モデルプレスのインタビューに応じた野村周平(C)モデルプレス

誰も掴めない“野村周平”という存在「自分でも怖い」 モデルプレスインタビュー

2016.02.12 07:00

俳優の野村周平(22)が、モデルプレスのインタビューに応じた。2010年のデビュー以来、着実にキャリアを踏み、昨年放送のフジテレビ系月9ドラマ「恋仲」で知名度を一気に広めた。月9で演じたミステリアスな役柄は、彼の持つイメージとは遠かった。振り返ってみれば演じてきた役の幅は広く、NHK連続テレビ小説「梅ちゃん先生」(2012年)では礼儀正しい好青年、連続ドラマ「35歳の高校生」(2013年、日本テレビ系)では闇を抱えたクラスのムードメーカー、映画『ビリギャル』(2015年)では金髪のマイルドヤンキー、と多岐に渡る。そして、2月13日公開の主演映画『ライチ☆光クラブ』では、また知らない顔をひとつ見せる。同作で演じるのは“普通の少年”。作品ごとにガラリと表情を変える野村だが、「カメレオンみたいなもの。その場その場で色が変わっていきます。ただ…俺自身も俺がどんな人か分かってないんですよね」とその正体は本人も掴みきれていない。

  
同作は古屋兎丸氏による人気コミックが原作。黒い煙と油に塗れた蛍光町と廃工場の秘密基地“光クラブ”を舞台に、成長を否定した14歳の美しい少年たちの愛憎が独創的な世界観で描かれる。絶対的なカリスマ性で独裁的に支配する“帝王”ゼラ(古川雄輝)、謎めいた美少年・ジャイボ(間宮祥太朗)など、個性豊かなキャラクターたちが登場する中、野村が演じるのは集団心理から目を覚まし、奇妙な世界のおかしさに気づいていく“普通”の感覚を持った主人公。

廃工場の秘密基地「光クラブ」に集う9人の少年(C)2016『ライチ☆光クラブ』製作委員会
今回の撮影では、「周りのキャラクターが濃いので、あえて個性を出さないようにしました」という野村。役を作りこまないスタイルは、自身の性格を考慮した上。「現場に作り込んで入るとか、細かく打ち合わせをするとか、苦手なんですよ。現場に入ってから『とりあえずやってみましょう!』って提案します。直感で感じたものを出したいと思うんです。やってみてダメなら、また次を考えればいい」と、失敗は恐れていない。

野村周平(C)2016『ライチ☆光クラブ』製作委員会

“普通”でいることの難しさ「革命を起こしたくなる」

“普通”を表現することが、1番難しいという役者は多い。野村も例外ではなく、「1人だけ普通だっていう設定なのに、全くリアリティのない世界にも溶けこまなきゃいけなかった。普通であるということが、1番難しかったです」と本音をこぼす場面もあった。

野村周平(C)2016『ライチ☆光クラブ』製作委員会
そもそも、野村は「誰もやったことないような楽しいことを思いつくのが好きなんですよ」とタミヤとは正反対の性格だ。例えば、つい先日自身の公式Twitterでは“ひとりプリクラ”を公開し大きな反響を呼んだが、それも「同じ年くらいの俳優は、誰もやらないでしょう?でも、やったら面白いよな~って」と彼なりの意図がある。「何かしらの革命を起こしたくなっちゃうんです(笑)」と型にはまることを嫌う彼にとって、特徴のないタミヤは新たな挑戦となったのかもしれない。

現場スタッフの言葉に照れ「自分勝手なだけ」

野村周平(C)モデルプレス
SNSやバラエティ番組で見せるイメージは変わらず、今回の現場でも「とにかく人が好きなので、常にしゃべっていました」と、“面白いこと好き”のムードメーカー。

「いたずらとかは、当たり前のようにしていましたよ(笑)。同世代が多いし、盛り上がっていました。俺は、いつでも明るいし、人見知りもしない。緊張とかもあまりしないタイプだし、しゃべってることで、本番はリラックスして挑むことができる気がするんです」。

野村周平(C)モデルプレス
その話を聞いたとき、彼と携わったスタッフが、立ち話程度に「いつも盛り上げてくれる。どんなときも笑わせてくれるから、野村さんがいるといつも明るくて楽しい」と語っていたときのことを思い出した。

本人は「嬉しいです。そんな風に思ってくださっているんですね。ひたすらしゃべるから、本当にうるさいし、俺としては自分勝手なだけ(笑)。昔からそう」と照れながらも恐縮していたが、人懐っこい笑顔は親しみやすい人柄を表しているように感じた。

誰も掴めない存在「1時間おきに性格が変わる」 不思議な魅力

野村周平(C)モデルプレス
別け隔てなくすぐに打ち解けていく一方で、「本当の本当に奥にいる自分っていうのは、まだ誰にも出していないです」と秘めた部分もあると言う。

「1時間おきに性格が変わるんですよ。変わった自分をちょっとずつ表に出していって、周りにも慣れさせていく。どんな自分がいるのか、自分でも怖いです。でも、基本的にはみんながハッピーであればそれでいいやって思ってるから、良い部分は全部できるだけ出すようにしています」。

掴みどころのない、とはまさに“野村周平”のこと。「そりゃ、掴ませませんよ(笑)!うそうそ、俺は単純。すぐ掴めると思いますよ(笑)」――やはり、簡単には掴ませてもらえそうにない。知れば知るほど、不思議な存在だ。

「夢を叶える秘訣」

最後に「夢を叶える秘訣」を尋ねると、「夢見ること」と即答した。

「俺の夢はほとんど叶ってるんですけど、それは夢を見続けたから。例えば、車が欲しいとかバイクが欲しいとか、その夢を思っていたから叶いました。あとは、言うこと。友達といるときもずっと夢について語ってます。言葉にすると『がんばろう』って思えるし、勝手についてくる。俺の最大の夢は大金持ちですから。これも叶えるために、言い続けています」。

そう語る瞬間は、22歳の素顔。次はどんな顔を見せてくれるのだろう。きっとまた、ワクワクさせてくれるはずだ。(modelpress編集部)

野村周平(C)モデルプレス

インタビューこぼれ話

あどけなさの残る顔立ちが魅力の野村さんですが、身体はほどよく筋肉のついた細マッチョとギャップも人気。その秘訣を聞いてみると、「昔はBMXやスケボーをやっていたので、そのときについた筋肉を保つためにジムに通っています」と教えてくれました。

実は野村さん、芸能界デビュー前はスノーボード選手として活動し、数多くの大会で受賞した経験もあるなど、かなりの運動神経の持ち主。「ほとんどが、BMXとか乗ってつけてましたね。だから、実践的な筋肉しかついていないですよ」と明かし、「ジムには週2回くらいで通って、今はどこまで美しくなれるかを目指しています」と告白。

「ぜひ、納得のいく筋肉がついたらTwitterで公開してください!」と頼むと、「俺、高いよ?(笑)」と最後まで“らしさ”全開でした。

野村周平 プロフィール

1993年11月14日生まれ。2009年、アミューズ全国オーディション2009「THE PUSH!~あなたの周りのイケてる子募集~」で、応募者31514名の中からグランプリを受賞。2010年「新撰組 PEACE MAKER」で俳優デビューし、その後は数々の話題作に出演。今年は、現在放送中の連続ドラマ「フラジャイル」(フジテレビ系/毎週水曜よる10時)に出演、さらに映画「ライチ☆光クラブ」(2月13日)、「ちはやふる」(3月19日<上の句>・4月29日<下の句>)の公開が控えている。

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