【ファンクション・ティ・田尾耕太郎氏】“3500万円訴訟“をバネに1.5億円受注 プロ野球選手の父を持つ歯科医師起業家の逆境を成長に変える思考法<REAL VALUE×モデルプレス連動>
2025.06.16 19:00
堀江貴文・溝口勇児・三崎優太による経営エンターテイメント番組「REAL VALUE」と「モデルプレス」の共同インタビュー企画。今回は株式会社ファンクション・ティの田尾耕太郎氏(44)に、生い立ちやこれまでの経緯、成功を掴むまでのエピソード、ビジネスで大切なことを聞いた。
「REAL VALUE」は堀江貴文・溝口勇児・三崎優太の3人と各業界のスペシャリストが、本物の起業家を見極め、悩めるすべてのビジネスパーソンに“本当の価値と、本質的な学び”を説いていく番組(※堀江・三崎公式YouTubeで配信中)。
ファンクション・ティは、歯科HP運営やセミナー主催、オンラインサロン運営、ポスティングなど、歯科に特化した事業を幅広く手掛けている。
田尾社長: 幼少期から、何かにのめり込んだら徹底的にやり続ける「オタク気質」の子供でした。1,000ピースのジグゾーパズルを買ってもらったら完成するまで徹夜で作り続けたり、「ビン集め」にハマっていた時はあらゆる飲料メーカーのビンを300種類以上集めて棚に飾ったり…。「何かに熱中している間は口出しせず、気が済むまでやらせる」という両親の教育方針もあって、その気質は今でも自分のアイデンティティとして色濃く確立されています。
父は楽天の初代監督も務めた有名なプロ野球選手ですが、小学校の頃は有名人の息子ということで知らない上級生から絡まれたり、「お前のオヤジ、昨日4タコ(4打数でヒットなし)だったな」とからかわれたりすることもよくありました。
父が有名人というのは今では良いことしかないのですが、当時は絡まれるネタになったり、自分が何かを成し遂げたとしても「父の息子」という面ばかりがクローズアップされてしまうので、損をしていると感じていました。「父ではなく、自分の実力を認められたい」という思いも強く、それが原動力になっていた部分もあります。
中高は野球部に所属し、プロ野球選手を目指していました。しかし、高3の夏の大会後、大学進学について家族で話をしていた際に父から「お前はプロで飯を食っていくのは無理だ」と言われてしまいました。父に憧れて、プロになることしか考えていなかった私にとって、この一言は本当にショックでした。
プロ野球選手にならないなら、何を目指せばいいのか…。迷っていた時に、たまたま職員室の前に「表紙がすごく立派な野球グラウンド」の入学パンフレットが置かれていました。それが、長野県の歯科大学でした。
「ここに行けば、日本初の歯科医師免許を持った野球選手を目指せる!」と思い、その日に願書を提出。無事入学し、歯科大学でも6年間野球を続けていましたが、歯科大のレベルはプロとは程遠いという実情もあり、プロへの夢は少しずつ遠ざかっていきました。
そのかわりに、「プロ野球選手以上に、多くの人に勇気やプラスの影響を与える歯科医師になる!」という新たな目標が生まれ、現在に至ります。
モデルプレス: 持ち前の気質とご両親の教育方針によって、田尾社長の揺るぎないアイデンティティが培われてきたのですね。有名人の息子としてのご苦労から「自分の実力を認められたい」という強い思いが原動力となり、そしてプロ野球選手になる夢が絶たれたことで、より社会に貢献したいという大きな目標へと転換された、ご自身の特性や経験を、常にポジティブな力へと変えていく姿勢に感銘を受けます。
田尾社長:父が楽天の監督をしていたこともあり、当時の楽天のIT部門の方にもいろいろサポートしていただいて、2006年に歯科相談サイト「歯チャンネル」を立ち上げました。
当時の歯科関連サイトの中では圧倒的な情報量と、医療系相談サイトとしては日本初の「回答者(歯科医師)は実名&本人確認必須」という仕組み、そして多くの歯科医師からご協力をいただいたことで、2011年には月間100万人以上が訪れるサイトに成長し、2011〜2017年頃にかけて日本で最もアクセス数が多い歯科情報サイトになりました。
またサイト運営の経験を生かして、歯科医院のHP制作や広告運用にも取り組み、これまでに1,200以上の歯科HPの運用を行ってきました。歯科分野の最前線で20年以上、蓄積されたデータを持っているというのが、弊社の最大の強みです。
モデルプレス: ご縁がきっかけとなり、歯科業界に新たな風を吹き込む革新的な事業をスタートされたのですね。20年以上の経験と膨大なデータは、歯科業界に確かな価値を提供し続けている何よりの証拠だと思います。常に業界の最前線を走り、新たなスタンダードを築いてこられたことに、田尾社長の先見の明と実行力を感じますね。
田尾社長: もともと会社を大きくしようという気が全くなく、2023年まではほぼ一人で事業を行っていました。
根がオタクなので、ホームページ制作やSEO、広告、マーケティングなどの分析が楽しくて、毎日20時間パソコンとにらめっこしていましたが、昨年1月にアチーブメントという会社の研修を受けて、自分が本当に成し遂げたいことは自分ひとりの力では成し遂げることができないと痛感し、事業規模の拡大に目を向けるようになりました。
現在は全員業務委託という形で、ホームページ制作、広告運用、口コミ対策など各部門ごとにコアパートナーを設け、歯科業界内での圧倒的ポジションを取るべく組織作りを進めています。
モデルプレス: 長年培ってきた田尾社長の気質が功を奏し、現在の事業の基盤が築かれたのですね。そして、ご自身の限界を知り、志を同じくする仲間とチームで高みを目指すという決断は、まさに経営者としての器の大きさを感じさせます。個人の強みを活かしつつ、組織としての可能性を追求する姿勢が、今後のさらなる成長に繋がるのでしょうね。
田尾社長: 仕事をする上では、「世の中にとって、真にプラスの影響を与える」ことに強くこだわっています。巷では売上を自慢する経営者も多いですが、売上だけが多くてもそこに魅力は全く感じません。本当に真の価値提供ができているのか?「売れているものが正しい」という考え方は、自分は正しくないと思っています。
「プロ野球選手以上に、多くの人に勇気を与えたり、世の中にプラスの影響を与えることができるようになろう!」という想いで起業したので、何があったとしてもそこだけは貫き通そうと思っています。
モデルプレス: プロ野球選手を目指していた幼い頃の夢から、多くの人に勇気を与える歯科医師になるという新たな目標へと昇華された田尾社長のブレない信念が、一つひとつの仕事に宿っているのだと感じます。その確固たる軸があるからこそ、困難に直面しても立ち向かえるのですね。
田尾社長: もともとオタク気質なので、新しいことを学んだり、試したり、分析したりすること自体が楽しく、頑張っているという感覚は正直全くありません。子供がゲームをやり続けているのと同じ感覚です(笑)。
ただ、これまでほぼひとりで事業を行ってきた環境から、複数のパートナーと事業を行う体制に変わったことで、「パートナーと共に成功して、一緒に喜びたい」という気持ちが非常に強くなりました。以前は「テニス」や「ゴルフ」のような個人競技をしていたものが、またチームスポーツである「野球」に戻ってきた感覚です。
また、昨年7月から「影響力の学校」という歯科関係者向けのセミナーを始めました。このセミナーでは、各々の歯科医院がどうすれば地域でもっと強い影響力を発揮できるのか?というテーマでお伝えしていますが、「もっと患者さんのために何かできないか?」と考える歯科関係者も多く、そういった人達と一緒に、日本の歯科界をより良くしていこうという活動ができること自体に、大きなやりがいを感じています。
モデルプレス: 新しい学びや分析そのものが喜びであり、仕事への情熱の源になっているのですね。そして、個人プレーからチームプレーへと変化したことで、「パートナーと共に成功する喜び」が新たな原動力になったというお話は、まさに共感を呼ぶ言葉です。業界全体の発展に貢献したいという強い使命感が、田尾社長を突き動かす最大のモチベーションになっているのだと思います。
田尾社長: 弊社事業の一つに、歯科医院の近隣世帯に定期的に「歯科に興味関心を持っていただくことに特化したチラシ」を配布することで、地域住民の歯科に対する興味や価値観を「ゼロ」から「イチ」にしよう!というコンセプトの「ゼロイチポスティング」というものがあります。
毎月約26万世帯にチラシ配布していましたが、現地調査を行うとチラシがきちんと配布されていないのではないか?という事例が散見されたため、一旦事業を中止。
ポスティングについて色々と調べていた時に、REAL VALUEで杉尾ポスティング和洋さんがポスティング業界の闇について話をされていたのを見て興味を持ち、会食の機会を設けさせていただいた際に、「田尾さんは絶対にREAL VALUE CLUBに参加した方がいいです!」と言っていただき、参加を決意しました。
モデルプレス: 既存事業で直面した課題解決のヒントを、REAL VALUEのコンテンツに見出されたのですね。そして、そこで得た出会いが、REAL VALUE CLUBへの参加へと繋がったというお話は、まさにビジネスにおける縁の大切さを物語っていると思います。新たな知見や人脈を得ることで、事業の可能性をさらに広げようとする田尾社長の探究心と行動力に、感銘を受けますね。
(※)「REAL VALUE CLUB」は、堀江貴文・溝口勇児・三崎優太の3人に認められる他、限られた人だけが入会できるもの。あらゆる領域のトップ経営者が集い、本質的な学びを得られる経営者コミュニティ。
田尾社長: 私は、人生で大きなショックを受けたことが2回あります。1回目は、父からプロで飯を食うのは無理だと言われた時。もう1回は、長男が2歳の時に難病宣告を受けた時です。
宣告を受けた時は人生で初めて、目の前が真っ暗になるという経験をしました。本当に真っ暗になることがあるんだな…と。ただ、その5秒後には、「落ち込んでもどうにもならないし、できることをやるしかない。幸い医療の知識もあるし、ある程度やりたいことはできるので、うちに生まれてきてラッキーだったね」と気持ちを切り替えて、それ以降マイナスの感情を感じたことは一切ありません。
2023年には、口コミ削除業者から3,500万円の訴訟を受けました。まず負けることはない内容でしたが、勝っても弁護士費用等で弊社に数百万円の損失が出るという理不尽なものでした。そこで、訴訟の進捗をSNSやYouTubeで発信し、判決の30日前から「30日後に判決が出るハイシャ」という漫画を毎日配信。完全勝訴の翌日に「3,500万円大還元キャンペーン」を実施し、1億5,000万円の受注を獲得しました。
生きていれば様々なことがあり、中にはどうにもならないこともあります。ただ、物事は捉え方次第でプラスにもマイナスにもなるもの。冷静にいま自分にできることにだけ目を向けて、やるべきことに集中することが、人生を好転させる秘訣だと思います。
モデルプレス:人生を揺るがすような大きな困難に直面しても気持ちを切り替え、前向きな行動へと転換できる田尾社長の精神力には、本当に心を打たれますね。巨額訴訟という理不尽な状況すらも、インターネット上でコンテンツとして発信することで、最終的には大きな受注に繋げてしまうその発想力と実行力は、まさに圧巻です。物事の「捉え方」次第で人生は好転するというメッセージに勇気づけられる読者も多いのではないでしょうか。
田尾社長: 夢を追いかける上で一番大切なことは、「決してブレない信念を持ち続けること」だと思っています。
数年前、本当に会社が厳しかった時に、某大手から魅力的なオファーがありました。そのオファーを受ければ、経営の問題は全くなくなるという状況。ただその大手は、医療として自分だったら絶対に受けないようなものを提供しており、そのオファーを受けることは医療人としての自分の魂を売るということ。当然、即座にお断りをしました。
3,500万円の訴訟もある意味、自分の信念を貫き通したことが発端となったものであり、信念を貫くことは時にリスクや損失を招きます。しかしそこで信念を曲げて、目先のリスクや損失を回避できたとしても、それ以上に大きなものを失うことになります。
信念を貫くことで招かれるリスクや損失は「自分らしくあるための必要経費」と割り切って、自分を裏切らないこと。自分を裏切らないという土台があって初めて、周囲の人達のことも心から大切にできるようになるものだと思います。
モデルプレス: 会社が厳しい状況下でも、自身の信念を曲げずに魅力的なオファーを断られたというエピソードは、田尾社長の揺るぎない覚悟と倫理観の高さを示すものですね。ご自身の「魂」を大切にするその姿勢は、まさに夢を叶える上で最も重要な要素だと感じます。自分を裏切らないことが、結果として周囲の人々への真の貢献にも繋がるというメッセージは、多くの人の心に響くことと思います。
田尾社長: 弊社は全員業務委託です。契約上の縛りもほぼなく、お互いやめようと思えばいつでもやめることができます。最近は退職代行「モームリ」なども話題ですが、弊社にはそもそも退職という概念自体ありません。
事業とは「船」だと考えています。それぞれが違う船に乗り、違う目的地を目指しています。その中で、近い目的地を持つもの同士が協力して、お互いをサポートし、より早く、遠くの目的地に到着すること。そういった関係性を築くことだけを考えています。
また、プロの世界で生きてきた父を幼少期から見てきたこともあり、「結果を出すこと」には強いこだわりがあります。プロは結果を出してナンボ。業務委託契約の形にすることで、結果を出せなければ報酬は減り、結果を出せば報酬は青天井で増える。それがフェアだと思っています。
私が目指す目的地は、「日本の歯科界を世界一にして、世の中にプラスの影響を与えること」です。厳密には歯科に限らず、「世の中にプラスの影響を与える」ことができれば業種や内容は問いません。
世の理不尽や不条理という荒波を乗り越え、「世の中にプラスの影響を与える」という共通の目的地を目指して船を漕ぐことができるパートナーと共に、これからもチャレンジを続けていければと思っています。「一緒に世の中にプラスの影響を与えていきたい!」という方は、いつでも気軽にお声がけください。
ちなみに、2歳の時に難病告知された長男はその後完全寛解し、いまは弊社事業の一部を手伝ってくれています。
モデルプレス: 退職という概念がなく、お互いの目的地を共有しながら協力し合うという、非常に自律的で魅力的な働き方を提供されているのですね。結果主義の思想が、報酬体系にも明確に反映されているのは、まさにプロフェッショナルな集団を目指されているからだと思います。壮大なビジョンのもと、理不尽な荒波を共に乗り越え、世の中に大きな影響を与えたいと願う方にとって、これほど魅力的な場所はないと感じます。ぜひ、この熱い想いに共鳴し、田尾社長という船に乗って共に航海に出る方々と出会ってほしいと思います。
特に、巨額の訴訟を逆手に取り、見事に1.5億円の受注に繋げたエピソードは、いかなる逆境もチャンスに変える田尾社長の並外れた思考力と行動力を如実に示しています。また、業務委託という形態でプロフェッショナルな集団を形成し、結果にこだわる姿勢は、まさに彼が幼少期から見てきたプロの世界の哲学が凝縮されていると言えるでしょう。
「日本の歯科界を世界一に」という壮大なビジョンを掲げ、共にその夢を追いかける仲間を求める田尾社長の姿は、多くのビジネスパーソンにとって刺激的であり、同時に強い共感を覚えることと思います。このインタビューを読んだ誰もが、田尾耕太郎という経営者のファンになり、彼が率いる企業の活動に注目せずにはいられないでしょう。
3人に認められる他、限られた人だけが入会できる「REAL VALUE CLUB」は、あらゆる領域のトップ経営者が集い、本質的な学びを得られる経営者コミュニティ。堀江・溝口・三崎を筆頭に各領域のトップ経営者とリアルで繋がれる他、コンテンツ動画を月2~4回配信(アーカイブが見放題)、ファウンダー&マネジメントチーム及び事務局からビジネスアイデアの提供など、経営をアップデートするためのノウハウを提供していく。(modelpress編集部)
ファンクション・ティは、歯科HP運営やセミナー主催、オンラインサロン運営、ポスティングなど、歯科に特化した事業を幅広く手掛けている。
「オタク気質」が原点に、父の言葉が突き動かした新たな道
モデルプレス: これまでの生い立ちから起業に至るまでのきっかけを教えてください。田尾社長: 幼少期から、何かにのめり込んだら徹底的にやり続ける「オタク気質」の子供でした。1,000ピースのジグゾーパズルを買ってもらったら完成するまで徹夜で作り続けたり、「ビン集め」にハマっていた時はあらゆる飲料メーカーのビンを300種類以上集めて棚に飾ったり…。「何かに熱中している間は口出しせず、気が済むまでやらせる」という両親の教育方針もあって、その気質は今でも自分のアイデンティティとして色濃く確立されています。
父は楽天の初代監督も務めた有名なプロ野球選手ですが、小学校の頃は有名人の息子ということで知らない上級生から絡まれたり、「お前のオヤジ、昨日4タコ(4打数でヒットなし)だったな」とからかわれたりすることもよくありました。
父が有名人というのは今では良いことしかないのですが、当時は絡まれるネタになったり、自分が何かを成し遂げたとしても「父の息子」という面ばかりがクローズアップされてしまうので、損をしていると感じていました。「父ではなく、自分の実力を認められたい」という思いも強く、それが原動力になっていた部分もあります。
中高は野球部に所属し、プロ野球選手を目指していました。しかし、高3の夏の大会後、大学進学について家族で話をしていた際に父から「お前はプロで飯を食っていくのは無理だ」と言われてしまいました。父に憧れて、プロになることしか考えていなかった私にとって、この一言は本当にショックでした。
プロ野球選手にならないなら、何を目指せばいいのか…。迷っていた時に、たまたま職員室の前に「表紙がすごく立派な野球グラウンド」の入学パンフレットが置かれていました。それが、長野県の歯科大学でした。
「ここに行けば、日本初の歯科医師免許を持った野球選手を目指せる!」と思い、その日に願書を提出。無事入学し、歯科大学でも6年間野球を続けていましたが、歯科大のレベルはプロとは程遠いという実情もあり、プロへの夢は少しずつ遠ざかっていきました。
そのかわりに、「プロ野球選手以上に、多くの人に勇気やプラスの影響を与える歯科医師になる!」という新たな目標が生まれ、現在に至ります。
モデルプレス: 持ち前の気質とご両親の教育方針によって、田尾社長の揺るぎないアイデンティティが培われてきたのですね。有名人の息子としてのご苦労から「自分の実力を認められたい」という強い思いが原動力となり、そしてプロ野球選手になる夢が絶たれたことで、より社会に貢献したいという大きな目標へと転換された、ご自身の特性や経験を、常にポジティブな力へと変えていく姿勢に感銘を受けます。
20年以上の経験とデータが強み!歯科業界の最前線を走る先駆者
モデルプレス: 事業内容を教えてください。田尾社長:父が楽天の監督をしていたこともあり、当時の楽天のIT部門の方にもいろいろサポートしていただいて、2006年に歯科相談サイト「歯チャンネル」を立ち上げました。
当時の歯科関連サイトの中では圧倒的な情報量と、医療系相談サイトとしては日本初の「回答者(歯科医師)は実名&本人確認必須」という仕組み、そして多くの歯科医師からご協力をいただいたことで、2011年には月間100万人以上が訪れるサイトに成長し、2011〜2017年頃にかけて日本で最もアクセス数が多い歯科情報サイトになりました。
またサイト運営の経験を生かして、歯科医院のHP制作や広告運用にも取り組み、これまでに1,200以上の歯科HPの運用を行ってきました。歯科分野の最前線で20年以上、蓄積されたデータを持っているというのが、弊社の最大の強みです。
モデルプレス: ご縁がきっかけとなり、歯科業界に新たな風を吹き込む革新的な事業をスタートされたのですね。20年以上の経験と膨大なデータは、歯科業界に確かな価値を提供し続けている何よりの証拠だと思います。常に業界の最前線を走り、新たなスタンダードを築いてこられたことに、田尾社長の先見の明と実行力を感じますね。
“個”に限界を感じ戦い方を転換、チームで目指すさらなる高み
モデルプレス: 会社の成長の要因は何でしょう?田尾社長: もともと会社を大きくしようという気が全くなく、2023年まではほぼ一人で事業を行っていました。
根がオタクなので、ホームページ制作やSEO、広告、マーケティングなどの分析が楽しくて、毎日20時間パソコンとにらめっこしていましたが、昨年1月にアチーブメントという会社の研修を受けて、自分が本当に成し遂げたいことは自分ひとりの力では成し遂げることができないと痛感し、事業規模の拡大に目を向けるようになりました。
現在は全員業務委託という形で、ホームページ制作、広告運用、口コミ対策など各部門ごとにコアパートナーを設け、歯科業界内での圧倒的ポジションを取るべく組織作りを進めています。
モデルプレス: 長年培ってきた田尾社長の気質が功を奏し、現在の事業の基盤が築かれたのですね。そして、ご自身の限界を知り、志を同じくする仲間とチームで高みを目指すという決断は、まさに経営者としての器の大きさを感じさせます。個人の強みを活かしつつ、組織としての可能性を追求する姿勢が、今後のさらなる成長に繋がるのでしょうね。
「真にプラスの影響を与える」ことを追求する信念
モデルプレス: 仕事をする際に心がけていることを教えてください。田尾社長: 仕事をする上では、「世の中にとって、真にプラスの影響を与える」ことに強くこだわっています。巷では売上を自慢する経営者も多いですが、売上だけが多くてもそこに魅力は全く感じません。本当に真の価値提供ができているのか?「売れているものが正しい」という考え方は、自分は正しくないと思っています。
「プロ野球選手以上に、多くの人に勇気を与えたり、世の中にプラスの影響を与えることができるようになろう!」という想いで起業したので、何があったとしてもそこだけは貫き通そうと思っています。
モデルプレス: プロ野球選手を目指していた幼い頃の夢から、多くの人に勇気を与える歯科医師になるという新たな目標へと昇華された田尾社長のブレない信念が、一つひとつの仕事に宿っているのだと感じます。その確固たる軸があるからこそ、困難に直面しても立ち向かえるのですね。
学びと貢献への情熱、そして“団体戦”で成功を掴む喜び
モデルプレス:頑張るための原動力は何ですか?田尾社長: もともとオタク気質なので、新しいことを学んだり、試したり、分析したりすること自体が楽しく、頑張っているという感覚は正直全くありません。子供がゲームをやり続けているのと同じ感覚です(笑)。
ただ、これまでほぼひとりで事業を行ってきた環境から、複数のパートナーと事業を行う体制に変わったことで、「パートナーと共に成功して、一緒に喜びたい」という気持ちが非常に強くなりました。以前は「テニス」や「ゴルフ」のような個人競技をしていたものが、またチームスポーツである「野球」に戻ってきた感覚です。
また、昨年7月から「影響力の学校」という歯科関係者向けのセミナーを始めました。このセミナーでは、各々の歯科医院がどうすれば地域でもっと強い影響力を発揮できるのか?というテーマでお伝えしていますが、「もっと患者さんのために何かできないか?」と考える歯科関係者も多く、そういった人達と一緒に、日本の歯科界をより良くしていこうという活動ができること自体に、大きなやりがいを感じています。
モデルプレス: 新しい学びや分析そのものが喜びであり、仕事への情熱の源になっているのですね。そして、個人プレーからチームプレーへと変化したことで、「パートナーと共に成功する喜び」が新たな原動力になったというお話は、まさに共感を呼ぶ言葉です。業界全体の発展に貢献したいという強い使命感が、田尾社長を突き動かす最大のモチベーションになっているのだと思います。
「REAL VALUE CLUB」(※)で手に入れた、新たな出会いと課題解決のヒント
モデルプレス: 「REAL VALUE CLUB」に参加を決めた理由は何ですか?田尾社長: 弊社事業の一つに、歯科医院の近隣世帯に定期的に「歯科に興味関心を持っていただくことに特化したチラシ」を配布することで、地域住民の歯科に対する興味や価値観を「ゼロ」から「イチ」にしよう!というコンセプトの「ゼロイチポスティング」というものがあります。
毎月約26万世帯にチラシ配布していましたが、現地調査を行うとチラシがきちんと配布されていないのではないか?という事例が散見されたため、一旦事業を中止。
ポスティングについて色々と調べていた時に、REAL VALUEで杉尾ポスティング和洋さんがポスティング業界の闇について話をされていたのを見て興味を持ち、会食の機会を設けさせていただいた際に、「田尾さんは絶対にREAL VALUE CLUBに参加した方がいいです!」と言っていただき、参加を決意しました。
モデルプレス: 既存事業で直面した課題解決のヒントを、REAL VALUEのコンテンツに見出されたのですね。そして、そこで得た出会いが、REAL VALUE CLUBへの参加へと繋がったというお話は、まさにビジネスにおける縁の大切さを物語っていると思います。新たな知見や人脈を得ることで、事業の可能性をさらに広げようとする田尾社長の探究心と行動力に、感銘を受けますね。
(※)「REAL VALUE CLUB」は、堀江貴文・溝口勇児・三崎優太の3人に認められる他、限られた人だけが入会できるもの。あらゆる領域のトップ経営者が集い、本質的な学びを得られる経営者コミュニティ。
逆境を跳ね返し、1.5億円の受注を掴んだ捉え方の妙
モデルプレス: モデルプレス読者の中でもいま様々な困難に直面している方もいると思います。今までの人生で怒りや悲しみを乗り越えたエピソードを教えてください。田尾社長: 私は、人生で大きなショックを受けたことが2回あります。1回目は、父からプロで飯を食うのは無理だと言われた時。もう1回は、長男が2歳の時に難病宣告を受けた時です。
宣告を受けた時は人生で初めて、目の前が真っ暗になるという経験をしました。本当に真っ暗になることがあるんだな…と。ただ、その5秒後には、「落ち込んでもどうにもならないし、できることをやるしかない。幸い医療の知識もあるし、ある程度やりたいことはできるので、うちに生まれてきてラッキーだったね」と気持ちを切り替えて、それ以降マイナスの感情を感じたことは一切ありません。
2023年には、口コミ削除業者から3,500万円の訴訟を受けました。まず負けることはない内容でしたが、勝っても弁護士費用等で弊社に数百万円の損失が出るという理不尽なものでした。そこで、訴訟の進捗をSNSやYouTubeで発信し、判決の30日前から「30日後に判決が出るハイシャ」という漫画を毎日配信。完全勝訴の翌日に「3,500万円大還元キャンペーン」を実施し、1億5,000万円の受注を獲得しました。
生きていれば様々なことがあり、中にはどうにもならないこともあります。ただ、物事は捉え方次第でプラスにもマイナスにもなるもの。冷静にいま自分にできることにだけ目を向けて、やるべきことに集中することが、人生を好転させる秘訣だと思います。
モデルプレス:人生を揺るがすような大きな困難に直面しても気持ちを切り替え、前向きな行動へと転換できる田尾社長の精神力には、本当に心を打たれますね。巨額訴訟という理不尽な状況すらも、インターネット上でコンテンツとして発信することで、最終的には大きな受注に繋げてしまうその発想力と実行力は、まさに圧巻です。物事の「捉え方」次第で人生は好転するというメッセージに勇気づけられる読者も多いのではないでしょうか。
ファンクション・ティ・田尾氏の「夢を叶える秘訣」
モデルプレス: モデルプレス読者の中でもいま様々な夢を追いかけている方もいると思います。夢を叶える秘訣を教えてください。田尾社長: 夢を追いかける上で一番大切なことは、「決してブレない信念を持ち続けること」だと思っています。
数年前、本当に会社が厳しかった時に、某大手から魅力的なオファーがありました。そのオファーを受ければ、経営の問題は全くなくなるという状況。ただその大手は、医療として自分だったら絶対に受けないようなものを提供しており、そのオファーを受けることは医療人としての自分の魂を売るということ。当然、即座にお断りをしました。
3,500万円の訴訟もある意味、自分の信念を貫き通したことが発端となったものであり、信念を貫くことは時にリスクや損失を招きます。しかしそこで信念を曲げて、目先のリスクや損失を回避できたとしても、それ以上に大きなものを失うことになります。
信念を貫くことで招かれるリスクや損失は「自分らしくあるための必要経費」と割り切って、自分を裏切らないこと。自分を裏切らないという土台があって初めて、周囲の人達のことも心から大切にできるようになるものだと思います。
モデルプレス: 会社が厳しい状況下でも、自身の信念を曲げずに魅力的なオファーを断られたというエピソードは、田尾社長の揺るぎない覚悟と倫理観の高さを示すものですね。ご自身の「魂」を大切にするその姿勢は、まさに夢を叶える上で最も重要な要素だと感じます。自分を裏切らないことが、結果として周囲の人々への真の貢献にも繋がるというメッセージは、多くの人の心に響くことと思います。
世の中にプラスの影響を、熱い志を持つパートナーを求む
モデルプレス: 御社が求める人材像を教えてください。田尾社長: 弊社は全員業務委託です。契約上の縛りもほぼなく、お互いやめようと思えばいつでもやめることができます。最近は退職代行「モームリ」なども話題ですが、弊社にはそもそも退職という概念自体ありません。
事業とは「船」だと考えています。それぞれが違う船に乗り、違う目的地を目指しています。その中で、近い目的地を持つもの同士が協力して、お互いをサポートし、より早く、遠くの目的地に到着すること。そういった関係性を築くことだけを考えています。
また、プロの世界で生きてきた父を幼少期から見てきたこともあり、「結果を出すこと」には強いこだわりがあります。プロは結果を出してナンボ。業務委託契約の形にすることで、結果を出せなければ報酬は減り、結果を出せば報酬は青天井で増える。それがフェアだと思っています。
私が目指す目的地は、「日本の歯科界を世界一にして、世の中にプラスの影響を与えること」です。厳密には歯科に限らず、「世の中にプラスの影響を与える」ことができれば業種や内容は問いません。
世の理不尽や不条理という荒波を乗り越え、「世の中にプラスの影響を与える」という共通の目的地を目指して船を漕ぐことができるパートナーと共に、これからもチャレンジを続けていければと思っています。「一緒に世の中にプラスの影響を与えていきたい!」という方は、いつでも気軽にお声がけください。
ちなみに、2歳の時に難病告知された長男はその後完全寛解し、いまは弊社事業の一部を手伝ってくれています。
モデルプレス: 退職という概念がなく、お互いの目的地を共有しながら協力し合うという、非常に自律的で魅力的な働き方を提供されているのですね。結果主義の思想が、報酬体系にも明確に反映されているのは、まさにプロフェッショナルな集団を目指されているからだと思います。壮大なビジョンのもと、理不尽な荒波を共に乗り越え、世の中に大きな影響を与えたいと願う方にとって、これほど魅力的な場所はないと感じます。ぜひ、この熱い想いに共鳴し、田尾社長という船に乗って共に航海に出る方々と出会ってほしいと思います。
株式会社ファンクション・ティについて
歯科業界に特化して約20年。「日本の歯科を世界一に」を合言葉に、これまでに1200以上の歯科HPを運用。歯科関係者限定セミナー「影響力の学校」や、小規模医院向けオンラインサロン「SDC経営研究所」、医院近隣世帯に定期的に歯科への興味関心を高めるためのチラシを配布する「ゼロイチポスティング」など、歯科に特化した事業を多数行う。代表は歯科医師の田尾耕太郎氏。本社は兵庫県西宮市。まとめ
今回のインタビューを通じて、田尾社長が「オタク気質」を原動力とし、幼少期からの経験や困難を乗り越える中で培ってきた信念が、現在の事業成功に繋がっていることが深く理解できました。プロ野球選手を目指した過去、父からの言葉、そして息子の難病宣告という、人生の大きな転機を経験しながらも、常に「世の中にプラスの影響を与える」という大きな目標を掲げ、冷静に、そして情熱的に事業を推進されています。特に、巨額の訴訟を逆手に取り、見事に1.5億円の受注に繋げたエピソードは、いかなる逆境もチャンスに変える田尾社長の並外れた思考力と行動力を如実に示しています。また、業務委託という形態でプロフェッショナルな集団を形成し、結果にこだわる姿勢は、まさに彼が幼少期から見てきたプロの世界の哲学が凝縮されていると言えるでしょう。
「日本の歯科界を世界一に」という壮大なビジョンを掲げ、共にその夢を追いかける仲間を求める田尾社長の姿は、多くのビジネスパーソンにとって刺激的であり、同時に強い共感を覚えることと思います。このインタビューを読んだ誰もが、田尾耕太郎という経営者のファンになり、彼が率いる企業の活動に注目せずにはいられないでしょう。
「REAL VALUE」とは
「REAL VALUE」はビジネスの第一線で活躍し続ける堀江貴文・溝口勇児・三崎優太が認める各領域のトップ経営者だけを厳選して始動した経営エンターテイメント番組。堀江・三崎の公式YouTubeにて配信中。3人に認められる他、限られた人だけが入会できる「REAL VALUE CLUB」は、あらゆる領域のトップ経営者が集い、本質的な学びを得られる経営者コミュニティ。堀江・溝口・三崎を筆頭に各領域のトップ経営者とリアルで繋がれる他、コンテンツ動画を月2~4回配信(アーカイブが見放題)、ファウンダー&マネジメントチーム及び事務局からビジネスアイデアの提供など、経営をアップデートするためのノウハウを提供していく。(modelpress編集部)
【Not Sponsored 記事】
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