米ディズニー、18歳で反対を押し切ってLAへ…日本人女性スタッフが掴んだ夢<米アニメーション・スタジオ取材Vol.7>
2016.05.02 12:00
『アナと雪の女王』『ベイマックス』のディズニーが贈る、ユニークな動物たちの“楽園”を舞台にしたファンタジー・アドベンチャー『ズートピア』が4月23日に日本にて公開される。同作は、ディズニーのイマジネーションによって新たに誕生した、動物たちが人間のようにハイテクな文明社会で暮らす世界“ズートピア”で繰り広げられる物語。モデルプレスでは今回、『ズートピア』の制作が行われた米カリフォルニア「ウォルト・ディズニー・アニメーションスタジオ」で取材を行い、次々と名作が生まれるその秘密に迫った。
大人にこそ響く奇跡のストーリー
もふもふボディの愛らしいビジュアルで早くも注目を集めるディズニー新ヒロインは、ウサギのジュディ・ホップス。「人参をつくることがウサギの“人生”」とされる中、立派な警察官になって世界を良くすることを夢見て田舎町を飛び出し、大都会「ズートピア」で奮闘する彼女がこの物語の主人公。夢を信じるジュディが起こす奇跡は、大人にこそ響く感動のストーリー。Vol.7では、ディズニーで働く日本人スタッフの一人、斉藤千佳氏のインタビューをお届け。
18歳で反対を押し切ってLAへ
彼女が所属するのは、モデラー部署。「主にセットを作る仕事をしていました。キャラクターの住んでいる世界とか街とかお家とか…今回は6つの世界があるので、特に大変でした」。言葉とは裏腹に、とても楽しそうに笑う。18歳の頃、「私ディズニーで働く!アメリカに行く!」と決意。地元・宮崎から親や周りの反対を押し切って、夢のため飛び出した。「ジュディと自分が重なる部分がすごくあります。ずっとディズニーで働くことが夢で、アメリカに行きました。親からは『撃たれたらどうするの!?防弾チョッキ買った方いいんじゃない?』って言われましたし(笑)、心配もありましたけど、ワクワクも大きくて。ジュディの頑張る姿とかホームシックになってる姿に気持ちが入っていきました」と共感しながら、「仕事は大変でしたけど、関わることができてすごく幸せだったなと思います」と振り返った。
「気持ちを強く持つこと」が夢を叶える秘訣
そして、「夢を叶える秘訣」は「気持ちを強く持つこと」。「大変なことの方が多いと思うんですよね。それでも、やり遂げたいっていう強い想いがあれば、絶対に突破できると思います。不安とか、自信のなさとか、誰でもあるんですよ。私も最初は周りから大反対されたし、英語も喋れなかったけど、小さな頃からディズニーが好きで支えられて、夢や希望をいっぱいもらったので、自分の夢から目をそらすことはできなかった。日本人だけじゃなくて、ディズニーで働きたいって人はたくさんいるけど、その人たちの3倍、4倍努力すれば叶うかもっていうチャンスにかけていました。絶対できるっていう強い思いが支えてくれると思います」。
斉藤氏がディズニーで一番好きな作品は、『ピノキオ』。その中に登場する「良心に従って進みなさい」という言葉を大切にしてきたという。「今行かなきゃって思ったんですよね」――夢にまっすぐな彼女は、運命の瞬間を逃さなかった。(modelpress編集部)
ディズニー最新作『ズートピア』
製作総指揮:ジョン・ラセター
製作:クラーク・スペンサー
監督:バイロン・ハワード『塔の上のラプンツェル』/リッチ・ムーア『シュガー・ラッシュ』
<あらすじ>
動物が人間のように暮らす大都会、ズートピア。誰もが夢を叶えられる人間も顔負けの超ハイテク文明社会に、史上最大の危機が訪れていた。立ち上がったのは、立派な警察官になることを夢見るウサギのジュディ。夢を忘れたサギ師のニックを相棒に、彼女は奇跡を起こすことができるのか…?
<キャラクター説明>
ジュディ・ホップス
ウサギ初の新米警官。憧れのズートピアで「立派な警察官になる」夢に向かって奮闘中。もふもふのボディと豊かな感情表現ができる大きな耳が特長。正義感が強く、行動的で頑張り屋。ひょんなことからキツネの詐欺師のニックと共に、楽園ズートピアの秘密に挑んでいくことに。ニック・ワイルド
“キツネらしい”人生を生きる“夢を忘れた”詐欺師のキツネ。ズートピアを知りつくし、幅広い情報網を持つ。現実を知る皮肉屋だが、陽気な魅力があってどこか憎めない。ひょうひょうとした態度の裏には優しさが隠れている。過去のある出来事によって傷ついているが、その繊細な心は誰にも見せない。自分にはないものを持つジュディと運命を共にするうちに、何かが変わっていく。クロウハウザー
ズートピア警察署の受付担当のチーター。ドーナツが大好物でチーターとは思えないほど太っている。ジュディにも気さくに話しかけてくる気のいい、のんびり屋。ボゴ/ズートピア警察署長
厳しく、頑固で、眼光鋭いタフなスイギュウ。警察の仕事に誇りを持ち、事件の捜査は、カバやゾウなどのタフな動物にしかこなせない任務だと信じている。ウサギである上に新米警官のジュディには最初から期待しておらず、捜査に参加したがる彼女を持て余す。レオドア・ライオンハート市長
「楽園であること」の維持を第一に考えるズートピア市長。堂々たるライオン。「誰でも何にでもなれる」というズートピアのスローガンを作ったのも彼。ベルウェザー副市長
ズートピア副市長を務めるヒツジ。ジュディを小さな動物の誇りと考え、何かと気づかう。ライオンハート市長にいつも忙しく使われている。フラッシュ
免許センター職員のナマケモノ。パソコン入力から話し方、笑い方まで、驚異的な超スロー・ペースを崩さない。
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