吉岡里帆(C)2019「見えない目撃者」フィルムパートナーズ(C)MoonWatcher and N.E.W.

吉岡里帆、視力を失った元警察官に “見たことのない表情”で難役挑む<見えない目撃者>

2019.04.25 07:00

女優の吉岡里帆がサスペンス・スリラー映画『見えない目撃者』(9月20日公開)で主演を務める。

  
吉岡が演じるのは、事故で最愛の弟を亡くし、更に視力を失い、警察官への道までも絶たれた主人公・浜中なつめ。彼女はある日、車の接触事故を目撃(感じとり)し、その事故現場で車の中から聞こえた女性の声から誘拐事件と考え、聴覚、触覚、嗅覚などで感じた手がかりを駆使し、事件解決へと奔走する。悲しい過去を抱え葛藤しながらも、立ちはだかる障害や迫りくる危険と果敢に闘う難しい役どころだ。犯人に、いつどこから襲われるかわからない、緊迫感溢れるシーンが次々に展開される。吉岡にとって、今作は『ハッピーウエディング』(2016)以来の単独主演映画となる。

大ヒット韓国映画が原作

原作は、2011年に韓国で230万人動員の大ヒットとなった韓国映画『ブラインド(原題:BLIND)』。この原作を藤井清美氏と森淳一氏の手により大胆に脚色した。

監督を務める森淳一氏は、橋本愛主演『リトル・フォレスト』(2014、2015)では、そのみずみずしくも独特の世界観が注目を浴び、反面、『重力ピエロ』(2009)や、ドラマW『イアリー』(2018)等、人間の内面を抉り取るようなサスペンスも得意とする。今作もその手腕を発揮し、原作の魅力に、日本ならではのリアリティや社会性を大胆に付与しながら、「猟奇殺人」「女子高生誘拐」「身近な恐怖」など強い戦慄を覚えるシーンも、表現の限界まで挑んでいる。

今回、解禁になったティザービジュアルでは「視力を失った。そして彼女は、事件を“目撃”した。」という物語の始まりを表したコピーとともに、視力を失いながらも、迫りくる危険に果敢に立ち向かう主人公・なつめの強さを全身から感じさせ、これまでの映画やCMで、ドラマで見たことのない吉岡の表情が、強烈なインパクトを放つ仕上がりとなっている。(modelpress編集部)
                               

吉岡里帆 コメント

この“なつめ”という役は今まで演じてきた人物の中でも群を抜いて難しい役でした。巷の言葉を借りるなら、平成最後の闘い抜いた作品です!

視力を失った元エリート警察官。視界が闇に包まれている中でのアクションやサスペンス要素は想像以上にゾクっとする瞬間が多く、なつめとバディを組む盲導犬の"パル"がひとすじの光でした。この作品を撮るにあたり、警察官、視覚障害者の方、盲導犬トレーナーの方に、多大なるサポートをして頂きました。そして、現場のチームの皆様とは励まし合いながら過酷な撮影現場を共に走り抜けました。心から感謝しています。本当に魅力的な組に恵まれました。

積み重ねたカットが繋がって、皆様の心を映画の世界へ誘ってくれる事と思います。

森淳一監督 コメント

サスペンス・スリラーは、映画の様々な魅力を取り入れ凝縮できるので、作っていて楽しいです。今作はハラハラするだけでなく、登場人物の成長ストーリーやミステリー要素も存分に味わっていただける内容になっています。吉岡さんとは、クランクイン前から一緒に取材を重ねました。警察官や視覚障害者、盲導犬トレーナーの方に自ら質問し、真剣な表情でメモを取っていたのを覚えています。現場では取材をいかし、日常的な動作から顔の向きまで、注意を払って演技をしていました。なかなか思うようにいかない犬との撮影でも弱音を吐かず、犬を気遣う彼女の姿はチームに穏やかさをもたらし、スタッフの心を一つにしてくれたと感謝しています。

プロデューサー:小出真佐樹氏(ROBOT)コメント

2011年韓国の映画館で原作となる映画を見てそのスリリングな展開と、次々と苦境を切り抜ける主人公の姿に、映画への興奮を通り越し感動をしました。韓国映画特有の残酷なサスペンスの姿を借りた、主人公の人生克服の物語は、韓国ならずとも日本でも受け入れられると思いました。私の前作「22年目の告白」も同様に主人公が決してあきらめずに、その人生をかけて犯人をつきとめていく物語ですが、この映画も同様に彼女の強い想いで、大きく物語が動き出します。原作で一番大きなポイントである「主人公がタクシーに乗り、そこで犯人と接触する」という設定が、日本に置き換えられないため、そのポイントをどう脚色するかに脚本家の藤井清美さん、監督とともに一番時間をさきました。また、被害者と主人公が冒頭で接触をし、彼女を救い出すという物語にしていくことで、より緊張感とタイムサスペンスが加わったと思います。

ネタバレになるので詳しくは言及できませんが、犯人の異常性を表現するために、通常日本映画では敢えて避ける表現に、この映画では挑戦しています。ショッキングな映像も数箇所あるかと思いますが、主人公が被害者を早く助けなければという行動を補強するためには非常に意味のある表現だと思います。完成を楽しみにしてください。
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