藤原竜也、“初共演”有村架純の印象を明かす<インタビュー>
2016.03.18 12:00
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俳優の藤原竜也(33)がインタビューに応じた。漫画家・三部けいによる、映像化オファーが50件以上殺到したミステリーコミックを実写映画化した「僕だけがいない街」(3月19日公開)で主演をつとめる藤原は、作品にまつわるエピソードや有村架純ら共演者の印象を語った。
同作は、売れない漫画家でごく普通の藤原演じるフリーター・藤沼悟が、自身の意図とは無関係に“時空移動=タイムリープ”する謎の特殊な現象“再上映(リバイバル)”により、18年前の小学生の頃に起きた児童連続誘拐事件の真犯人とその凶刃に倒れた母を救うため、大人のマインドを持ったまま小学生の「過去」をやり直し、現在と過去に起こる事件の謎を解き明かしていく新感覚ミステリー。「マンガ大賞」3年連続ノミネート、「このマンガがすごい!」3年連続ランクインという快挙を成し遂げ、現在放送中のTVアニメも好評を得ている。
藤原:出演が決まって原作を読ませてもらい、まさかの展開に驚いたというか、「原作があれだけ人気のあるのはこういうことか!」「支持を集めている理由はこういうことなのか!」と。スピード感はあるし、謎解きはスリリングだし、一気に読みました。でも、謎(連続誘拐殺人事件の犯人)はまったく分からなかったです(苦笑)。
いちばん印象に残っているのは、この作品の持つ“あたたかさ”です。僕の演じる悟は母親の死をきっかけに小学生の頃にリバイバルする(時間が巻き戻る)。その舞台となる北海道の町の風景が、自分の幼かった頃の思い出と重なるものがあって、あたたかさを感じました。それは悟と母親との関係とかクラスメイトとの何気ない会話とか、幼少期の懐かしさとか。家族愛や友情や悟の雛月に対する想いが自分のなかの何かとリンクして、そこにあたたかさを感じたのではないかと思います。
もちろんサスペンスとしての面白さもありました。「幼い頃の連続誘拐殺人事件を解決できたら、未来で起きる母の死の真相に繋がるんじゃないか?」という発想が面白い。そんないろんな面白さを内包する話題作をどうやって映画化するのか、まだ完結していない原作(※現在は完結、撮影時は未完結)を映画でどう成立させるのか、というのも映画化における楽しみひとつでした。
― 悟はリバイバルが起こることで、目の前で起きる何かを救いたいと思う正義感の強い青年で、ある意味ヒーローです。演じるにあたって悟をどう捉えたのか、悟を演じるために必要だったことを教えてください。
藤原:最初、悟はとても弱々しいんです。僕もそうだけれど、誰もが最初から強いわけではなくて、強くなりたいから戦隊もののキャラクターやいろいろなヒーローに憧れる。悟もそう。ずっとヒーローになりたいと憧れと正義を持ち続けて、やがてそれを漫画という形で表現する。でも、自分が志すものを見つけるものの漫画家としてはなかなか上手くいかなくて、一歩を踏み出せなくて、ふつうの日常をただ“生きている”青年、と解釈していました。それがリバイバルを起こすことで、事件を解決していこうとすることで、変わっていく。経験を経て、弱々しかった悟は強くなっていくんです。そんな悟の成長していく過程を表現したいと思って演じていました。
藤原:1回目のリバイバルの撮影、2回目のリバイバルの撮影、3回目…と、同じシーンを何度も撮りました。監督から説明は受けますが、空間の移動の仕方とか、時間の戻り方とか、完成してみないと分からないことは多々ありました。繰り返し撮っているこの映像はいったいどんなふうに繋がるんだろうと、楽しみで。完成したものを観たときは、こうやって繋がるのかと感動しました。
― リバイバルは決して思い通りにはいかないものですが、もしも自由にリバイバルできるとしたら、いつどこに巻き戻して何をしますか?
藤原:できることなら去年の有馬記念にリバイバルしたいですけど(苦笑)、実は戻りたい場所やことって意外とないんじゃないかなって思うんですよね。ただ「そう言えば、あの感覚ってどんな感じだったかなぁ」って感覚を確かめたいことはあります。夏休み前のワクワクする高揚感とか小学校の給食の味とか。大人になってからあまり食べる機会のない揚げパンとかって、懐かしいじゃないですか。そういう感覚を味わいたい気持ちはありますね。
― 悟のようなリバイバルが起きたとしたら、誰かのために、誰かを救うために行動しますか?
藤原:すごく難しいですよね。そう考えると悟のとった行動はまさに正義だし、ヒーローだと思います。僕だったらいろいろ考えて躊躇してしまうかもしれない。でも、リバイバルは突然に起こるものだから、行動せざるを得ないのかもしれないから、何だかんだ言って行動する…のかな(笑)。
藤原:初めて共演させてもらうので、緊張がないというと嘘になるけれど、有村さんは変に気を遣わせる人じゃないし、現場は本当に楽しかったです。人間的にとてもしっかりしていて、表現することに関して嘘のつけない人なので、納得できないときは監督に主張されていることもありました。演技プランにしても、すごく色々なことを考えて現場に臨んでいる。役柄として悟は愛梨に引っぱってもらう役ですが、僕としても架純ちゃんに引っぱってもらっていました(笑)。
― 引っぱってくれる、真っ直ぐに向きあってくれる、そういう愛梨の性格に悟は惹かれたのでしょうか?
藤原:そうだと思います。引っぱってもらうだけじゃなく、悟が愛梨を助け出してともに行動するときは、逆に彼が引っぱる立場ですが、悟をそうさせるのはやっぱり愛梨。彼女の存在が悟を成長させていると思います。
藤原:青年時代を先にまとめて撮影しているんですが、翼くんは「現場見学に来ました!」って、けっこう頻繁に現場に来て、僕らの演技をずーっと見ていましたね。僕自身は何もしてあげられないけれど、(大人の悟をしっかり演じることで)翼くんが悟を演じるときの何かのヒントになればいいなと。僕からのアドバイスは…「カット割りが多い作品になるから、頑張ろうね」って(苦笑)。リバイバルという設定上、通常よりもカットが多くなる、これはもう仕方ないことですから。
― 最後に、これから映画を観る人へのメッセージをお願いします。
藤原:原作はまだ完結していないので(※現在は完結)、原作ファンの方は「いったい映画ではどんなストーリーになっているんだろう?どんな結末なんだろう?」とドキドキしているんじゃないかと思います。僕が言えるのは、間違いなく原作を裏切らない、期待を裏切らない、って自らハードル上げちゃいましたけど(笑)、それくらいすごく面白くなっているはずです。また、原作を読んでいない方は、謎解きを存分に楽しんでほしい。そして、すべての人が自分自身にもリバイバルが起きているような、そんな不思議な感覚になれる映画です。
― ありがとうございました。
出生地:埼玉県
身長:178cm
血液型:A型
1997年 蜷川幸雄演出の舞台「身毒丸」主役オーディションでグランプリを獲得しデビュー。2000年映画「バトル・ロワイアル」の主演に抜擢。その後は、NHK大河ドラマ「新選組!」(2004年)や映画「DEATH NOTE デスノート」(2006年)、「カイジ 人生逆転ゲーム」(2009年)、「カイジ2 人生逆転ゲーム」(2011年)「藁の楯 わらのたて」(2013年)など数々の話題作に出演。2016年3月公開の映画「僕だけがいない街」で主演をつとめる。
(modelpress編集部)
主演・藤原竜也が語る作品の魅力
― 「マンガ大賞」3年連続ノミネート、「このマンガがすごい!」3年連続ランクインをはじめ話題になっている原作ですが、原作は知っていましたか?また、この原作の映画化で主演という話を聞いたときの感想を聞かせてください。藤原:出演が決まって原作を読ませてもらい、まさかの展開に驚いたというか、「原作があれだけ人気のあるのはこういうことか!」「支持を集めている理由はこういうことなのか!」と。スピード感はあるし、謎解きはスリリングだし、一気に読みました。でも、謎(連続誘拐殺人事件の犯人)はまったく分からなかったです(苦笑)。
いちばん印象に残っているのは、この作品の持つ“あたたかさ”です。僕の演じる悟は母親の死をきっかけに小学生の頃にリバイバルする(時間が巻き戻る)。その舞台となる北海道の町の風景が、自分の幼かった頃の思い出と重なるものがあって、あたたかさを感じました。それは悟と母親との関係とかクラスメイトとの何気ない会話とか、幼少期の懐かしさとか。家族愛や友情や悟の雛月に対する想いが自分のなかの何かとリンクして、そこにあたたかさを感じたのではないかと思います。
もちろんサスペンスとしての面白さもありました。「幼い頃の連続誘拐殺人事件を解決できたら、未来で起きる母の死の真相に繋がるんじゃないか?」という発想が面白い。そんないろんな面白さを内包する話題作をどうやって映画化するのか、まだ完結していない原作(※現在は完結、撮影時は未完結)を映画でどう成立させるのか、というのも映画化における楽しみひとつでした。
― 悟はリバイバルが起こることで、目の前で起きる何かを救いたいと思う正義感の強い青年で、ある意味ヒーローです。演じるにあたって悟をどう捉えたのか、悟を演じるために必要だったことを教えてください。
藤原:最初、悟はとても弱々しいんです。僕もそうだけれど、誰もが最初から強いわけではなくて、強くなりたいから戦隊もののキャラクターやいろいろなヒーローに憧れる。悟もそう。ずっとヒーローになりたいと憧れと正義を持ち続けて、やがてそれを漫画という形で表現する。でも、自分が志すものを見つけるものの漫画家としてはなかなか上手くいかなくて、一歩を踏み出せなくて、ふつうの日常をただ“生きている”青年、と解釈していました。それがリバイバルを起こすことで、事件を解決していこうとすることで、変わっていく。経験を経て、弱々しかった悟は強くなっていくんです。そんな悟の成長していく過程を表現したいと思って演じていました。
リバイバルできるなら?
― リバイバルシーンは、何度も同じシーンを繰り返し撮影したのでしょうか?藤原:1回目のリバイバルの撮影、2回目のリバイバルの撮影、3回目…と、同じシーンを何度も撮りました。監督から説明は受けますが、空間の移動の仕方とか、時間の戻り方とか、完成してみないと分からないことは多々ありました。繰り返し撮っているこの映像はいったいどんなふうに繋がるんだろうと、楽しみで。完成したものを観たときは、こうやって繋がるのかと感動しました。
― リバイバルは決して思い通りにはいかないものですが、もしも自由にリバイバルできるとしたら、いつどこに巻き戻して何をしますか?
藤原:できることなら去年の有馬記念にリバイバルしたいですけど(苦笑)、実は戻りたい場所やことって意外とないんじゃないかなって思うんですよね。ただ「そう言えば、あの感覚ってどんな感じだったかなぁ」って感覚を確かめたいことはあります。夏休み前のワクワクする高揚感とか小学校の給食の味とか。大人になってからあまり食べる機会のない揚げパンとかって、懐かしいじゃないですか。そういう感覚を味わいたい気持ちはありますね。
― 悟のようなリバイバルが起きたとしたら、誰かのために、誰かを救うために行動しますか?
藤原:すごく難しいですよね。そう考えると悟のとった行動はまさに正義だし、ヒーローだと思います。僕だったらいろいろ考えて躊躇してしまうかもしれない。でも、リバイバルは突然に起こるものだから、行動せざるを得ないのかもしれないから、何だかんだ言って行動する…のかな(笑)。
初共演となった有村架純の印象
― そんな悟の正義感に、有村架純さんが演じる愛梨も惹かれたと思います。初めての有村さんとの共演はいかがでしたか?藤原:初めて共演させてもらうので、緊張がないというと嘘になるけれど、有村さんは変に気を遣わせる人じゃないし、現場は本当に楽しかったです。人間的にとてもしっかりしていて、表現することに関して嘘のつけない人なので、納得できないときは監督に主張されていることもありました。演技プランにしても、すごく色々なことを考えて現場に臨んでいる。役柄として悟は愛梨に引っぱってもらう役ですが、僕としても架純ちゃんに引っぱってもらっていました(笑)。
― 引っぱってくれる、真っ直ぐに向きあってくれる、そういう愛梨の性格に悟は惹かれたのでしょうか?
藤原:そうだと思います。引っぱってもらうだけじゃなく、悟が愛梨を助け出してともに行動するときは、逆に彼が引っぱる立場ですが、悟をそうさせるのはやっぱり愛梨。彼女の存在が悟を成長させていると思います。
幼少期の悟を演じた中川翼について
― 幼少期の悟役は中川翼くんが演じています。悟のクセとからしさとか、幼少期と青年時代と何かすり合わせはあったのでしょうか?藤原:青年時代を先にまとめて撮影しているんですが、翼くんは「現場見学に来ました!」って、けっこう頻繁に現場に来て、僕らの演技をずーっと見ていましたね。僕自身は何もしてあげられないけれど、(大人の悟をしっかり演じることで)翼くんが悟を演じるときの何かのヒントになればいいなと。僕からのアドバイスは…「カット割りが多い作品になるから、頑張ろうね」って(苦笑)。リバイバルという設定上、通常よりもカットが多くなる、これはもう仕方ないことですから。
― 最後に、これから映画を観る人へのメッセージをお願いします。
藤原:原作はまだ完結していないので(※現在は完結)、原作ファンの方は「いったい映画ではどんなストーリーになっているんだろう?どんな結末なんだろう?」とドキドキしているんじゃないかと思います。僕が言えるのは、間違いなく原作を裏切らない、期待を裏切らない、って自らハードル上げちゃいましたけど(笑)、それくらいすごく面白くなっているはずです。また、原作を読んでいない方は、謎解きを存分に楽しんでほしい。そして、すべての人が自分自身にもリバイバルが起きているような、そんな不思議な感覚になれる映画です。
― ありがとうございました。
藤原竜也(ふじわら・たつや)プロフィール
生年月日:1982年5月15日出生地:埼玉県
身長:178cm
血液型:A型
1997年 蜷川幸雄演出の舞台「身毒丸」主役オーディションでグランプリを獲得しデビュー。2000年映画「バトル・ロワイアル」の主演に抜擢。その後は、NHK大河ドラマ「新選組!」(2004年)や映画「DEATH NOTE デスノート」(2006年)、「カイジ 人生逆転ゲーム」(2009年)、「カイジ2 人生逆転ゲーム」(2011年)「藁の楯 わらのたて」(2013年)など数々の話題作に出演。2016年3月公開の映画「僕だけがいない街」で主演をつとめる。
(modelpress編集部)
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