「家族の愛で救われた」摂食障害を乗り越え、新宿の夜で夢を追うキャバ嬢・にいなの覚悟<モデルプレスインタビュー 前編>
2024.12.06 19:00
新宿の人気キャバクラ「VENET TOKYO SHINJUKU」で活躍するキャバ嬢・にいな。かつて摂食障害に苦しんだ彼女は、家族の愛に救われ、今では夢に向かって突き進む毎日を送っている。「子どもたちの逃げ場を作りたい」という信念のもと、キャバ嬢として働く理由や仕事への向き合い方を語ってもらった。【インタビュー全2回の前編】
「子どもたちの逃げ場を作りたい」夢を叶えるためキャバ嬢へ
― まずはにいなさんがキャバ嬢を始めるまでの経緯を教えていただけますか?にいな:キャバ嬢になって3年目なんですが、その前は障がいのある子どもを支援する放課後デイサービスという場所で働いていたんです。元々子ども関係の仕事がしたくて始めたんですが、私の思っていた理想と違ったというか…。もっと温かい場所だと思ってたんですけど、業務的というか、子どもの立場に立ってあげられないことも多くて。半年くらいで限界になってしまい辞めることにしたんですが、私は学歴も資格もなかったので、なかなか働く場所がなかったんです。じゃあどうしようかと考えて、「自分で作っちゃえば良いじゃん!」って。
― すごい発想力ですね!
にいな:ただ資格も知識もないと出来ないので、通信大学に通おうと決めました。そのためにお金を貯める必要があって、キャバ嬢を始めたというのが経緯ですね。
― 子ども関連のお仕事をしたいという想いはずっと持っていたんですか?
にいな:私自身、あまり家庭環境が良くなく児童相談所などによくお世話になっていたんです。自分がすごく助けられた分、助ける側になりたいという気持ちを持つようになりました。実は大学に通っていた時期もあって、発達児童心理学を学んでいました。ただ、周りと馴染めず中退してしまって。
― その夢をもう一度叶えようと。
にいな:そうですね。子どもに関わるお仕事ならなんでも良いかなとも思っています。例えば無料や低額で食事を提供する「子ども食堂」でも良いかなって。生きづらいと感じている子どもが逃げられる場所を作るのが目標です。
私は兄妹がたくさんいたので、運が良かったなって感じるんです。兄妹もいなくて家に帰りたくないって子どもたちはたくさんいると思うし、自分が同じ立場だったら相当辛いだろうなって感じます。
― 夢を叶えるためにキャバ嬢として働くのに不安や迷いはありませんでしたか?
にいな:姉もキャバ嬢として働いていたので、抵抗はなかったですね。楽しそうに働いているなぁって見ていました。それこそ今ではYouTubeやInstagramでキャバ嬢さんの活躍が見れるので、楽しそうなお仕事だなって働き始めました。
摂食障害を乗り越え掴んだ家族愛
― これまでの人生でターニングポイントとなった経験やアドバイスはありますか?にいな:大学を中退したあとダイエットがきっかけで摂食障害になってしまったことがあって、通院したり入院したりもしましたが、全く治らなかったんです。拒食症と過食症を5〜6年くらいずっと繰り返していて。
そんな時にアメリカに住む父から連絡がきて、相談したら「アメリカに来なよ」って言ってくれたんです。そこからアメリカに3ヶ月住むことになるんです。アメリカに行ってから色々と考える時間も増えて、何年も治らなかった摂食障害がたった3ヶ月で治りました。
― 治るきっかけがあったんですか?
にいな:摂食障害ではあるんですけど、根本は違う病気だったと思うんです。複雑な病名なんですけど、簡単に言うと他人の気を引きたい心の病気というか。昔は今より20kgくらい太っていて、痩せた時にすごく褒められたんです。その経験が気持ちよくなっちゃって、どんどん痩せていって30kgちょっとしかない時もありました。それで心配されるのも嬉しくて。きっと周りの気を引きたいという気持ちが強くなりすぎちゃったんだと思います。
― それが結果的に摂食障害へと繋がってしまったんですね。
にいな:そうだと思います。アメリカに行き父から毎朝「愛しているよ」と言ってもらえて、家族としての愛情を与えてもらえたからこそ治ったんだと感じます。父から厳しいことも言われたけど、それも親としての愛情があるからこそだと感じることが出来ました。
悩みは容姿とSNS
― 現在のお仕事で感じるやりがいはどういった部分に感じますか?にいな:自分が頑張ったら頑張った分だけ、数字で評価されるのはやりがいに感じますね。反面、サボったらサボった分だけ下がっていくので。やりたいことがあって、早くお金を稼ぎたいなら良い仕事だと思います。
― 逆に現在のお仕事の悩みはありますか?
にいな:自分の容姿は万人受けはしないと思っていて。ハーフだしタトゥーも入っているし、今の流行りとは違うのかなって思います。ぱっと見で「あの子可愛い」とならない分、トークで頑張らないとなって思っています。
― ギャップを感じる方も多いですか?
にいな:そうですね。初めましての方は怖そうとか、キツそうとか思う方が多いみたいです。なので、話すとびっくりされますね。ちゃんとポンコツだし、普段はおちゃらけているので(笑)。そのギャップで好きになってくれる方もいます。ただ逆にすごいSだと思いそれを求めて来る方もいるので、ごめんなさいってなります(笑)。
あとはSNSが苦手で…。インスタも頑張らないといけないと思うんですけど、自分の写真がたくさん並んでいるのが苦手なんです。だから24時間で消えるストーリーばかりで。オタク気質なのでXの方が向いているかもしれないですね。
― お仕事をする上で気をつけていることはありますか?
にいな:よくディズニープリンセスみたいだねって言われるんですけど、ディズニーの登場人物はみんな喜怒哀楽が表情にすごく出ているんです。私も喜怒哀楽が表情にすごく出ていて、わざとやっているわけじゃないんですけど表情は大切にしています。無表情で話を聞かれるよりも、表情で感情が伝わる方がきっと話している方も気持ちいいのかなって思います。
にいなの挫折を乗り越えた方法
― にいなさんがこれまでの人生の中で挫折や辛いと感じた経験はありますか?にいな:やっぱりダイエットがきっかけで摂食障害になってしまった時期はすごく苦しかったですね。最初の発症は高校生の頃で、すごく太ったところから始まりました。そこから過食症になり、ダイエットをきっかけに拒食症になってしまい、少しすると過食症の時期に入るんです。
でも食べても戻しての繰り返しです。摂食障害自体ももちろん辛かったんですけど、金銭面でも相当きつかったですね。食べ物をたくさん買っちゃうので。体調、メンタル、金銭面の全てで辛い時期でした。金銭面が辛くなると、メンタルも落ち込むし、負のスパイラルでしたね。
― 食べられないと体力的にもキツそうですね。
にいな:キツかったですね…。働いている最中にしゃがみ込んでしまうのは日常茶飯事だし、夜も骨が痛くて眠れないんです。それがトータル4〜5年ぐらい続いていたので、一番辛い時期でした。
― そこから抜け出せたのもお父さんの一言だったんですね。
にいな:そうですね。一人じゃ良くならなかったと思います。自分でも色々調べて試してみたけど、意外と無理だったと思いますね。私みたいに摂食障害の方だけじゃなくて、他のことでも当てはまると思うんですけど、一人で治そうとはせずに周りに頼るのは大切だなと感じます。私の夢とも繋がりますが、頼る場所がない子どもたちが頼れる場所を作れればなと思います。
にいなの夢を叶える秘訣
― それでは最後に夢を追いかけている読者へ、にいなさんの「夢を叶える秘訣」を教えてください。にいな:ありきたりかもしれませんが、行動することが大切だと思います。例えばキャバ嬢として売れたいという想いがあっても、行動するまで叶うことはないと思います。人気のお店に入るとか、出勤数を増やすとか。計画を練っても、その通りにいくことは少ないので、とりあえず始めてみることが大切だと思います。
― 思い立ったら行動に。
にいな:そうですね。私自身も思い立ったらすぐ行動するタイプですね。それこそキャバクラも働いてみようと思ってから1〜2日くらいで体験入店して働き始めました。アメリカに住む時期も、永住するつもりだったので転出届出したり、部屋の解約をしたり、色々時間はかかりましたが3週間くらいでアメリカへ立ちました。
― 行動力がすごいですね!
にいな:考え出すと止まらなくなっちゃうんですよね。考え出すと失敗する理由とかを考えだしちゃったりして。考えることももちろん大切ですけど、時には思い切って行動することが大切だと思います。
― ありがとうございました。
「子どもたちの逃げ場を作りたい」にいなの夢は、彼女自身が家族の愛に救われた経験から生まれた。壮絶な過去を乗り越え、キャバ嬢という選択を迷いなく進む彼女の姿は、夢を追いかける人へ希望を届けてくれる。後編では、にいなのプライベートや、オタクな素顔を掘り下げていく。(modelpress編集部)
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