『ティンカー・ベルとネバーランドの海賊船』を手がけた日本人スタッフの(左から)野谷りつこさん、妹尾百合子さん

【米ディズニー/アニメーション制作スタジオ潜入取材<番外編>】「ティンカー・ベル」シリーズ最新作を生んだ日本人女性 ディズニーで夢を追うライフキャリアプラン

2014.08.01 21:49

【米ディズニー/アニメーション制作スタジオ潜入取材<番外編>】『アナと雪の女王』で世界的ムーブメントを巻き起こすディズニー。モデルプレスは米ハリウッドの「ディズニートゥーン・スタジオ」で働くスタッフ達を取材し、次々と“夢”が生み出されるクリエイティブな現場に迫った。

  
ロサンゼルスの中心地から車を走らせること約30分、カリフォルニア州グレンデールに位置するディズニートゥーン・スタジオでは、『プレーンズ』、『カーズ』シリーズを含む数々の感動作を贈り続けるジョン・ラセター氏の製作総指揮のもと、最新作『プレーンズ2/ファイアー&レスキュー』(公開中)が生み出された。一方で『ティンカー・ベル』シリーズも同スタジオの代表作として知られ、これまで5作品が製作されている。

米ハリウッド「ディズニートゥーン・スタジオ」
スタジオ内には「プレーンズ2/ファイアー&レスキュー」の世界が広がる
モデルプレスの潜入レポートでは全5回にわたって『プレーンズ2/ファイアー&レスキュー』の製作現場に迫ったが、今回の番外編では、同スタジオで働く日本人女性スタッフの貴重なインタビューをお届け。スタジオでの仕事内容はもちろん、結婚・出産といった女性のライフ・キャリア・プランにまつわるリアルな声を聞いた。

『ティンカー・ベル』シリーズ最新作を手がけた2人

インタビューに応じてくれたのは、『ティンカー・ベル』シリーズ最新作『ティンカー・ベルとネバーランドの海賊船』(ブルーレイ+DVD発売中)を手がけた妹尾百合子さんと野谷りつこさんの2人。妹尾さんはアニメーション・スーパーバイザーとしてディレクターやアニメーターと共にアニメーション製作全般を監督、野谷さんはキャラクター・デザイナーとしてキャラクターたちの設定やデザインを手がけた。

『ティンカー・ベルとネバーランドの海賊船』(C)2014Disney
剣で戦うシーンには剣道の知識が活かされたという(C)2014Disney
「今回の作品に関しては剣を使って戦うシーンが多く、製作段階では実写映画をよく見ました。『パイレーツ・オブ・カリビアン』のキーラ・ナイトレイの動きを参考にしたり、リアリティを追求していくんです」(野谷さん)

「私達が実際に動いてみて、それを撮影したものをアニメーターに送ることも多かったですね。私達は2人とも剣道をやっていたので、そういった経験をもとに『剣の持ち方がおかしい』『腰の入り方が違う』とディスカッションをしていました」(妹尾さん)

証券会社OLからの転身…異色の経歴

同スタジオ内で数少ない日本人女性。「素晴らしい才能を持った仲間と共に働いて、毎日学ぶことがたくさんあります」と語る妹尾さんは、大阪府出身。ディズニーで19年のキャリアを誇る彼女は、なんと証券会社のOLからアニメーションの世界に飛び込んだという異色の経歴の持ち主だ。

「昔からコンピュータ・グラフィックスに興味があり、学生時代もコンピュータ・サイエンスの勉強をしていましたが、卒業した時にはその経験を活かせる仕事がなかったので、東京の大手町でOLをしていました(笑)。ある日ジョン・ラセターの講演を聞いて、やはりコンピュータ・グラフィックスがやりたい!と彼の足跡を追う事を決心。カルアーツ(※ウォルト・ディズニーが発案したカリフォルニア芸術大学)の大学院に通い始めたんです」(妹尾さん)

(左から)野谷りつこさん(キャラクター・デザイナー)、妹尾百合子さん(アニメーション・スーパーバイザー)
一方の野谷さんは、愛媛県出身。9歳の時に観た「ピーター・パン」がきっかけでアニメーション業界に進む事に決め、1992年に同スタジオに入社した。

「このスタジオは、私のように海外から入ってきた人間にもすごくオープン。働いていて外国人ということを意識することがなく、むしろ忘れてしまうくらい(笑)」(野谷さん)

同じように“女性”という性別を特に意識することもなく「みんなイコール」(野谷さん)というが、アニメーション業界全体の流れとして男性が圧倒的に多い現状。イコールであるが故に苦労することも多く、特に10歳の娘がいる妹尾さんは、子育てとの両立が日々の課題だ。

「ピーク時は毎日12時間~14時間働くので、子育てとの両立は大変。夫の協力なしでは無理です。夫は大学教授なので、私が朝子供を学校まで送って、彼が夜のピックアップをして。彼がごはんを作って…(笑)といった風に、お互いに協力し合っています」(妹尾さん)

夢を叶える秘訣「運は自分で切り開く」

そんな多忙な毎日でも「少しでも長くディズニーで働きたい」(野谷さん)と楽しげに語る2人は、「短編を作ってみたい」(妹尾さん)、「日本の文化を題材にした作品に参加したい」(野谷さん)とそれぞれ夢を抱く。

最後に、そんな2人に“夢を叶える秘訣”を聞いた。

「やっぱり、諦めないということですね。たとえば私の場合愛媛出身なので、まず愛媛から東京に出ること自体勇気のいることでしたが、そこで『○○したい』という願望を諦めないこと。あまり考えすぎるとその一歩が出にくいから、先の生活よりも『自分が今一番やりたいことは何なのか』を大切にすべきだと思います」(野谷さん)

「運は自分で切り開いていかないといけませんが、運を良くするためには、まず準備をしなければならない。機会が来た時に、準備さえできていればそれを掴むことができるんです」(妹尾さん)

2人に共通するのは「人との出会い」を何よりも大切にしてきたこと。野谷さんが「私なんか、人の縁でここまで来たようなものだから」と笑うと、妹尾さんも「私も。人の縁は大事ですね」と大きく頷いていた。(モデルプレス)

『ティンカー・ベルとネバーランドの海賊船』ブルーレイ+DVDセット 発売中(C)2014Disney

『ティンカー・ベルとネバーランドの海賊船』

ブルーレイ+DVDセット 発売中
監督/ストーリー:ペギー・ホームズ
製作:ジェニファー・マギー=クック
製作総指揮:ジョン・ラセター
<ストーリー>
空飛ぶ海賊船、現る!
それはまだ、ティンカー・ベルがピーター・パンに出会うずっと前のこと。
ある日、孤独な妖精ザリーナが、とても貴重な“青い妖精の粉”と共に姿を消してしまいました。なんと彼女はネバーランドに現れた海賊と手を組み、盗んだ粉でピクシー・ホロウだけでなく人間の世界も危機にさらす“あること”を企んでいたのです。そこで立ち上がったティンクと仲間たち!!
しかし、すでにザリーナは独自にブレンドした妖精の粉を使い、ティンクたちの能力を操ろうとします。
果たしてティンクたちは“青い妖精の粉”を取り戻すことができるのでしょうか…!?
【Not Sponsored 記事】

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