ミラノに刺激を受けた新企画始動 ファッションデザイナーの在り方&創作意欲の源明かす
2017.11.16 21:16
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一流ブランドや世界のファッショニスタが一堂に会するファッションイベント「ミラノ ファッションウィーク(Milan Fashion Week Spring / Summer 2018)」期間の伊・ミラノで、日伊ファッションデザイナー5名によるトークイベントが開催され、モデルプレスは、IQOS主催のプレスツアーに参加。ライフスタイルもルーツもバラバラの5人が、唯一の共通項である“ファッション”をテーマに、作品造りへの思いや、現在のスタイルを確立するまでの歩み、デザイナーとしての在り方などについてトークを繰り広げた。
“温故知新”の考えが新たなファッションを生み出す
今年9月、ミラノのIQOSエンバシーで行われたトークイベントには、「ANGLASAD(アングラサッド)」「fit for(フィットフォー)」のデザイナーである清水護氏、2018年SSデビューの新ブランド「overlace(オーバーレース)」のディレクターに就任する藤澤ゆき氏、そして自身の名を冠したアパレルブランドを展開するマルコ・ランバルディ氏、ダニエル・カルロッタ氏、アーサー・アルベッセ氏の日伊ファッションデザイナー5名が参加した。清水氏が手掛ける「ANGLASAD」は、最も得意とするスーツスタイルを中心にモノトーンが基調のアイテムを展開するアパレルブランド。彼自身のルーツともなっているパンク、ジャズ、ブルースから影響を受けた強い音楽性とブラックカルチャーへのリスペクトが感じられる。
作品造りの際は影響を受けたインスピレーション源を調べ上げて、過去のマテリアルを新しい形にする「温故知新」の考え方が根底にあると語り、音楽のように目に見えないものの歴史を紐解き、「自分なりに解釈して、新しい形にすることを意識してやっている」と明かした。
一方、対談相手のランバルディ氏は自身が手掛けるブランド「MARCO RAMBALDI」について「身近に感じる過去の時代」からコレクションの着想を得ているとコメント。
コレクションのひとつとして持参したニットは、鮮やかなパープルとオレンジという奇抜な2色を融合させた、ユニークなデザイン。マルコの作品について清水氏は「(この色使いは)僕は難しいと思う」とリスペクトを込めて触れ、一見勇気のいる主張の強い色同士のコントラストも果敢に取り入れ、過去を踏襲しつつ独自のデザインに落とし込む感性に興味深げな様子だった。
過去のマテリアルを活かし新たな価値を具現化
2016年度TOKYO新人デザイナーファッション大賞を受賞し、来季より「overlace」ディレクターに就く、新進気鋭のデザイナーである藤澤氏。多摩美術大学でテキスタイルデザイン専攻だった藤澤の代名詞と言えるのが、ヴィンテージ素材に染や箔を施し、単なるリメイク以上に新たな価値を生み出すデザインだ。ヴィンテージ素材をプリントやオーバーダイの加工により新たなファッションとして蘇らせる手法は、在学中にテキスタイルのテクニックを学ぶ中で思いついたようで、「ヴィンテージっていうのはやっぱりその人が着ていた軌跡だったり」「シチュエーションが少し透けて見える」と言い、「時間だったり記憶だったりっていうものを持ちながら現存しているっていうことにすごく面白みを感じた」ことをきっかけに、過去と現代の素材を組み合わせる手法を考えついたという。
古いマテリアルを、どのように今の時代に沿うものに合わせていくかを常に念頭に置いているという藤澤氏にとって、特にデザインの礎となる布へのこだわりは強い。
「布の場合は、着る人の肌に触れることが多いので、肌触りの良さや質の高さであったりとか、逆にヴィンテージのマテリアルを使うときは、質が良くなくても、この市場にはないようなすごくこうざらざらしたものだったり、粗くて人の手が加わってできたようなもの」に魅力を感じると述べ、「その人をより美しく見せる素材だとか、自分自身も着ていて楽しいと思える、色合いだったり風合い」に重きを置いてセレクトしていると素材へのこだわりを語った。
そんな藤澤の対談相手となったのが、ミラノとニューヨークというインスピレーションに溢れた2つの都市に拠点を置く「DANIELE CARLOTTA」デザイナーのダニエル氏。
自身の最大のインスピレーション源は「現代美術からもたらされる」と述べると、そのひとつの形として美しい刺繍を全面に施した純白のドレスを披露し、「歴史や現代にもたらされる過去の一部となる形について考えながらデザインした」と創作過程について触れた。
ファッションデザイナーにとって大切なこととは
同じくイベントに参加した「ARTHUR ARBESSER」デザイナーのアーサー氏は、「建築がインスピレーションの源」と明かしつつ、「デザイナーというものは“アイデンティティ”と容易にわかる言葉を持つことが非常に重要」と主張。ジャーナリストやバイヤー達が、沢山のショーで膨大な量の作品を目にする中で、一際存在感を放つためにも、デザイナーは「自分だけの世界を創り上げ、自分が何者でどういった人間なのかを見分けてもらう必要がある」と、デザイナーの在り方について自身の考えを述べていた。
SNSの総フォロワー数950万人超え!世界が恋に落ちるイケメン
また「ミラノ ファッションウィーク」期間中は、インフルエンサーのマリアーノ・ディ・ヴァイオが、自身がクリエイティブディレクターを務めるアパレルブランド「NOHOW(ノーハウ)」の限定ショップをIQOSエンバシー内にオープン。SNSの総フォロワー数(11月16日時点、Instagram、Twitter、facebook、YouTube)は驚異の950万超え、その甘いマスクで日本でも一部、熱狂的なファンを擁するマリアーノは、抜群のルックスを武器にモデルとしてキャリアをスタート。その後始めたブログを通じて、ファッションのみならずそのライフスタイルまでもが脚光を浴びるようになり、現在ではファッションブロガー、俳優と活躍の場を広げている。
会期中はDJを招いてのアフターパーティが開かれ、来場したマリアーノは自身のブランドについて、ロンドン、ニューヨーク、リゾートといった「様々な土地からの影響」と自身のルーツである「イタリアンスタイルを混ぜ合わせ、コレクションに表現している」とアイディアの根源についてコメント。
パーティが始まると、ドレスアップした参加者が大勢駆けつけ、たちまち会場は大盛況。ルックス、ファッション、ライフスタイル、各界において注目を浴びる彼の人気ぶりが伺える一夜となった。
ミラノの街に影響を受けた新たなプロジェクトも始動
それぞれライフスタイルもルーツもバラバラの6人だが、唯一の共通項として見えてきたのが、自分自身を表現し、構成するもののひとつとしてファッションが存在しているということ。ファッションとは、自分がどういった人間かを他者に伝えるツールであり、いわば自身の代弁者のような存在。既存の価値観に囚われない新たな世代が、これまでベーシックだったものにイノベーションを起こし、新しい形に昇華して“ニューベーシック”を創り出すことが、次の世代へより価値あるものを残し、伝えていく鍵となる。今まさに新たな時代を生き、最前線でものづくりを続ける対談参加者の5人は、IQOSのスタイルプロジェクトに参加し、IQOSのオリジナルデザインパッケージ制作にも携わる。
ミラノの空気や街の色から得たインスピレーションを、独自の感性を通してどのような形で具現化してくれるのか、期待が高まる。(modelpress編集部)
【Not Sponsored 記事】