EXILE黒木啓司、繋がる“夢”と“縁”「今はインプットしている最中」―初挑戦で芽生えた想い モデルプレスインタビュー
2015.11.28 09:00
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EXILEの黒木啓司(35)が、モデルプレスのインタビューに応じた。11月28日には、初の主演映画『クロスロード』が公開されるなど、俳優としても活躍。2011年4月、フジテレビ系『名前をなくした女神』でドラマデビューを果たし、その後はコンスタントにドラマに出演してきた黒木だが、映画出演は意外にも2006年『バックダンサーズ!』以来、2作目となる。
同作は、本音でぶつかり合う青年海外協力隊員を描く爽快な感動作。黒木は、ボランティア活動に懐疑心を懐きながらも、熱きハートを持ち揺れ動く隊員・沢田を演じる。理想と現実で揺れ動くリアルな心情を、彼は等身大の演技で表現した。
黒木啓司:男性だったら誰でも共感できるような、親に対しての反抗期やそれを乗り越えた先の成長が描かれているので、素直に演じることができました。僕も反抗期や、夢へのいろいろな葛藤や壁を感じていた時期があったので、等身大でぶつける気持ちでいました。
― フィリピンでの撮影はいかがでしたか?
黒木:2週間フィリピンに行かせていただいて、約2日間ほどマニラにいる機会があったんですが、そこでは格差社会を現実的に感じました。マニラ市内は銀座みたいなところなんですけど、10分ぐらい離れたとこにはもうみんな裸足で歩いてたり、「お金ちょうだい」って言いに来る子どもたちがたくさんいたり…。フィリピンのそういう状況をもっと見たいなと思って、外も歩いたんですけど、暑い真っ黒な道路で真っ黒なお母さんが服を着て道路に寝ていたんです。その隣には真っ黒の何も着てない頭の大きい赤ちゃんが死んでるのか生きてるのかよく分からないで横になっていました。その光景はあまりにも衝撃でしたし、その分思うことや考えることも多くなってこの作品の世界にもすんなり入り込めた部分もあるように思います。
あと、バギオっていう軽井沢みたいな町に僕はいたんですけど、そこは田舎なのに空気も水も澄んでいなかったというか汚れていたんですよ。日本だと田舎に行けば行くほど空気や水も美味しいって印象があるので、そのギャップに「こういう世界もあるんだ」って価値観を変えられました。
― 生で感じた衝撃が映画に活きているんですね。映画では、「ボランティアなんて偽善だ」というキャッチコピーと、「誰かがやればいいと思ったことをなんでやらないんだ」という台詞がとても印象的でした。その矛盾のようなものに、リアルを感じるというか。
黒木:普通に生きていたら、ボランティアって難しいことですよね。僕らEXILEも、震災以降は「日本を元気に」という想いを基に活動をさせていただいているんですが、その経験のおかげで少しだけボランティアを身近に感じることができていると思うんです。日本人って、助け合いの精神に長けている人種だと思うので、その気持ちさえ忘れなければいいのかなと。
― なるほど。今回が映画初主演ということですが、気持ちは違いましたか?
黒木:主役はみんなを引っ張っていかないといけない立場だと思うんですけど、僕にはまだまだその器量がないなと感じました。僕はいっぱいいっぱいで、長塚(京三)さんにも、渡辺(大)さんにも、TAOさんにも引っ張っていただきました。スタッフさんにも本当に支えられながら、この作品が出来上がったなという気持ちです。
― まさに、みなさんで作り上げた作品なんですね。現場では、キャストの方とどのようなお話を?
黒木:映画の話というよりは、他愛のない話をしていました。TAOさんはハリウッド映画にもご出演されているし、一流のモデルさんなのでそういったお話を聞いて、「いいな!」「すげぇな!」って単純に驚いたり。アローディアさんとはコスプレの話、あと大さんは一番英語をしゃべれるから、向こうのスタッフさんとも友達になっていて。僕は一緒に飲みに連れて行ってもらって、こっちでいうクラブみたいな場所でみんなでダンスを踊りました。
黒木:自分では、「たまたま」という感覚なんです。ただ、まだ舞台に出させていただいていなかった頃に、『名前をなくした女神』のプロデューサーさんが偶然それを観に来てくださって、そこからドラマに出るようになったので、きっかけはそれかもしれません。
― 縁がつながっているという感覚ですね。舞台で活躍されていた中、映像の世界に飛び込むことへの戸惑いは感じましたか?
黒木:難しいなと思いました。役者はやればやるほど、そう感じます。特に舞台はナマモノって言いますし、僕らがやっているライブもそちらなんですよね。毎回同じ目線でいるわけではないし、生きているからこそ全部が同じにはできない。でも、映像は二度と同じ台詞を言わないから、より瞬発力が大事な気がします。役者という分野に関しては、もっともっと場数を踏んで経験を積まなくちゃいけないと考えているので、次に繋がるような演技をしたいと思っています。
― メンバーの方から、演技面で刺激を受けることは多いですか?
黒木:できた作品を、みなさんにお渡ししています。「観てください」って自ら渡したり、「観たい」って言っていただければ持っていったり。この映画と一緒に撮ってた『ワイルド・ヒーローズ』では、主演のTAKAHIROくんに刺激を受けました。TAKAHIROくんはまだ場数も少ないので、僕と青柳(翔)で盛り上げないといけないなと思いながらも、主演として引っ張っている姿からいろいろと勉強させてもらったり。EXILEメンバーでいうと、岩ちゃん(岩田剛典)や(佐藤)大樹も出ていたし、演じる方法は人によって違って、それぞれ勉強になります。
― 違うからこそ、それぞれ影響を。実際に現場でそのようなお話をすることはあるのでしょうか?
黒木:僕は結構聞くタイプかも。「今の大丈夫かな?」とか。
― そうなんですね。今後、チャレンジしてみたい役を教えてください。
黒木:今、『HiGH&LOW~THE STORY OF S.W.O.R.D.~』っていう作品で狂気的な役をやっているんですが、ここまでの役は初めてだし面白いです。あとは、時代劇もやってみたいと思っています。とにかくいろんな役に挑戦したいなって気持ちはあるんですが、今回の映画で「役作りってどういうことなんだろう」って改めて勉強させてもらったので、どんな役もゆっくり一から考えて演じていきたいです。
黒木:自分が強く思うこと。強く思うことによって、自分はそれに向かって行動するし、同じような想いを持った方も自然と周りに集まってくるのかなと思います。行動力がないと、人にも出会えないですから。
― EXILEという仲間とともに夢を追いかける黒木さんだからこその言葉のような気がします。行動力や思いの大切さを具体的に感じたエピソードをぜひ!
黒木:僕は元々ダンスを始めたのが19歳の頃だったんですが、そのときにHIROさんやオリジナルメンバーの人たちがJ Soul Brothersとして活躍されていたんです。まだダンスを始めたばかりの頃で、あんまり分かってなかったんですけど「この人たちすごい!」って直感で感じて、衝撃を受けました。それで、僕が21歳くらいの時にEXILEが出てきて、ルーツを辿るとそれがJ Soul Brothersで。23歳の頃には「EXILEになりたい」って思って東京に出てきました。
― 目標を行動に移して、そして夢が叶った、と。
黒木:J Soul Brothersって名前を継承させていただくこともできたし、今はEXILEにもさせていただけた。だからこそ、行動や想いの大切さを実感しているのかもしれません。ひとつ夢が叶ったので、僕は次の新しい夢に向かって、ちょっと走り始めています。
― では、今の夢は?
黒木:アーティストとして表現者として、いろいろ発信していきたいなと思っています。例えば、ファッション的な部分にもチャレンジしたいし、九州出身なので地元をもっと盛り上げさせていただきたいという想いもあります。今はいろんなことをインプットしている最中です。
― 楽しみです!夢が広がりますね。
黒木:これ、叶わなかったらどうしよう(笑)。でも、今一番に思っていることは、MATSUさん、USAさん、MAKIDAIさんが今年勇退されるので、新しいEXILEを作っていかなくては、ということです。僕らがもっともっと背負って、新しい形を作っていきたいし、個人的にもEXILEを盛り上げられるように活動をしてきたいです。もちろん、役者業もやらせていただけるなら、精一杯やっていきたいと思っています。
― 新しい第一歩を今、踏み出している段階なんですね。次が最後になりますが、これから映画をご覧になるファンの方にメッセージをお願いします。
黒木:青年海外協力隊が今年50周年ということで、これを観ていただいた方に協力隊は何か、ボランティアかを知るきっかけになってほしいと思います。強いメッセージが入っている作品なので、いろんなことを感じていただけたら嬉しいです。
― ありがとうございました。
映画初主演で感じた想い 「いっぱいいっぱい」だった初挑戦を振り返る
― オファーを受けた際の心境を教えてください。黒木啓司:男性だったら誰でも共感できるような、親に対しての反抗期やそれを乗り越えた先の成長が描かれているので、素直に演じることができました。僕も反抗期や、夢へのいろいろな葛藤や壁を感じていた時期があったので、等身大でぶつける気持ちでいました。
― フィリピンでの撮影はいかがでしたか?
黒木:2週間フィリピンに行かせていただいて、約2日間ほどマニラにいる機会があったんですが、そこでは格差社会を現実的に感じました。マニラ市内は銀座みたいなところなんですけど、10分ぐらい離れたとこにはもうみんな裸足で歩いてたり、「お金ちょうだい」って言いに来る子どもたちがたくさんいたり…。フィリピンのそういう状況をもっと見たいなと思って、外も歩いたんですけど、暑い真っ黒な道路で真っ黒なお母さんが服を着て道路に寝ていたんです。その隣には真っ黒の何も着てない頭の大きい赤ちゃんが死んでるのか生きてるのかよく分からないで横になっていました。その光景はあまりにも衝撃でしたし、その分思うことや考えることも多くなってこの作品の世界にもすんなり入り込めた部分もあるように思います。
あと、バギオっていう軽井沢みたいな町に僕はいたんですけど、そこは田舎なのに空気も水も澄んでいなかったというか汚れていたんですよ。日本だと田舎に行けば行くほど空気や水も美味しいって印象があるので、そのギャップに「こういう世界もあるんだ」って価値観を変えられました。
― 生で感じた衝撃が映画に活きているんですね。映画では、「ボランティアなんて偽善だ」というキャッチコピーと、「誰かがやればいいと思ったことをなんでやらないんだ」という台詞がとても印象的でした。その矛盾のようなものに、リアルを感じるというか。
黒木:普通に生きていたら、ボランティアって難しいことですよね。僕らEXILEも、震災以降は「日本を元気に」という想いを基に活動をさせていただいているんですが、その経験のおかげで少しだけボランティアを身近に感じることができていると思うんです。日本人って、助け合いの精神に長けている人種だと思うので、その気持ちさえ忘れなければいいのかなと。
― なるほど。今回が映画初主演ということですが、気持ちは違いましたか?
黒木:主役はみんなを引っ張っていかないといけない立場だと思うんですけど、僕にはまだまだその器量がないなと感じました。僕はいっぱいいっぱいで、長塚(京三)さんにも、渡辺(大)さんにも、TAOさんにも引っ張っていただきました。スタッフさんにも本当に支えられながら、この作品が出来上がったなという気持ちです。
― まさに、みなさんで作り上げた作品なんですね。現場では、キャストの方とどのようなお話を?
黒木:映画の話というよりは、他愛のない話をしていました。TAOさんはハリウッド映画にもご出演されているし、一流のモデルさんなのでそういったお話を聞いて、「いいな!」「すげぇな!」って単純に驚いたり。アローディアさんとはコスプレの話、あと大さんは一番英語をしゃべれるから、向こうのスタッフさんとも友達になっていて。僕は一緒に飲みに連れて行ってもらって、こっちでいうクラブみたいな場所でみんなでダンスを踊りました。
役者として――メンバーから刺激も「それぞれ勉強になる」
― 楽しそう!黒木さんは、EXILEの中でも特に役者として経験が豊富ですが、それは何かきっかけがあったのでしょうか?黒木:自分では、「たまたま」という感覚なんです。ただ、まだ舞台に出させていただいていなかった頃に、『名前をなくした女神』のプロデューサーさんが偶然それを観に来てくださって、そこからドラマに出るようになったので、きっかけはそれかもしれません。
― 縁がつながっているという感覚ですね。舞台で活躍されていた中、映像の世界に飛び込むことへの戸惑いは感じましたか?
黒木:難しいなと思いました。役者はやればやるほど、そう感じます。特に舞台はナマモノって言いますし、僕らがやっているライブもそちらなんですよね。毎回同じ目線でいるわけではないし、生きているからこそ全部が同じにはできない。でも、映像は二度と同じ台詞を言わないから、より瞬発力が大事な気がします。役者という分野に関しては、もっともっと場数を踏んで経験を積まなくちゃいけないと考えているので、次に繋がるような演技をしたいと思っています。
― メンバーの方から、演技面で刺激を受けることは多いですか?
黒木:できた作品を、みなさんにお渡ししています。「観てください」って自ら渡したり、「観たい」って言っていただければ持っていったり。この映画と一緒に撮ってた『ワイルド・ヒーローズ』では、主演のTAKAHIROくんに刺激を受けました。TAKAHIROくんはまだ場数も少ないので、僕と青柳(翔)で盛り上げないといけないなと思いながらも、主演として引っ張っている姿からいろいろと勉強させてもらったり。EXILEメンバーでいうと、岩ちゃん(岩田剛典)や(佐藤)大樹も出ていたし、演じる方法は人によって違って、それぞれ勉強になります。
― 違うからこそ、それぞれ影響を。実際に現場でそのようなお話をすることはあるのでしょうか?
黒木:僕は結構聞くタイプかも。「今の大丈夫かな?」とか。
― そうなんですね。今後、チャレンジしてみたい役を教えてください。
黒木:今、『HiGH&LOW~THE STORY OF S.W.O.R.D.~』っていう作品で狂気的な役をやっているんですが、ここまでの役は初めてだし面白いです。あとは、時代劇もやってみたいと思っています。とにかくいろんな役に挑戦したいなって気持ちはあるんですが、今回の映画で「役作りってどういうことなんだろう」って改めて勉強させてもらったので、どんな役もゆっくり一から考えて演じていきたいです。
「夢を叶える秘訣」―“今の夢”と自身のルーツ「次に向かって走り始めた」
― 本当に得るものが多い作品だったんですね。そんな黒木さんからモデルプレス読者に「夢を叶える秘訣」やアドバイスをいただけますか?黒木:自分が強く思うこと。強く思うことによって、自分はそれに向かって行動するし、同じような想いを持った方も自然と周りに集まってくるのかなと思います。行動力がないと、人にも出会えないですから。
― EXILEという仲間とともに夢を追いかける黒木さんだからこその言葉のような気がします。行動力や思いの大切さを具体的に感じたエピソードをぜひ!
黒木:僕は元々ダンスを始めたのが19歳の頃だったんですが、そのときにHIROさんやオリジナルメンバーの人たちがJ Soul Brothersとして活躍されていたんです。まだダンスを始めたばかりの頃で、あんまり分かってなかったんですけど「この人たちすごい!」って直感で感じて、衝撃を受けました。それで、僕が21歳くらいの時にEXILEが出てきて、ルーツを辿るとそれがJ Soul Brothersで。23歳の頃には「EXILEになりたい」って思って東京に出てきました。
― 目標を行動に移して、そして夢が叶った、と。
黒木:J Soul Brothersって名前を継承させていただくこともできたし、今はEXILEにもさせていただけた。だからこそ、行動や想いの大切さを実感しているのかもしれません。ひとつ夢が叶ったので、僕は次の新しい夢に向かって、ちょっと走り始めています。
― では、今の夢は?
黒木:アーティストとして表現者として、いろいろ発信していきたいなと思っています。例えば、ファッション的な部分にもチャレンジしたいし、九州出身なので地元をもっと盛り上げさせていただきたいという想いもあります。今はいろんなことをインプットしている最中です。
― 楽しみです!夢が広がりますね。
黒木:これ、叶わなかったらどうしよう(笑)。でも、今一番に思っていることは、MATSUさん、USAさん、MAKIDAIさんが今年勇退されるので、新しいEXILEを作っていかなくては、ということです。僕らがもっともっと背負って、新しい形を作っていきたいし、個人的にもEXILEを盛り上げられるように活動をしてきたいです。もちろん、役者業もやらせていただけるなら、精一杯やっていきたいと思っています。
― 新しい第一歩を今、踏み出している段階なんですね。次が最後になりますが、これから映画をご覧になるファンの方にメッセージをお願いします。
黒木:青年海外協力隊が今年50周年ということで、これを観ていただいた方に協力隊は何か、ボランティアかを知るきっかけになってほしいと思います。強いメッセージが入っている作品なので、いろんなことを感じていただけたら嬉しいです。
― ありがとうございました。
“黒木啓司”が体現する夢
環境は違えども、夢を追う姿勢やその過程で生じる葛藤には誰もが共感できるはず。黒木もまた、その1人。「EXILEになりたい」という大きな夢を叶えた彼は今、次の目標に向かって走り出した。夢はひとつ叶ったからといって、そこが終わりではない。次へ繋がる新たな道のスタートであることを、黒木は体現する。それはこの映画が持っているメッセージとどこか似ている。(modelpress編集部)黒木啓司 プロフィール
1980年1月21日生まれ、宮崎県出身。EXILE、THE SECOND from EXILEのパフォーマーとして活躍。2007年新生「J Soul Brothers」のメンバーとして始動、2009年EXILEに加入。フジテレビ系『名前をなくした女神』でドラマデビューを果たし、以後は数々の作品に出演し、俳優としても活躍している。なお、現在放送中のドラマ『HiGH&LOW~THE STORY OF S.W.O.R.D.~』(日本テレビ系)に出演。
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