんなドレスがあったら欲しいと言う。そこに、ばんばさん(松井玲奈)が、風呂が空いたと月海を呼びに来た。男の格好だった蔵之介は姿を消す。蔵之介が家に帰ると修(工藤阿須加)が部屋に来た。修は月海と会いたいがどうすれば良いかわからないでいた。月海と付き合わせると言った約束がまだ有効かと蔵之介に問う修。すると蔵之介は修に月海に声をかけると請け負う。
『天水館』に行った蔵之介は修とデートするよう月海に告げた。月海は行きたくないと即答。修と稲荷翔子(泉里香)が交際していると思っていたからだ。蔵之介は直接修に聞いてみれば良いと言うが、月海には無理。さらに男性とデートなどしたら『天水館』にいられなくなると続ける月海に、蔵之介は強引にメイクを施して出かけさせる。
月海と修は無事に落ち合うがギクシャクしたデートが続く。そんな中、メガネをかけた月海を見た修は『天水館』で気色悪いと言ってしまった女性だと気づく。一方、蔵之介は“尼~ず”にクラゲのドレスを作ると宣言。気乗りしない面々に、蔵之介はドレスで儲けた金で『天水館』を救おうと言いだす。
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