永山絢斗「ドクターX」キャストに受けた刺激 率直な胸中を告白<インタビュー>
2017.12.04 06:00
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女優・米倉涼子主演のドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』(毎週木曜よる9時/テレビ朝日系)。現在放送中の第5シーズンには“ゆとり世代医師”が登場。その筆頭株として存在するの新米外科医・西山直之役の永山絢斗がインタビューに応じた。
西山(永山)は、シングルマザーに育てられ、苦労して医者になった外科医。先輩医師たちの「御意」体質に対しては、ドライな態度を貫く。また、患者とのコミュニケーションや先輩医師らとの関係で躓きを感じており、いつもテンションが低め。大門未知子のような摩擦の多い生き方は御免だと思いつつも、その職人技に内心憧れる部分もある。
そんな中、第8話では、西山が日本医療界のトップに君臨する「日本医師倶楽部」会長・内神田景信(草刈正雄)の息子であったことが明らかに。医師としての自覚が芽生えた西山が、組織の体面に固執する父・内神田と正面衝突し、医師としてようやく大きな一歩を踏み出した。
正直なところ、第8話までは西山の人間性に関して不透明な部分が多くて…(苦笑)。でも、第8話で彼の人間性や真意が分かってからは、演じる上での奥行きも考えられるようになって、楽しいです。
― 組織の中でそれとなく上手くやっていこうとしていた西山ですが、大門未知子と出会ったことで医師としての自覚が芽生え、意識が大きく変わりました。
誰もが一度は経験があると思うんですけど、気持ちがダレてしまうときってあるじゃないですか。当初の西山はちょうどそういう時期だったと思うんです。でも、人との出会いで意識が変わることもまた、誰しもが経験すること。僕自身も無気力だった時期に、同業者ではないけど「カッコいいな」と尊敬できる人に出会い、すごくいい影響を受けたんです。ですから、大門先生に吸い寄せられて変化していく西山の気持ちには共感できましたし、その変化は丁寧に演じたいと思いました。
― 永山さん自身の経験も重ね合わせながら、演じてらっしゃるんですか?
人が演じるわけですから、どうしても役者の経験や考え方はにじみ出ると思うんです。特に、台本を読んで「あ、この感じ知ってるな!」という要素があると、大きいですね。本を読んでも分からず「これ、どういう気持ちなんだろう?」と考えるのも楽しいんですけど、共感できる方が「じゃ、この役だったらどうなんだろうな?」と一歩踏み込んで考えられるので。
― 第8話では父・内神田と対峙し、感情が爆発する瞬間も…。演じてみていかがでしたか?
う~ん…自分自身に対して物足りなさを感じました。自分がこれまで手探り状態で演じてきたキャラクターが、逆にここぞという場面での幅を狭めてしまったような気も少しして…。やっぱりドラマは大変だな、と思いましたね。後で蓋を開けたら自分の想像とは違う展開や人物描写が待ち受けていることもあるので、なかなか計算通りにはいかない!それが面白いところでもあるんですけど。
撮影に入る前に過去シリーズを見たんですけど、実はその結果、「この中で自分がやるのか…」と不安に煽られてしまったんです。そっちに意識が行かなくなるに従って、純粋に撮影を楽しめるようにはなりましたけど、ここからがまた大変(笑)。最終回まで手術のシーンばかりですからね。でも、手術のシーンが楽しくてよかったです!
― 手術シーンは専門用語など覚えることも多くて大変そうですが、楽しいものですか?
楽しいです! 大変なぶん充実感もあって、1日が早く過ぎていくので。ただ、医療用語がたくさんあったりすると、ちょっとイヤですね(笑)。手元の動きをキッチリやりながら、難しい日本語をしゃべるのは大変!セリフの覚えが曖昧な状態だと、本番ですぐ自覚しますもん。「今日のオレ、ずーっとトーンが一緒だなぁ」みたいな感じで(笑)。その点、米倉さんはスゴイですよね!いつもバッチリですから。もちろん裏では相当練習してらっしゃるんでしょうけど、僕が目にする米倉さんは“すごく肝が据わっている女優さん”という風情で…。撮影合間もみんなに優しいし、すごく強くて素敵な大人だと思います。
いろんな経験を積んでこられた皆さんのお芝居を拝見しているだけで楽しいです。この間も(鈴木)浩介さんのお芝居を受けた段田(安則)さんが、「え?」と聞き返すような他愛もないお芝居の中にいろんなテクニックを詰め込んでらっしゃって…!思わず「スゴい芝居をされますよね!」と伝えたら、浩介さんが「絢斗くんは段田さんの年齢になるまでまだまだ時間があるからさ。それまでにどう成長して、どういう芝居をするのか…。そう考えると、楽しいよね」と。そういう話をさせていただけることが本当に幸せで!実は、西田(敏行)さんにも何回か食事に連れて行っていただいたんです。まさか“西田敏行”と一緒に食事に行けるとは…信じられないですよね!「スゴいな、オレ!」と思いました(笑)。
― 緊張しました?
そりゃ、しますよ!「オレ、早く酔っ払ってしまえ!」と思ってました(笑)。西田さん然り、ためになるお話をたくさん聞かせてくださる温かい先輩方に囲まれて、すごく嬉しいです。皆さん、この作品が大好きで、心から楽しんで撮影されている!そういう姿を拝見するたびに、すごく力を頂けます。
― 自分もこうなりたい、と思ったりしますか?
します! …でも、しなかったりもします。僕には「こうなりたい!」という理想が、昔からあまりないんですよ。人の真似をしても、それはただの真似事。結局は、自分を掘っていくしかないと思うんです。
― 自分自身はもちろん、役と向き合うことで、新しい自分を発見することも…?
役に関しても、自分の人生に関しても、ひらめきを得る瞬間はありますね。お風呂に入っているときに、「あっ、分かっちゃった!」と突然気づくことが多いです。そういうときはお風呂を出た瞬間、忘れないように、ひらめいたことを鏡に書くんですよ。ただ、鏡って時間が経つと曇って、文字が消えちゃうんですよね(笑)。だから、何回もなぞって書き直すんです。
― (笑)。西山に関しても、お風呂でひらめいたことがあったんですか?
そうですね。台本がボロボロになるように、お風呂で読んだりするんですけど(笑)。
― えっ、ボロボロにするために(笑)!?
そうなんですよ、やった感を出すために(笑)。ま、そんな冗談はさておき、西山に関してもひらめいたことは多々ありましたね。「こういう言い回しにしよう」とか。もちろん、全部が全部そうやって決めているわけではないですけど、「なんかこのセリフ、言いづらいなぁ…」と思ったときなんかは、お風呂でふと浮かんだリズムを取り入れることが多いです。思い浮かんだリズムは、台本にチョンチョンと印をつけておいて…そんな役者、ダメですね(苦笑)。
― そんなことないですよ! 丁寧に向き合ってらっしゃるんだなって感心しました。
でも、それだけでは対応しきれないことも多くて…。実は、「ドクターX」はまるで漫画のように、通常よりも激しいカット割りがあらかじめ決められているんです。先輩方はそこにスッと対応して演じられるんですけど、僕にはすごく難しくて…。何てことのない場面で突然、アップで顔を映されたりすると、「どんな顔をしたらいいんだろう!?」と戸惑ったりもしますから。もちろん、作品独自のやり方と、自分独自のやり方をいい塩梅で融合できたらいいな、とは思っているんですけどね。
― とはいえ、何回もやっていると、最初よりは合わせやすくなってくるのでは?
確実にそうだとは思います。でも、コツを掴んできたときには撮影が終わっちゃう、という…。僕、流れに乗るのが遅いタイプなんですよね(笑)。でも、皆さんに呼んでよかったと思っていただけるような芝居をしたいし、ラストに向けて頑張りたいです。“失敗しないドラマ”に出て失敗したなぁ…なんて思いたくないですから(笑)。
一度でいいから劇中で「失敗しないので」とか「いたしません」と言ってみたかったんですけど、それは叶わず…(笑)。西山は第9話以降も頼もしくはないんじゃないかなぁ…。やっぱり頼もしいのは大門先生ですからね。頼もしい人間は2人もいらないと思うんですよ。だから、何だかんだ言っても、まだひよっこな西山の成長過程を丁寧に演じていければいいな、と考えて現場に臨んでいます。演じるキャラクターの意識が上がってくると、自分の意識も上がってきますし、楽しいですよ。第9話以降は西山にとってもショックな展開も待ち受けていますし、感情が常にめまぐるしく動いている状態ですね。
― では最後に、第9話の見どころと視聴者へのメッセージをお願いします。
たくさんの方々にご覧いただいて、本当に感謝しております。第8話で大門先生に叱られた西山が、今後それをどう反芻し、どう立ち振る舞っていくのか…。第9話以降は『ドクターX』ファンの期待を裏切らない展開も待っていますので、ぜひご期待ください。
(modelpress編集部)
そんな中、第8話では、西山が日本医療界のトップに君臨する「日本医師倶楽部」会長・内神田景信(草刈正雄)の息子であったことが明らかに。医師としての自覚が芽生えた西山が、組織の体面に固執する父・内神田と正面衝突し、医師としてようやく大きな一歩を踏み出した。
共感できた役柄
― クランクインした当初は「まだいっぱいいっぱいの状態」と仰っていましたよね?正直なところ、第8話までは西山の人間性に関して不透明な部分が多くて…(苦笑)。でも、第8話で彼の人間性や真意が分かってからは、演じる上での奥行きも考えられるようになって、楽しいです。
― 組織の中でそれとなく上手くやっていこうとしていた西山ですが、大門未知子と出会ったことで医師としての自覚が芽生え、意識が大きく変わりました。
誰もが一度は経験があると思うんですけど、気持ちがダレてしまうときってあるじゃないですか。当初の西山はちょうどそういう時期だったと思うんです。でも、人との出会いで意識が変わることもまた、誰しもが経験すること。僕自身も無気力だった時期に、同業者ではないけど「カッコいいな」と尊敬できる人に出会い、すごくいい影響を受けたんです。ですから、大門先生に吸い寄せられて変化していく西山の気持ちには共感できましたし、その変化は丁寧に演じたいと思いました。
― 永山さん自身の経験も重ね合わせながら、演じてらっしゃるんですか?
人が演じるわけですから、どうしても役者の経験や考え方はにじみ出ると思うんです。特に、台本を読んで「あ、この感じ知ってるな!」という要素があると、大きいですね。本を読んでも分からず「これ、どういう気持ちなんだろう?」と考えるのも楽しいんですけど、共感できる方が「じゃ、この役だったらどうなんだろうな?」と一歩踏み込んで考えられるので。
― 第8話では父・内神田と対峙し、感情が爆発する瞬間も…。演じてみていかがでしたか?
う~ん…自分自身に対して物足りなさを感じました。自分がこれまで手探り状態で演じてきたキャラクターが、逆にここぞという場面での幅を狭めてしまったような気も少しして…。やっぱりドラマは大変だな、と思いましたね。後で蓋を開けたら自分の想像とは違う展開や人物描写が待ち受けていることもあるので、なかなか計算通りにはいかない!それが面白いところでもあるんですけど。
米倉涼子はスゴイ!
― シリーズものに途中から参加するにあたっては、いつもとは違う感覚もありましたか?撮影に入る前に過去シリーズを見たんですけど、実はその結果、「この中で自分がやるのか…」と不安に煽られてしまったんです。そっちに意識が行かなくなるに従って、純粋に撮影を楽しめるようにはなりましたけど、ここからがまた大変(笑)。最終回まで手術のシーンばかりですからね。でも、手術のシーンが楽しくてよかったです!
― 手術シーンは専門用語など覚えることも多くて大変そうですが、楽しいものですか?
楽しいです! 大変なぶん充実感もあって、1日が早く過ぎていくので。ただ、医療用語がたくさんあったりすると、ちょっとイヤですね(笑)。手元の動きをキッチリやりながら、難しい日本語をしゃべるのは大変!セリフの覚えが曖昧な状態だと、本番ですぐ自覚しますもん。「今日のオレ、ずーっとトーンが一緒だなぁ」みたいな感じで(笑)。その点、米倉さんはスゴイですよね!いつもバッチリですから。もちろん裏では相当練習してらっしゃるんでしょうけど、僕が目にする米倉さんは“すごく肝が据わっている女優さん”という風情で…。撮影合間もみんなに優しいし、すごく強くて素敵な大人だと思います。
先輩たちに刺激を受ける日々
― 現場には錚々たる諸先輩方がいらっしゃいますが、何か学ばれたことはありますか?いろんな経験を積んでこられた皆さんのお芝居を拝見しているだけで楽しいです。この間も(鈴木)浩介さんのお芝居を受けた段田(安則)さんが、「え?」と聞き返すような他愛もないお芝居の中にいろんなテクニックを詰め込んでらっしゃって…!思わず「スゴい芝居をされますよね!」と伝えたら、浩介さんが「絢斗くんは段田さんの年齢になるまでまだまだ時間があるからさ。それまでにどう成長して、どういう芝居をするのか…。そう考えると、楽しいよね」と。そういう話をさせていただけることが本当に幸せで!実は、西田(敏行)さんにも何回か食事に連れて行っていただいたんです。まさか“西田敏行”と一緒に食事に行けるとは…信じられないですよね!「スゴいな、オレ!」と思いました(笑)。
― 緊張しました?
そりゃ、しますよ!「オレ、早く酔っ払ってしまえ!」と思ってました(笑)。西田さん然り、ためになるお話をたくさん聞かせてくださる温かい先輩方に囲まれて、すごく嬉しいです。皆さん、この作品が大好きで、心から楽しんで撮影されている!そういう姿を拝見するたびに、すごく力を頂けます。
― 自分もこうなりたい、と思ったりしますか?
します! …でも、しなかったりもします。僕には「こうなりたい!」という理想が、昔からあまりないんですよ。人の真似をしても、それはただの真似事。結局は、自分を掘っていくしかないと思うんです。
― 自分自身はもちろん、役と向き合うことで、新しい自分を発見することも…?
役に関しても、自分の人生に関しても、ひらめきを得る瞬間はありますね。お風呂に入っているときに、「あっ、分かっちゃった!」と突然気づくことが多いです。そういうときはお風呂を出た瞬間、忘れないように、ひらめいたことを鏡に書くんですよ。ただ、鏡って時間が経つと曇って、文字が消えちゃうんですよね(笑)。だから、何回もなぞって書き直すんです。
― (笑)。西山に関しても、お風呂でひらめいたことがあったんですか?
そうですね。台本がボロボロになるように、お風呂で読んだりするんですけど(笑)。
― えっ、ボロボロにするために(笑)!?
そうなんですよ、やった感を出すために(笑)。ま、そんな冗談はさておき、西山に関してもひらめいたことは多々ありましたね。「こういう言い回しにしよう」とか。もちろん、全部が全部そうやって決めているわけではないですけど、「なんかこのセリフ、言いづらいなぁ…」と思ったときなんかは、お風呂でふと浮かんだリズムを取り入れることが多いです。思い浮かんだリズムは、台本にチョンチョンと印をつけておいて…そんな役者、ダメですね(苦笑)。
― そんなことないですよ! 丁寧に向き合ってらっしゃるんだなって感心しました。
でも、それだけでは対応しきれないことも多くて…。実は、「ドクターX」はまるで漫画のように、通常よりも激しいカット割りがあらかじめ決められているんです。先輩方はそこにスッと対応して演じられるんですけど、僕にはすごく難しくて…。何てことのない場面で突然、アップで顔を映されたりすると、「どんな顔をしたらいいんだろう!?」と戸惑ったりもしますから。もちろん、作品独自のやり方と、自分独自のやり方をいい塩梅で融合できたらいいな、とは思っているんですけどね。
― とはいえ、何回もやっていると、最初よりは合わせやすくなってくるのでは?
確実にそうだとは思います。でも、コツを掴んできたときには撮影が終わっちゃう、という…。僕、流れに乗るのが遅いタイプなんですよね(笑)。でも、皆さんに呼んでよかったと思っていただけるような芝居をしたいし、ラストに向けて頑張りたいです。“失敗しないドラマ”に出て失敗したなぁ…なんて思いたくないですから(笑)。
今後の展開は?
― ターニングポイントを通過した西山は、第9話以降どんな佇まいになっているんでしょう?一度でいいから劇中で「失敗しないので」とか「いたしません」と言ってみたかったんですけど、それは叶わず…(笑)。西山は第9話以降も頼もしくはないんじゃないかなぁ…。やっぱり頼もしいのは大門先生ですからね。頼もしい人間は2人もいらないと思うんですよ。だから、何だかんだ言っても、まだひよっこな西山の成長過程を丁寧に演じていければいいな、と考えて現場に臨んでいます。演じるキャラクターの意識が上がってくると、自分の意識も上がってきますし、楽しいですよ。第9話以降は西山にとってもショックな展開も待ち受けていますし、感情が常にめまぐるしく動いている状態ですね。
― では最後に、第9話の見どころと視聴者へのメッセージをお願いします。
たくさんの方々にご覧いただいて、本当に感謝しております。第8話で大門先生に叱られた西山が、今後それをどう反芻し、どう立ち振る舞っていくのか…。第9話以降は『ドクターX』ファンの期待を裏切らない展開も待っていますので、ぜひご期待ください。
(modelpress編集部)
【Not Sponsored 記事】