【ART KNOT・塩野秀樹氏】理科大卒の異端児がアートで拓く新市場、コンプレックスを強みに変える逆転の発想法<REAL VALUE×モデルプレス連動>
2025.10.28 19:00
堀江貴文・溝口勇児・三崎優太による経営エンターテイメント番組「REAL VALUE」と「モデルプレス」の共同インタビュー企画。今回は株式会社ART KNOT代表取締役の塩野秀樹氏に、生い立ちやこれまでの経緯、成功を掴むまでのエピソード、ビジネスで大切なことを聞いた。
「REAL VALUE」は堀江貴文・溝口勇児・三崎優太の3人と各業界のスペシャリストが、本物の起業家を見極め、悩めるすべてのビジネスパーソンに“本当の価値と、本質的な学び”を説いていく番組(※堀江・三崎公式YouTubeで配信中)。
株式会社ART KNOTは、プライマリーギャラリー「Gallery Seek」を運営し、アーティストの発掘・ブランディングから作品の販売、アート売買のコンサルティングまで一貫して支援している。
塩野社長: 私は1985年に東京で生まれました。幼少期は甘やかされて育ちましたが、小学校までは両親に「勉強しろ」と言われ、とりあえず頑張っていました。その結果、ほぼマグレで麻布学園に合格したのですが、周りは当然のように頭がいい人ばかり。自分は特別に優れていないと痛感しました。
当時かなり太っていて、好きで始めた野球でも周りに追いつけず、シンプルに「負けている」と感じることが多かったですね。だからこそ、まだ成績がマシだった数学を頑張ったり、ノートを誰よりも綺麗に取って友達に貸したりと、自分の存在意義を作るために試行錯誤するようになりました。
父は足に障害を抱えながらも、老舗の正光画廊を一代で築いたのですが、家庭での立ち振る舞いは尊敬できなかった。ただ、その姿を見ていたからこそ、障害があっても仕事やアートの世界では健常者と同じ土俵で戦える、外側ではなく本質を見るべきだという価値観が芽生えたのだと思います。
大学は東京理科大学の数学科に進みました。人見知りを克服するためにあえて教師を目指し、教員免許も取得しました。何でもトライする性格ですが、その原点は「自分に足りない部分をあえて選ぶ」ことにあったのかもしれません。卒業後に父の画廊に入ったのも「安心感」ではなく、「この家に生まれていなければ絶対やらない仕事だから、むしろレアで面白い」という理由でした。
正光画廊はセカンダリーの画廊でしたが、父と同じことをしていても意味がないと思い、2009年にプライマリー部門「Gallery Seek」を立ち上げました。最初は百貨店との取引もゼロからの開拓で、門前払いされることも多かったですが、少しずつ「うちのアーティストを扱いたい」と思ってもらえるようになりました。
一方でアーティストの説得も大変で、最初に声をかけた中島健太さんには断られました。ただ、2020年に独立してから再びご一緒できるようになり、公募展「ARTIST NEW GATE」を共に立ち上げるまでの関係になりました。
独立の背景には、父のように値下がったアートを売るスタイルではなく、アーティストを長く活動させるためにマネジメントやブランディングを考える必要があるという強い想いがありました。父との考え方は10年経っても寄り添えず、常にハレーションを起こしていました。コロナで展示が止まり考える時間ができたとき、「一緒にやるメリットはもうない」と実感し、独立を決意。
「Gallery Seek」では、ギャラリー、アーティスト、コレクター、企業、それぞれが持つ「できること」と「できないこと」を結びつけることでアートの魅力を最大化できると考えています。その結び目を作ることこそが自分の役割であり、存在意義だと思っています。数学科出身で美術に無縁だった私が、コンプレックスや家庭環境をバネに模索し続けた結果、今の形にたどり着きました。
モデルプレス: ご自身のコンプレックスや、家庭環境で芽生えた価値観を「存在意義」にまで昇華させる。その過程には、自分に何が足りないのかを徹底的に分析し、あえて困難な道を選ぶという一貫した思考が感じられますね。特に、数学科で教師を目指されたというエピソードは、自己成長に対する真摯な姿勢がうかがえて、とても共感できます。
塩野社長:株式会社ART KNOTでは、プライマリーギャラリー「Gallery Seek」を通じ、アーティストを公募展で発掘し、ギャラリー・百貨店・アートフェアといった多様な販売チャネルで中長期的にブランディングを行っています。
さらに二次流通では、価格差が大きい市場構造を踏まえ、オークション同行や購入コンサルを行い、その成果報酬をいただく仕組みを導入。売却時も買戻し保証や百貨店での販売チャンスを組み合わせ、適正な出口戦略を提案しています。
加えて、アーティストとのワークショップやセミナーなど体験型の機会も提供。こうした仕組みにより、アート売買を最適化し、アーティスト・コレクター双方が長く関われる環境を築いています。
モデルプレス: 単に作品を販売するだけでなく、アーティストのブランディングから、コレクターの購入・売却まで一貫してサポートする仕組みが、他の画廊にはない強みですね。アートを「買って終わり」ではなく、長く楽しめるものにするための、市場全体を見据えた戦略的なアプローチに感銘を受けます。
塩野社長:当社の成長要因は、プライマリーギャラリー「Gallery Seek」を基盤に、アーティストの活躍を多角的に支援してきたことです。代表的なのが「完売画家」中島健太氏との取り組みで、2024年あべのハルカスでの個展や史上最大売上記録(2025年日本橋高島屋で更新)を実現しました。
さらに、岡崎実央氏はアントニオ猪木とのコラボ作品を発表、スープカレーGarakuが手掛けるクラフトジンのボトルデザイン、YAMACHUPUのオリジナルラベルを手掛けるなど、多彩な分野で存在感を示しています。加えて公募展「ARTIST NEW GATE」には毎年約300名が応募。年間約10の企画展、百貨店での約50回の開催実績を積み重ね、アーティスト支援と市場活性化の両輪で成長を続けています。
モデルプレス: アーティスト一人ひとりの才能を最大限に引き出し、アートの枠を超えたコラボレーションを次々と実現されていることが、御社の成長に繋がっているんですね。アーティストの可能性を信じ抜き、新たな価値を創造していく姿勢が、多くの才能を引き寄せる理由なのだと思います。
塩野社長:私の仕事の根底にあるのは「アートと人を結びつけること」です。素晴らしい作品があっても、それを見つけ出し、広め、価値を共有する人がいなければ、作品は世に残りません。だからこそ、アーティストと鑑賞者を結ぶ“結び目”を作ることを大切にしています。私は特別に感受性が高いタイプではないので、むしろアーティストの背景や想いを掘り下げて理解し、作品の解像度を上げていくことを意識しています。
やりがいを感じるのは、作品が売れた瞬間です。私が惚れ込んで紹介した作品に誰かが共感してくれた証だからです。この積み重ねがアーティストの活動を支え、持続可能な未来へつながることが、何よりの喜びです。
モデルプレス: アートという正解のない世界で、ご自身が「凡才」であることを受け入れ、解像度を上げていくことで作品の価値を最大限に引き出す。そして、その情熱が鑑賞者に伝わり、作品が売れる。その瞬間は、単なるビジネスの成功ではなく、アーティストの人生を支えるという使命感、そしてご自身の存在意義が証明される瞬間でもあるんですね。
塩野社長: 私の原動力は「凡才である」という自己認識からくる探求心と、「アーティストが輝ける場を創りたい」という使命感です。数学を学び教師を目指していた私がアートに進んだのは、「この環境でしかやらない仕事だ」と思ったからでした。
父の画廊に入社してから、アーティストを通して作品を観ることで、感受性が高くない自分でもアートの解像度が一気に上がる感覚を知りました。この体験がとても面白かったんです。だから既存のコレクションにうちのアーティストを加えてもらえるのももちろん嬉しいですが、本当に嬉しいのは誰かの“ファーストコレクション”に関われること。アートなんて全く分からないという人が、興味を持ち、購入に至る。その過程に立ち会えると「その人の人生を変える瞬間」に関われたような実感があります。
独立した後でも父の「中古品を安く売る会社」というイメージと常に衝突し、百貨店でも誤解されることが多く悔しい思いをしました。その度に「自分はこう変えていきたい」とビジョンを語り続け、少しずつ信頼を築いてきました。
また、狭い業界に長くいた分、他の業界の方の話や知識を聞くのはとても刺激的です。そういう方へは年代や性別に関係なくリスペクトを抱けますし、自分もまだまだやれることがあると再認識できます。
そして仕事以外の趣味も原動力の一つです。学生時代にそれなりにできていた野球が衰えていくのを感じたり、技術はないけど好きだから続けられるフットサル、新しく始めたランニングでは積み重ねの大切さを実感し、サウナでは身体と頭をリフレッシュできる。それぞれ違った感覚を楽しめるのも面白いですし、それを一緒に楽しみながらビジネスの話ができる仲間が増えたのも、大きな励みになっています。
モデルプレス: アートの真の価値は、知識の有無に関わらず、人の心を動かすことにあるというお考えに感銘を受けます。特に、「ファーストコレクション」に立ち会うことは、「その人の人生を変える瞬間」だという言葉は、仕事への深い愛と情熱が伝わってきます。趣味を通じて様々な視点を取り入れ、新たな仲間と出会うことで、ご自身のビジネスをさらに加速させていく姿勢も、読者の皆さんにとって大きな学びになると思います。
塩野社長: 参加を決めた理由は、まず「めっちゃ凄い人が多い」と感じたからです。私はアーティストを市場に送り出す仕組みをある程度作ってきましたが、自分がさらにレベルアップすれば、この動きをもっと加速できると思いました。
そのためにも、自分の実力やバリューを上げる必要があるし、一番欠けていると感じていた能力を磨ける場だと直感しました。ここでの学びを活かし、会員の方々と共に、アートをより広く社会に届けていきたいと考えています。
モデルプレス: すでにアート業界で確固たる地位を築かれているにも関わらず、現状に満足せず、さらなる成長を求める探究心。その飽くなき向上心が、常に新しい価値を生み出し続けている理由なのだと感じます。ご自身の直感を信じ、より高みを目指すという姿勢は、多くの経営者の方々にも響くメッセージですね。
(※)「REAL VALUE CLUB」は、堀江貴文・溝口勇児・三崎優太の3人に認められる他、限られた人だけが入会できるもの。あらゆる領域のトップ経営者が集い、本質的な学びを得られる経営者コミュニティ。
塩野秀樹社長: 私にとって大きな困難は、正光画廊の中でプライマリーギャラリー事業「Gallery Seek」を立ち上げた当初に直面した壁でした。正光画廊は中古品を扱うセカンダリーギャラリーで、そのイメージが強かったため、私が始めたプライマリーの活動は周囲に理解されず、常にハレーションを起こしていました。百貨店との商談でも「アートを安く売る会社」と誤解されることが多く、その度に本当に悔しい思いをしました。
ただ、壁にぶつかったときに「理解されない」とか「力が足りない」と考えても意味がありません。歩みを止めても誰も待ってくれるわけではない。だったら、自分がやるべきことをやるしかない。理解されないならどうしたら伝わるのかを考え続け、力が足りないなら何を伸ばすかを探っていくしかないのです。
実際、私は「自分はこういう業界を創りたい」というビジョンを、一人ひとりの取引先やアーティストに伝え続けました。すぐに信じてもらえることは少なかったですが、同じ熱量で語り続けることで少しずつ信頼が積み重なり、やがて事業を軌道に乗せることができました。
私自身は「そこまで大きな困難」だとは思っていませんし、正直まだ完全に乗り越えきれているのかも分かりません。それでも、困難に直面したときに止まらず、考え続け、行動し続けること。それが結局は未来につながるのだと感じています。
モデルプレス: 困難を「そこまで大きな困難」ではないと捉え、冷静に「自分がやるべきこと」に立ち返る。その思考法は、まさに経営者として成功するための本質的なマインドセットですね。感情に流されず、未来のために行動し続ける姿勢が、信頼という形で返ってくる。このエピソードは、今壁にぶつかっている多くの読者にとって、大きな勇気になると思います。
塩野秀樹社長: 正直、まだ私自身も道の途中で「叶えた」と胸を張れるわけではありません。ただ、その中で実感しているのは「自分だけの唯一性を見つけ、それを信じ抜くこと」。そして、その想いを人に伝え、共感の輪を広げていくことです。
私は大学で数学を学び、教師を目指していました。アートとは全く無縁の人間でしたが、「アートと人を結ぶ」という自分なりの存在意義を見つけてからは、アーティストの背景を深く知り、作品の唯一性を引き出すことに全力を注いでいます。
世の中には上手い作品が溢れています。でも本当に心を動かすのは、他にない掛け算から生まれるオリジナリティです。伝統と現代、異なる価値観を組み合わせることで作品は深みを増し、唯一無二の魅力になる。
私の夢は、アートをもっと多くの人に「健全なエンタメ」として楽しんでもらうこと。そのためにアーティストの挑戦を支え、共感してくれる仲間を増やしていきたい。道のりは決して平坦ではありませんが、自分の唯一性を信じ、情熱を絶やさず歩み続ければ、夢は必ず近づいてくると信じています。才能は着火剤であり、仲間が薪をくべてくれるから炎は燃え続けるのだと思います。
モデルプレス: 「自分だけの唯一性を見つけ、信じ抜くこと」。その言葉には、ご自身の歩んできた道のりが凝縮されているように感じます。アートと数学、伝統と現代。異なる価値観を掛け合わせることで新たな価値を生み出すという考え方は、どのような分野で夢を追いかける人にも響く、本質的なメッセージですね。
塩野秀樹社長: 私たちART KNOTとGallery Seekは、「アートと共に、未知の可能性を解き放つ —Seek a knot with art—」という理念を掲げ、アーティストの魅力を最大限に引き出し、中長期的に支えることを使命としています。
一緒に働く仲間に求めるのは、シンプルに言えば 「能動的に動けること」「考え抜けること」「自分にできないことを持っていること」、そして「バランス力を持っていること」 です。
能動的に動く力がなければ、正解がまだ見えないアート業界でチャンスをつかむことはできません。考える力も同じく重要で、状況を俯瞰し「なぜそれをやるのか」を理解して行動できることが必要です。そして私は凡才で、人より優れている部分は多くないからこそ、自分にできないことを持っている人と組むことで会社は大きくなると考えています。
さらに大切なのがバランス力です。私たちは「アーティストファースト」を掲げていますが、それは単に意見を受け入れることではありません。ビジネスとして成立させるために、ときにディスカッションを重ね、互いに納得できる形をつくる。その関係性を築ける人こそ、この仕事に向いていると思います。
私たちはアーティストの活動を支え、アートを通じて社会に新しい価値を広げたい。その未来を一緒に形にしてくれる仲間を心から求めています。
モデルプレス: 「凡才だからこそ、自分にできない部分を持っている人と組む」という言葉に、チームで成し遂げることへの強い想いが感じられます。それは、ただ単に仕事ができる人を探しているのではなく、互いの強みと弱みを理解し、化学反応を起こせる仲間を求めているということなんですね。
「アーティストファースト」を掲げながらも、ビジネスとして成立させるための「バランス力」を重視されている点も、単なるアート愛好家ではなく、事業を成功させるプロフェッショナルとしての視点が示されていて、とても魅力的です。この会社でなら、自分の個性を活かしながら、アーティストという唯一無二の存在を社会に広めるという、他にないやりがいを感じられるのだと思います。
「アーティストファースト」という理念を掲げながらも、ビジネスとして成立させるための戦略を練り、「なぜそれをやるのか」を常に考え抜く。その徹底した思考力と、人と人との繋がりを大切にする姿勢こそが、同社の成長の原動力であり、多くのアーティストやコレクターから信頼される理由なのだと感じました。
今回のインタビューを通じて、塩野社長が創り出しているのは、単なるアートビジネスではなく、アーティストと鑑賞者、そして社会全体を豊かにする「人生を変える出会い」の場なのだと強く感じました。この熱い想いに共感し、共にアートの未来を切り拓く仲間を心から求めていることが伝わってきました。
3人に認められる他、限られた人だけが入会できる「REAL VALUE CLUB」は、あらゆる領域のトップ経営者が集い、本質的な学びを得られる経営者コミュニティ。堀江・溝口・三崎を筆頭に各領域のトップ経営者とリアルで繋がれる他、コンテンツ動画を月2~4回配信(アーカイブが見放題)、ファウンダー&マネジメントチーム及び事務局からビジネスアイデアの提供など、経営をアップデートするためのノウハウを提供していく。(modelpress編集部)
株式会社ART KNOTは、プライマリーギャラリー「Gallery Seek」を運営し、アーティストの発掘・ブランディングから作品の販売、アート売買のコンサルティングまで一貫して支援している。
「凡才だからこそ」という逆張り思考
モデルプレス: まずは、これまでの生い立ちから起業に至るまでのきっかけについてお聞かせください。塩野社長: 私は1985年に東京で生まれました。幼少期は甘やかされて育ちましたが、小学校までは両親に「勉強しろ」と言われ、とりあえず頑張っていました。その結果、ほぼマグレで麻布学園に合格したのですが、周りは当然のように頭がいい人ばかり。自分は特別に優れていないと痛感しました。
当時かなり太っていて、好きで始めた野球でも周りに追いつけず、シンプルに「負けている」と感じることが多かったですね。だからこそ、まだ成績がマシだった数学を頑張ったり、ノートを誰よりも綺麗に取って友達に貸したりと、自分の存在意義を作るために試行錯誤するようになりました。
父は足に障害を抱えながらも、老舗の正光画廊を一代で築いたのですが、家庭での立ち振る舞いは尊敬できなかった。ただ、その姿を見ていたからこそ、障害があっても仕事やアートの世界では健常者と同じ土俵で戦える、外側ではなく本質を見るべきだという価値観が芽生えたのだと思います。
大学は東京理科大学の数学科に進みました。人見知りを克服するためにあえて教師を目指し、教員免許も取得しました。何でもトライする性格ですが、その原点は「自分に足りない部分をあえて選ぶ」ことにあったのかもしれません。卒業後に父の画廊に入ったのも「安心感」ではなく、「この家に生まれていなければ絶対やらない仕事だから、むしろレアで面白い」という理由でした。
正光画廊はセカンダリーの画廊でしたが、父と同じことをしていても意味がないと思い、2009年にプライマリー部門「Gallery Seek」を立ち上げました。最初は百貨店との取引もゼロからの開拓で、門前払いされることも多かったですが、少しずつ「うちのアーティストを扱いたい」と思ってもらえるようになりました。
一方でアーティストの説得も大変で、最初に声をかけた中島健太さんには断られました。ただ、2020年に独立してから再びご一緒できるようになり、公募展「ARTIST NEW GATE」を共に立ち上げるまでの関係になりました。
独立の背景には、父のように値下がったアートを売るスタイルではなく、アーティストを長く活動させるためにマネジメントやブランディングを考える必要があるという強い想いがありました。父との考え方は10年経っても寄り添えず、常にハレーションを起こしていました。コロナで展示が止まり考える時間ができたとき、「一緒にやるメリットはもうない」と実感し、独立を決意。
「Gallery Seek」では、ギャラリー、アーティスト、コレクター、企業、それぞれが持つ「できること」と「できないこと」を結びつけることでアートの魅力を最大化できると考えています。その結び目を作ることこそが自分の役割であり、存在意義だと思っています。数学科出身で美術に無縁だった私が、コンプレックスや家庭環境をバネに模索し続けた結果、今の形にたどり着きました。
モデルプレス: ご自身のコンプレックスや、家庭環境で芽生えた価値観を「存在意義」にまで昇華させる。その過程には、自分に何が足りないのかを徹底的に分析し、あえて困難な道を選ぶという一貫した思考が感じられますね。特に、数学科で教師を目指されたというエピソードは、自己成長に対する真摯な姿勢がうかがえて、とても共感できます。
アートを売るだけじゃない、価値を創造するビジネスモデル
モデルプレス: 事業内容を教えてください。塩野社長:株式会社ART KNOTでは、プライマリーギャラリー「Gallery Seek」を通じ、アーティストを公募展で発掘し、ギャラリー・百貨店・アートフェアといった多様な販売チャネルで中長期的にブランディングを行っています。
さらに二次流通では、価格差が大きい市場構造を踏まえ、オークション同行や購入コンサルを行い、その成果報酬をいただく仕組みを導入。売却時も買戻し保証や百貨店での販売チャンスを組み合わせ、適正な出口戦略を提案しています。
加えて、アーティストとのワークショップやセミナーなど体験型の機会も提供。こうした仕組みにより、アート売買を最適化し、アーティスト・コレクター双方が長く関われる環境を築いています。
モデルプレス: 単に作品を販売するだけでなく、アーティストのブランディングから、コレクターの購入・売却まで一貫してサポートする仕組みが、他の画廊にはない強みですね。アートを「買って終わり」ではなく、長く楽しめるものにするための、市場全体を見据えた戦略的なアプローチに感銘を受けます。
完売画家との共創から生まれる成長ストーリー
モデルプレス: 会社の成長の要因は何でしょう?塩野社長:当社の成長要因は、プライマリーギャラリー「Gallery Seek」を基盤に、アーティストの活躍を多角的に支援してきたことです。代表的なのが「完売画家」中島健太氏との取り組みで、2024年あべのハルカスでの個展や史上最大売上記録(2025年日本橋高島屋で更新)を実現しました。
さらに、岡崎実央氏はアントニオ猪木とのコラボ作品を発表、スープカレーGarakuが手掛けるクラフトジンのボトルデザイン、YAMACHUPUのオリジナルラベルを手掛けるなど、多彩な分野で存在感を示しています。加えて公募展「ARTIST NEW GATE」には毎年約300名が応募。年間約10の企画展、百貨店での約50回の開催実績を積み重ね、アーティスト支援と市場活性化の両輪で成長を続けています。
モデルプレス: アーティスト一人ひとりの才能を最大限に引き出し、アートの枠を超えたコラボレーションを次々と実現されていることが、御社の成長に繋がっているんですね。アーティストの可能性を信じ抜き、新たな価値を創造していく姿勢が、多くの才能を引き寄せる理由なのだと思います。
「売れた瞬間」に宿る感動と使命感
モデルプレス: 仕事をする上で心がけていること、そしてそのやりがいについて教えてください。塩野社長:私の仕事の根底にあるのは「アートと人を結びつけること」です。素晴らしい作品があっても、それを見つけ出し、広め、価値を共有する人がいなければ、作品は世に残りません。だからこそ、アーティストと鑑賞者を結ぶ“結び目”を作ることを大切にしています。私は特別に感受性が高いタイプではないので、むしろアーティストの背景や想いを掘り下げて理解し、作品の解像度を上げていくことを意識しています。
やりがいを感じるのは、作品が売れた瞬間です。私が惚れ込んで紹介した作品に誰かが共感してくれた証だからです。この積み重ねがアーティストの活動を支え、持続可能な未来へつながることが、何よりの喜びです。
モデルプレス: アートという正解のない世界で、ご自身が「凡才」であることを受け入れ、解像度を上げていくことで作品の価値を最大限に引き出す。そして、その情熱が鑑賞者に伝わり、作品が売れる。その瞬間は、単なるビジネスの成功ではなく、アーティストの人生を支えるという使命感、そしてご自身の存在意義が証明される瞬間でもあるんですね。
「人生を変える瞬間」を創造する
モデルプレス: 頑張るための原動力は何ですか?塩野社長: 私の原動力は「凡才である」という自己認識からくる探求心と、「アーティストが輝ける場を創りたい」という使命感です。数学を学び教師を目指していた私がアートに進んだのは、「この環境でしかやらない仕事だ」と思ったからでした。
父の画廊に入社してから、アーティストを通して作品を観ることで、感受性が高くない自分でもアートの解像度が一気に上がる感覚を知りました。この体験がとても面白かったんです。だから既存のコレクションにうちのアーティストを加えてもらえるのももちろん嬉しいですが、本当に嬉しいのは誰かの“ファーストコレクション”に関われること。アートなんて全く分からないという人が、興味を持ち、購入に至る。その過程に立ち会えると「その人の人生を変える瞬間」に関われたような実感があります。
独立した後でも父の「中古品を安く売る会社」というイメージと常に衝突し、百貨店でも誤解されることが多く悔しい思いをしました。その度に「自分はこう変えていきたい」とビジョンを語り続け、少しずつ信頼を築いてきました。
また、狭い業界に長くいた分、他の業界の方の話や知識を聞くのはとても刺激的です。そういう方へは年代や性別に関係なくリスペクトを抱けますし、自分もまだまだやれることがあると再認識できます。
そして仕事以外の趣味も原動力の一つです。学生時代にそれなりにできていた野球が衰えていくのを感じたり、技術はないけど好きだから続けられるフットサル、新しく始めたランニングでは積み重ねの大切さを実感し、サウナでは身体と頭をリフレッシュできる。それぞれ違った感覚を楽しめるのも面白いですし、それを一緒に楽しみながらビジネスの話ができる仲間が増えたのも、大きな励みになっています。
モデルプレス: アートの真の価値は、知識の有無に関わらず、人の心を動かすことにあるというお考えに感銘を受けます。特に、「ファーストコレクション」に立ち会うことは、「その人の人生を変える瞬間」だという言葉は、仕事への深い愛と情熱が伝わってきます。趣味を通じて様々な視点を取り入れ、新たな仲間と出会うことで、ご自身のビジネスをさらに加速させていく姿勢も、読者の皆さんにとって大きな学びになると思います。
「凄い人が多い」直感から決断、欠けた部分を補い成長を加速
モデルプレス:「REAL VALUE CLUB」(※)に参加を決めた理由は何ですか?塩野社長: 参加を決めた理由は、まず「めっちゃ凄い人が多い」と感じたからです。私はアーティストを市場に送り出す仕組みをある程度作ってきましたが、自分がさらにレベルアップすれば、この動きをもっと加速できると思いました。
そのためにも、自分の実力やバリューを上げる必要があるし、一番欠けていると感じていた能力を磨ける場だと直感しました。ここでの学びを活かし、会員の方々と共に、アートをより広く社会に届けていきたいと考えています。
モデルプレス: すでにアート業界で確固たる地位を築かれているにも関わらず、現状に満足せず、さらなる成長を求める探究心。その飽くなき向上心が、常に新しい価値を生み出し続けている理由なのだと感じます。ご自身の直感を信じ、より高みを目指すという姿勢は、多くの経営者の方々にも響くメッセージですね。
(※)「REAL VALUE CLUB」は、堀江貴文・溝口勇児・三崎優太の3人に認められる他、限られた人だけが入会できるもの。あらゆる領域のトップ経営者が集い、本質的な学びを得られる経営者コミュニティ。
「歩みを止めない」困難を乗り越える哲学
モデルプレス: モデルプレス読者の中でもいま様々な困難に直面している方もいると思います。今までの人生で怒りや悲しみを乗り越えたエピソードを教えてください。塩野秀樹社長: 私にとって大きな困難は、正光画廊の中でプライマリーギャラリー事業「Gallery Seek」を立ち上げた当初に直面した壁でした。正光画廊は中古品を扱うセカンダリーギャラリーで、そのイメージが強かったため、私が始めたプライマリーの活動は周囲に理解されず、常にハレーションを起こしていました。百貨店との商談でも「アートを安く売る会社」と誤解されることが多く、その度に本当に悔しい思いをしました。
ただ、壁にぶつかったときに「理解されない」とか「力が足りない」と考えても意味がありません。歩みを止めても誰も待ってくれるわけではない。だったら、自分がやるべきことをやるしかない。理解されないならどうしたら伝わるのかを考え続け、力が足りないなら何を伸ばすかを探っていくしかないのです。
実際、私は「自分はこういう業界を創りたい」というビジョンを、一人ひとりの取引先やアーティストに伝え続けました。すぐに信じてもらえることは少なかったですが、同じ熱量で語り続けることで少しずつ信頼が積み重なり、やがて事業を軌道に乗せることができました。
私自身は「そこまで大きな困難」だとは思っていませんし、正直まだ完全に乗り越えきれているのかも分かりません。それでも、困難に直面したときに止まらず、考え続け、行動し続けること。それが結局は未来につながるのだと感じています。
モデルプレス: 困難を「そこまで大きな困難」ではないと捉え、冷静に「自分がやるべきこと」に立ち返る。その思考法は、まさに経営者として成功するための本質的なマインドセットですね。感情に流されず、未来のために行動し続ける姿勢が、信頼という形で返ってくる。このエピソードは、今壁にぶつかっている多くの読者にとって、大きな勇気になると思います。
「アートを健全なエンタメに」夢の炎を燃やし続ける秘訣
モデルプレス: モデルプレス読者の中でもいま様々な夢を追いかけている方もいると思います。夢を叶える秘訣を教えてください。塩野秀樹社長: 正直、まだ私自身も道の途中で「叶えた」と胸を張れるわけではありません。ただ、その中で実感しているのは「自分だけの唯一性を見つけ、それを信じ抜くこと」。そして、その想いを人に伝え、共感の輪を広げていくことです。
私は大学で数学を学び、教師を目指していました。アートとは全く無縁の人間でしたが、「アートと人を結ぶ」という自分なりの存在意義を見つけてからは、アーティストの背景を深く知り、作品の唯一性を引き出すことに全力を注いでいます。
世の中には上手い作品が溢れています。でも本当に心を動かすのは、他にない掛け算から生まれるオリジナリティです。伝統と現代、異なる価値観を組み合わせることで作品は深みを増し、唯一無二の魅力になる。
私の夢は、アートをもっと多くの人に「健全なエンタメ」として楽しんでもらうこと。そのためにアーティストの挑戦を支え、共感してくれる仲間を増やしていきたい。道のりは決して平坦ではありませんが、自分の唯一性を信じ、情熱を絶やさず歩み続ければ、夢は必ず近づいてくると信じています。才能は着火剤であり、仲間が薪をくべてくれるから炎は燃え続けるのだと思います。
モデルプレス: 「自分だけの唯一性を見つけ、信じ抜くこと」。その言葉には、ご自身の歩んできた道のりが凝縮されているように感じます。アートと数学、伝統と現代。異なる価値観を掛け合わせることで新たな価値を生み出すという考え方は、どのような分野で夢を追いかける人にも響く、本質的なメッセージですね。
私たちと共に、アートの未来を創る仲間へ
モデルプレス: 最後に、求める人物像や、一緒に働きたい方へのメッセージをお願いします。塩野秀樹社長: 私たちART KNOTとGallery Seekは、「アートと共に、未知の可能性を解き放つ —Seek a knot with art—」という理念を掲げ、アーティストの魅力を最大限に引き出し、中長期的に支えることを使命としています。
一緒に働く仲間に求めるのは、シンプルに言えば 「能動的に動けること」「考え抜けること」「自分にできないことを持っていること」、そして「バランス力を持っていること」 です。
能動的に動く力がなければ、正解がまだ見えないアート業界でチャンスをつかむことはできません。考える力も同じく重要で、状況を俯瞰し「なぜそれをやるのか」を理解して行動できることが必要です。そして私は凡才で、人より優れている部分は多くないからこそ、自分にできないことを持っている人と組むことで会社は大きくなると考えています。
さらに大切なのがバランス力です。私たちは「アーティストファースト」を掲げていますが、それは単に意見を受け入れることではありません。ビジネスとして成立させるために、ときにディスカッションを重ね、互いに納得できる形をつくる。その関係性を築ける人こそ、この仕事に向いていると思います。
私たちはアーティストの活動を支え、アートを通じて社会に新しい価値を広げたい。その未来を一緒に形にしてくれる仲間を心から求めています。
モデルプレス: 「凡才だからこそ、自分にできない部分を持っている人と組む」という言葉に、チームで成し遂げることへの強い想いが感じられます。それは、ただ単に仕事ができる人を探しているのではなく、互いの強みと弱みを理解し、化学反応を起こせる仲間を求めているということなんですね。
「アーティストファースト」を掲げながらも、ビジネスとして成立させるための「バランス力」を重視されている点も、単なるアート愛好家ではなく、事業を成功させるプロフェッショナルとしての視点が示されていて、とても魅力的です。この会社でなら、自分の個性を活かしながら、アーティストという唯一無二の存在を社会に広めるという、他にないやりがいを感じられるのだと思います。
株式会社ART KNOTについて
株式会社ART KNOTは、ギャラリストの塩野秀樹氏が代表を務めるアート企業。プライマリーギャラリー「Gallery Seek」を運営し、アーティスト、ギャラリー、コレクター、企業を繋ぐ「結び目」となることを重視している。アーティストスタートアップ支援のコンペ主催、アートフェア出展、オークション参加を通じ、アート売買の最適化を目指している。まとめ
学生時代に「凡才」であることを痛感した経験を、アートという畑違いの分野で「唯一性」として昇華させ、新たな事業を創り出した塩野社長。ご自身のコンプレックスや、父との確執さえもバネに変え、情熱と使命感をもって「アートと人をつなぐ」という使命を全うされています。「アーティストファースト」という理念を掲げながらも、ビジネスとして成立させるための戦略を練り、「なぜそれをやるのか」を常に考え抜く。その徹底した思考力と、人と人との繋がりを大切にする姿勢こそが、同社の成長の原動力であり、多くのアーティストやコレクターから信頼される理由なのだと感じました。
今回のインタビューを通じて、塩野社長が創り出しているのは、単なるアートビジネスではなく、アーティストと鑑賞者、そして社会全体を豊かにする「人生を変える出会い」の場なのだと強く感じました。この熱い想いに共感し、共にアートの未来を切り拓く仲間を心から求めていることが伝わってきました。
「REAL VALUE」とは
「REAL VALUE」はビジネスの第一線で活躍し続ける堀江貴文・溝口勇児・三崎優太が認める各領域のトップ経営者だけを厳選して始動した経営エンターテイメント番組。堀江・三崎の公式YouTubeにて配信中。3人に認められる他、限られた人だけが入会できる「REAL VALUE CLUB」は、あらゆる領域のトップ経営者が集い、本質的な学びを得られる経営者コミュニティ。堀江・溝口・三崎を筆頭に各領域のトップ経営者とリアルで繋がれる他、コンテンツ動画を月2~4回配信(アーカイブが見放題)、ファウンダー&マネジメントチーム及び事務局からビジネスアイデアの提供など、経営をアップデートするためのノウハウを提供していく。(modelpress編集部)
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