「『Q』:A Night At The Kabuki」(提供写真)

松たか子・広瀬すず・志尊淳らが再集結 クイーン公認舞台ワールドツアー決定<『Q』:A Night At The Kabuki>

2022.05.12 13:36

松たか子上川隆也広瀬すず志尊淳らが再集結した舞台NODA・MAP第25回公演「『Q』:A Night At The Kabuki」が、東京・大阪・ロンドン・台北の国内外4都市を巡るワールド・ツアーを行うことが決定した。


クイーン×野田秀樹で送る「Q:A Night At The Kabuki」

イギリスが誇る世界的ロックバンド、クイーン(QUEEN)が1975年に発表した傑作『オペラ座の夜』。「このアルバムが持つ演劇性をヒデキの手によって本当の“演劇”として広げられないか?」。このクイーン側のスタッフから持ち込まれたオファーが、かねてから野田秀樹の頭にあったシェイクスピアの名作『ロミオとジュリエット』の“その後の物語”という着想と結び付く。

しかも主人公は2人のロミオと2人のジュリエットに、舞台は14世紀のイタリアから12世紀の日本に、モンタギュー家とキャピュレット家の関係性は平家と源氏の争いに置き換えられて、である。この奇想天外な構想から2年の歳月とワークショップを経て編まれた本作は、2019年に初演を迎え、東京、大阪、北九州で全65ステージを上演。7万人を超える観客を魅了し、第27回読売演劇大賞・最優秀賞作品賞を受賞。

名曲「ラヴ・オブ・マイ・ライフ」、「ボヘミアン・ラプソディ」を含む『オペラ座の夜』全12曲の歌詞を野田が徹底的に読み込み戯曲を創作。物語の随所に楽曲を組み込んだ画期的な作風は、既存の音楽劇やミュージカルとは全く異なる躍動感と圧倒的な美しさ、力強さ、そして哀しみを放ち、予想だにしない結末と未体験の感動を提供したのだった。

松たか子・上川隆也・広瀬すず・志尊淳ら、奇跡の再集結

今回の再演では初演時のオリジナルキャスト全10名の再集結が実現。2組のロミジュリ(瑯壬生・ろうみお/愁里愛・じゅりえ)を演じる。

松、上川、広瀬、志尊をはじめ、橋本さとし、小松和重、伊勢佳世、羽野晶紀、野田、そして竹中直人と世代もキャリアも異なる総勢10名の豪華人気俳優陣が再び一堂に会する。本作で初舞台に挑戦した広瀬は、大役ジュリエットを透明感溢れる瑞々しい演技で、第54回紀伊國屋演劇賞・個人賞を最年少で受賞した。3年ぶりの同作で各々が見せる進化にも期待が高まる。

無論、このオリジナルキャスト10名と共に16名のアンサンブルキャストも出演。メインキャストと共に変幻自在の演技を見せる彼らの存在は、野田演出の醍醐味とも言える「生の迫力」を表現する上で欠かすことのできない重要な存在である。

世界4都市を巡るワールド・ツアー決定

今回のワールド・ツアーの企画は、初演の東京公演を来日観劇したクイーンの伝説的マネージャーのジム・ビーチが絶賛したことで、クイーンのお膝元であるロンドン公演の計画が動き始めた。本作は7月29日から東京・東京芸術劇場プレイハウスで46ステージ、10月7日から大阪・新歌舞伎座で13ステージを公演。

さらに海外公演では「A Night At The Kabuki」と題して、9月22日から9月24日にロンドン・Sadler’s Wells Theatre、10月22日から10月30日に台北・台湾國家兩廳院國家戯劇院を巡り、クイーン×野田×演劇界最強のドリームメンバーが世界4都市を席巻するワールド・ツアーが実現する。

激しく対立する源氏と平家。その戦禍、たった5日間。432,000秒の恋に身を焦がす若き瑯壬生と愁里愛。人間の愛、憎悪、友情、裏切り、予言、そして運命の翻弄、時代の悲哀…クイーンの名曲が彩る幾つものファクターが複雑に交錯し、スリリングな展開を見せる同作は果たして今回どのようなバージョンアップを遂げるのか。

クイーンのサウンドで魅了

同作を彩るのはロック史に燦然と輝く名盤『オペラ座の夜』。その楽曲からインスパイアを受けて野田が執筆した数々のシーンには、クイーンのアルバム全12曲分の原盤の音源およびライブ盤のレコーディングトラックを公式に使用。フレディ・マーキュリーのピアノソロ、ブライアン・メイのギター、ジョン・ディーコンのベース、低音でリズムを刻むロジャー・テイラーのバスドラム、ライブ盤に納められた観客の歓声、「ボヘミアン・ラプソディ」の銅鑼の音まで。

このクイーン史上初の公認は、世界の演劇シーン、ロックシーンでも類を見ない試みと言っていい。果たしてどのシーンでどんなサウンドが鳴らされるのか?演劇ファンのみならず音楽ファン、クイーンファンの感性をも刺激する楽しみも同作の大きな魅力である。(modelpress編集部)

音楽家・原摩利彦コメント

『オペラ座の夜』の魅力を余すこと無く使い尽くす。それが初演時のサウンドデザインのテーマでした。僕はまずクイーン側に宛てて手紙を書きました。

「アルバムには宝石のように魅力的な音がたくさん詰まっており、聴く度に新たな発見があります。今回、出来るだけ『オペラ座の夜』の音を使って劇中の世界を構築したいと考えます。アルバムに収録されている音を随所に散りばめることで、観客は自由に音の「読み替え(聴き替え)」をし、さらに想像力を膨らませるはずです。『A Night at the Opera』と野田さんの『A Night At The Kabuki』の世界がより深く溶け合うと信じています」。

野田さんは楽曲の歌詞を熟読して戯曲を執筆された。どのシーンでどの曲が聴こえてくるか、その組み込み方も全て野田さんが書き下ろした通りです。いずれも意外性に満ちているのに、あまりに美しく自然な流れで、僕が異を唱える箇所など一切ありませんでした。

一つの対象が独自の“見立て”によって異なる姿を表す。それはまさに野田さんの演出と相通じます。その観点に於いてもクイーンの音の“聴き立て”と野田作品の“見立て”は非常に相性が良いと思います。ライブ盤に収録されている観客の歓声が「故郷に帰れない兵士の唱和に聴こえる」というのも野田さんのアイデアでした。

本来明るいはずの曲調が悲劇的な効果を生む場面もあります。『オペラ座の夜』の宝石のようなサウンドは、いずれも彼らが創作を重ね、自分たちのサウンドを突き詰めていく過程で“発見”したアイデアであり、その多くは音楽的な発想に縛られていません。だからこそ例えばブライアン・メイのギタートラックひとつをとっても、劇中のように鹿の鳴き声やかもめの鳴き声として用いるといった、極めて音楽でありながらも、全く音楽的ではない使い方が可能なのです。

初演をご覧になった方にも、今回初めてご覧になる方にも、きっと宝物探しのような体験が待っていると思います。たくさんの宝石を見付けてもらえたら幸いです。

クイーンコメント

この度は伝説的劇作家・演出家の野田秀樹さんがクイーンのアルバム『オペラ座の夜』の演劇性を本物の舞台演劇にして下さることになり、大変嬉しく、そして光栄に感じています。

日本との長きに渡る繋がりの中で、演劇史に新たな1ページを刻むとされる作品で、日本の文化に関わることができるのは喜ばしい限りです。

ブライアン・メイ
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