川口春奈、目黒蓮/「silent」最終話より(C)フジテレビ

「silent」最終回で回収された“3つの言葉” 想(目黒蓮)の作文から考えられる意味・伝えたかった想いとは

2022.12.23 11:12

女優の川口春奈Snow Man目黒蓮が共演するフジテレビ系木曜劇場『silent』(毎週木曜よる10時~※15分拡大)の最終話が、22日に放送された。ここでは幾度となく繰り返された“言葉”にまつわる回収をまとめる。<※ネタバレあり>

  

川口春奈&目黒蓮共演「silent」

オリジナル作品となる本作は、川口演じる主人公の青羽紬がかつて本気で愛した恋人である目黒演じる佐倉想と、音のない世界で“出会い直す”という、切なくも温かいラブストーリー。

紬との距離が近くなるほど、聴力を失ったという自身の大きな変化を強く実感する想。第10話終盤では「一緒にいるほど、好きになるほど辛くなっていく。また好きになんてならなきゃよかった」と紬に想いを伝えていた。


紬(川口春奈)&想(目黒蓮)に示した“言葉”の意味

森口瑤子、川口春奈/「silent」最終話より(C)フジテレビ
互いの気持ちがすれ違う中、紬と想は、2人が通っていた高校の教室に集まる。想は不安や迷いがありながらも「それでも一緒にいたい」と本音を伝えると、紬も同じ気持ちだと答え、「受け取るように(手話をもっと覚えて理解できるように)頑張るから伝えるのを諦めないでほしい」と想に投げかける。

続けて「わかりあえないことは絶対ある」とした上で「それでも一緒にいたい人と一緒にいるために言葉があるんだと思う」と自身の考える言葉の意味を示し「できるだけわかりあえるように沢山話そうよ」と告白。2人は再びともに前を向いて歩くことを決意する。

紬にとって“言葉”とは、大切な人と一緒にいるためのルーツであり、たくさん話して少しでもわかりあえるようになりたいと想に寄り添った想いがうかがえた。

スピッツ「魔法のコトバ」&Official髭男dism「Subtitle」の回収

川口春奈/「silent」最終話より(C)フジテレビ
再び心を通わせ合った紬と想の幸せな姿が描かれたラストシーンでは、紬から「今言いたいことある?」と聞かれ、想が笑顔を浮かべ紬の手を握りしめると、高校時代と同じように、想が耳元で囁き紬が笑みをこぼす。カメラワークがフィードアウトすると同時に、高校時代の2人が内緒話を繰り返しては笑い合うカットでエンド。想のセリフは視聴者にはわからず、秘密のままだった。

これがまさに同作で何度も重要な場面で登場した2人にとって思い出深い楽曲『魔法のコトバ』(2006年7月12日リリース)のサビの歌詞「魔法のコトバ 2人だけにはわかる」とリンク。さらに、4人組ピアノPOPバンド・Official髭男dismが務める同作の主題歌『Subtitle』の「正しさよりも優しさが欲しい そしてそれを受け取れるのは イルミネーションみたいな 不特定多数じゃなくてただ1人 君であってほしい」という歌詞にある「不特定多数じゃなくてただ1人」や「君」が紬を指すと考えられると同時に、不特定多数(=視聴者)には“秘密”という解釈ができ、「自分たちだけわかればいい」「互いを理解できればいい」という紬と想のピュアな想いが垣間見られる。

奈々(夏帆)の花言葉が伝えた“言葉”の意味

夏帆/「silent」最終話より(C)フジテレビ
奈々(夏帆)は8年越しの再会を果たした手話講師の春尾(風間俊介)に向けて通訳士になれたことを改めてお祝いするために花束を用意。花屋の店員から「お花は音がなくて、言葉があって(=花言葉)、気持ちを乗せられる」と花の意味を教えられ、思わず買ってしまったと話していた。

花言葉は、これまで紬の誕生日である4月28日の誕生花や2月16日の目黒本人の誕生花で一致し、想の名前でもある「サクラソウ」でも話題に。「サクラソウ」は「初恋」「青春の喜びと悲しみ」という意味を持っていた。

鈴鹿央士/「silent」最終話より(C)フジテレビ
そして同話で花の持つ“言葉”を考えさせられたのは、最終話放送前から予告編映像内や公式SNSで登場し注目が集まっていたかすみ草。春尾に会いに行く道中に、バス停で偶然湊斗(鈴鹿央士)と遭遇していた奈々は「お裾分け」とかすみ草を一輪湊斗に渡した後、湊斗は紬に、奈々は想にそれぞれ渡せば、紬と想が最後はお互いのかすみ草を「プレゼント交換」をするのだった。

夏帆、鈴鹿央士/「silent」最終話より(C)フジテレビ
かすみ草の花言葉は「感謝」「幸福」「無垢の愛」「無邪気」「親切」などが代表的で、白いかすみ草の花言葉は「清らかな心」。お別れの際に使われることもあることから、視聴者からは湊斗から紬へ、奈々から想へは感謝や別れを指していたのではないか、という考察も上がっていた。

想(目黒蓮)が読む作文から考える“言葉”の本質

川口春奈/「silent」最終話より(C)フジテレビ
そして、これらの“言葉”の本質を表したのが想が高校時代に朝礼で読んだ「言葉」の作文だと考えられる。紬と想が仲直りした後、2人は体育館を訪れ、当時と同じように想が壇上に立ち作文を手話で読み上げる。「言葉は何のためにあるのか。なぜ生まれ、存在し続けるのか」という印象的なフレーズから始まると、幼少期に言葉が少なかった想に両親や兄弟は想と話すため、わかりあうために「とにかく言葉を投げ続けた」という。そして「伝えたい相手によって思いによって言葉はどんな形でも変わってくれる」と話した。

篠原涼子、川口春奈/「silent」最終話より(C)フジテレビ
この“言葉”の移り変わりこそが、大切な人への想いから成る花言葉や音楽、2人だけの秘密の耳打ちなど同話で回収された言葉の意味であり、音を介さずとも通じるという新たな言葉のパターンが提示された。聴者と難聴者、ろう者…と人それぞれの個性や環境は違うが、それでも大切な人のために言葉を伝える大切さが描かれた。(modelpress編集部)

情報:フジテレビ
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