小室哲哉「最後の大きなミッションと未来」「globeとTM NETWORKの違い」「夢を叶える秘訣」を語る モデルプレスインタビュー
音楽プロデューサーでglobeとしても活動する小室哲哉(57)がモデルプレスのインタビューに応じた。今年8月9日にデビュー20周年を迎えたglobe。1995年のデビュー後、ダブルミリオンを記録した「DEPARTURES」をはじめ、「Can’t Stop Fallin’ in Love」「FACE」「FACES PLACES」など多数のヒットシングルを世に送り出してきた。そして、globeの世界観に憧れ、歌詞に共感する多くの女性たちで溢れていた。
globeは応援歌、背中を押してあげる曲が多かった
― 現在もglobeの音楽に影響されている女性が多いと思います。小室:globeの曲を10代で聞いていた子が、ここ数年で社会人になり、この業界で僕と直接話す機会ができるようになった方たちが、何十倍何百倍と増えたんですよね。1人だったのが今は100人いるという感じです。そういう方たちとお話しているとそう思うときはありますね。フランクに話せるようになって、「歌詞をそんなに深読みしてくれていたんだ」「CDを買うのに随分お金を使わせたね」なんて言い合えたり。そういう話を皆さんとしていると、心象風景みたいなものを持っているなと思いました。
― 特に、恋愛や結婚などに結びついているglobeの楽曲を女性たちは持っているのかなと思います。
小室:そうですね。でも、どちらかと言うと、globeのファン以外の方に向けて作っていた曲が恋愛。globeファンには、元気がないときやへこたれているとき、学校や職場で嫌なことがあったとき、試験や受験、就活などを控えているときに聞けるような楽曲にしました。
― 「FACE」は強い女性をイメージしたのかなと。
小室:背中を押すような、自分で自分を励ますような、頑張れマイセルフ的な感じですね。globeファンはそういう方が多かったと思います。
globeでは「自由にやりたい放題でした」
― これまでポップやR&B、最近はEDMなど、様々なジャンルの楽曲を制作されていましたね。TM NETWORKよりglobeの方が実験的な部分が多いのかなと思いました。小室:TMはバンドというよりかは、友達で仲間ですからね。みんなそれぞれ意志や方向性があるので、そのバランスを取りながら尊重し合いながら、ルールも決まっていたので、その中でやっていました。globeの方は僕の人生の中で1番自由にやりたい放題でした(笑)。ビジネスモデルを作らなくちゃというのはTRFの方が大きくて、globeはそこまで絶対に売れるという法則を作らなくちゃいけないとは思っていませんでした。
― そうだったんですね。globeの小室さんは自由人だったんですね。
小室:僕の中では自由にやっていたんですけど、思いのほか響いちゃった。KEIKOの声とかが…。TMは三者三様があるんですけど、globeと言ったらやっぱりKEIKOなんですよね。僕にすごく想い入れがある方でも、globeといえば「小室さん」じゃなくて「KEIKO」なんですよ。そういう意味では、僕のラボの中にKEIKOとマークの2人がいて、付き合ってくれた感じです。そこが、TMとglobeの大きな違いかな。
「最後の大きなミッションです」
― 20周年真っ只中ですが、今後の活動についても考えているのではないのかなと思います。オーディションしているというお話も聞きましたが、いかがでしょうか?小室:オーディションをやっている最中です。エイベックスもまだまだ若いレコード会社だと思うんですけど、きっとこれからも長い歴史が刻まれていくのかなと思いきや、この世の中からレコード会社自体がなくなってしまう可能性がこの数年であり得ると思う。もともとの工程が順番通りにいかなくなり、総崩れで変わっていく状態になりそうなのかなと。そんな中で、今の僕の背中にどんとのしかかって、やらなくちゃいけないミッションとは、レコード会社がなくなっても音楽で人気者を作れるかどうかということ。それが最後の大きなミッションです。
― ボーカリストの中で小室さんの御眼鏡に適う人は?
小室:KEIKOの代わりとか、そういう視点では全く見ていないので。島国の日本の音楽産業は鎖国的な状態ではないのですが、頑張って世界に出ていっている人が少ないかなと。
― メンバーで小室さんが入るユニットの予定は?
小室:今のところないですね。僕はあくまでもソロの立場。一生(ステージから)降りちゃダメだよという人たちもいますけど、僕は少なくても来年はプロデュースしていく方に軸を置きたいです。
夢を“叶える秘訣“とは
― 最後に夢を追いかけて頑張っているモデルプレス読者に向けてメッセージをお願いします。小室:今年の夏はオーディションで小学校4年生から25歳くらいまで1500人くらい見てきたんですけど、自分で自分の鏡を見て能力も才能も見極められるように、どれくらいの人間のキャパシティなのかをわかっていることって大事だなと思いました。自分がどれくらいのキャパシティがあるのかを見極めてから動き出した方がいい。やりながらだと、時間がもったいないので。わかったらそっちに行った方が近道ですし。
― そのキャパシティを見極めるためには、どんなことをしたらいいと思いますか?
小室:そのための義務教育があるわけで、義務教育中に今の子たちならいろんなことを調べられるので、自分がどのくらいの人でどのくらいのことができるのか、客観的に俯瞰的に中学3年生くらいまでにはある程度の方向性を見極められるんじゃないのかなと思います。
― 例えば若い子たちがダンスやボーカルレッスンを受けていたりすると、挫折しそうになるときってあると思います。それはどうやって乗り越えていけばいいのでしょうか?
小室:これくらい出来ているキャパの人間なのねって思って、次の日は明るく頑張ればいい。自信を持ち続けて。ただちょっと違うんじゃないか、自分のキャパが合わないんじゃないか、とくじける場合は自分で自分に疑問を持って、問いかけた方がいいんじゃないのかな。例えば、僕自身もバンドではセンターでフロントマンをやりたかったり、憧れていたとしても、自分がはじめから真ん中に立って、みんなを、お客さんを引っ張っていくような能力はないと、中学生くらいから思っていたので、見極めることが大事だと思います。
― 自分のことを知ることが大事なんですね。
小室:大事ですよね。それが中学3年生までに充分(時間が)ある。15年もあればできちゃうと思いますけどね。絶対15歳までに自分を見つめて、そこから方向性を定めればいいと思います。定めさえすれば、くじけても関係ないので、自信を持ってやればいいだけです。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
▼小室哲哉、HYDEが「DEPARTURES」をカバーした理由&制作秘話…そしてKEIKOへの想いを語る モデルプレスインタビュー
http://mdpr.jp/interview/1551025
カバーアルバム「#globe20th -SPECIAL COVER BEST-」収録内容
12月16日(水)発売・Disc1<COVERS>
01.DEPARTURES / HYDE
02.FACES PLACES / 木村カエラ
03.Joy to the love / AAA
04.Many Classic Moments / 浜崎あゆみ
05.Precious Memories / 坂本美雨
06.FACE / GReeeeN
07.Can’t Stop Fallin’ in Love / 當山みれい
08.FREEDOM / Da-iCE
09.Wanderin’ Destiny / 倖田來未
10.Love again / 超特急
11.Anytime smokin’ cigarette / hitomi
12.SWEET PAIN / lol -エルオーエル-
13.wanna Be A Dreammaker / TRF
14.Sa Yo Na Ra / 梅田彩佳(NMB48)
15.Feel Like dance(Piano Solo) / 小室哲哉
・Disc2<ORIGINALS>
01.DEPARTURES(20th edit)
02.FACES PLACES(20th edit)
03.Joy to the love(20th edit)
04.Many Classic Moments
05.Precious Memories
06.FACE
07.Can’t Stop Fallin’ in Love(20th edit)
08.FREEDOM(20th edit)
09.Wanderin’ Destiny
10..Love again
11.Anytime smokin’ cigarette(20th edit)
12.SWEET PAIN
13.wanna Be A Dreammaker
14.Sa Yo Na Ra
15.Feel Like dance(20th edit)
小室哲哉(こむろてつや)プロフィール
生年月日:1958年11月27日出身地:東京都
音楽家、音楽プロデューサー、作詞家、作曲家、編曲家、キーボーディスト、シンセサイザープログラマー、ミキシングエンジニア、DJなど幅広く活躍。83年、宇都宮隆、木根尚登とTM NETWORK(のちのTMN)を結成、84年「金曜日のライオン」でデビュー。同ユニットのリーダーとして、その音楽的才能を開花させる。86年、渡辺美里への提供曲「My Revolution」がヒットし作曲家として注目を浴びる。87年、TM NETWORK「GET WILD」が大ヒットし一躍人気ユニットに。93年にtrfを手がけたことがきっかけで、一気にプロデューサーとしてブレイク。以後、篠原涼子、安室奈美恵、華原朋美、H Jungle With t、今年デビュー20周年を迎えるglobeなど、自身が手がけたアーティストが次々にミリオンヒット。2010年からは作曲家としての活動を再開。AAA、森進一、北乃きい、超新星、SMAP、浜崎あゆみなど幅広いアーティストに楽曲を提供している。
globe(グローブ)プロフィール
新人女性オーディションで選ばれたボーカル・KEIKO、フランス人の父親と日本人の母親を持つ日仏ハーフのラッパー・MARC PANTHER、TMNプロジェクト終了後、数々のプロデュースワークを手掛けてきた音楽プロデューサー・小室哲哉が自らメンバーとして参加するユニット。1995年8月9日、シングル「Feel Like dance」でデビュー。1997年3月、日本初の4大ドームでのコンサートツアーを成功させる。1998年3月31日に3rdアルバム「Love again」をリリース、アルバム3タイトルでの売上が1,000万枚を突破、デビューから史上最短記録を作る。年末には「wanna Be A Dreammaker」が日本レコード大賞を受賞する。
もっと詳しくみる
あわせて読みたい
-
小室哲哉、HYDEが「DEPARTURES」をカバーした理由&制作秘話…そしてKEIKOへの想いを語る モデルプレスインタビュー
モデルプレス
-
globe、浜崎あゆみ・HYDEら第2弾カバーアーティスト発表 収録内容も明らかに
モデルプレス
-
小室哲哉、妻・KEIKOから誕生日の祝福に感激「凄いことです」
モデルプレス
-
小室哲哉、シックな黒スーツスタイルで登場 現代アートに触れる
モデルプレス
-
視聴総合ランキング
2025年11月24日 16:30時点
※TVer内の画面表示と異なる場合があります。
-
01良いこと悪いこと
第7話 あーあ、死んじゃった。
11月22日(土)放送分
TVerで見る -
02ザ・ロイヤルファミリー
Episode7「口取り式」
11月23日(日)放送分
TVerで見る -
03フェイクマミー
第7話 偽ママ告発文で疑心暗鬼…不穏な校外キャンプ!担任が上場支エル?
11月21日(金)放送分
TVerで見る -
04すべての恋が終わるとしても
#7 この瞬間だけは、きっと永遠だ
11月23日(日)放送分
TVerで見る -
05じゃあ、あんたが作ってみろよ
第7話 アナログ家族よ、ぶつかれ!
11月18日(火)放送分
TVerで見る
最新ランキングはこちらPowered by -
-
小室哲哉、名曲の制作秘話を告白「港区で自転車に乗りながら…」
モデルプレス
-
globe、KEIKOの秘蔵写真公開 倖田來未&AAAら20周年カバーアルバム参加者発表
モデルプレス
おすすめ特集
-
業界初! 全プラットフォーム横断の大規模読者参加型アワード
特集
-
11月のカバーモデルはドラマ「ちょっとだけエスパー」大泉洋&宮崎あおい
特集
-
モデルプレス読者モデル エントリー受付中
特集
-
インフルエンサー影響力トレンドランキングを発表!「モデルプレスカウントダウン」
特集
-
モデルプレス独自取材!著名人が語る「夢を叶える秘訣」
特集
-
モデルプレス読者モデル 新メンバー加入!
特集
-
国内作品見放題数2位!アニメ・お笑い・ドラマ・映画が充実!オリジナル作品も!
特集
-
日本テレビ系日曜ドラマ「ぼくたちん家」の情報をたっぷり紹介
特集
-
FODでは放送中の最新作はもちろん、オリジナルの独占作品も見放題配信中!
特集
-
SM ENTERTAINMENT JAPANが手がける『GPP』の情報をお届け!
特集
おすすめ記事
SPECIAL NEWS
記事ランキング
RANKING
-
01
【越山敬達インタビュー】「国宝」横浜流星からの言葉で得た気づき 俊介役は「自分とのギャップもありました」
モデルプレス
-
02
森香澄、大学時代に学んだ“お金の価値”とは 初めての口座に「みずほ銀行」を選んだ理由<インタビュー>
株式会社みずほ銀行
PR -
03
板野友美、“美のモチベーション”は娘の存在と変化を楽しむマインド<Beauty & Medical Collection 2025 インタビュー>
ユニオンテック株式会社
PR -
04
Kis-My-Ft2宮田俊哉「両方100%で」作家活動の基盤にあるアイドルとしての姿 ロンドン視察が生んだインスピレーションとは【「境界のメロディ2」インタビュー】
モデルプレス
-
05
【黒川想矢インタビュー】「国宝」撮影中から続く越山敬達とのルーティン 苦労の歌舞伎稽古期間も振り返る「先生が怒って帰っちゃったり…」
モデルプレス