モデルプレスのインタビューに応じた超特急(前列左から)カイ、タクヤ、ユースケ(後列左から)コーイチ、リョウガ、ユーキ、タカシ【モデルプレス】

超特急の素顔を紐解く 訪れた危機と強まった絆 モデルプレスインタビュー

2015.10.29 17:00

7人組メインダンサー&バックボーカルグループ・超特急がモデルプレスのインタビューに応じた。今回は、初主演映画「サイドライン」(10月31日公開)で演じたキャラクターと自身を重ね合わせ、普段見せることの彼らの素顔を紐解いていく。さらに、劇中で披露したチアリーディングを通していっそう強まった絆について語ってくれた。

  
物語は、かつては幼馴染で、今はバラバラの人生を歩む7人の青年たちが再び団結し、年に一度の祭りで、一人の幼い少女のためにチアリーディングで奇跡を起こす姿を描き出す。就活もうまくいかず毎日ゴロゴロ過ごしている神社の息子の大悟(ユースケ)、従兄弟の賢将(コーイチ)、保育士の日向(リョウガ)、アメリカ留学から戻ってきた宇宙(カイ)、青果店の息子・貴章(ユーキ)、フラワーショップの息子・信矢(タクヤ)、モールのオーナーの息子・博巳(タカシ)の7人は幼馴染で、町内会の青年団。子どもの頃はいつも一緒に遊んでいた彼らだが、今は大人になってそれぞれバラバラの道を歩んでいた。だが、とあるきっかけで8才の少女・ハナ(岩崎未来)と出会い、バラバラだった7人の距離は再び近づいていく。また、劇中で挑戦したチアリーディングも見どころの一つだ。

超特急(左から)コーイチ、カイ、リョウガ、タクヤ、ユーキ、ユースケ、タカシ

演じたキャラクターと重なるところ

― 「サイドライン」で演じた役とご自身の重なる点を教えてください。

コーイチ:僕が演じた賢将(けんしょう)は、7人の中でもお兄さん的存在。僕もグループではお父さん担当なので、落ち着いた部分は少し重なるかと思います。賢将が一歩引いたところでみんなを見守ったり、心配したりするところは気持ちの部分で似ているなと思いました。

カイ:宇宙(そら)は無口なキャラクターなので、僕とはあまり似てないかな。重なる部分はあまりありませんでしたが、喋らずにスクリーンの中で存在感を出すことは、演じるうえで意識しました。

リョウガ:僕が演じた日向(ひゅうが)は、テンションが高いときのリョウガといった感じです。メンバーにも「日向、リョウガじゃん」と言われたので、似ている部分は多いのかな。ですが、保育士で子どもが大好きという点は正反対。この役を演じるまで、子どもが苦手でどう接したら良いかわかりませんでした。

タクヤ:人見知りな性格の僕としては、信矢(しんや)とは引っ込み思案なところが重なりました。一歩を踏み出せない性格は似ているなと思いました。

ユーキ:僕が演じた貴章(たかあき)は、八百屋の息子でダンサーになりたいという夢を持つキャラクターです。超特急ではメインダンサーなので、気持ち的にも重なる部分は多かったように思います。また八百屋の息子ということで、貴章を演じるうえで八百屋さんがどんなことをしているのか調べました。今回、演技に初めて挑戦した僕としては、八百屋を手伝いながらダンサーを目指す貴章を演じたことで、いろんな自分を知ることができ、視野が広がりました。

ユースケ:大悟(だいご)とは、明るく元気な部分が重なったんじゃないかと思います。彼の面倒くさがり屋なところは演じてみて少しやりにくかったですが、明るく元気なところは自分なりに出せていけたと思います。

タカシ:博巳(ひろみ)の言いたいことがあっても自分の心の中に秘めて何も言えない、何も言い返せない性格は、自分と重なりました。僕自身、気持ちを伝えられず、言葉に発することができないということがよくあります。言いたいのに勇気が出ないこともありますが、博巳を演じたことで一歩を踏み出す勇気を与えてもらった気がします。

超特急

内紛勃発の危機?嫌そうな顔を見るのが「辛かった」

― 劇中では男子チアリーディングに挑戦していますね。日頃より多彩なダンスパフォーマンスを披露している運動神経抜群のみなさんですが、チアリーディングは大変でしたか?

カイ:チアとダンスは全く別物でした。チアをやったことがないのはもちろん、またチアを男性がやるというイメージもありませんでした。女性がポンポンを持ってパフォーマンスをするというのがチアのイメージだったので、自分たちがどこから始めたらいいのかもわかりませんでした。ですが、講師の方がとても丁寧に教えてくださり、体勢や技を、階段を上るように一つ一つクリアしていきました。

ユーキ:僕は体を動かすことやアクロバットが大好きなので、苦労はあまりなく楽しく取り組めました。ただ、トップ(上)をやらせてもらったのですが、降りるところだけは怖かったです。映像では映っていないのですが、背中から倒れるように落ち、キャッチという役割の人に身を任せます。後ろが見えないので後ろ向きで走行するジェットコースターのような怖さがありました。

超特急がチアリーディングで魅せる(C)2015「サイドライン」製作委員会
― 超特急にはガリガリ担当のリョウガさんと、筋肉担当のタクヤさんがいますが、お二人はいかがでしたか?

リョウガ:ガリガリ担当の僕が、果たしてチアができるのか?と思いました。ガリガリにチアは適さないというイメージがありました。でも、チアは力だけでやるものではないんです。上の人と下(ベース)の人との芯が合うと、そこまで力も必要なく、安定するんです。信頼関係が求められて、上と下との息や条件が揃ったときにこそ技がきまるのがチア。映画のストーリーにも合っていますよね!

タクヤ:トップをやらせてもらいましたが、大変だったことは正直ないかもしれません。もともと絶叫マシンやスリルがあることが好きなので、練習中も「早く大技をやりたい」と思うくらい。実際、上ってみると見たことのない景色に感動しました。強いていうなら、リョウガの上に乗るときに、毎回リョウガが嫌そうな顔をしていて、それを見るのは辛かったです(笑)。

リョウガ:ちょっと待ってください!僕が悪者みたいになっていますが、理由があるんです!シット(正式名称:ショルダー・ストラドル※日本語で言う肩車)といって、後ろのベースが前にいるトップの腰を持ち上げ、肩に乗せるという技なのですが、トップの人もベースの人の腕を掴みながら、腕に力を入れてくれないといけないんです。最初のうちは、タクヤが力を入れてくれずに、一人でフルマックスパワーを使っていました。でも、あるときからタクヤも腕に力を入れてくれるようになり、急に楽になったんです。初めの頃は本当に重くて辛かった…。

男子チアリーディングに7人が挑戦(C)2015「サイドライン」製作委員会

チアリーディングで深まった絆

― 苦労もあったかと思いますが、チームワークあってこそ作り上がることができたのだと思います。チアを通して、絆が深まったと感じることはありますか?

コーイチ:超特急でもバックボーカルとしてダンサーを支えるポジションですが、チアでもベースをやりました。トップの人により高く飛んでもらえたら、トップが落ちてくるときにはしっかり受け止めなきゃという一心で体を張りましたが、今回のチアの経験を通して、支える側の責任や成功したときの喜びを味わえました。バックボーカルの僕としては、チアを経て超特急に戻ってきたときに、改めてバックボーカルという立ち位置の大切を知り、絆が深まったなと感じています。

タカシ:普段はアーティストとしてダンサーとボーカルの7人でエンターテイメントを届けていますが、チアをするのは初めてのこと。どれだけのことができるのか未知数でしたが、やりきったときにはみんな笑顔になれました。そのときの達成感は忘れられません。

超特急

レッドカーペット参加で「人生の歴史が動いた」

7人は同作を引っ提げ、10月15日から18日まで京都市内を中心に開催された京都国際映画祭に参加。中には俳優としても活躍するメンバーもいるが、大半のメンバーが今作で初めて演技に挑戦。役者としてレッドカーペットを歩いた感想も聞いてみた。

― 「京都国際映画祭」のオープニングセレモニーでは、俳優としてレッドカーペットを歩いていましたが感想をお聞かせください。

ユースケ:テレビで見るレッドカーペットは俳優さんばかりなので、アーティストがレッドカーペットを歩くことは、なかなかないことかと思います。そんな中で超特急がレッドカーペットを歩けたことは嬉しかったです。

カイ:祇園甲部歌舞練場で行われたため、僕たちが知っているようなレッドカーペットとは異なり、日本の伝統を感じました。そんなセレモニーでレッドカーペットを歩かせてもらい、催しに参加できたことがとても嬉しいです。

タカシ:超特急がレッドカーペットを歩くだなんて思ってもみなかったです。個人的には二十歳を迎える前にレッドカーペットを歩けて感動しました。神聖な場所でものすごく緊張しましたが、貴重な体験となりました。

リョウガ:レッドカーペットを歩いているとき、“歩いている”と感じられないくらいに緊張しました。超特急がレッドカーペットを歩くというのは、僕たちにとって衝撃的な出来事で本当に光栄なこと。もし、また機会があれば今度は自信を持って、緊張せずに歩きたいです。

コーイチ:僕もとても嬉しかったです。今回こうして、参加させていただきましたが、まだまだレッドカーペットという場所に見合う立ち位置ではないと思うので、ほかの役者さんと同じように堂々と歩けるようなグループになっていけたらと思います。まだまだステップアップしていきたいですね。

京都国際映画祭でのレッドカーペットの様子
― 俳優としてもご活躍のタクヤさんは、いっそう込み上げてくるものがあったのではないでしょうか?

タクヤ:役者の人生の中でもレッドカーペットを歩くことはなかったので、僕の人生の歴史が動いた貴重な体験になりました。そんな体験を個人ではなくて、7人でできたことが何より嬉しいです。活動の中ではおふざけもありますが、かしこまった場所にスーツを着て参加し、気持ちが引き締まりました。

ユーキ:僕もまさか、ずっとテレビで見てきたレッドカーペットを歩くだなんて思ってもみなかったです。そんな場所を歩けて、本当に幸せでした。豪華な役者さんたちがいる中で、いろんなパワーをもらいました。僕、ユーキの人生の歴史が動きました!

リョウガ:あれ(笑)?

タクヤ:…(苦笑)。

ユーキ:タクヤのコメントがカッコ良かったから真似しちゃった(笑)。

― ユーキさんのイメージカラーは赤ですが、レッドカーペットということで思うところはありますか?

ユーキ:気合満々でしたが、靴紐が解けてしまい結び直していたら、みんなが先に行ってしまっていて…。その後、映像を見てみたら僕だけ映っていませんでした。イメージカラーがレッドだけに、レッドカーペットと同化しちゃいました(笑)。

タクヤ:今回、ユーキが着たスーツはえんじ色ですが、フィッティングのときはこのスーツではなくて、もっと鮮やかな赤色のスーツを着ていたんです。それこそレッドカーペットと同化するような(笑)。

ユースケ:でも、レッドカーペットで靴紐を結ぶ人はそういないよね。

ユーキ:いや、厳密に言ったら手前でレッドカーペットを歩く前だから!

リョウガ:まさか歩き出す直前で結び始めるとは思わなかったな。まぁ、二つの意味で“どうか”してたんじゃない?

ユーキ:うまいこと言ってるんじゃねーよ(笑)!

超特急

主人公・大悟を演じたユースケの夢

― 「サイドライン」はたくさんの小さな勇気が奇跡を起こす物語で、全ての人に贈るコールでもありますが、何かに向かって取り組んでいる人へ夢を叶える秘訣をお願いします。

ユースケ:僕は超特急として東京ドームでライブをするという夢と、もう一つ個人の夢があります。それは親に家を建ててあげること。この夢に向かって、今貯金をしていますが、どんな夢もコツコツ取り組むことが大切だと思うんです。勉強や仕事だってステップアップするためにはコツコツやることが必要。ときには我慢することも求められますが、コツコツと積み重ねることで夢は叶えられると思います。

― ありがとうございました。

普段見せることのない自身の性格からチアリーディングを通して強まった絆、レッドカーペットでの失敗談までを語ってくれた超特急のメンバーたち。終始、笑いの絶えないインタビューからは、グループ愛を感じさせた。オープニングセレモニーには、イメージカラーのスーツに身を包み、凛々しい表情でレッドカーペットを歩いていた7人。“アーティスト”の超特急だけでなく、“俳優”超特急の今後にも期待したい。(modelpress編集部)

超特急初主演映画「サイドライン」(C)2015「サイドライン」製作委員会

超特急プロフィール

コーイチ(1号車)、カイ(2号車)、リョウガ(3号車)、タクヤ(4号車)、ユーキ(5号車)、ユースケ(6号車)、タカシ(7号車)からなるメインダンサー&バックボーカルグループ。多彩なジャンルを織り交ぜたダンスを踊るメインダンサー5人と、甘く伸びやかな歌声でダンサーを支えるバックボーカル2人で構成される7人組。2011年12月25日に結成。2012年6月にインディーズデビューシングル「TRAIN」を発表。2015年10月31日からは7人の初主演映画「サイドライン」が公開。また12月23日、24日には自身最大規模となるワンマンライブを国立代々木競技場第一体育館にて開催する。
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