多部未華子＆三代目JSB岩田剛典、偶然の出会いから“男女の関係”に＜空に住む＞

多部未華子＆岩田剛典、恋人役で自然な演技

両親の急死により、叔父夫婦の住むタワーマンションの高層階で暮らすことになった直実（多部）を描く同作。長年の相棒黒猫のハルと共に住み慣れない場所に突然連れてこられた直実は、現実を受け止めきれないまま、浮遊しているかのように毎日を過ごす。

長年の相棒・黒猫ハルとの暮らし、ワケアリ妊婦の後輩をはじめ気心のしれた仲間に囲まれた職場、それでも喪失感を抱え、浮遊するように生きる直実の前に現れたのは、同じマンションに住むスター俳優・時戸森則（岩田）だった。直実は、時戸との夢のような逢瀬に溺れながら、仕事、人生、そして愛の狭間で揺れ続ける。

同作で多部は、あまり感情を表に出すことが得意ではないキャラクター・直実を丁寧に演じ、岩田は、実態がつかめない、空気のような存在である、スター俳優・時戸役を務める。

またエレベーターで偶然出会いも、多部と岩田の演技力で不自然に感じることはなく、どこかおとぎ話のように展開。しかしこの展開も人間の隠された部分を描くことに定評のある青山真治監督の手腕によって、心の内が見えない時戸に次第に複雑な感情を抱え始めることになる。

多部未華子、大森南朋らと共演

そして、直実を取り巻く“難あり”のキャラクターたちも登場。郊外の小さな出版社に勤める直実の後輩で、岸井ゆきのが演じる妊婦の愛子は天真爛漫さの裏に複雑な問題を抱え、信頼できるのは直実のみという役どころ。

さらに美村里江が演じる直実の叔母・明日子も誰もが羨むセレブ生活を送るも虚無感は消えることはなく、直実の生活への干渉が激しい若干空気の読めないキャラクターとして描かれる。しかしその裏には誰にも言えない叶えられない望みがあった。

また、そんな一見“ドロドロした”同作の中で、見る者に優しい癒しを“イケおじ”たちを鶴見辰吾、大森南朋、永瀬正敏らが演じる。

映画は、2020年10月23日（金）全国ロードショー（配給：アスミック・エース）。（modelpress編集部）