溝端淳平、“イケメン俳優”の肩書に本音―ブームの裏で抱いた“覚悟”「それじゃダメだ」<モデルプレスインタビュー/後編>
俳優の溝端淳平(26)が、モデルプレスのインタビューに応じた。蜷川幸雄氏によるオールメール舞台「ヴェローナの二紳士」(10月12日~、埼玉・彩の国さいたま芸術劇場にて)で、初の女性役に挑む。「ムサシ」(2013年~2014年)以来、自身2度目の蜷川作品への参加。今回の挑戦からは、彼の“覚悟”が見えてきた。
▼インタビュー前編はこちらから
http://mdpr.jp/interview/1518546
“イケメン俳優”の肩書に本音「かっこいいものは飽きてしまう」
― 溝端さんにとって、蜷川さんとはどのような存在ですか?溝端:「妥協はしない」「自分の思ったことを思ったようにやる」っておっしゃっているんですが、それって結果蜷川さんの俳優へ愛だと思うんです。今はイケメンって呼ばれる若い俳優も、いつかはそういう時期が過ぎるから、30、40代になったときにちゃんと食ってけるようにしなきゃって蜷川さんも思っていらっしゃるそうなんです。ある意味では、道を照らしてくれているような感覚があります。
― 深い愛情ですね。溝端さんご自身は、“イケメン俳優”と呼ばれることに対してどう考えていらっしゃいますか?
溝端:僕は、ジュノンボーイコンテスト出身で、恩恵にがっつりあやかったタイプなんです。「若手イケメンブーム」みたいな流れに乗せていただいていた身なので、何も言えないですけど、あまり綺麗なものって、俳優としてプラスになることってないですよね。やっぱり、できる役も限られてくるでしょうし、ありがたい反面、アイドルや俳優の壁みたいなもののもどかしさは感じています。味のある俳優さん、個性派俳優、演技派俳優っていうには、まだまだ程遠いし、そこじゃないってなると、自分はちょっと顔がいい若手俳優なのかな思います。
― そういった感情は、デビュー当時から?
溝端:いや、デビューしたときは17歳でしたから、イケメンと言われたり、お仕事をいただけたりってことが単純に嬉しかったです。「イケメン、かっこいい」って言われることは、もちろん今も嬉しいですけど、ブームに乗っかってるときは、それじゃダメだろうって想いはありました。かっこいい人はいっぱいいますし、かっこいいものは飽きてしまう。見てくれだけのものは、すぐになくなってしまうので、すごく難しいですよね。
「わがままだけど、両方怖い」―役者としての“覚悟”「天国か地獄か」
― そういう中で、舞台への挑戦というものは、どういった意味合いを持つものなんでしょうか?溝端:寄ったりカメラワークで魅せることもできないし、すごくテクニックのいるジャンルなので、ちゃんとお芝居を学びたいと思ったときには、舞台なのかなと。パッションやバイタリティも必要になりますし、すべてが出るものなので。
― なるほど、お客さんとの距離も近いですしね。舞台は楽しいという感覚ですか?
溝端:いや、苦しいっすよ(笑)。なんでやるんっすかね?なんでやるんだろう、俺…。
― でも、またやりたいという気持ちが湧いてくる?
溝端:そうなんですよね。やったら絶対苦しいんですよ?でも、絶対楽しんです。M心みたいなものがくすぐられているんでしょうか?
― 「ムサシ」を終えた直後は、すぐに次をやりたいと思いましたか?
溝端:思わなかったです。もう声がボロボロで、ポリープができて。でも、やっても辛いし、やらなくても辛いんです。
― やってもやらなくても辛い。それが舞台の魅力ですね。
溝端:わがままなんですけど、両方怖いんですよね。プレッシャーのある仕事というか、負荷をかけるきっかけを与えてくれるというか。何も負荷のかからない状態にいる自分っていうのが怖いんです。でも、そんな程よい負荷なんてものは、いただけるものじゃないですから。
― とてもストイックな考え方ですね。どちらかに寄ることはない、と。
溝端:天国か地獄か。天国も長く居過ぎたら、取り返しのつかない地獄に落ちると思っているので。やっぱり舞台には、そういう中毒性があるんですよ。生で何が起こるか分からない、ハラハラした感じが癖になるんでしょうね。生のものだから、毎日できあがるものが違うし、それこそ本当の芝居って感じがする。だから、みんなしんどいって言いながらも、またやりたいってなるんだと思います。
「夢を叶える秘訣」とは?“運命”の出来事を語る
― 今回、「蜷川幸雄さん演出の『シェイクスピア』作品に出演する」というひとつの夢が現実になったかと思いますが、次の夢は何ですか?溝端:30代前半のうちに「ハムレット」をやりたいです。鋼太郎さんが「ハムレット」の良さを語ってくださるんですけど、役者としての人生がすべて詰まっている気がするんです。自分とは何だって追い詰めていくところが、役者と似ている。いつか挑戦してみたいと思います。
― では、そんな溝端さんから夢を追いかけるモデルプレス読者に向けて、「夢を叶える秘訣」やアドバイスをいただけますか?
溝端:これは、最近の僕にも言ってあげたいんですけど、口に出すことじゃないかなと思います。仕事をはじめたばかりの頃や、20歳の頃には、「これ出たい」「いつか共演したい」と口に出していたら、叶うことが結構多かったんです。
― ご自身で言霊の力を実感されたんですね。ぜひ、具体的なエピソードを教えてください。
溝端:「BOSS」っていうドラマで、戸田恵梨香さんと浅利陽介くんと共演していたんですが、現場で2人が出演している「コード・ブルー」の話になって「『コード・ブルー』いいっすね。山P(山下智久)ってどんな人なんですか?」「共演してみたいな~」って言った次の日に、「ブザー・ビート」のお話が来たってことがありました。「うそ―!そんなタイミングあるん!?」って、びっくりしました。
― すごいタイミング!それは運命を感じますね。
溝端:本当に、自己暗示って必要ですよ。この世界って、何が正解なんてないので、本当の自信ってないんですよね。「僕はこれだけ実績があります」って言っても次どうなるか、分からないですから。自分で「あれやりたい」「これをする」って自己暗示していくうちに、チャンスが巡ってくるんじゃないかな?自分から発言するって、国民性的に難しいかもしれないですが。
― 声に出して夢や目標を語ることに対して、恥じらいを感じる人も、きっといると思います。
溝端:そうなんですよ。僕は若いうちは言えたんですが、今は言えなくなりました。「26で何言ってんねやろ」って思われそうな気がして…。
― いやいや、どんどん言ってください!
溝端:いいですか(笑)?26って、何が正解かまだまだ迷う時期ではありますから。どんなものがやりたいか、さらに分からなくなることも。昔だったら、「月9の主演やりたい」「大河やりたい」とか言っていたんでしょうけど、今何が一番の目標かって聞かれたら難しいですね。
― そんな中でも、次の夢だと言い切れる「ハムレット」は特別なんですね。
溝端:時代とか関係ない作品なので、やっぱり特別です。
― なるほど。では、最後になりますが、「ヴェローナの二紳士」に向けて意気込みとメッセージをお願いします。
溝端:蜷川さんの舞台で、さらにシェイクスピアっていうと敷居が高く感じるかもしれませんが、喜劇ですし、若い男女のお話なので気負いなく観に来ていただきたいと思います。演劇を本当に体験するのなら、やっぱり舞台です。僕自身は初の女性役ということで、少しでも多くの女性ファンの方に観ていただいて、そして共感していただけるようにがんばります。
― ありがとうございました。
インタビュー中、ひとつひとつの質問に丁寧に深く考えながらも言葉をつなげていく姿が印象的だった。きっと、芝居に対しても同じように向き合っているのだろう、と。デビュー後すぐに注目され、数々の作品に出演してきた。順風満帆な道のりでも、「まだまだ」と高みを目指す。その真摯な姿勢は、舞台上からも伝わるはず。ついに夢の場所に立つ彼が、そこでどんな輝きを放つのか、注目してほしい。(modelpress編集部)
溝端淳平 プロフィール
1989年6月14日生まれ。2006年、「第19回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリを獲得しデビュー。2007年「花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~」(フジテレビ系)で注目され、翌年には「ハチワンダイバー」(フジテレビ系)で連続ドラマ初主演を果たし、その後は数々の作品で活躍。10月24日には映画「ボクは坊さん。」が公開。また、12月6日からは舞台「レミング~世界の果てまで連れって~」が公演。彩の国シェイクスピア・シリーズ第31弾『ヴェローナの二紳士』
演出:蜷川幸雄作:ウィリアム・シェイクスピア
出演:溝端淳平、三浦涼介、高橋光臣、月川悠貴ほか
<埼玉公演>
日程:2015年10月12日(月・祝)~10月31日(土)全20公演
会場:埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
<大阪公演>
日程:2015年11月6日(金)~11月9日(月)全5公演
会場:大阪府 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
<豊橋公演>
日程:2015年11月14日(土)、11月15日(日)全2公演
会場:愛知県 穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
<福岡公演>
日程:2015年11月21日(土)~11月23日(月・祝)全4公演
会場:福岡県 キャナルシティ劇場
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