役所広司(提供写真)

役所広司、Netflixシリーズ初出演で主演 3.11で起きた原発事故の実話描く<THE DAYS>

2022.09.15 06:00

俳優の役所広司が、2023年に全世界同時配信されるNetflixオリジナルドラマ「THE DAYS」(全8話)で主演を務めることが決定。役所は、Netflixシリーズ初出演となる。

  

役所広司、Netflixシリーズ初主演決定

本作は、2011年に起きた福島第一原発事故を事実に忠実に、圧巻の臨場感でリアルに描く。入念なリサーチに基づき、三つの異なる視点から事故を克明にとらえた重層的なドラマとなっている。あの日、あの場所で、本当は何が起こっていたのかを、政府、会社組織、そして現場で命を懸ける者たち、それぞれの視点から描き真実に迫る、緊迫の七日間を描く実話である。

企画・プロデュースは、『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』シリーズなどヒット作を手掛ける一方、『はだしのゲン』といった骨太な社会派ドラマを世に送り出してきた増本淳。『コード・ブルー』シリーズの監督として増本と長年タッグを組んできた西浦正記と、『リング』シリーズの中田秀夫がダブル監督を務める。

本作がNetflixシリーズ初出演となる主演の役所は、最前線で指揮をとった福島第一原発所長の吉田昌郎をモデルとした人物を演じ、物語に深みと説得力をもたらしている。撮影は、ワーナー・ブラザース映画製作のもと、2021年6月から10月にかけて行われた。

役所広司「THE DAYS」出演への思い

役所は、「最初は題材が題材なだけに『これをエンターテインメントにしていいのか?』という気持ちがありましたが、プロデューサーの話をお聞きして意義を感じ、出演を決めました」と出演を決めた心境を明かし、「私が演じた役は、チェルノブイリでさえ経験しなかった全電源喪失といった極限状況下でも信念を持って指揮をとるリーダーですが、英雄として描かれるわけではありません。原子炉が落ち着いた後も続く、事故に対する彼の終わりなき問い、そこにこそ本作の意義があるのだと思います」と演じる役への思いを語っている。

また、増本は「勇気ある者たちが日本の危機に立ち向かったという美談、英雄譚にはしたくありませんでした。原案のタイトルにもあるとおり、4機の原子炉が同時に暴走するという、まさに死の淵に立たざるを得なかった人々が味わった恐怖と不条理をできうる限り事実に忠実に伝えることをテーマとしました」と話し、西浦は「映像化には苦労しました。3.11のニュース映像は世界中が目にしている。現実の映像が持つ迫力にどれだけ迫れるかは大きな挑戦でした。とは言え、空撮を多用したハリウッドのディザスター映画のようにはしたくなかった」と本作への思いを吐露。

そして中田は、「目に見えない放射線への不安や恐怖感をどう描くか。それが演出上、最重要な点でした」と本作でこだわった点を明かした。(modelpress編集部)

役所広司コメント

最初は題材が題材なだけに「これをエンターテインメントにしていいのか?」という気持ちがありましたが、プロデューサーの話をお聞きして意義を感じ、出演を決めました。私が演じた役は、チェルノブイリでさえ経験しなかった全電源喪失といった極限状況下でも信念を持って指揮をとるリーダーですが、英雄として描かれるわけではありません。原子炉が落ち着いた後も続く、事故に対する彼の終わりなき問い、そこにこそ本作の意義があるのだと思います。

増本淳プロデューサーコメント

勇気ある者たちが日本の危機に立ち向かったという美談、英雄譚にはしたくありませんでした。原案のタイトルにもあるとおり、4機の原子炉が同時に暴走するという、まさに死の淵に立たざるを得なかった人々が味わった恐怖と不条理をできうる限り事実に忠実に伝えることをテーマとしました。そして、十年以上が経過した今もなお終わりの見えないこの事故の存在を世界の人々に忘れずにいてもらいたいという願いから制作に至りました。

西浦正記監督コメント

映像化には苦労しました。3.11のニュース映像は世界中が目にしている。現実の映像が持つ迫力にどれだけ迫れるかは大きな挑戦でした。とは言え、空撮を多用したハリウッドのディザスター映画のようにはしたくなかった。地を這う者の目線にこだわり、被災した人々の恐怖を少しでも自分のものとして感じてもらえるようにしました。また、役所さんをはじめ、普通の人として演出することも挑戦でした。

中田秀夫監督コメント

目に見えない放射線への不安や恐怖感をどう描くか。それが演出上、最重要な点でした。吉田所長以下、現場の方々が知恵と体力を振り絞り、その恐怖に立ち向かって行く。それでも容赦無く放射線量は増大していく。彼らが経験した極限状態の緊迫感を身近に感じてもらうため、我々も事前に実際の建屋内に入り、セットに反映しました。尋常ではない不安や恐怖を抱えつつ「これは仕事だ」と職務を続けた彼らの内面に肉迫したいと常に考えていました。
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