俳優・高杉真宙の内面を紐解く【モデルプレスインタビュー】

俳優・高杉真宙の“二面性”―甘いマスクに秘めた闘志、がむしゃらさ「誰にも負けたくない」 モデルプレスインタビュー

2015.10.21 12:01

俳優・高杉真宙の“二面性”とは―。初主演舞台「TRUMP」で、相対するキャラクター2役を公演ごとに入れ替わり演じることにちなんだ問いかけだ。「ファブリーズ」のCMや、今年主演をつとめた昼ドラ「明日もきっと、おいしいご飯~銀のスプーン~」(東海テレビ制作・フジテレビ系)で見せた爽やかな好青年イメージは紛れもなく彼そのものだが、モデルプレスのインタビューでは、そのさらに奥に秘めたもの―「誰にも負けたくない」強い想い、がむしゃらで必死な一面を明かしてくれた。

  

成長できる舞台、はじめての座長

「小さい頃、よくヴァンパイアの夢を見ていたんです。飛んでいるヴァンパイアにひたすら追いかけられる夢。何回も何回も同じ夢を見るから怖くて、長い枕を首に巻いて寝ていました。噛みつかれないように(笑)」

幼い頃、恐怖の象徴だったヴァンパイアを自分が演じることになったのは「変な感じですね」とはにかむ。大阪演劇界の旗手・末満健一氏(作家・演出家)の代表作で、2009年から繰り返し上演される人気舞台「TRUMP」。不死を失った吸血種“ヴァンプ”の少年たちが、永遠の命を持つ“TRUMP”という原初の吸血種の不死伝説に翻弄されていく姿を描いた学園物語は、「TRUTH」と「REVERSE」の2バージョンで上演という独自のキャスティングシステムが特徴。高杉は同い年の早乙女友貴とW主演で「ソフィ」と「ウル」を交互に演じる。

「舞台の魅力は、やっぱり生の反応が返ってくること。お客さんの目の前で演じるのはすごくテンションが上がりますね。僕、稽古中よりも本番中のほうが成長できるんです。本番は稽古中よりもたくさんの人に観られているのに、むしろ“観られている感覚”がなかったりして、すごく集中できる。楽しいですね」

複数の舞台に出演経験がある彼は、舞台上で役として生きる魅力をいきいきと語る。もちろん、楽しいだけではなく「緊張と不安もハンパないですよ!出る前とか吐き気がするし」と思わず苦笑い。「舞台を観る側だったら、開演を知らせる音が鳴って暗くなった瞬間が一番好きなのに、出る側だったらもう…。始まる直前の、あの緊張感が一番嫌いです(笑)」

しかも今回は初めての主演で、2役を演じる。「不安もあります。セリフはすごい量だし、座長っていう言葉がついてくるんですもんね、自分に。そんなのまだまだ先だと思っていたので。自分で大丈夫かな、という思いもあります」と率直に語る。

「でも友貴くんもいるし、今年昼ドラの主演をさせていただいた経験もすごく大きいですね。それまでの作品は自分が最年少だったけれど、昼ドラは弟、妹役の子がいたので、主演という立場で『もっと自分がしっかりしなきゃ』という心持ちがありました。かと言って、そんな急にうまくいくわけもなく(笑)、たくさんの方に助けていただきながら、でしたけど。今回もその心持ちを大切にしつつ、色々な方に支えていただきながら、乗り越えていきたいと思います」

立ち向かう以外、選択肢はない

彼自身が語るように、これまで積み重ねてきた「経験」が新しい挑戦への一歩を後押しする。女の子に間違われたというスカウトがきっかけで、芸能界の道へ。中学2年生で地元・福岡から上京し、2012年から「ファブリーズ」CMに出演、その後ドラマ「35歳の高校生」(2013、日本テレビ系)「仮面ライダー鎧武/ガイム」(2013-2014、テレビ朝日系)、映画「渇き。」(2014)「ぼんとリンちゃん」(2014)など話題作への出演を重ねた。そして2015年、連ドラ・昼ドラともに初主演という中で、料理に目覚める“プリンス”大学生を演じ、主婦層まで幅広い人気を獲得。続く「表参道高校合唱部!」(TBS系)では一転、陰のある引きこもり高校生に扮し、その劇的イメチェンぶりで話題をさらった。

そんな2015年は「あまり記憶がないんです」と笑う。それだけ全力で走ってきたということ。「上京してきてから今までで一番大変だったかもしれない。きつかったですね。昼ドラの撮影スケジュールもそうだし、僕は歌がド下手なので、『オモコー(=表参道高校合唱部!)』は本当に、歌を必死に頑張らなきゃいけなかった。自分が迷惑をかけるわけにいかないから」と振り返る。

「そういう時は、中学生の頃から変わらず“がむしゃらに、やるしかない”精神。自分ができないものが出てきた時、立ち向かう以外に選択肢がないから。ただ、そうやって作品ごとに絶対に1つは自分のできないことがあって、時間をかけながら無事に終えられた時には『楽しかった。やってよかったな』と毎回思えるんです。『オモコー』もすごい楽しかったし、改めて『もっと歌いたい』って思うようになったくらい。泣き言を言っていた頃の自分に教えてあげたいですね(笑)」

ここで冒頭の“二面性”について。「…あるかなぁ。僕、ギャップがない人ってよく言われるけれど」と悩みながらも、「頑固で負けず嫌いなんです」とつぶやいた。

「演技の面では特にそう。自分ができないことがあったら絶対にできるように頑張ろうと思うし、『この人に負けたくない』という思いがあるんですけど、『この人』っていうのは誰でもなくて。ただ、誰にも負けたくない。本当に誰にも負けたくないんです」

みなぎる闘志は、普段は甘いマスクに隠している。「努力は隠れてやります。見られるのが恥ずかしいんですよ。今、これを言っちゃったのも恥ずかしい(笑)」と照れ笑い。

「この1年を経て、料理も歌も、何でもできなきゃいけないんだなって。自分の私生活も含めて、器用にこなせるようになりたいなと改めて思いました。デビューから今まで、必死に勉強をしている途中。これからもずっと勉強して、成長していかなきゃいけないですね」

夢に向かって、立ち止まらずに

来年には20歳という大きな節目を迎える。「もう来年ハタチなんですよ、ビックリ(笑)。今までずっと最年少だったのに…。自分そんな歳になったんだ!って、すごい感慨深くて。来年はしっかりした大人になれるように頑張らなきゃ(笑)」と人事のようにお茶目に語りつつ、新たに挑戦したいことを聞くと「声優さんのお仕事。漫画とアニメが好きだから、いつかはやってみたいです」としっかり先を見据えていた。

最後にモデルプレス読者へ向けて、“夢を叶える秘訣”をアドバイス。

「毎日“食らいついていく”精神です。『これ!』って決めたら、曲がらずに。きつかったら、たまには曲がったりしてもいいけれど…とにかく必死に、追いかけていったらいいんじゃないかな。自分も今、目標に向かって走っているので、立ち止まらずに頑張りたいと思います。一緒に頑張りましょう!」

カメラに向かってクールで大人っぽい目線を向けたかと思えば、突然お茶目なしぐさを見せて笑いを誘う。風のような「爽やかさ」と真っ赤に燃える「情熱」、「少年」と「大人」のはざま―そんな“2つの顔”に、これからもドキドキさせられるのだろう。(modelpress編集部)

高杉真宙さんがモデルプレスに来社!
3兄弟の長男。「弟とはケンカばっかり。戦争ですよ(笑)」と家族エピソードも

高杉真宙(たかすぎまひろ)

生年月日:1996年7月4日
出身地:福岡県
血液型:A型
身長:170cm
特技:空手・バイオリン

舞台「TRUMP」

舞台「TRUMP」
<東京公演>
2015年11月19日(水)~11月29日(日)<全12回>
Zeppブルーシアター六本木
<大阪公演>
2015年12月4日(金)~12月6日(日)<全3回>
サンケイホールブリーゼ
出演者:高杉真宙、早乙女友貴/平田裕一郎、山本匠馬、田村良太、大塚宣幸/久保田創、森下亮、植田順平、日南田顕久、傳川光留/吉田メタル、岡田達也、末満健一/武田航平、陳内将

<あらすじ>
舞台は、繭期(人間でいうところの思春期)を迎えた若き吸血種「ヴァンプ」たちを教育(矯正)するために設けられたギムナジウム(クラン)。人間とヴァンプの混血(ダンピール)であるソフィは優秀だが、「汚らわしき者」として周囲から嫌悪されていた。完全階級社会であるヴァンプ界にあって指折りの名家の生まれであるウルは、忌むべき存在であるソフィになぜか心惹かれていく。そんな中、ウルはかつてのヴァンプが持っていた「不死の力」について研究を続けるうち、永遠に生き続けているとされる原初の吸血種「トランプ」の存在を知り、永遠の命を渇望するようになる。一方、クランでは、常にアレンを探し求めているティーチャー・クラウスら、個性豊かな教師陣が、繭期のヴァンプたちを指導していた。日々、繭期のヴァンプたちの騒動が繰り返されるクランに、ある日、謎の転校生・萬里がやってきて…。不死を失った吸血種の少年たちが、「生」を渇望し、永遠の命を持つトランプの不死伝説に翻弄されていく、儚くも美しいヴァンパイア・エンターテインメント。

【Not Sponsored 記事】

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