間宮祥太朗、監督から“美しさ”絶賛される「違う次元に行ってしまった」<破戒>
2022.06.13 20:41
views
俳優の間宮祥太朗が13日、都内で行われた映画「破戒」(7月8日公開)の完成披露舞台挨拶に、共演の石井杏奈、矢本悠馬、メガホンをとった前田和男監督とともに登壇。主演としての想いを語り、監督からも絶賛される場面があった。
間宮祥太朗、主演作「破戒」に手応え「1番シンプルな感想を抱けた作品」
1948年に木下恵介監督、1962年に市川崑監督と名だたる巨匠が映画化してきた島崎藤村の名作「破戒」を60年ぶりに映画化した本作。まだ身分制度の影が残る明治後期を舞台に、被差別部落出身ということを隠して地元を離れ、ある小学校の教員として奉職した瀬川丑松(間宮)が、自らの出自に苦悩しつつも最後にはある決断をする姿を描く。夏らしい涼やかな浴衣姿で登壇した間宮は「極力、丑松に近い格好で出て行って、そのまま映画に入っていただけたらなと思いました」と挨拶。本作のオファーが来た際の心境を尋ねられると「初めは100年以上前の原作で、映画化も過去2度していて、60年ぶりの映画化を今するのはどういう意味があるんだろうと疑問に思いまして、話をいただいてから原作を読んで、準備段階の脚本を読んで、今の世の中のことに思いを巡らせて、今、映画館で『破戒』を上映させる意味が自分の中でも納得がいったので、ぜひ参加したいと思いました」と胸中を吐露。
自分の演技に影響しないように過去2作は撮影後に見たそうで、完成した本作を見た感想を求められた間宮は「14年、15年くらいこの仕事をしてきて、1番シンプルな感想をスッと心の中に抱けた作品だったんです。観終わった後に、素直に“いい映画だな”って思えたことが、自分にとって幸せでした」と感慨深げに語った。
矢本悠馬と親友役「最高の状態の仕上がり」
また、プライベートでも親交が深い矢本と、本作でも親友役となったが、間宮は「何度目だよって話なんですけど(笑)、観てもらえたらわかると思うんですけど、今回はただ仲がいいってことではなくて、丑松にとって(矢本演じる)銀之助がいてくれる大きさがわかると思うし、それを『キャスティング矢本悠馬』って聞いたときに“これは間違いないな”と思いましたね」と吐露。矢本も「間違いなかったと思いますね!」と胸を張り、「今回5、6回目くらいの共演で、今回も1番親交の深い役で、特にこの作品は僕らのプライベートの親交のよさがいい方向に影響が出たと思っていて、ゼロから現場に入って親友度を上げていくという工程なしに、最初から友だちだったので、祥太朗が丑松を現場で演じてくれているだけで、僕は何もせずに銀之助になれましたし、役作りの工程にまったくストレスがなく作品に挑めて、芝居にだけ集中できたので、丑松と銀之助のシーンは僕らの今までやってきた芝居の中でも最高の状態の仕上がりになっているなって思います」と熱いコメント。これに間宮は「ハードルあげるじゃん!」と突っ込んで笑いを誘った。
監督が間宮祥太朗の美しさ絶賛「違う次元に行ってしまった」
さらに、間宮について前田監督は「キーワードは1つだけですね。美しい。違う次元に行ってしまったって感じですね。どっちがいいとか悪いとかではないですが、多分、過去2作の市川雷蔵さんや池部良さんとまったく違う次元に行っていて、丑松が追い詰められれば追い詰められるほど、不安が増せば増すほど美しさが増してきて、アドレナリンが美しさに転化していきました」と絶賛した。そして、本作に関わったことでどんな思いが生まれたのか尋ねられた間宮は「あまりここで語りすぎると映画の熱というか、映画が持っている強度に関わってきちゃうと思うので、あまり本質的なことは喋りたくないなというのが正直あるんですけど」と前置きをしつつ、「自分がこの作品に関わることで、今、令和になってこの作品が映画化されて、その主人公を任せていただくことを、改めて仕事をお受けしたとき、そして撮影し今インタビューとかで話していて痛感するのが、差別というものの手触りが自分が学生の頃に教科書や授業で習っていたときよりも感触がわかり始めていて、皆さんのすごく身近なところにあるというのが実感として心のどこかにあるはずなんですよ。そのタイミングでこの映画を映画化して上映する意味を、今(舞台に)立ちながら感じています」と熱い思いを語った。(modelpress編集部)
【Not Sponsored 記事】