舞台挨拶に登壇した北村匠海(C)モデルプレス

北村匠海、役者友達と涙を流した過去「傷の舐め合いをしていた」<明け方の若者たち>

2021.11.14 20:28

俳優の北村匠海が14日、都内で行われた映画「明け方の若者たち」(12月31日公開)のプレミア上映会舞台挨拶に、共演の井上祐貴、原作者のカツセマサヒコ氏、メガホンをとった松本花奈監督とともに登壇。役柄と重ねつつ、自身の思い出を語った。

  

北村匠海、映画の舞台が「自分の過去の思い出に寄り添っていて」

松本花奈監督、井上祐貴、北村匠海、カツセマサヒコ氏(C)モデルプレス
Twitterでの“妄想ツイート”が話題となり、10~20代から圧倒的な支持を獲得したウェブライター・カツセマサヒコの大ヒットを記録した話題の青春恋愛小説『明け方の若者たち』(幻冬舎)を映画化した本作。

主人公の“僕”を演じる北村は、会場いっぱいの観客を目にすると「こんなにたくさんの方が席パンパンに入っているという時代の流れも感じますし、今の時代を生きる僕ら世代であったり、それを懐かしむ皆さまに届けと思って、若者で作った作品が完成することを報告するこの場が嬉しく感じております」と挨拶した。

北村匠海(C)モデルプレス
原作や脚本を読んでの印象を尋ねられると「びっくりしたんですけど、カツセさんに自分の人生を覗かれたのではないかという錯覚に陥るくらい、出てくる場所や音楽が自分の過去の思い出に寄り添っていて。下北沢などいろんな場所が出てくるんですけど、実はどこも僕自身の思い出が詰まっている場所で、流れてくる音楽や、主題歌を担当してくださったマカえん(マカロニえんぴつ)の皆さんだったり、個人的にも繋がりのある人たち、そして繋がりのある若者たちがいっぱい関わってこの映画ができているなと。すごく不思議でしたね」と吐露。

「自分が当時聴いていた音楽だったり、あの時味わったなんとも言えない社会に出て絶望する感じだったり、それでもなんとか『毎日をキラキラ楽しく生きてやろう』と模索していたあの時代を思い出しました」と感慨深げに振り返った。

北村匠海「リアルに体感して感じたものを言葉に」

松本花奈監督、井上祐貴、北村匠海、カツセマサヒコ氏(C)モデルプレス
“僕”という役については、「“僕”という人間も僕にすごく近しいところもあったりして、最初に監督に『僕もうこれは芝居しないから』って(言った)ところから始まって、僕を含め今を生きる若者の皆さんに届かせるためには、芝居という枠ではなく、ある種ドキュメンタリーに近いリアリティーだったり、描かれている心情がものすごく生々しかったりするので、そこは僕がリアルに体感して感じたものを言葉にしてみようと思っていました」と語った北村。

劇中に出てくるシーンで、思い入れのある場所やお店を聞かれると「下北、高円寺、明大前、そしてバッティングセンターが大塚だったんですけど、全部思い入れがあるんですね」と告白。

「学生時代だったり、19、20、21歳とすごく悶々と生きていた頃の自分を許してくれる場所で、特に下北沢なんかは、私立の高校だったのでみんな渋谷に遊びに行くのを、僕はそこに背中を向けて下北沢に行くという、はたから見たら変なひねくれ方をしている高校生だったんですけど、サブカルチャーが全てだと思っていましたし、当時、前髪パッツンのテクノカットみたいな感じで、それは学校に対するアンチテーゼだったんですけど、(校則の)規定にはピッタリはまっているから『北村を見習え』って言われたんです。それくらい変な感じで生きていました」と回顧した。

北村匠海(C)モデルプレス
加えて、北村は「下北沢なんかは、大人になってから役者の友だちとか先輩とかと飲み明かして、次の日のことも忘れて飲んで、カラオケで歌って、店を出て『朝やん!』っていうあの絶望感というか、絶望するんですけど、なんか清々しかったりして。…というのがこの映画にも出てくるし、普段悶々としている中で飲むホッピーの美味しさみたいな、当時はお金もなかったですし、安酒というか『飲めりゃなんでもいい』みたいな、『語らえばいいでしょ』みたいな、歌で発散していましたね。それをすごく思い出しました」としみじみと語った。

北村匠海、ゲームは“重課金勢”

井上祐貴、北村匠海(C)モデルプレス
さらに、劇中で主人公の“僕”が“彼女”に恋をした5年間を『沼』と表現していることや、それをあとから考えた時、人生にかけがえのない『マジックアワー』だったと表現していることにちなみ、自身の『沼』や『マジックアワー』に関するエピソードを尋ねられると、井上はゲームへの課金が『沼』と答え、これには北村も「僕はいまだに重課金勢です」とコメント。

洋服などはいいものを長く使おうという思考になり、買い物をすることが減ってきたと説明し「(浮いた)そのお金はどこに行くかというと、Apex(エイペックス)というゲーム。ハロウィンのスキンとか、昔シーズン3で出てきた復刻のやつとか…。今はそれを使っている人は多いんですよ。これが3年後になった時に『なんだ、そのスキンは?』『いや、もう手に入らないんだよ』。このマウント。このゲームマウントです」と目を輝かせながら饒舌に喋り出し、会場の笑いを誘った。

北村匠海、役者友達と涙を流した過去

北村匠海(C)モデルプレス
改めて、自身の『沼』について聞かれた北村は「ゲームだったり、漫画や小説も、活字を追うのが好きで見るんですけど、漫画アプリなんかは7~8個入っていますね。『待てば0円』という下に(すぐ読むには)『120円』って書いてあるんですよ。それを押すんです。待てない」と打ち明け、「大人になったなって感じるのは、またゲームなんですけど、ゲームを初めて自分で買った時。(それまで)いつもはお母さんとかサンタさんとかにゲームって頼むものだったんですよ」と懐かしんだ。

そして、北村の熱い沼トークの影響でトークの時間がなくなり、MCが話を締めようとすると「私のマジックアワーはもうよろしい?一瞬ですが」と粘り、「役者友達と下北などでお酒を飲みながら傷の舐め合いをしていたんです。涙を流す時もあるし、ザッツ泣ける曲で『皆で泣こうぜ』みたいな会もあるし、歌って飲んで外に出たら朝で、食べる牛丼が美味しかった。それが僕のマジックアワーです」と話し、「現場でも朝方のシーンが出てくるんですけど、そのあとに牛丼を食べました」と笑顔を見せていた。(modelpress編集部)

井上祐貴(C)モデルプレス
カツセマサヒコ氏(C)モデルプレス
松本花奈監督(C)モデルプレス
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