山田裕貴、松本まりかと5度目の共演に感慨 舞台挨拶で“エゴサ”宣言も<夜、鳥たちが啼く>
2022.11.17 21:51
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俳優の山田裕貴と女優の松本まりかが17日、都内で行われた映画「夜、鳥たちが啼く」(12月9日公開)の完成披露舞台挨拶に、メガホンをとった城定秀夫監督とともに登壇した。
山田裕貴&松本まりかが舞台挨拶に登場
『そこのみにて光輝く』『オーバー・フェンス』などで知られる作家・佐藤泰志が、函館ではなく関東近郊を舞台に描いた短編小説『夜、鳥たちが啼く』(所収「大きなハードルと小さなハードル」河出文庫刊)が映画化した本作。人生を諦めかけた小説家と、愛を諦めかけたシングルマザーの奇妙な共同生活は、やがてお互いの渇きを潤すように強く求めあい、次第に傷ついた心はゆっくりと癒えていく。他者との深い関わりを避けて生きようとしながら、一方で1人では生きていけない。人生を灯す一筋の光を見つけようともがくそんな生身の人間の姿を、静謐かつ鮮烈な熱演でスクリーンに焼き付けている。ほんの少しだけ前を向いて小さな一歩を踏み出す。そんな、ささやかだけれど輝かしい一瞬を描く作品となっている。
ステージに登壇し、冒頭の挨拶を求められると、内に秘めた破壊衝動と葛藤する売れない小説家の主人公・慎一を演じる山田は「(入り口の扉を)開けた瞬間に“こんなに広いところなの?”って思わずびっくりしてしまったんですけど、自分の出ている作品で、主演だからというのは関係なく1番感想が気になる作品です」と吐露し、「今日、これだけの人に見ていただけるのはものすごく嬉しいですし、見終わったあとの感想はめちゃくちゃエゴサしてると思いますので、思ったことをみなさんの言葉で何かに書いていただけたらなと思います」とお願いした。
山田裕貴、松本まりかと5度目の共演
改めて、本作への出演オファーを受けた際の心境を尋ねられると、山田は「この映画の最初のコメントで出させてもらったんですけど、『こんな映画がやりたかったんだ』ってわかりやすくキャッチーに伝えたんですけど、真意というものがあって、僕は人が生きている中で抱える小さな心の動きとか、生きづらさを感じている人が、どうやったらうまく生きられるだろうかということを考えることがすごく好きなので、そういうリアルな温度、リアルな時間、お芝居をしないというか、本当にその場に存在しているのではないかという時間を城定監督が切り取ってくれて、そういう間とかまんまの時間をお芝居として届けることが好きで、長回しで撮られるんですけど、僕はそういう撮り方だったりお芝居の仕方がすごく好きなので、だからこそ、こういう作品がやりたかったと思いました」と熱い胸の内を吐露。続けて「まりかさんとは5作品くらい共演させてもらっているからこそ、できる空気感だったのではないかと。初めましての女優さんでは僕はマジでできなかったと思うので、恵まれた作品になったなと思います」と声を弾ませた。
同じ質問に、松本は「こういう作品からお声がけいただけるようになったんだと非常に感慨深かったです」としみじみと語り、「15歳でデビューして22年くらいですが、こういう作品に憧れていたんです。でも映画はもちろん、映像作品に出る機会がなくて、私はスクリーンに入れない人なんだって心のどこかで思っていたんです。でもものすごい強い憧れがあって、人間のいろんなものが出てしまうような作品に出られるような女優になりたいと密かに思い続けていました」と打ち明けた。
山田と共演した『ホリデイラブ』でブレイクした松本だが、キャッチーな役やドラマ出演が多かったそうで「映画はないなあって思っていたら、ポンとこの作品のお話があって、そのときは目の前のことをがむしゃらにやってきたら、気づいたら20年前に憧れていて行きたかった世界に来られたんだという思いがあったので嬉しかったですし、城定さんの作品ができるのはラッキーだなと思っています」と語った。
山田裕貴、松本まりかにツッコミ「めちゃくちゃ喋るやん」
また、共演を重ねたからこそできたことはあったか尋ねられると、松本は「相手役が山田くんって聞いたときに、これは面白くなるなと思いましたし、まず山田くんのこういった作品を知らないし、みなさんも初めてだと思いますし、山田裕貴さんというのは人間力が凄まじいんです。人間なんですよ!生命体!この生命体から何が出てくるんだろうみたいな面白さにワクワクしました」と目を輝かせ、「実際、現場でも生命体なんです!山田裕貴という生命体と、ほかにもう1人(息子役の)優理斗という生命体がいるんです。その2人見ているだけで……すごい喋ってますね、私」とふと我に返った。山田から「裏で『喋れなかったら助けてね』って言われたんですけど、めちゃくちゃ喋るやんっていま思っています」と突っ込まれつつ、松本は「とにかくこの2人にいろんなことを教えてもらいました」と感謝した。
山田裕貴、締めのコメントで熱弁
最後に、締めのコメントを求められた山田は「いま座られているお客さんの数だけ人生があって、この地球には人がいるだけその人の人生があって、それを僕らは同じ学校に行ったりして育ったりして、常識ってこういうものだって(考えを)だんだんと狭められているような生き方をしていると思うんですね」と前置き。そして「みなさん一人ひとりが今が幸せだと思えていることが1番大事なことで、人の目を気にしたりして、SNS社会になっていろんなことを“あれは悪だ”、“これは正義だ”となっているこの世の中だからこそ、自分が周りの目を気にせず、これが幸せなんだと思って生きていくほうが大事で、そこに多様性があってよくて、いろんな人がいてよくて、いろんな生き方をしてよくて、みんながそれを支え合えるというか、いいねって言えるような世の中になればいいなとここに込めているんですけど、そんな壮大な話ではないんですが、そういう生きづらい人たちが一歩踏み出す作品なので、そういったところを見ていただければいいなと思います」と熱弁した。(modelpress編集部)
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