(左から)柿原りんか、荻上直子監督、桐谷健太(C)2017「彼らが本気で編むときは、」製作委員会

生田斗真、初の女性役が海外でも絶賛 こだわり語る

2017.02.17 05:00

9日より開催中の第67回ベルリン国際映画祭のパノラマ部門、ジェネレーション部門の2部門に映画「彼らが本気で編むときは、」(2月25日公開)が選ばれ、生田斗真桐谷健太、柿原りんか、荻上直子監督が、レッドカーペットに登場した。

  

生田斗真がトランスジェンダー役に挑戦

同作は、優しさに満ちたトランスジェンダーの女性・リンコ(生田)と、彼女の心の美しさに惹かれ、すべてを受け入れる恋人のマキオ(桐谷)の前に、愛を知らない孤独な少女トモ(柿原)が現れたことから、3人が奇妙な共同生活をスタート。

「母と子」の多様な関係性をはじめとする「家族の枠組み」を大きなテーマに掲げ、3人それぞれの幸せを見つけるまでの心温まる60日を描く。

生田斗真、女性を演じるのは難しかった?

舞台挨拶の前に実施されたプレスカンファレンス(公式記者会見)では、多くの海外メディアから眩いばかりのフラッシュと質問が殺到する中、荻上監督が「この映画は、2年前に新聞に掲載されていた、『トランスジェンダーの息子に、“ニセ乳” を編んで与えたお母さん』という内容の記事を読んだことが映画作りのきっかけとなりました」と流暢な英語で挨拶。脚本に対して質問が及ぶと、生田は「脚本を読んでとても興味をひかれた。色々な要素が詰まっていて、りんかちゃんや桐谷さんに支えられて、とても楽しかった。この脚本と出会えて、とても嬉しかったです」と答えた。

また、記者から「女性を演じるのは難しかったですか?」との質問が飛ぶと、「女性を演じることは経験してこなかったことです。仕草や声の1つひとつにこだわり、女性の魂を自身に込める必要がありました。桐谷さんやりんかちゃんにとても助けられました。2人がいたから、真のリンコになれました」と回答。リンコを心の底から支えるマキオを演じた桐谷は、「リンコは自身が思っていることを表に出す女性。マキオは、リンコと出会って世界が一変したのです。彼女を愛し、彼女と一緒に居たい、という気持ちを持っている。その気持ちは僕にもよくわかります」とキャラクターを演じる上で自身を投影したことを語った。

母親に置き去りにされ、叔父であるマキオの家でリンコに出会うトモを演じた柿原は、「オーディションを受けた200人の中で1番良かった」と荻上監督が太鼓判を押す存在。「オーディションでの合格が決まったその日から、撮影が始まるのがすごく楽しみだった」と語っており、同作でも堂々たる演技を見せています。

(左から)荻上直子監督、柿原りんか、桐谷健太(C)2017「彼らが本気で編むときは、」製作委員会

生田斗真「本当に光栄です」

同日に行われたプレミア上映は、世界中から集まった観客で800席のシートは満席。上映前に行われた舞台挨拶では、まずはプログラミングディレクターから「素晴らしい作品をパノラマ部門に招待することができました」と観客に挨拶した後、荻上監督、生田、桐谷、柿原を舞台に呼び込んだ。

偶然にもこの日が誕生日の荻上監督は、「また彼女がこの映画祭に来てくれて光栄です。しかも誕生日というおめでたい日に!」とディレクターから祝福されると、「今日はご来場ありがとうございます。またこの映画祭に参加できて、私のことを受け入れてくれて、とても嬉しいです」と英語で心境を告白。続いて、生田も「皆さま、こんばんは。この作品でリンコ役を演じました、生田斗真です。67回を迎えるこの映画祭に呼んでいただいて本当に光栄です。今日は楽しんでいってください。ありがとうございます」と英語で挨拶した。

桐谷健太の挨拶に大盛り上がり

続く桐谷は、1歩前に出て、観客に投げキスを披露。会場が声援で答える中、「こんばんは、桐谷健太です。皆さんが英語で挨拶をしているので、僕は日本語で話します!」と大きな声で宣言すると、会場は大きな盛り上がり。「みなさんの前に立てて本当に嬉しいです。最高の作品となりましたので、今日は楽しんでください」とさらに盛り立てた。

最後の挨拶となった柿原りんかは、「こんばんは、柿原りんかです。12歳です。ベルリン映画祭に来れてとても嬉しいです」とドイツ語で挨拶。観客から大きな拍手が巻き起こると、柿原自身が1番驚いた表情を見せていた。

そして、舞台挨拶・上映が終わると、観客は総立ち。8分間のスタンディングオベーションが巻き起こり、4人は興奮の観客に万感の表情で感謝の礼を示しながら、会場を後にした。(modelpress編集部)
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