アニメーション映画「鹿の王 ユナと約束の旅」完成披露試写会に登壇した竹内涼真 (C)モデルプレス

竹内涼真、芸能界入りの背中を押してくれた存在明かす<鹿の王 ユナと約束の旅>

2022.01.17 20:34

俳優の竹内涼真が17日、都内で行われたアニメーション映画「鹿の王 ユナと約束の旅」(2月4日公開)の完成披露試写会に、俳優の堤真一、女優の杏、メガホンをとった安藤雅司監督とともに登壇した。

  

竹内涼真、声優挑戦の苦労明かす

2015年度本屋大賞と日本医療小説大賞をW受賞し、シリーズ累計250万部を突破するなど、絶大な人気を誇る上橋菜穂子氏のベストセラー巨編「鹿の王」。その圧倒的スケールの物語から長らく映像化は不可能と言われてきた原作に、「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」「君の名は。」の異才アニメーター・安藤雅司が監督デビュー作で挑んだ本作。壮大な世界観の中に、謎の病を巡る緻密な医療サスペンスと感動の物語が組み込まれた唯一無二の冒険大作で、物語の主人公・孤独な戦士ヴァン役を堤が、もう一人の主人公・謎の病の治療法を探す 天才医師ホッサル役を竹内が、抗体を持つ者を追う暗殺者サエ役を杏がそれぞれ演じる。

竹内涼真 (C)モデルプレス
アニメ映画の声優初挑戦となった竹内は「あんなに素敵でかっこいい役だと最初にお話を聞いたときはびっくりして、アニメーションの声をやるのは無縁だと思っていて意識していなかったので、“自分でいいのかな”という思いもありました」とオファーが来た際の心境を明かし、「いざ、自分の中で役作りをして、あの美しいビジュアルから聴きたい声はどんなんだろうとか、ホッサルの人となりとか、何を考えて生きているんだろとか、いろいろ考えて、(共演者と)同じタイミングでアフレコができなかったんですけど、相手役をしてくださった声優さんがものすごくて、求めているものを完璧に1発で出していくのがすごく悔しくて、監督に寄り添ってもらって何テイクも重ねました」と苦労を告白。納得いく演技ができず、悔しさから竹内が自らNGと申し出たこともあったそうだが「でも結果、ホッサルと共鳴できたので、すごく楽しかったですね」と満足げな表情を浮かべた。

原作のファン・杏、オファーを受け原作者に電話

杏 (C)モデルプレス
また、原作の大ファンだという杏は「上橋先生が本屋大賞を受賞されたときに1度対談させていただいて、『鹿の王』の世界についていろいろ質問させていただいたところだったので、まさか数年後にこの世界の中に入って役をいただけるということにびっくりして、私が『やります』と言う前に、“まず上橋先生に聞かないと”と思って、『私がサエで大丈夫ですか?』ってお電話させていただいて、『やっていたければ』とおっしゃっていただいて、無事にやらせていただきました」とエピソードを告白。

杏が思う「鹿の王」の魅力については「ファンタジー小説だけれども、政治とか医学とか、普段ドラマでもなかなか扱わないくらいの重たいテーマをファンタジーの中で描くことによって、私たちが普段生きている世界が浮き彫りになるような気がしていて、決して作られた世界ではない真実がたくさん詰まっていて、さらにいろんな病が蔓延するというところも、メッセージ性を持って、先ほど竹内さんも『運命』とおっしゃっていたんですけど、まさにそのような作品になったんだろうなと、どのように立ち向かっていくかをみなさんで共有できればなと思いますし、私もしていきたいと思います」と熱く語った。

竹内涼真 (C)モデルプレス
杏 (C)モデルプレス
さらに、本作の見どころを聞かれると、キャストの3人は本作に登場する鹿のピュイカを挙げ、杏は「鹿しかない!」ときっぱり。竹内は「気づいたら懐に入ってくる、安藤さんが描かれるピュイカは、瞳もすごく素敵ですし、『もののけ姫』でも出てくると思うんですけど、安藤さんが描く動物ってすごいですね」と舌を巻き、杏は「子どもたちが特に鹿が大好きでして、子ども服とかおもちゃで鹿のデザインって驚くほどたくさんあるんですよ。なのでウチは鹿だらけで、この作品も公開されたらぜひ子どもたちと観に行こうかなと思っているくらい鹿に思い入れがあって、この作品では鹿をものすごく身近に感じられるので、鹿を堪能したいと思います」と目を輝かせた。

竹内涼真、芸能界入りに向けて背中を押してくれた存在

竹内涼真 (C)モデルプレス
最後に、自身にとっての“鹿の王”(=仲間のために命をかけて戦う者)を聞かれると、竹内は「僕が28年生きた中での分岐点で、手を差し伸べてくれた方はたくさんいるんですけど、パッと思い浮かんだのは大学に通っているときの部活のスタッフさんたちで、『将来、俳優の仕事をやってみたいと思っている』ということを新学期の初めに相談したことがあって、『何言っているの?サッカーしかやってきていないんでしょ』って笑い話にすることもできたと思うんですけど、それを真剣に聞いてくれて『いいんじゃないの?応援します』って言ってくれたことが、僕が一歩踏み出すきっかけになって、オーディションを受けて実際にこの世界に入ったので、そこはすごく感謝しています」と回答し、これに杏は「そうやって迷いなく背中を押してくれるって、お互いに信頼関係があるからであって、しかもそれがずっと続いているのは素敵だなと思います」とコメント。

堤真一 (C)モデルプレス
杏、堤真一、竹内涼真 (C)モデルプレス
杏、堤真一、竹内涼真、安藤雅司監督(C)モデルプレス
同じ質問に、杏は「昔からお互いを知っている友だちとは、10代の頃からずっと話をしたりしているので、お互いの人生を共有しているみたいな気持ちになって、これからもお互い、手を差し伸べあったり、支え合ったりしていくんだろうなあって。おばあちゃんになってもみんなでワーワーしているんだろうなって気がします」としみじみと語り、「もう30年以上一緒にいるので、本当に子どもの頃からずっとですね。20代の頃はそんなに密に連絡は取り合わなかったんですけど、今は雑談をするように話せるツールができたので、みんなでSNSで集まって話しています」と笑顔で語った。(modelpress編集部)

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