園田彩乃(C)モデルプレス

プロテニス選手・園田彩乃が語る「現役アスリートとファンクラブの在り方」 批判を恐れずSNSを武器にする、新しいセカンドキャリアへの覚悟

2026.07.01 16:00

プロテニスプレイヤーの園田彩乃(そのだ・あやの)がモデルプレスのインタビューに応じた。SNSのバズを機にファンクラブ開設や写真集の自主制作など、枠を超えて挑む彼女。その背景には「怪我で突きつけられた現実」や「テニス界のシビアな現状を変えたい」という熱い覚悟があった。どんな逆風も味方につけるポジティブな生き方に迫る。

  

園田彩乃、ファンクラブ開設の経緯

園田彩乃(C)モデルプレス
― 6月にスタートしたファンクラブですが、まずは開設にいたった経緯から教えてください。

園田:ミーミューズでファンクラブをやっている人の中にテニス選手が誰もいないって聞いたので、「じゃあ私もやります!」みたいな軽い感じでした(笑)。

― 元々Instagramでサブスクリプションをされていましたよね?

園田:今回のファンクラブはちゃんとそのために撮影しているんですが、インスタのサブスクは割とプライベート系です。特に何も決めていなくて「これ投稿しよっかな」くらいの、好きに上げている感じですね。

― インスタの方はどういうきっかけで?

園田:元々インスタには、私服やスポブラでトレーニングしている様子とか日常をあげていたんです。でもある時、ナイトプールに行った時の写真をあげたらバズって。周りから「味しめたな」とか言われ出したので(笑)、「だったら400円くらいにして、見られる人をちょっと絞ろうかな」と思ったのがきっかけです。ミーミューズの方は、協力してくれているスタッフさんと一緒にちゃんと撮影もしているので、また別の雰囲気に入るのかなとは思っています。

園田彩乃(C)モデルプレス
― ナイトプールの写真は結構な数のネットニュースになっていましたね。

園田:そうですね。一緒に行った方が300枚くらい写真を撮ってくれたんです。海外の選手とかは別にそういう感じで投稿もしているんですけど、思いのほか波及してしまいました(笑)。

―バズったときの心境は?

園田:急にバズったなという感じでしたね(笑)。ネットニュースも「記事にしますね」って事前に言われるわけではないので、勝手に拾われていたし、フォロワーさんの「けしからん!」みたいなコメントを引っ張ってニュースになっていました(笑)。自分的には良くもなく悪くもなく、「勝手にバズってるな、気にされているな」っていう冷静な感じでした。引退してからSNSを頑張る方が多いので、現役でそういう投稿をしているのが珍しかったっていうのもあるかもしれないですね。

現役アスリートだからこそ必要だった「ファンクラブ」

園田彩乃(C)モデルプレス
― 園田さんはどうして現役時からSNSに力を入れるようになったのですか?

園田:テニスってスポンサーを獲得するのがめちゃくちゃ難しいんです。ゴルフなどはテレビ放映があるし知られる機会が多いと思うんですけど、テニスはほぼ地上波の放送がないし、バラエティ番組にも誰も出ない。そうなると、SNSをやった方がスポンサーがつくかもしれないと思ったのと、すでに支援してくださっているスポンサーのためっていうのもあります。

特にきっかけとなったのは、手術をして1年くらい試合に出られなかった時期に、スポンサーさんに「(試合に出られないなら)何ができるの?」って言われたことです。それまでは「試合で勝つしかない」と思っていましたが、怪我でテニスができない場合にも、何か自分に強みを持った方がいいなと思い始めました。

― アスリートだからこそ、活動のためのマネタイズを考える必要があったのですね。

園田:「お金がやばいかもしれない」っていう状態は、結構精神的にくるものがあって。私の場合はラッキーなことに、たまたまバズってサブスクがあったので、少しは安心して競技ができるようになりました。競技以外に1つ強みがあって、そこから得られる資金で競技に集中できる方が、選手としては強い気がします。
ただ、「いや、競技に集中しろよ」っていう声もあるので難しいところですけどね。なので、今回のように「ファンクラブやりませんか?」って声をかけてもらえたのはありがたかったので、挑戦することにしました。

園田彩乃(C)モデルプレス
― SNSで注目を集めたことで、スポンサーへの影響はありましたか。

園田:やっぱりアスリートなので、水着姿の写真が出てくると、スポンサー企業側が周囲から「なんでこの子をスポンサードしているんですか?」って突っ込まれて、対応が難しくなる場合もあります。ただ、今はフォロワー数が日本国内の女子プロテニス選手の中で大坂なおみちゃんに次いで2番目くらいに多いと思うので、「宣伝効果があるから」と言ってくださる企業もありますし、最近スポンサーについてくださった方はSNSで私を知ってくれたようです。両方の意味で影響がありますね。

自主制作での写真集出版の裏側

園田彩乃(C)モデルプレス
― 今年は、ファンクラブ以外にも写真集を出版。新しい挑戦が続いてますね。

園田:バズった後くらいに、ちゃんとした会社や雑誌からお声がけいただいたんです。でも、過去に他の方がされたアスリート写真集を見ると、水着姿でラケットを持つ、みたいな演出が多くて。私の中では、それだけは一緒にしたくなかったんです。水着は水着、テニスはテニス。

「オファーを受けたら、多分水着にラケットという定番のスタイルになるんだろうな」と想像したんです。その時に、「だったら自分たちで好きな写真を撮って、お金にはならなくても記念として作ろう!」となりました。

そしたら、お世話になっている整骨院の女の子が「プロデュースをやってみたいです」って言ってくれて、カメラマンさんもSNSで募集して作ることになりました。

― 全てご自身たちで制作されたのはすごい行動力ですね!

園田:たまたま整骨院の方たちがそういうクリエイティブなことに興味があって、ファンミーティングも企画してくれたんです。冊子を作るところの知り合いもいるっていうから、「じゃあ自分たちでやってみるか」と。7〜8人のカメラマンさんに「どういうのを撮りたいですか?」って聞いて、それぞれ好きに作ってもらいました。テニスって選手とファンとの距離が近くて、会場で直接差し入れを渡せるような文化なので、こういう冊子を作ってサインしてあげたら面白いんじゃないかなって思ったんです。

テニス界のリアルな現状と盛り上げたいという思い

園田彩乃(C)モデルプレス
― ご自身の活動だけでなく、テニス界全体を盛り上げたいという想いも強いのでしょうか?

園田:そうですね、どうやったら盛り上がるかなって常に考えています。プロになった時から感じているんですが、テニスの試合ってファン層の年齢が高めなので、会場であまりキャーキャー言われないんです(笑)。違う競技のアスリートの方と一緒にトレーニングした時、プライベートでの魅せ方や、見られ方への意識が全然違うのも感じました。ファンから見て「かっこいい」「可愛い」と思えるような華やかさがあった方が、もっとファンがつくのかなって思いました。

― 他競技アスリートとの交流で視点が広がったんですね。

園田:手術した時期に、テニスとは関係のない方たちと食事に行く機会があったんです。その時、初めてお会いした方に「今のテニスの日本代表って誰?」って聞かれて答えたんですけど、「知らない」って言われて。「そんなに知られていないんだ。なんでだろう?」ってショックだったんです。みなさん“テニス”という競技自体は知っているけど、プロの試合は見たことがないっていう人が多いことに気づきました。

― 先ほど仰っていた露出の少なさも課題?

園田:卓球やバドミントン、ゴルフの選手が競技以外のバラエティ番組に出ることはありますけど、テニスの人って本当に出ないんです。最近は「若手に頑張ってもらおう」という空気もありますけど、今現役でやっている私たちが盛り上げた方が、結果的に若手のためになるんじゃないかと思っています。私がこれくらい堂々とSNSで発信していれば、下の世代の子たちが同じような活動をする時に、叩かれる不安を拭えるかもしれないですしね。
セカンドキャリアもできればテニス界にはいたいんですけど、テニス界に残ったところで、それだけで食べていくのは難しいのも現状です。

― そんな実態であることを初めて知りました。

園田:錦織圭くんや大坂なおみちゃんが目立っているので、テニスは賞金がめっちゃ多いって思われがちなんですけど、4大大会(グランドスラム)にコンスタントに出られているのは一握り。国内ランキング10位以下くらいになると、遠征費も含めて結構厳しいんです。

― SNSの発信内容で気をつけていることや、コツなどはありますか。

園田:最近はほかの選手から「どうやって運用すればいいの?」って聞かれるんですけど、「自分がこの選手のマネージャーだと思って載せればいいよ」ってアドバイスしています。そうすれば、もしアンチコメントが来ても「私はマネージャーだから!」って一歩引いて受け流せるし、客観的な視点で投稿を作れるのでおすすめです。

園田彩乃、迷った時は「ワクワクする方」

園田彩乃(C)モデルプレス
― モデルプレス読者の中には、様々な不安や悩みを抱えている人がいます。そういった読者に向けて、マイナスな感情や落ち込みを乗り越える方法を教えてください。

園田:私、実はあまり落ち込んだり悲しみを引きずったりしないタイプなんです(笑)。マイナスな思考になっている時間がもったいないと思っているので、すぐに前向きに切り替えます。後悔もあんまりないですね。進路を決める時も、人のせいにすると後悔するけど、最終的に決断したのは自分だから。その選択の中で、プラスになることを見つけて後悔しないようにしています。迷った時は、先の自分を想像してみて、直感でワクワクする方を選びます。マイナスな経験も「これがあったから次に活かそう」って捉えれば、全部プラスになりますからね。

園田彩乃の夢を叶える秘訣

園田彩乃(C)モデルプレス
― 最後に「夢を叶える秘訣」を教えてください。

園田:動くことですね。考えてもいいけど、とりあえず動く。今回のファンクラブも、お話をいただいてちょっと考えてから「すぐやります!」って答えました(笑)。

― ありがとうございました。

園田彩乃(そのだ・あやの)プロフィール

園田彩乃(C)モデルプレス
生年月日:1995年10月6日、出身地:福岡県。全日本室内選手権 複 ベスト8、高崎オープン優勝などの実績を持つプロテニスプレイヤー。ファンクラブプラットフォーム「ミーミューズ(Mi-muse by Mi-glamu)」でファンクラブも開設中。
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