インスタフォロワー5万人超「Oggi」メインスタイリスト・金子綾の“普通なのにオシャレ”な秘訣とは<インタビュー>
2016.03.28 08:00
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ファッション誌『Oggi』のメインスタイリスト・金子綾が初の著書『a nuance』(小学館)を発売。モデルプレスでは、通勤・カジュアル・モード…とジャンルを問わず“フェミニン・こなれ感”をキーワードにした独自のスタイル提案で同世代の読者の支持を得る彼女にインタビューを行い、著書に込めた思いや“こなれニュアンス”を手に入れる秘訣などについて語ってもらった。
普通の服がおしゃれに見える“こなれニュアンス”
― 私服スナップ満載の初の著書『a nuance』は、11月の刊行から重版が相次ぐ大反響を呼んでいますね。改めて本に込めた思いをお聞かせいただけますか?金子綾:日々のファッションに関する「ちょっとしたこだわり」を集めたのですが、今まで感覚でやっていたことを改めて言葉にしていく作業が新鮮で。スタイリストとしての人生を振り返るようで、とても充実した楽しい時間でした。ほんのちょっとしたひと手間で、毎日のコーディネートがわくわくするように変化するということを感じてもらえたらうれしいです。
― 金子さんのミックス感のあるコーディネートに憧れている方はとても多いと思います。金子さん自身は、ファッションのお手本にしている人はいますか?
金子:海外のSNAPからインスピレーションを受けることはたまにありますが…。街を歩いていて、ふと目に留まる素敵な人っていますよね?そういうときに「何がいいと思って目に留まったんだろう」と考えることはよくあります。特別な服を着ていなくてもおしゃれな人って自然と目に飛び込んでくる。どこが印象的だったかを考えてみて、ヒントにすることはあります。
― なるほど。では、本の中でも普通の服がオシャレに見える“こなれニュアンス”について解説されていますが、それを身につけるまでの失敗談があれば教えて下さい。
金子:失敗談というのは特にはありませんが、妊娠して20㎏太ってしまったことは、今となっては貴重な経験でした。それまで好きだった服がなにひとつ似合わなくなってしまって。やむを得ずあれこれ考えるうちに、マニッシュな服を選ぶようになったりフラット靴のよさに気づいたりとファッションの幅がぐんと広がりました。それは今のスタイルにも活かされています。
“こなれニュアンス”を手に入れるには?
― 妊娠が思いがけない影響を与えてくれたんですね。日頃は似合うもの、似合わないものはどうやって吟味していますか?金子:服を買う前に試着は必ずします。肌の見え具合や微妙なサイズ感、肌色との相性などなど、体を入れてみないと分からないことはたくさんあるので。体にぴったりのサイズが正しいサイズとは限らないので、ゆるめに着たいのか、フィットさせて着たいのかなど考えながら試着しています。ときにはショップの方や友達に着てもらって、その服を着た姿がどう見えるのかを客観視してみることも。
― 試着はつい面倒で避けてしまいがちでした…。必ずするようにします!では、金子さんのような“こなれニュアンス”を身につけたい読者は、まず何を心がければいいですか?
金子:「マイナス発想」を恐れないでほしいなと思います。「お気に入りの服にネックレスをして、ピアスにネイルもして、トレンドバッグを持って…」と“盛る”ことが習慣化しているかもしれませんが、あえて“盛らない”ように意識していくと意外と全体のバランスが見えてきたり、肌の見え方や袖や裾の些細なあしらいに目がいくようになったり、新しい発見があるのではないかと思うんです。
― 確かに“引き算”をすることは勇気が要りますよね。なんとなくで“盛っている”人は多いと思います。
金子:アイテムを“盛る”のではなくて、テーストミックスしてみたり、サイズを変えてみる、配色を変えてみる。そうやって考え方を少し変えると、アイテムに頼ることなくおしゃれなニュアンスが漂うことにつながるかもしれません。
インスタで公開する私服が話題 この春注目のアイテムは?
― Instagramにはほぼ毎日私服を投稿されていますよね。日々のコーディネートはどうやって決めているんでしょうか?金子:身につけたいアイテムをどれかひとつ、前日の夜に決めておくことが多いです。そこから天候やシーンによってどう着こなすかを考えています。
― この春挑戦したいトレンドアイテムがあれば教えて下さい。
金子:レースが気になっています。透け感を楽しみたくて、黒レースのプルオーバーを購入しました。きれいめパンツでもデニムでも、女っぽく見えるのがいいですよね。あとは、キャミソールにラフにテーラードジャケットを羽織るコーディネートも暖かくなったら着るのが楽しみ。基本パンツが多いので、春先はヘルシーに肌見せできるトップスに手が伸びます。
― 素敵なコーディネートがInstagramにアップされるのを楽しみにしています!では、最後に読者へメッセージをお願いします。
金子:『a nuance』をたくさんの方に読んでいただけて、本当にうれしく思っています。手にとってくださった方にひとりひとりお礼を言いたいくらい感謝しています。日々、日常生活の繰り返しだけれど、この本が一瞬でも「おしゃれしたい」「おしゃれって楽しい」と、気持ちが上向きになるきっかけになってくれたらとても嬉しいです。
― ありがとうございました。
「マイナスの発想を恐れない」。この言葉の通り、著書で披露している私服スタイルはシンプルなものばかり。この春はトレンドアイテムのチェックだけではなく、彼女のような“こなれニュアンス”をゲットできるベーシックな一品を探してみては?(modelpress編集部)
金子綾(かねこ・あや)プロフィール
1979年生まれ。ファッションスタイリスト。人気女性誌『CanCam』のトップスタイリストを経て、現在『Oggi』のメインスタイリストを務めるほか、『VERY』ほか多数の雑誌で活躍。抜け感のあるカジュアルモードながら、女性らしさもただよう独自のスタイル提案で同世代の読者の支持を得る。自身の私服も人気が高く、Instagram(@ayaaa0707)はフォロワー5.8万人とファンが増加中。
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